代替医療単語

ダイタイイリョウ

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代替医療とは、通常の医療行為(日本であれば西洋医学保険適応となっている東洋医学)以外の医療のことを示す。

概要

代替医療とされる治療法の多くは、西洋医学による限界摘し、気や霊の、あるいは鍼灸ハリなどと言った東洋医学の系統によるものである。また、サプリメント類と言ったものも時折これに含まれる。

なお、日本統合医療学会という多少胡散臭い団体によると、『現代西洋医学領域において、科学的未検証および臨床未応用の医学医療体系の総称』とのことであり、結局、効くか効かないか分からないもののことを示している。

一般的に、医学的に十分な効果が認められれば保険適応として治療に取り込まれることは知っておきたい。

代表的な代替医療の例

ホメオパシー

詳細はホメオパシーの項を参照のこと。代替医療では最も検討が進んでいるが、結局プラシーボ効果(偽効果)しかないことがわかっている。

漢方

え?と思われる方がいるかもしれないが、漢方も代替医療の一つである。

一部の漢方は現代医療に取り入れられているが、多くの漢方薬について科学的な検討が不十分なのが現状。特に、本当に効果があるのかいのか分からないようなものが漢方専門薬局で扱われることもある。

医療に導入されている漢方薬(大建中湯など)については、販売元のツムラなどがデータを蓄積しており、今後の研究が待たれる。

鍼灸

東洋医学として非常に有名なもの。体の特定の部分に鍼を刺すことにより、体の様々な異常を治療する、という伝統医学である。

特に発祥の中国にて科学的検討が行われ、それが認められてWHOに伝統医学として認定はされているが、再現性に乏しい研究が実は多いことが問題となっている。WHO認定制度そのものが抱える問題が大きい。特に『プラシーボ効果を除けば本当に効果があるのか?』の検討が不十分なのが現状である。

ツボ押し

こちらも東洋医学として非常に有名。体の特定の部分にあるツボを押すことにより、鍼灸などと同様の効果を得る、というものである。

こちらもまたプラシーボ以外の効果について疑問符が付けられており、科学的検討が不十分である。

なお、もみ健康法というツボ押しに多少近い健康法があるが、ツボ押しとは何ら関係ないし、そもそも立エセ科学としてすでに認定されているので要注意。

○○酵母・酵素

健康食品TVショッピングで度々出てくるものである。この○○酵母/酵素を摂取すると様々な効が得られる、という宣伝がなされている。所詮は『あくまで個人の感想です』。酵母がどのような生物なのかを考えてもらえば、色々と理がある話だと理解できるだろう。でも○田酵母とか結構売れてるらしいね…。

カイロプラクティック

カイロ』はギリシャ語で『手』、プラクティックは『技術』。つまりは手で色々と体を整える技術のことである。

内外で効果を確認する論文が確かに複数存在するが、結局『本当に効果があるの?』という点がかなり疑問符で、日本では資格化されていない(するだけの価値がい)ためでも施術出来る。そのため、非常に低質な施術による事故も散発している。

あくまで『効果はあまりないが、危険性も低い施術』という認識が内外の基本的な見方といえる。

気功(『気』による治療全般)

中国発祥の民間医療の一つ。

体内の『気』をコントロールしたり、あるいは内部の悪い『気』を放出し、体外の良い『気』を取り入れたりすることにより、健康を保ったり体力を養うことを的としている。程よく体を動かすことに繋がるため、現地では健康法として広く認知されている。

科学的に果たして効果があるのか、は議論されたが、結局のところ否定的。気功に関する研究イグノーベル賞を受賞したことがある。日本では『手かざし』の事件が有名。

ちなみに、子宮頸がんワクチン接種再開に猛反発してるTVでも有名な小児科の某先生、気功で患者を治す病院で働いてるそうですよ。その時点でお察しですね。

デトックス

トックスは医学的な意味と健康食品メーカーでは意味が違うことをまず理解して欲しい。

医学的なデトックス:急性物中や異物誤飲の患者に対して洗浄や透析などを実施し原因物質の排除を図る治療のこと

代替医療的なデトックス:体に溜まっている「素」をに皮膚から排出することで健康す行為

この項では後者について触れる。一見するとデトックスはれっきとした効果がある行為だと思われるかもしれないが、よく考えて欲しい。素」とは何なのか?と。多くの会社のでは細かくは触れられていない、というか、触れるだけの根拠がい。

もしも代謝産物がそれだというのなら、代謝産物は血流やリンパ管を経て排除される仕組みが人体には既に備わっているし、そういった代謝産物を積極的に「皮膚から」排出する仕組みは人間にはない。を用いた排出は非常に微々たる量であるし、尿と同レベルになるように強引に大量のを出すことはかなり難しいだろう。まぁ、100歩譲ってマッサージは血流・リンパ流の観点から多少は効果があるといえる。

そのため、特殊なシートを貼り付けたりすることによって体外に取り出そうとする試みはど、というか全く効果がない。悪質なメーカーになると、「皮膚に貼ると色に変色するだけのシート」の色の変化を、あたかも「この汚いのがあなたに溜まっていた素です!」と宣伝するという裏もあったりする。

また、多量に分を摂取し、尿を大量に出すことにより「素」を出すという行為もデトックスに含まれることがあるが、分を大量にとっても、薄い尿が大量に出るだけであって、代謝産物が沢山排出されやすくなるわけではないことは覚えておきたい。

