仮面ノリダーとは、「とんねるずのみなさんのおかげです」の名物コーナーである。
そのタイトルが指すように、「仮面ライダー」のパロディコント。
1988年春のスペシャルで第1話が放送され、半年後にレギュラー放送を開始し、1990年4月まで続けられた。
その後もスペシャル放送が3回行われている。
内容は、本家同様に、木梨憲武が役名「木梨猛」としてノリダーに変身し、石橋貴明が悪の秘密組織「ジョッカー」の怪人役に扮して戦う。というよりも、じゃれ合うと言った方が適切かもしれない。
しかしパロディコントといっても
など、本家を意識し、雰囲気をぶち壊さないよう徹底された作りで、初代「仮面ライダー」直撃世代の大人たちや、スーパー1からBLACKまでの空白期間に少年時代を過ごした青年たち、また同時期に放送されていたBLACKの怪奇性についていけなくなった子どもたちをも巻き込み、大人気となった。
平成仮面ライダーシリーズの主要キャストにも、「本家を知らなくてもノリダーならよく見ていた」という人が少なくない。
その辺にいた少年少女合唱団が歌う主題歌「仮面ノリダーぶっとばすぞのテーマ」も、イントロだけでなく、木梨の歌い方も「レッツゴー!ライダーキック」に似せて作られ、当時の子どもたちを中心に「ものまねのものまね」が流行した。
基本は仮面ライダーのパロディだったが、「ウルトラセブン」のカプセル怪獣を基にしたと思われるちびノリダーも登場。演じていたのは、のちにカロリーメイトのCM「ワカゾー編」やTVドラマ版「電車男」などで活躍する伊藤淳史。
しかし子どもなので、石橋が鼻水たれてるから拭いてやるよと呼び寄せて騙し討ちをするのが、半ばお約束だった。ちなみに、伊藤淳史本人はちびノリダーとして出演していた当時の事を、あまり覚えていないらしい。
♪ねーぎとろ巻き巻き、かーいわれ巻き巻き、巻いて巻いて、てー巻き寿司~♪
を唱和したのちに、本家新1号を模した「へーんしん、かめーん、のりだっ、にん。とぉぉっ!」と唱える。
たまに、名前に「マキ」を含む有名人の名前での替え歌や、こちらもなぜかスーダラ節をイントロにして変身したこともある。シリーズ中盤以降は、石橋の妨害で全部言いきれずに変身することも増えた。
余談だが、この変身手順のおかげで、実際にとんねるずがミツカンのCMに出演していた時期がある。
また、1997年の「おかげです」最終回スペシャルでは、スーダラ節は変身プロセス2番と明言された。
1990年にいったんレギュラー放送を終えた後、年末スペシャルで「仮面ノリダーV2」と題した続編が放送を開始。しかし、主要メンバーのスケジュール調整が難しくなったために、不定期かつ半年間限定の放送となった。
こちらの変身手順は、「ひみつのアッコちゃん」のように、コンパクトに「大丈V」とVサインを見せてベルトを出現させ、一発ギャグを叫んでから飛び上がる。本家「龍騎」の変身方法の元になったかは不明。
他にも、「V2」最終回のエピローグで、シリーズ第3弾を思わせる描写や、
本家「アマゾン」を基にした「仮面ノリダーガンジス」の企画もあったが、どちらも未放送に終わっている。
そして、平成から令和へと変わった2019年7月26日公開の劇場版『仮面ライダージオウ Over Quartzer』において仮面ノリダーこと木梨猛本人が出演するという観客に衝撃のサプライズが話題となった。
また同日、木梨憲武さんが奥野荘さんとの2ショットをInstagramに投稿している。
理由は、原作者である石ノ森章太郎、版権保有者である石森プロと東映、いずれにも許可なく放送を開始したため。
石ノ森章太郎本人は楽しんでいたようだが、東映からの不快感と反発が強く、ビデオ商品の販売を禁止された。
特にBLACKのプロデューサーであった吉川進は「とんねるずがくだらないパロディばかりやるから、真面目に作るのが馬鹿馬鹿しくなった」「ヒーローのパロディ化はヒーローの否定につながる」と、シリーズ断絶の原因として名指しで批判している。
しかし東映側も世代交代が進み、ノリダーを視聴していた世代の社員や製作スタッフが増え、不快感が薄れた事や、前述のような徹底ぶりに、本家に対して愛着と敬意がなければあそこまでできないと、スタッフの全力の悪ふざけを認めている部分もある。さらに、平成ライダーシリーズの出演俳優もノリダーをみて育った者も多く、その上仮面ライダーシリーズ自体がノリダーが無ければ終焉を迎えていた可能性も1990年代にはあったため、ノリダーは仮面ライダーシリーズの命脈を2000年代まで繋げ、平成ライダーシリーズの誕生に繋がったのである。要するにノリダーの存在が仮面ライダーを救ったということになり、逆に言えばノリダーという存在が無かったら「オンドゥルルラギッタンディスカー!!」「乾巧って奴の仕業なんだ」「おのれディケイド」などといった名言も生まれなかったのだ。
近年は、過去の総集編等の放送に関して、「協力:石森プロ・東映」のテロップが表示されるなど、放送当時に比べ緩和されている。ただし、現在でもビデオ・DVDの販売は認められていない。もっともビデオ・DVDが販売されない理由は前述の経緯だけでなく、とんねるずが出演していた番組の版権自体が複雑な関係にあり、かつ厳しく管理されていることも原因の一つにあると考えられるが。
なお、今現在「仮面ノリダー」の商標は東映が保有しているという噂がある。もしかしたらもしかするかも…?
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最終更新:2024/04/18(木) 17:00
最終更新:2024/04/18(木) 17:00
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