こんな高い空から見ても見渡せやせぬ!!
それが”世界”だ。モモの助!!日和!!
光月おでんとは、漫画『ONE PIECE』の登場人物である。尚、混同を避ける為当記事において料理の方のおでんは「オデン」表記とする。
プロフィール | |
性別 | 男 |
肩書・所属 | 元九里大名 元白ひげ海賊団2番隊隊長 元ロジャー海賊団船員 |
種族 | 人間 |
誕生日 | 2月22日(おでんの日) |
年齢 | 享年39歳(20年前没) |
星座 | うお座 |
身長 | 382cm |
出身 | ワノ国・花の都 |
好物 | オデンのタネ全般 |
懸賞金 | 不明 |
VIVRE CARD | No.1497 |
声優 | 石丸博也 |
麦わらの一味が世界政府非加盟国「ワノ国」に入国する前より同行する関係者からその名が言及されてきた人物。ワノ国の先代将軍光月スキヤキの息子であり、モモの助と小紫こと日和の父。20年前にカイドウにより銃殺され現在は故人。
若くして父に勘当を言い渡されるも、その破天荒さで荒くれ物が集う無法地帯であった九里を若くして平定し一転して楽園へと作り替えた「大大名」であり、現在にまでその名を轟かせる大物海賊達に好かれ国内外に強い影響を残した語られざる英雄でもある。
性格はまさに自由奔放・豪放磊落と呼ぶに相応しい型破り。後述する通り幼少期からのトラブルメーカーだが、迫害を受けていた異種族の者達を助けたり自身が懲らしめたワルたちから尊敬され彼等を家臣として迎え入れるなど、世間や差別偏見に流されず己を貫く義理人情に篤い人物でもある。破天荒さの裏に「おでん節」とも言うべき裏表のない器の大きさと義侠心を垣間見せ、そこに魅入られ惚れ込んでしまう者も少なくない。一方で山の神事件での対応や”裸踊り”の裏に隠された事情をひた隠しにするなど、自分一人で罪や責任を背負い込もうとする面も見受けられる。また、気に入った者に対しては独特のあだ名(ニューゲート→白吉っちゃん、シャンクス→赤太郎、バギー→バギ次郎)をつけることがあり、この傾向は息子であるモモの助にも見受けられる。
その名の通り大好物のオデンに関しては作る事にかけても大の得意であり、その味は一級品。よく家族や家臣といった近しい者達に振舞っている。
「窮屈でござる」と口にしてはワノ国の鎖国にかねてから疑念を抱き海に出る事を夢見続けており、ある出来事がきっかけでその夢を実現させ、最終的にロジャー海賊団のラフテル到達に貢献する事となる。
いわば海賊王誕生の立役者の一人であったわけだが、大名かつ次期将軍という重責を背負う立場から考えれば、後釜を立てすらせずに自身の夢の為に国をほっぽり出し一時帰国時に国の異変を目の当たりにしながらも再度海に出るなど(ただし、勝手な出奔だったという自覚はあった模様)、為政者・統治者としては些か難ありの人物であったことも否めない。だが、その「おでん節」は死して20年が過ぎてなお元家臣や九里の人々に強く慕われている。
侍なので勿論武器は刀。世界政府の侵入を寄せ付けない強者揃いとされるワノ国の侍達の中でもその実力は抜きんでており、「おでん二刀流」という独自の剣術の使い手。
ワノ国第一幕終盤でのアシュラ童子の反応から覇王色の覇気の使い手だった事が窺え、刀を黒刀にする描写や流桜を会得していたことから武装色の覇気に関しても達人級の使い手とみられる。
二本の刀から繰り出される横一文字の斬撃。この一撃で山の神を切り伏せた。
十字に交差させた刀から銃撃にも似た音を放ちつつ繰り出される一撃。
敵を十文字に切り裂く技。この技でカイドウに20年後にまで残る深い傷を与えた。
天狗山飛徹が制作した大業物21工の1本にして天をも切り裂くと謳われる名刀。
死後はモモの助に託された。
霜月コウ三郎が制作した大業物21工の1本にして地獄の底まで切り伏せると言われる妖刀。
使用者の覇気を勝手に吸い上げ攻撃に転換する性質を持ち、余程の鍛え抜かれた覇気と基礎戦闘力がなければ手に余る代物という曰く付きの刀であり、事実20年前時点で使いこなせたのはおでんただ一人であったという。
死後は日和に託され、20年後スリラーバークで手に入れた秋水と引き換えという形でロロノア・ゾロに譲渡された。ゾロは試し斬りの時点で早々に先の現象に見舞われ、咄嗟に腕に覇気を送る事で何とか対応してみせた。
※以下、ネタバレ注意!!
