伊予灘ものがたりとは、2014年7月から土休日を中心に松山~伊予大洲・八幡浜間で運行されているJR四国の観光列車である。
四国初の本格観光列車として登場。
伊予市~伊予大洲間は予讃線の海線とも呼ばれる瀬戸内海に沿った美しい景色を楽しめる愛ある伊予灘線経由で運転される。レトロモダンな車内では事前に予約すれば併食サービスを受けられるほか、アテンダントと地元住民の暖かいおもてなしを受けることができる。
特に地元住民の歓迎は伊予灘ものがたり号がやってくると野球なども一時中断して手を振ってくれる。なお、全席グリーン車指定席である為、普通列車ではあったが青春18きっぷでは乗車できないので注意。
キハ185系化に伴い種別が特急に変更されている。特にスピードアップ等は行っていない。
伊予灘ものがたりの一日は県都・松山から伊予の小京都・大洲へ向かう便から始まる。朝ごはん代わりのプレート料理とスープ、コーヒーを味わいながら列車に揺られ、『いい日旅立ち』で知られる下灘駅で途中8分停車。伊予灘の海を眺めながら伊予大洲駅に到着する。
伊予大洲に30分ほど停車したら一度松山に帰還する。これが双海編である。出てくる料理は二段重ねのお重(!)。を食べながら下灘駅に止まる前に上灘駅にも停車。上灘駅のホームでは地元のおばちゃんによる押し売り地元産農産物の販売がある。ただし、地元特産品販売があるのは双海編、それも日曜日のみ。
松山に13時半ごろに着いたら今度は大洲のさらに先、港町・八幡浜に向かう。出てくるのは洋食か和食のコースが入った弁当。おかげで八幡浜編は四つの便の中で一番料理が高価である。
『伊予灘ものがたりのクライマックス』と銘打たれているが、その名は伊達ではない。八幡浜を16時過ぎに出た伊予灘ものがたりは17時過ぎに下灘駅に停車。沈んでいく夕日をゆっくり堪能できる。なお伊予灘ものがたりの運行時間内に夕日を楽しめるのは10月から3月というのは内緒
改造種車となったのはキハ47形寒冷地仕様のトップナンバー、キハ47 501とキハ47 1501。2011年に廃車後長らくの間解体されずに留置されていたが、多度津工場にて改造され
としてよみがえった。キハ47形では初めてのグリーン車格上げであり、1400番台は伊予にかけている。
車内は海向きのカウンター席と2人用対面席、4人用ボックス席で構成され、どの席からでも海が見えるように山側は座席が一段高く設置されている。お洒落で落ち着くその内装はまるでホテルのロビーラウンジを思わせる。
前面スカートにはスピーカーが内蔵されており、駅到着時と出発時、徐行運転時にはミュージックホーンが流れるが大音量のメロディーを流しながら走る姿は街宣車を連想させなくもない。
ミュージックホーンの項目で追加したが危険な時に鳴らす警笛とは違うのでミュージックホーンなのか少し悩む所。
後述するが車内は原形をとどめないほど大改装しているにもかかわらずエンジンは原型のDMF15HSAのままであり、少しずつ数の減ってきた独特なエンジン音を楽しむこともできる。
八幡浜側の車両であり、伊予灘のクライマックスである夕日をイメージした赤い塗装。
パンフレットなどでは下灘駅と合わせて、こちらの車両が登場することが多い。落成当初から洋式便所と洗面所が設置されていたが、後に女性用便所が増設されている。
松山側の車両であり、太陽や柑橘類の輝きを表す黄金色に塗装されている。
上記の通り、パンフレットなどの写真ではキロ47 1401側が主に採用されており、こちらの写真は少ない不遇な子。[1]
車端部にアテンダントが常駐するダイニングカウンターが設置されており、お土産や飲食物の購入が可能。記念スタンプもこちらの車両に設置されている。
