俺の屍を越えてゆけ2とは、PlayStation Vita専用ソフトである。
プレイステーション用ソフト「俺の屍を越えてゆけ」の続編作品。
1同様、短命な一族が神々と交わり子を成し血を繋げていく血脈RPG。
そんなふうに考えていた時期が俺にもありました。
桝田省治氏作のライトノベル「鬼切り夜鳥子」のキャラクター「夜鳥子」が登場する。
あらすじでは「晴明に殺された一族が復讐する物語」のように見えるが、実際の物語は終始夜鳥子を中心にして展開するため、夜鳥子が事実上の主人公となっている。そして物語上での一族の存在感は刺身のツマや食用菊にすら劣る。
時は平安中期。
突如発生した大地震を皮切りに、天変地異が次々に襲い、都は荒れ果てていった。
そんな中、天変地異を神の祟りと恐れた者たちの手により、
帝に仕える武家一族が人身御供の名の元に、一族郎党、女子供まで無実の罪で惨殺される。
無残にも河原に並べられた、一族のされこうべ。
そこへ“黄川人”と名乗る天界の使いが現れ、一族のされこうべに問いかける。“黄川人”はさらに、一族に二つの呪いが掛けられていることを告げる。
ひとつは、常人の何倍もの速さで成長し、わずか二年ほどしか生きることがかなわない『短命の呪い』、
もうひとつは、人との間に子を成すことができない『種絶の呪い』。一族は惨殺を謀った者への復讐をするべく、
一族に掛けられた二つの呪いを覚悟した上で“黄川人”に蘇ることを望む。
復活を遂げた一族のされこうべは、復讐への力を蓄えるべく、全国へと散っていった。
基本的なシステムは前作同様。
迷宮に蔓延る鬼どもを倒して経験点や奉納点を稼いだり、稼いだ奉納点で神々と交わり子を授けて貰ったりして一族を維持しつつ強化し、最終的に一族の怨敵を討ち果たすのが目的となる。そんなふうに(ry
前作『俺の屍を越えてゆけ』は主役となる“一族”の人間が神々と交わって次世代の戦士を作って行きながら目的を果たすという非常に個性的な作品であり、この一族と神々の交配させる事で次世代のキャラクターをメイキングし、それを繰り返していく事でそのプレイヤー独自の“一族”の系譜を紡いで行くという斬新なシステムは好評を博して本シリーズは多数のコアなファンを獲得した。
以降はリメイクを含めて第一作でシリーズは止まっていたが、2012年には続編となる2の発売が告知され、そして前作から15年近い年月を経た2014年に発売された『俺の屍を越えてゆけ2』であるが、いざこれが発売されるや“一族の存在を蔑ろにするかのようなストーリー”、“前作と比較しても理不尽なゲームシステム”などの様々な問題が発覚、シリーズファンから凄まじい不興を買う事になり、一部では炎上に近い騒動にまで発展した。
“2ちゃんねる”の携帯ゲーRPG板では早々に本作の“葬式スレ”が立ち(前作のPSPリメイク版の時点で存在していたが、1スレすら消費していなかった)、それが発売からわずか1~2ヶ月で100スレを突破するという異常事態になっており、当記事の掲示板も本作発売以降は批判的な意見が占めるようになった。
まず発売の4ヶ月ほど前に体験版が配信されたのだが、体験版配信直後より本作における“一族”のキャラクターグラフィックが前作よりも劣化しているといった不満の声が一部では上がっていた。
この時はあくまで一部の反応でしか無いと取られていたのだが・・・
その後、本作は正式に発売されるも、それから割りと早い段階でこのゲームをプレイしたユーザーからはゲームシステムそのものに大きな問題があるという指摘が多く出るようになった。
特に本作におけるダンジョン周りの仕様はかなり理不尽で、ダンジョンの規模が前作に比べて異様に大きくなっているのに対し、そのダンジョンの先に進むための鍵の配置がいい加減なためそのダンジョンを攻略するには“一族”の世代を跨がなければならないなんて事も珍しくはなかった。
また、交神用の神々が堕天、鬼神化して交神リストから消えてしまう頻度が本作では妙に増えており、これを再び神に戻すため何度もその鬼神(ボス)を倒さねばならず、たとえその神に天に戻してもまたいつの間にか鬼神化しているという事もザラであるなど、前作に比べて交神タイミングの自由度は著しく失われ、本シリーズのコンテンツの一つであった交神リストコンプリートの楽しみも阻害しているともされた。
さらには進行中に画面がフリーズしたり、イベントフラグの不成立といったシステム面の欠陥(バグ)もいくつか報告されており、後に修正パッチが配布されたもののそれ以降もこういったトラブルの報告はしばらく後を絶たなかった。
なお、進行不能バグは未だに無くなっていない。
