『仙界伝封神演義』とは、藤崎竜による漫画版『封神演義』を原作としたテレビアニメである。1999年放映開始。全26話。
長きにわたって動画配信やDVD-BOXの再販などの音沙汰は無かったが、2018年6月末より、dアニメストアやあにてれなどの動画配信サイトでの配信が決定した。
放送当時は原作が連載中であり、『「藤崎版」を原作とし再構成したもの』と公式ページに記載がある通り、漫画とはかなり内容が改変されている。途中までは大局的に見れば同じ話をなぞっているという状態ながらも細かい中身は全くの別物、加えて終盤は完全なオリジナル展開となっている。作者曰く、漫画が正統<オルト>な封神演義(安能版)のメタな封神演義とするならアニメはメタメタ封神演義。まあ漫画が原作としてる安能訳の封神演義も原典からすればメタ封神となりうるのでメタメタどころではないのかもしれないが。
原作から大きく改変されている事や、漫画通りではなくいかにも90年代な造形になっているキャラデザイン、後述する弾き語る天化などから、原作通りの展開を期待した漫画ファンからは黒歴史扱いされがちな作品。細かなキャラの言動の違いだけでなく、元が何分特徴的な喋り方のキャラが多い作品なだけあってか、口調・語尾の違いをミスとしてしばしば指摘されている(そもそも別物として構成されている為、大きな逸脱のない範囲での口調などの改変をミスとするのもどうかと思うが)。逆に、ネットを使いだしてから初めてネット上で悪評が多いことを知り意外だった、という声も少なからずあり、連載中の原作を読みつつリアルタイムで視聴していた層と、年数が経ってから視聴した層とで意見の相違があるとも考えられる。そもそも原作が連載中な上に2クールしか尺が無く、原作にめぼしい区切りどころがないため、オリジナル展開になるのは仕方がないともいえる。また姫昌や雷震子関連の部分はオリジナル要素の中でも比較的評価されている。
一方で主題歌やBGMを始めとした音声周りに関しては幅広く非常に高い評価を得ている。特にOPの「WILL」は十数年たった今もなお個人的神曲として挙げる人がネット上に多く見られる(余談であるが、2001年、第83回全国高等学校野球選手権愛媛大会の特集番組のテーマソングとして起用された)。
また、登場キャラクターの人数が多い中で声優陣営も豪華に組まれている。
ほぼ別物なので細かい点を挙げるとキリがないが大きな点では以下のようなものがある。
あと序盤からその存在のみが示唆されていた、漫画最大の独自要素である「歴史の道標」も謎の三人組という形でアニメ独自解釈で描かれている。これらの正体については言及されていない。視聴者的解釈には伏羲・神農・女禍ではないかと考察もあるが、前途の通り詳細は語られていないため不明。
いずれもアニメのゲーム作品という名目で出されており、パッケージもアニメイラストで描かれているが、中身は完全に漫画準拠という全体的に大人の事情が垣間見える形になっている。ジャンルはRPG多めに色々、評価は大体ハードごとで分かれている。ただ、全作品に渡って趙公明が全く自重していないという点では共通。スタッフに愛されすぎだ。
ワンダースワンで発売されたRPG。時系列は漫画開始前。主人公は原典の人物を元ネタとしない完全にオリジナルキャラクターな作品である。若干時間軸に矛盾が生じるものの、キャラの再現度およびキャラゲーとしての評価は非常に高い。
ワンダースワンカラーで発売されたPRG。時系列は漫画終了より数年後。
成長した黄天祥が主人公であり、再び暗躍し始めた妲己たちを追っていく物語となっている。こちらも前作同様キャラゲーとしての評価は高いが、妲己の扱いには賛否が別れている(というか妲己は元々漫画の時点でそのラストを是とするか否とするかが人によって別れる扱いであったため、その逆を行った本作もまた賛否が別れるのもやむなしといったところか)。漫画において太公望が作り上げたシステムを信じるか疑念を呈すかの選択肢がいくつか発生し、それによりEDが二つに分岐する。太公望は隠しキャラ。
GBCで発売されたSRPG。物語は漫画の仙界大戦決着直後からスタートし、謎の陣「蒼州列島」からの脱出を目的として戦い進めていくこととなる。
タイトルが示す通り、漫画未登場だった原典の人物である準提道人をキーパーソンとし、彼を取り巻く本作の完全オリジナルキャラクターと関わりを持っていく。評価の極端なWSソフト系列とPSソフト系列に挟まれて空気気味だが、作品としては手堅い作りとなっている。シナリオ分岐やキャラの取捨選択、会話差異などが多い周回プレイを前提とした作品。あと攻略本にないアンニュイ学園EDが存在する。
PSで発売されたRPG。漫画の仙界大戦までのストーリーをアニメとはまた異なる運びで再構築した作品。
各キャラを主人公とした章分けシナリオの後、一つのストーリーへとつながる形となっている。妲己最終形態がアニメからさらに(エグい方向へ)グレードアップした。ステータスがオーバーフローするバグも存在し、エンディングは後味の悪いものとなっていることなどからその評価はクソゲーの一言に尽きる。テラ子安。
PSで発売されたサウンドノベル形式のソフト。その評価はバカゲーの一言に尽きる。各キャラのセリフや演出などを自由に組み合わせて独自の物語を作っていくゲームであるのだが、ギャグ台詞も充実しておりプレイ次第ではとにかくカオスな事態が出来上がる。テラ子安。
掲示板
95 ななしのよっしん
2023/09/04(月) 22:37:50 ID: oPzoPSXnMD
・原作では後半モブ扱いになってた雷震子が最後までレギュラー
・黄飛虎・天化・聞仲が最後まで生存
・妲己三姉妹にちゃんと罰が下ってる
この点は評価したいわ。
96 ななしのよっしん
2023/09/16(土) 22:05:46 ID: JdgkOzTZB8
着地点自体は漫画に結構近いから脚本は頑張ったと思う道標は完全に消えてないけど渋々とはいえひとまずは手引いて太公望警戒しつつ人間に任せて様子みようという感じだし
エピローグでさっきまで敵対してた原始天孫がヨウゼンと仲良く碁打ってた場面が善悪そう単純なものじゃないというのを表してて地味に良かった
97 ななしのよっしん
2023/11/12(日) 06:49:59 ID: W0dV/7Pt3q
仙界伝を黒歴史扱いしてる人にどこが黒歴史なのか聞いてみたい。
自分はかなり好きだったから。
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最終更新:2024/04/25(木) 13:00
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