介錯とは、
を指す。当記事では1を説明する。
切腹の際の苦痛を軽減するため、または切腹人が苦しむ醜態を見せないために行われる。これを行う人物を介錯人と呼ぶ。
切腹しただけでは死なずに長時間生存することが多く、さらに本人が自傷して死を早めることも実際問題としてなかなか難しかったので、すぐに終わらせられるように江戸時代ごろから介錯が行われるようになった。
介錯人には最大限の切腹人への配慮が求められた。沼田藩士の工藤行廣が江戸時代末に著したとされる『自刃録』に詳しく作法が記載されているので、以下では主にそれに沿って記述する。
首を斬る人物(大介錯)が介錯人と呼ばれることが多いが、それ以外にも短刀が載った三方を出す「添介錯」、首を実検役に渡す「小介錯」の三役に分ける場合もある。小介錯は万が一の時には大介錯や添介錯の代理を務める。
切腹人から介錯の申し出があった時には喜んではならず、また悲しんでもならず、大事であるため一旦辞退するのがよいとされていた。ただしその理由は「不調法ゆえに(下手だから)」としてはいけない。武士たるもの、斬れて当たり前ということである。
介錯の際に使う刀は大刀・脇差のどちらでもいいが、切腹人の刀、または上から給われた刀を使うことが多く、介錯人の刀は使用しない。
もともとは切腹の動作の後に首を斬るのだが、腹を切り損じて切腹人が恥をかくのを防ぐため、実際には三方の刀を取ろうとした瞬間に斬ることも多かったようだ。ただし、本人には配慮として「刀を腹に突き立てたときに首を斬る」と伝えていた。
首の皮一枚を残すのが本式とされている。この理由は「前のめりに倒れるようにするため」「死罪との混同を避けるため」「斬り落とした首の瞼や口が動いてしまうことがあり無様に見えるため」「血が一気に噴き出すのを防ぐため」など諸説がある。
ただし、皮一枚残すのを意識しすぎて何度も斬る羽目になるのは逆に無礼であるため、平均的な剣技の武士であれば一気に首を全部斬ってしまった方がよいとされていた。それでもなかなか技術的な点と、関わりのあった人物の首を刎ねるという心理的な点から一気にやるのは難しかったようだが…。
なお、『ニンジャスレイヤー』で使われる忍殺語の1つである「ハイクを詠め。カイシャクしてやる」は「介錯」の意味とされる。簡単に言うと、ここでの「ハイク」は辞世の句を指し、「カイシャク」はとどめを刺すという意味。「俳句の意味を解釈する」という意味ではない。
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最終更新:2025/03/25(火) 06:00
最終更新:2025/03/25(火) 05:00
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