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ここから先は本作のネタバレ要素が含まれています。 |
何よりユーザーの間で深刻視されているのがストーリー上において物語途中で参入する“夜鳥子”の存在である。
あくまで本シリーズは“一族”の物語であるべきというのが俺屍シリーズのファンの共通認識であり、発売前の情報では“冤罪で一族を滅ぼした上に呪いまでかけた阿部晴明への復讐を果たす”というのが基本的なあらすじだった。
・・・はずなのだが、夜鳥子が登場してからは前述の通り夜鳥子がいないとストーリーが進まなくなり、他のNPCもほとんど夜鳥子の関わる話題しかしなくなるなど、どんどん話の方向が“彼女の失われた記憶を取り戻す”事にシフトしてしまい、肝心の“一族”の目的は“そのついで”に近い状態になってしまうという、いくらキーパーソンとは言え完全に夜鳥子を中心に回っているかのようなストーリー展開に多くのユーザーの不満は爆発した。
さらに話を進めていくと挙句の果てには今回の事件の発端が“夜鳥子と阿部晴明の因縁にある”事が判明する。
こういう展開は確かに前作でもあったのだが、それが本編で彼女の責任として追及されるような場面はなく、逆にそれについてプレイヤー側が彼女に咎があるかのような選択肢を取ると本シリーズは“憎悪から来る復讐劇”であるはずなのにそういった負の感情を卑下するかの如くこちら側が鼻で笑われる事になる。ちっちゃ
結局、この“一族”と夜鳥子の扱いの格差は最後まで解消される事のないまま物語は完結してしまい、新しい“一族”の物語を期待していたユーザーの信頼を大きく裏切る結果となった。
夜鳥子自体、キャラクターとして見てもお世辞にも好感が持てる性格とは言えず、“一族”との交流もどこか無味乾燥で、そもそもの原因が自身と晴明の確執にあったにも関わらずその事について悪びれる様子もなければ“一族”を巻き込んでしまった事への詫びらしい詫びもないなど、いかに彼女の過去が掘り下げられてもほとんど感情移入が出来ないと、とても客観的に褒めそやせるキャラとして出来ていないのもユーザーからの反感を買う大きな要因となっている。
プレイヤーの間ではむしろ彼女に振り回された晴明の方に同情する声もチラホラあったり。
概要にもある通り、もともと夜鳥子とは桝田省治原作の小説『鬼切り夜鳥子』から流用された半ばファンサービス的なゲストキャラクターのような存在でありながら、本作においては主人公である“一族”を差し置いて話の中心に座ってくるため、本作をプレイしたプレイヤーからの彼女の印象は最悪の一言といっても過言ではなく、ほとんどの俺屍ユーザーの間では「鵺子」「鍋」(後述する一族の嗜好変化の問題が由来)という蔑称同然の呼称で呼ばれ、もはや原作者が作ったメアリー・スー的な存在として扱われるようになってしまった。
ちなみに彼女の存在がここまでストーリーに関わってくるという情報は発売前には一切公開されていなかった。
それだけでなく、本作では前作とは打って変わって味方である(はずの)神々どころか敵側を含めた一部キャラクターも基本的に夜鳥子(とその伴侶)の事にしか触れない(しかもその内容もほとんどが彼女達を持ち上げるだけの賛辞で占められている)という、“一族”の存在などまるで無視しているようなセリフが非常に多くなっている。
前作から続投した神々すら本作ではだいたいそんな感じになっている上、その過程で今までの設定および背景が前作から変更されたキャラクターもいたりと、根底レベルで完全に夜鳥子中心の世界観に作り替えられてしまっており、前作でそのキャラのファンだった人間は以前までの設定やイメージが否定され、加えて本作でその神々が夜鳥子らに関する事しか話さない状況に失望を感じ、一部ではこの雰囲気を“夜鳥子夫婦ハーレム”などと揶揄されたりもした。
発売前はとにかくプレイヤーの自由性を謳っていた本作であったが、本作でストーリーを進めるにはとにかく夜鳥子をパーティに入れる必要があり、それによってこちら側のパーティ編成の自由度は下がってしまうなど、夜鳥子の存在がこちら側のプレイスタイルに悪影響を及ぼす事も問題視された。
そもそもパーティキャラとしても彼女もまた2年で死亡してしまうので前述のストーリー進行のためにはこれまた“一族”の強化に必要な“奉納点”を消費して彼女を蘇らせなければならず、しかもダンジョンクリアで得られる奉納点が前作より少なくなっていながらその上で一族育成のためではなく夜鳥子の復活に捧げるための分を確保しなければならないというのもこちらのプレイスタイルを圧迫する要因となっており、加えて彼女自身がもともと強くないにも関わらず彼女は交神不可能という設定なため、より強いステータスを持つ子孫を作る事もできないと、こちらのプレイアブルキャラクターとしてはかなりお荷物感の強い存在なのもプレイヤーにとっては大きな不満要素となっている。
