京都鉄道博物館 単語

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京都鉄道博物館とは、京都府京都市区観音寺町に存在するJR西日本が所有し、JR西日本の系列団体である公益財団法人交通文化振興財団exitが管理・運営する、総合的かつ日本有数の規模の鉄道に関する博物館である。

概要

まず、その誕生の経緯から説明しよう。

前身である「梅小路蒸気機関車館」は、蒸気機関車が全面的に引退間近であり、SLブームまっただ中の1972年昭和47年10月10日に、梅小路機関区(当時)の扇形庫を利用して開館した。また、 1997年平成9年)には、旧二条駅舎(JR西日本山陰本線)を当館敷地内に移築・復元し、内部を資料展示館として活用している。

一方、もうひとつの前身である「交通科学博物館」は、大阪府大阪市JR大阪環状線弁天町駅前に1962年昭和37年1月21日に旧名「交通科学館」として開館した。しかし、当館は手狭になったうえ老朽化し、新たな施設を作る必要に迫られたJR西日本は、梅小路蒸気機関車館の周囲の土地を利用して、同館を発展的に取り込む形でより総合的な鉄道に関する博物館を作る計画を立てた。

2014年平成26年)に閉館した交通科学博物館の展示車両などを移動させ、既存の梅小路蒸気機関車館と合わせ、京都鉄道博物館という新たな博物館を建設。2016年平成28年4月29日に開館した。京都鉄道博物館全体での展示面積は約31,000となり、日本最大の鉄道博物館となる。その展示車両数も最大を誇るのだが、ダブリの形式もあったりする。特に全に5両しかないC62を3両も独占してズルいぞJR西日本

もちろん、内容的にも決して他の鉄道博物館に勝るとも劣らない。特に、0系新幹線電車が4両1編成っているのは世界でもここだけである。さらに、何よりもその存在自体がの重要文化財である扇形機関庫には、実際に動くものを含めて多数の蒸気機関車が現役時代そのままの堂々たる姿をとどめており、他の館にはあり得ない希少価値だと言える。
その他にも「見る、さわる、体験する」をコンセプトに、運転台シミュレーター・閉塞システム体感の運転台付き模型・巨大な鉄道ジオラマなどなどの展示設備があり、1日ではとても回りきれないレベルである。
ホスピタリティ面も充実しており、展望のきくレストランがある他、下記のナシ20形食堂車では内で食事が可であり、往時の食堂車の雰囲気が味わえる。

入館料は一般1500円、大学生高校生1300円、中学生小学生500円、幼児(3歳以上)200円。休館日は基本的に水曜日
このほかに、団体割引、障害者割引、隣接する京都水族館との組み合わせ利用による割引等あるが、詳細は公式ホームページへ。

展示車両(プロムナード)

さて、以下は具体的な展示車両を見ていこう。梅小路蒸気機関車館時代からある機関車以外は、さらっと形式だけ紹介するので、それぞれの詳細はリンク先を見るなり、Wikipedia公式ホームページexitに頼るなりして確かめてほしい。

プロムナードは、入場門をくぐると最初に入ることになる施設。ホームを思わせる構造になっており、それぞれの時代を代表する車両を並べることで、その発展を実感できるようになっている。惜しいことに、車両によっては台車などの下回りがほとんど見えないことがある。

展示車両(本館)

プロムナードを通過して、いよいよ本館に入ることになる。車両はいずれも1階に置かれている。

展示車両(トワイライトプラザ)

本館の東には、屋根付きの独立した展示スペースがある。この屋根JR京都駅のかつての1番ホームで使用されていたものを交通科学博物館に移築し、さらに当館に移築したものである。

展示車両(梅小路蒸気機関車庫)

梅小路蒸気機関車庫は、かつての梅小路蒸気機関車館をそのままリニューアルした蒸気機関車の保存施設である。現在の展示車両は20形式21両にものぼる(2023年現在)。
なお、梅小路蒸気機関車館開館当初の方針としては、各形式トップナンバーを集めるというものがあり、それが理ならラストナンバーを、それも理なら当時の残存の中からなるべく若いナンバーのものが選定された。開館時は大正昭和期の機関車ばかりだったが、後に明治期の機関車も加わった。

そして、梅小路蒸気機関車庫は現在博物館の一施設であると同時に、梅小路運転区という現役の車両基地でもある。現在蒸気機関車5両・入替用のディーゼル機関車2両(DE10)が配置されている。特筆すべきは、別棟として新たに建設された、蒸気機関車の本格的な分解・検を可とする第2検修庫(第1検修庫は扇形庫の中にある)である。単なる保守点検のみならず、JR西日本の社全体や引いては日本鉄道界全体の技術検修・継承の場となっており、その存在意義は極めて大きい。

動態保存機は、トロッコ列車SLスチーム号」を数メートルの展示線で運転する。運転頻度は、来館者の状況によるが15~30分間隔程度である。入館料とは別途に、一般(高校生以上)300円、中学生小学生・幼児(3歳以上)100円の乗が必要だ。

また、夕刻になると機関車を切り離して転車台ターンテーブル)で方向転換し、石炭・の補給作業を行う。い巨体がグルグルと回転しながら汽を吹かす姿は圧巻である。
そして、動く機関車をじっくり味わいたいなら実は狙い平日である。メンテナンス作業や、展示の入れ替えなどが行われる場合がある。