にんにく注射

体力回復的のビタミンB類の点滴治療のこと。にんにくに同成分が豊富に含まれるためこの名称で呼ばれることが多い。(医学的なビタミン欠乏症による症状に対する治療は除く)

かつて、元サッカー日本代表のFW我那覇和樹(現・カマタマーレ讃岐所属)がこの治療を受け、ドーピングとして認定されて日本サッカー界から追放されたことで話題になった。が、実際はビタミンB類は肝臓に十分量貯蓄されており、欠乏症でないかぎり注射で補うことには何ら効果がなかったりする。あくまでプラシーボ効果でしかない。

なお、このドーピング認定スポーツ仲裁裁判所によりJリーグ側の判断ミス認定され、選手に対して慰謝料が支払われている。

アガリクス

南米などに生えているきのこ類のこと。このキノコには強い抗作用(厳密には免疫を強くしてガンと戦う効果)がある、として一時期TVネットで大きな話題となった。

が、実際には試験管内や動物実験での効果が多少あるかな、と摘された程度で、人体においての有効性はかなり微妙、というか効果なしに近い。

そのことが広まったせいか、今では一部の業者が販売を続けるのみでかなり下火となっている。

フコイダン

昆布ワカメと言った藻類に含まれる食物繊維(糖類)の一つ。抗作用など様々な効果があると謳われている。

海外では較的評価されているものであり、内でも一部国立大などで研究が行われているが、いずれの効実験レベルの域を出ないのが現状で、医学的な効果についてはど実されていないし、逆に危険性すら摘されている。

こちらは現在進行形研究が進んでいることもあってか、健康食品メーカーによる宣伝が未だに多く見られている。個人的には産学連携を上手い形で代替医療の宣伝に利用している印が強く、これが本来の産学連携の標だったのか、と思ってしまう。

EM菌

琉球大学比嘉農学部教授により生み出された有用微生物群Effective Microorganism)の略である。この菌が出た当初は河川浄化作用などを軸とした環境浄化作用が謳われ、多くの自治体環境善のためにEM菌を用いた製品を購入し使用したが、後に岡山大など多くの大学による研究の結果、EM菌には環境浄化作用はないということが判明した。

それでも、比嘉教授EM菌を扱う会社によると(wiki丸写し)、

常識的な概念では説明が困難であり、理解することは不可能な、エントロピーexit法則exitに従わない波動exit」である「重力波exitと想定される縦波exit」が「低レベルエネルギーを集約」し「エネルギーの物質化exitを促進」する、この「魔法exitオカルトexit法則に類似する、物質exitに対する反物質exit的な存在」である「蘇生法則」ことシントロピー現EM本質的な効果

であるとのこと。

…何言ってるか分からない?うん、すまない。編集してる自分もわからないんだ。端的に言うと、EM菌は自ら認めている通りのオカルトなのであるお察しの通り、すでに新興宗教と化してしまって、放射脳患者や反西洋医学的な方々と共闘するような時代である。

医学分野にも最近になって進出。放射能を吸収するだとか、これを赤ちゃんに飲ませると健康になるだとか(赤ちゃん細菌の塊を飲ませるのは殺人行為ですよ!)、もはや常軌を逸しているとしか言いようがい状況である。それでも騙される自治体が今だに出る辺りに闇の深さを感じてしまうのは自分だけだろうか。

なぜ代替医療が問題になるのか?

これら代替医療は度々問題となる。

その最も大きな原因は『効果が十分に明されてない』『すでに効果なしと分かっている』にもかかわらず、『とても効果がある』として宣伝されることだろう。

日本事法は非常に規制が緩く、『あくまで個人の感想です』というテロップがこっそりと入っていれば事法に抵触しない。そのため、いかにもな体験談を視聴者に押し付けることにより、この人と同じように効果が出るはずだ、という錯覚を引き起こすことが可。なお、そういう体験談を執筆する専門のライター実在することは意外と知られていない

また、これは東洋医学系の施術者に多いのだが、自分の施設の収入を増やすことを的として、『西洋医学では病気は治らない』といった趣旨の宣伝を行っているケースが見られる数字で裏打ちされた明らかに根拠がある治療法を否定し、そもそも本当に効果があるのかすら、という治療法を推し進める施術者が問題になっている。

他、これら代替医療は反西洋医学を信条とする人間にとっての強い攻撃用ツールとなっている。西洋医学において何かしらの問題(副作用や手術ミスなど)が発生すると、『西洋医学はこれだから危険なんだ、○○療法をしないからこうなるんだ』などという喧伝が、施術者以外の第三者からなされることがある。

代替医療に向けてあるべき消費者の態度

代替医療は結局のところ、効くか効かないかがよくわかっていなかったり、そもそも効果が否定されているものが非常に多い。これらのものを利用しても、たいていのケースではプラシーボ効果しか得られるものがない。それでも良いなら手を出しても良いが、以下に挙げるような態度は常に持っておきたい。

1.その根拠は何か?

2.その根拠の妥当性は?

3.それは自分にとって利益になるか?

TV新聞ネットからの情報みにする人ほど、悪質な代替医療の餌食になる傾向が強いのは言うまでもない。問われるのはあなたの科学的思考です。

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