その影響は“一族”の生活面にも及んでおり、家族写真を取ればいつの間にかその写真の中に映り込んでいたり、彼女と共に生活していると彼女の好物である「鍋」料理が“一族”の他の人間の好物になっていたりと、プレイヤーが思い描く“一族”のイメージすら夜鳥子によって上書きされてしまうケースもあった。
しまいには今までの“一族”の戦いを振り返るエンディングにおいても彼女をパーティに入れないとストーリーが進まないという仕様上、“一族”に混じっている彼女の活躍シーンを延々と見せられる事もあったりと、プレイヤーはクリアしてもなお夜鳥子の影に悩まされる事となった。
ちなみに一族の人間が死ぬ間際に残す遺言は各キャラでせいぜい4~5個くらいなのだが、夜鳥子に限っては100個以上設定されている事も理解に苦しむものとされた。容量と林原めぐみの無駄使いにもほどがある。
この騒動にさらに多くの火種を巻いたのが原作者である桝田省治ら制作側の杜撰な対応や回答である。
発売前は桝田も「ユーザーが何を求めているかは分かっている」と、こちらの期待させるような宣伝を数多く打っていた。
しかし、いざ蓋を開けてみれば、本来の主役であるべき“一族”を差し置いてかつて自分の書いた小説のキャラである夜鳥子を全面に押したストーリーに桝田のツイッターおよびミクシィには事情の説明を求める人が殺到、桝田も当初こそ「夜鳥子の何が悪かったのか教えて欲しい」とまだ反省的な態度を示していたのだが、いざこれらの問題点を突きつけられると桝田はそれに対して開き直りとも逆ギレとも取れるような回答を繰り返し、夜鳥子の存在やそれを取り決めた自身の判断には一切の非が無い事を強調した。
その後も制作に当たってやる気があったのかなかったのか分からない態度でそういった不満を述べたユーザーを煽るかような返事や今までのキャラの設定を否定するかのような告白、そしてさも“夜鳥子が自分だけでなく、ゲームを遊んだプレイヤーからも好かれる存在”である事を自慢するかのような発言を平然と続けるなど、原作者でありながら新旧俺屍ファンの神経を尽く逆撫でしていった事も騒動がここまで過熱する原因の一つとなった。
さらに本作のシナリオライターを担当した生田美和であるが、彼女は自身が制作に関わったゲームの大半がそのゲームのファンから叩かれるほどシナリオの作り方に問題がある人物とされ、当然本作のシナリオについても彼女の影響が指摘されており、今もなお桝田と並んで本作のブランドを貶めた張本人として扱われている。
この二人以外にも開発側そのものの姿勢にも問題があると言われ、上記の通りゲーム内のバグや不具合を残したまま発売し、さらにそれを修正するパッチを導入してもまた別のバグが発生するという対応の杜撰ぶりも物議を醸した。
一応、これらの問題は名作とされた前作と比較して浮き彫りになったものであり、前作をプレイしていない完全新規の人間の一部からは少なくともストーリー面における不評の理由がわからないという声もあった。
掲示板
1584 ななしのよっしん
2024/05/08(水) 21:33:24 ID: KTdgl/8j7g
根本的にオンライン前提のゲームデザインのバランスが悪くて粗が多かったのを
ごひいきの夜鳥子に全て炙り出されたのが皮肉だわ
これの失敗で続編やリメイク版のアーカイブが見込めなくなったのが一番残念かな
1585 ななしのよっしん
2024/06/01(土) 00:38:18 ID: Y0vaRqbPcT
まぁ無かっただろうけど1の後で少しばかり改良した程度の2を出してくれてた方がファンは嬉しかっただろうな
PSVitaなんかじゃPS1の頃のドット、UI等の雰囲気全部無かったし
1586 ななしのよっしん
2024/08/23(金) 23:43:49 ID: 2LGWArsDSW
懐かしいなぁ
今出すゲームならもっとお問い合わせが来て
バランス調整されただろうに
提供: 樹葉 緑
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急上昇ワード改
最終更新:2025/03/26(水) 08:00
最終更新:2025/03/26(水) 08:00
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