どんなに改造しても所詮はキハ47、車齢43歳(※2021年現在)のおじいさん車両である。現行のキハ47系1400番台での運航は2021年12月27日で終了し、翌22年春からはキハ185系3両を改造して二代目として運航するという発表がなされた。こいつもミュージックホーン?を搭載されている。
伊予灘ものがたりの始発駅。松山運転所が併設されており、到着列車のスピーディーな引き上げや入れ替え作業、列車の縦列停車など眺めていて楽しいが松山駅高架駅化の為、その光景が眺められる日はそう長くはない。伊予灘ものがたり到着前には伊予灘ものがたりのテーマ曲がホームに流れ、出発時はJR四国社員とグループ会社社員が手を振って見送ってくれる。
双海編では運転停車中にドアが開きホームへ降りることができる。
犬のリセ駅長と猫のトラ副駅長に挨拶をしよう。
ふたみシーサイド公園(道の駅ふたみ)も当駅から徒歩で約6分ほどでアクセスできる。
言わずと知れた「日本一海に近い駅」実際は国道378号線が目の前を横切っているのでそんなことはない。伊予灘ものがたりのハイライトであり、全便ともに8~10分程この駅で停車するのでゆっくり駅から絶景を楽しむことができる。
開業時からのこじんまりとした可愛らしい駅舎の前には二人で座ると体が必ずくっついてしまうV字型の“ラブラブベンチ”が設置されている。決して男同士で座ってはいけない。
なお余談ではあるが近年観光客が急増した為、下灘駅周辺での路上駐車が問題となっている。駐車場が満車の時は隣の伊予上灘駅からほど近い“道の駅ふたみ”に車を止め、伊予上灘駅から列車で来よう。
本数は決して多くはないがホームでのんびり瀬戸内海を眺めて列車を待つのもこの駅の醍醐味だ。なにより下灘駅の持ち主であるJR四国の収益にもなり路線維持にも繋がる。
串を通過するとすぐに青春18きっぷのポスターにも採用され、撮影地としても名高い本村橋梁に差し掛かる。速度を落としゆっくり渡るので沿線の人々に手を振ろう。
ホームの途中で伊予市と大洲市をまたぐ。
アテンダントさんが描いた特製の看板が市境に設置されており、通過駅ではあるが市境で一旦停車してくれる。
2面3線の駅だが真ん中の2番線は信号設備が撤去されており列車が入ることはない。双海編では運転停車中にドアが開き、ホームへ降りることができる。ここで瀬戸内海に別れを告げ、列車は伊予大洲まで肱川に沿って進む。出発後すぐに現役では日本最古の道路架道橋「長浜大橋」を見ることができる。日曜日の双海編ではこの長浜大橋が上に跳ね上がった姿が見られる。
かつては内子線との分岐駅であった1面1線の小さな駅。内子線起点駅であった面影の2,3番線ホーム跡が残る。通過駅であるが名物のたぬき駅長と地元住民がお出迎えし、ホームから手を振ってくれる。運がよければ子たぬき駅長も見ることができるかも?
大洲編はこの駅で双海編となり折り返していく。
伊予大洲を出発してすぐに差し掛かる肱川橋梁は八幡浜編のハイライトであり、撮影地としても人気が高い。ミュージックホーンを響かせゆっくり川を渡っていく。川に人がいれば手を振ってくれるぞ!
山側車窓からは大洲城を望むことができる。
住宅と田んぼに囲まれた2面2線の駅。八幡浜編では運転停車中にドアが開きホームへ出ることができる。
八幡浜編の終着駅であり到着後、道後編となって折り返していく。伊予灘ものがたりのデザインに合わせた待合室が設置されている。
九州への玄関、八幡浜港フェリー乗り場へは駅から車で約7分、徒歩で約23分。乗り場のすぐ近くに『道の駅みなっと』があり、地場産品の即売場になっている。
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最終更新:2025/12/07(日) 20:00
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