偏差値 単語

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ヘンサチ

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偏差値(へんさち/T-score)とは、集団における準を示した次元数のことである。

概要

均から標準偏差いくつぶん離れているかを数値として示した値である標準得点の一種。

統計において使用されるが、日本においては一般的に「学力偏差値」のことをすことが多い。

学力偏差値は、均を50、標準偏差を10とした「Tスコア」を用いて表すことが多い。

学力偏差値

学力(試験の点数)を偏差値という形で示したもので、海外ではほとんど使用されていない独特な学力標である。

しかしながら日本においては非常に意味を持つものであり、中学受験高校受験大学受験と、偏差値というものに左右されている者は多いと思われる。

偏差値自体は、学校社会的評価及び教育準を示すものではないが、校教育の良し悪しや社会的評価の変化により、偏差値にを及ぼすこともあるため一概に関係性を否定できるものではない。但し、立地条件のも大きいことは忘れてはいけない。

「偏差値を○○上げる」「偏差値○○からの・・・」といったキャッチフレーズ受験南書や参考書などがよく見られる。

大学においては、一部の例外を除いて大きな序列の変化はあまり見られないが、高等学校では偏差値に大きな変化が見られるところがある(具体例で言えば男女学校の共学化や中高一貫校化など)。

ざっくりした目安

あなたが受けたテストの結果が正規分布に従うと仮定した場合の偏差値の安は、

偏差値50…上位50%
偏差値55…上位30.85%
偏差値60…上位15.87%
偏差値65…上位6.68%
偏差値70…上位2.28%
偏差値75…上位0.62%

となる。模試を行った会社は膨大なサンプル数から偏差値を出していることや経験則として模試の結果が正規分布に較的に近いことが知られているので、高校大学受験用の大規模模試などでは上記の安を信用してもよいと考えられる。

学校の小テストのようにサンプル数が少ない場合などのように、上位の層と下位の層に分かれてしまうなど、正規分布に従ってるとは言えない例外も存在する。この場合はテストの点数の分布を検定してからこの安を使うのが望ましい。

偏差値を見る時の注意点

模試を受ける集団に注意しなければならない。予備校や塾の模試ごとに異なる偏差値が出ることは周知の事実だと思う。それは下記の偏差値のめ方の項で詳述されるが、模試の均点によって偏差値は高めに出たり低めに出たりするからである。わかり易い例では、同じ予備校でも難関大受験者向けと全ての大学受験生向けの模試では偏差値の出方が異なる。この場合は問題の難易度も異なるが想定される受験者層(集団)が違っている。

中学受験は一部の優秀な層しか受けないので低めに出る。高校受験現在はほぼ全員が受けるが、レベルの高い中高一貫校の学生は受けないので高めに出る。大学受験においては進学率50%程度であることや立・私立や文系理系に分かれた試験形態となるのでその集団に準じたものになる。究極的には同じ模試の同じ科受験)を受けた人(サンプル)内での偏差値でしかないので、集団を考えずに較してはいけない。

偏差値の求め方

偏差値は次式によってめられる。

50+10×(スコア-均)÷標準偏差

(スコア-均)÷標準偏差 までの操作を標準化といい、これで均を0、標準偏差を1とした値が出る。これを概ね2桁の数値になるよう補正するために、10倍して50を足したものが偏差値である。

偏差値をめるには標準偏差めなければならない。ので標準偏差のめ方を書いておく。
仮に、100点満点のテスト100人に行ったら以下のような結果になったとする。
テストAとする)

42,45,47,49,50,51,52,53,54,55,
55,56,56,57,58,58,59,59,59,60,
60,61,61,62,62,62,63,63,63,64,
64,64,65,65,65,66,66,66,67,67,
67,68,68,68,68,69,69,69,70,70,
70,71,71,71,72,72,72,72,73,73,
73,74,74,74,75,75,75,76,76,76,
77,77,77,78,78,78,79,79,80,80,
81,81,81,82,82,83,84,84,85,85,
86,87,88,89,90,91,93,95,98,100

均のめ方は
(42+45+47+…+95+98+100)÷100だが、
標準偏差のめ方は
[{(42-均)^2+(45-均)^2+(47-均)^2+…+(95-均)^2+(98-均)^2+(100-均)^2}÷100]
つまり、テストの点数から均を引いたものの2乗をすべて足して、
それをテストを受けた人の人数で割ったものの平方根をとれば標準偏差となる。

Excelを使った求め方

Excelでは、均はAVERAGE関数、標準偏差はSTDEVP関数められる。
上記の例の場合、均は70.3点、標準偏差は約11.91点となる。

偏差値を一発で出すSTANDARDIZE関数もある。

STANDARDIZE([スコア], [均], [標準偏差])

で標準化した値まで一気にめてくれるので、この値を10倍して50を足せば偏差値が出る。

上限の誤解

人によっては偏差値は100以上ありえないとか、80ってありえるの?とか思っていたりする。
では上記の例で実際に100点を取った人の偏差値をめてみよう。

50+10×(100-70.3)÷11.91 = 74.937...

となり、偏差値約75が上限となってしまう。
ところが、以下のような結果となったテストではどうだろうか?
テストBとする、100点満点)

10,13,16,17,19,20,21,22,23,23,
24,25,25,26,27,27,28,28,29,29,
30,30,30,31,31,32,32,32,33,33,
34,34,34,35,35,35,36,36,36,37,
37,37,38,38,38,39,39,39,40,40,
40,41,41,41,42,42,42,43,43,43,
44,44,44,45,45,45,46,46,46,47,
47,48,48,48,49,49,50,50,50,51,
51,52,52,53,53,54,55,55,56,57,
57,58,59,60,61,63,64,67,70,100

均40.55、標準偏差13.84点である。スコア100点満点とすると、偏差値は92.955...
となり、偏差値約93が上限である。このように、テストによって偏差値の上限が変わってくるのである。
ここで、もう一度偏差値を算出する式を見てみる。

50+10×(スコア-均)÷標準偏差

ご覧のとおり、スコア-均)が偏差値を上げ下げする要素になっているため、
均点が高ければ高いほど偏差値は下がる。
テスト得点は上限が決まっているため、
結果としてテストAとテストBでは偏差値の上限に違いが生じる。

そもそも偏差値というのはスコアを「均50、標準偏差10に直した結果」である。
つまり、
「もしあなたの受けたテスト50点、標準偏差10点のテストだったら
何点取れていたかを算出するもの」
と思っていただいて差し支えない。
現に50点、標準偏差10点のテストでX点をとれば偏差値Xである。
しかしながら、大抵のテスト均が満点÷2より上(だいたい6割前後?)、
かつ標準偏差は10点前後が多いため、どうしても偏差値の上限が100未満となってしまう。
結果として、偏差値の上限が75~85程度で固定であると勘違いしてしまう人が多い。
実際は上記のように均点や標準偏差によって偏差値の上限は変動する。

なお、本来の意味での偏差値には上限、下限がない。
スコアの上限、下限が決まっているテストの点数などでは
とりうる値の上限と下限が決まっているので、偏差値がとりうる値も上限、下限が存在するだけである。
人間の体重は上限がテスト得点よりは決まっていないっぽいので例に挙げると、
ここexitによれば日本人25歳男性の体重は均66.26kg、標準偏差8.96kgであるので、
体重111.1kgの人は偏差値100となる。つまりそれ以上の人は体重偏差値100以上が実現する。

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