先輩一口馬主 単語

センパイヒトクチバヌシ

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ゲームと違って1勝が大変だろ?
まぁ世間知らずのボンボンぼっちゃまには良い勉強でしょう。
競馬めるなよ?
by先輩一口馬主より

2021年8月22日
netkeiba・ジャングロ掲示板レス番号68(現在削除済み)より

先輩一口馬主とは、競馬ポータルサイトnetkeibaのユーザー掲示板において上記のコメント投稿して、馬主藤田マウントを取ろうとした人物の通称である。

概要

2021年から馬主業を始めたサイバーエージェント社長藤田晋は、初めて参加した日本最大級のセリセレクトセールにて1億円をえる価格でを次々と競り落とし、業界内外の注を集めた。しかしながら、古くから競馬界には「高額取引は走らない」というジンクスがあり、一部では「爆買い」する藤田氏の相馬観を疑問視するようなもあった。

実際、所有馬初出走となったデュガはフェニックス賞で4番人気の3着、2番手ラヤス新馬戦1番人気にも関わらず12着の大差負け、3走ジャングロ新馬戦も3番人気で3着に終わった。この結果を受け、一部の見るのない競馬ファンは、藤田氏がサイゲームスウマ娘プリティーダービー運営元)の会社の社長ということもあって「藤田ゲーム感覚でを買って走らせているんじゃね?」と揶揄するようになった。

そして8月22日ジャングロnetkeiba掲示板に冒頭のコメント投稿された。

ツッコミどころ

とはいえ、この「先輩一口馬主」の投稿は、投稿直後からほとんどの他ユーザー馬鹿にされることになった。取るに足らないマウントに過ぎないどころか、競馬を少しでも知っている人であればマウントどころかツッコミどころしかない駄文だったためである。

そもそも必ずしも競馬ファン全体が藤田氏の馬主業を上から目線で見ていたわけではない。そして後述するように、彼の思惑に反して藤田氏の所有馬は活躍を続け、彼の投稿競馬ファンの間で虚なマウントだったとネタにされている。

以下、ツッコミどころを解説しよう。

馬主としての成功を判断するには早すぎる

件の投稿ジャングロが3着に敗れた新馬戦、つまり初めての出走の後である。初出走初勝利を挙げるサラブレッド自体がそうそう多くない上に、複勝の払い戻し対になる3着には入着しているのである。人気より低い着順と言うわけでもなく、それなりに健闘したと評してよい。

そもそも、この時点の藤田氏はまだ3回しかを走らせていなかった。たった3回のレース馬主としての相場観を判断することができるはずもない。更にこの3走では馬券内2回(うち1回はOP戦)という成績も挙げている。中央競馬新馬戦で入着できるのはサラブレッドの中でもかなりの上澄みである。

一口馬主と中央競馬の馬主は全く異なる

一種のファンド出資者ともいえる一口馬主は、出資に厳格な条件や審クリアする必要はなく、ほぼでもなれるものである[1]。加えて、一口馬主は厳密には馬主ではないため、レース騎手の選択について口出しすることはできず、騎手調教師・厩務員などと直接接触することも禁止されている。

それに対し、中央競馬の個人馬主1700万円以上の年収に加え、7500万円以上の資産という高い経済的基盤を持っていることが条件とされる。それに加えて、の購入からレース騎手の選択、放牧や引退など、重要な場面でオーナーとしての決断を下さなければならないときがある。

一口馬主と中央馬主では、活動資格も、責任の重さも、と地ほど違う。にもかかわらず、一介の一口馬主の立場で個人馬主をおちょくるのは、身の程をわきまえていない礼な発言と評さざるを得ない。

藤田氏を「世間知らずのボンボンおぼっちゃま」呼び

藤田氏の実家は特別太かったわけではなく、は大手企業サラリーマンであった。学生時代は麻雀にのめり込み雀荘バーアルバイトを経験した。その後、ベンチャー企業アルバイトを経て24歳でサイバーエージェントを起業し、一代で大企業にまで成長させた叩き上げの社長である。

コメマウントを取ったつもりだったようだが、むしろ藤田氏の経歴について無知してしまった。

後にジャングロ含め藤田氏の所有馬が大活躍

この投稿の後、ジャングロは先輩一口馬主をあざ笑うかのように勝ち上がり、年をまたいでオープン戦リステッド戦を連勝。そのままGⅡニュージーランドトロフィーに出走すると勝利藤田氏は初出走から1年も経たずにあっさり初重賞タイトルを獲得してしまう。

その後も藤田氏所有の達の活躍が続き、第一世代である2019年生の所有馬は全て勝ち上がったほか、フォーエバーヤング2023年全日本2歳優駿で初となるGⅠ級競争を制覇し、海外でも重賞勝利。さらに2023年京都2歳ステークスを勝ったシンエンペラーGⅠで好走を続け、2024年日本ダービーでは3着に入っている。

「競馬舐めるなよ?」

決め台詞のように書いた言葉も、こうもツッコミどころしかないと滑稽に映ってしまう。結果として、に関わっているわけでもないただのファンが、関係者相手に上から目線悪口を書いてはいけないという反面教師となってしまった。

いつの間にか先輩一口馬主のコメント削除されたが、彼の投稿ジャングロ重賞制覇をきっかけに再注されるようになり、今では藤田氏のが活躍する度に一種のコピペとして競馬民の間でネタにされ続けている。

ただし元々が悪口ネタであるため、「掲示板応援していた勝利を祝いたいのに、毎回コピペされるのが陶しくて仕方ない」と苦言を呈する人もいる。気軽にコピペするのは控えよう。

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関連項目

脚注

  1. *多数の有を抱える最上位層の人気一口クラブでは相当の会員歴と出資実績がめられるが、それでも個人馬主の負担とべられるものではない。
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