現在梅小路運転区に籍を置く車両

動態保存車

1939年川崎車輌製。ラストナンバーJR化後は北陸本線SLびわこ号」や、山口線SLやまぐち号」など、全イベント走行を行った。D51 200の整備により、2018年5月をもって本線運転からは引退。当面は構内運転で維持される模様。

1937年川崎車輌製。トップナンバー。「SLやまぐち号」牽引に従事する。たびたびアクシデントに遭いながらその度修理されて生きつづけてきた蒸気機関車異能生存体。だが2021年現在は故障中。

1948年三菱重工業製。構内運転専用のため、「SLスチーム号」の牽引が2018年に先台車の脱輪事故を起こし、2021年現在も本格修理が受けられず留置中。

1948年日立製作所製。同上。除煙デフレクター)の『つばめマーク』により、現役時代はスワローエンゼルと呼ばれるアイドルロコであった。そのマークは健在。

1938年鉄道浜松工場製。下記の1号機に対して、標準と呼ばれるタイプ。構内運転専用であったが、引退するC56 160の代わりに本線での走行が可なように修繕作業が行われ、2017年完成。「北びわこ号」の牽引を引き継いだが、同列車止され、2021年現在は「SLやまぐち号」の予備機となる。

1914年、汽車製造製。構内運転専用。長らく動態保存としては最も齢が高かったが、現在は下記の7100形に抜かされた。

1946年立山重工業製。構内運転専用。だが、スチーム号牽引には入らず、もっぱらイベント時に動く。

1880年、アメリカH.K.ポーター製の蒸気機関車称は「義経」。元々は交通科学博物館に展示されていたが、同館の閉館により移設。2014年(平成26年)に、動態復元され、当館で最も齢の高い動態保存となった。

静態保存車

1902年、イギリスダブス製の蒸気機関車。当初はテンダ式だったが、タンク式に改造された。かつては日鉱業の専用線で使用されていた。

1940年川崎車輌製。会津若松機関区より転入。やや影が薄い兄弟たちは大井川鉄道東武鉄道JR北海道といたるところで活躍中。

1914年、川崎製。小樽築港機関区より転入。TVドラマに出演したこともある。

1927年汽車製造製。何度もお召し列車を牽引した栄の経歴を持つ。梅小路蒸気機関車館に来る前は鉄道学校で教材として切開状態で保存されていたのを、ガワだけ復元した。SLブームが起こるはるか前に引退しているので、仕方ないところ。

1928年汽車製造製。蒸気機関車一の3シリンダー方式。戦前特急牽引機として活躍したが、保守上の問題などから戦後まもなく梅小路機関区で最期を遂げた。交通科学博物館(当時は交通科学館)に動態復元されてイベント運転した後に静態保存され、梅小路蒸気機関車館開館時に転入してきた。

1935年川崎車輌製。トップナンバー旭川機関区より転入。北海道に長年いたため、キャブ(運転台)が付きに改造されている。

1938年汽車製造製。トップナンバー北見機関区より転入。かつては「SLやまぐち号」を牽引したこともある。

1946年日立製作所製。糸崎機関区⇒奈良運転所より転入。同形はSLブームが本格化する前に引退しており、その最後の生き残りの一機である。

1948年日立製作所製。トップナンバー。梅小路蒸気機関車館に来る前は、鉄道学校で保管されていた。

動態保存されているのは2号の方。1号カワイソス

1925年、日立製作所製。直方機関区より転入。新製配置が梅小路だったため、古巣に安住の地を得たわけである。実は同形の保存機は全でも2両しかなく、重な存在。

1936年川崎車輌製。トップナンバー浜田機関区より転入。煙突の後ろがカバーでつながった「ナメクジ」と呼ばれるスタイルが特徴。動態保存されているのは200号の方。1号カワイソs(ry

1946年三菱重工業製。ラストナンバー五稜郭機関区より転入。転覆の事故歴があるが、ラストナンバーの価値故かを免れて修理されている。

  • ※50系 -  オハフ50 68 

正式には保存車両ではなく、現在は来館者向けの休憩室として使用されている。外観は原形を保っている。が、内には庭用エアコンが設置されている・・・。トイレ現在使用不可。他にトイレ施設があるのでそちらへどうぞ。

  • マイテ49形 -  マイテ49  2 

3軸台車歴史ある客アメリカ提供され「LITTLE ROCK」と名付けられ改造されたり返却後「はと」「つばめ」で1等として走った。1960年5月になった後、交通科学博物館に収館されたがJRへの分割民営化を機に営業復帰、琵琶湖を回るレストラン列車や、「SLやまぐち」号のフリースペース車両として2009年辺りまで活躍した後、ずっと網干総合車両所に居た。2022年7月26日にオイランことオヤ31の京都鉄道博物館の際一緒にくっついてやってきた車両で、オヤ31の展示終了後もなぜか京都鉄道博物館に残っていた。その後2022年10月に正式に収蔵された事が明かされ、10月14日に最後の走行をSLスチーム号の走る線路で行った。現在SL機関庫で蒸気機関車とともに静態保存されている。

展示車両(本館内引き込み線)

本館の最も西側には、車両工場を思わせる2線の展示スペースがあり、キャットウォークに登って車両屋根上を見ることが出来るようになっている。営業用本線とレールが繋がっており、普段は以下の車両を展示しているが、特別展示として他の現役車両などを展示することがある。

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