この項目は単行本未収録・アニメ放送前エピソードの情報を含みます。
広大に緑々と広がる森ーー
生い茂る花や草木の源には清らかに流れる川、そして美しい海
ーーこれはまだ「ワノ国」に”生命”があふれていた頃の物語ーー
破天荒を地でいくような男であった光月おでん。原作第960話「光月おでん登場」アニメ第960話「ワノ国一の侍!光月おでん登場」より語られ始めたその生涯は生まれながらにして型破りであり、15歳までに以下のような騒動を起こしてきた。
0歳(59年前) | 乳母を投げ飛ばす |
---|---|
2歳(57年前) | 兎二羽を捕えるほどの俊足を得る |
4歳(55年前) | 大岩を投げて熊を倒す |
6歳(53年前) | 遊郭に入り浸り城の金を使い込む |
8歳(51年前) | 酔った勢いで賭場の博徒達と大喧嘩を起こす |
9歳(50年前) | ヤクザ達のブラックリストに載り賭場を出禁となる |
10歳(49年前) | ブラックリスト入りの報復として賭場に放火しヤクザ達と大抗争。 暴行傷害罪で実刑判決を受け、囚人採掘場に収監される。 しかしそこで一族の石工としての才能が覚醒し棟梁に上り詰める |
14歳(45年前) | 人々を日照りから救う為に「川を曲げて」都に水を流した結果、大水害の引き金を引く。 剰え水害を利用して出航を狙うも失敗に終わる |
15歳(44年前) | 山寺の住職を脅迫して隠れ住み、ハーレムを作る(攫われた女達は自由の身だったとの事)。 この事が女達の親族や恋人との乱闘「ハーレムの乱」に発展。 更には止めに入ったヒョウ五郎一家までもが乱闘に加わった。 スキヤキに「妖怪の類がやる事」と呆れられる |
また、以前からワノ国の鎖国体制への疑問と光月家のルーツとも言うべきポーネグリフへの興味から度々海外へ出ようとしていたものの、航海の才が無い為ことごとく失敗を繰り返しており、上述の所業の数々もあって将軍跡目でありながら民衆からの評判は劣悪を極めていた。ここだけを切り出せば某四皇程ではないにせよ生まれついてのモンスターと言わんばかりの暴れようだが…。
時は41年前、通算38度目の航海に失敗したおでん。立ち寄った花の都の火葬場にて…
「はふはふ いやあこれらへひょーいふはふはふ
ひょーいはんもんにほむほ はっふはふ!!!」
勝ぞうの息子「もう何言ってるかわからねェし父から離れろォ!!!」
おでんは火葬された飲み仲間の老人「勝ぞう」の遺骨を焼く火でオデンを煮込み食らっていた。作中でシルエット等で幾度か登場していたおでんであったが、その本格的な登場こそ、読者達を驚愕させたこの衝撃的シーンである。オデンを平らげた後「次に飲む時ゃあの世だな」と酒を置いてその場を後にしており、一見するとただの奇行にしか見えない先の行為も飲み仲間への彼なりの弔いだった事が窺え、その「おでん節」を察した勝ぞうの妻子は彼に惚れかけてしまうのだった。
火葬場を後にしたおでんは、怒り狂いながら都を蹂躙する超巨大猪「山の神」と遭遇。地元のチンピラ錦えもんがその子供を連れ去ったのが理由だと知るや、子猪を利用して山の神を引き付け、「桃源白滝」で撃破し事態を解決。この一件は後に「山の神事件」として語り継がれることになる。既に都は四分の一を失う甚大な被害を被っていたが、おでんが早期に山の神を倒したことで飲み込まれた人々は奇跡的に犠牲者もなく生還を果たした。ところが錦えもんが原因が自分であると自白しようとしたところを無理矢理黙らせ敢えてその罪を被り、これまでの所業に耐えかねたスキヤキに使者を通じて絶縁と花の都追放を言い渡されてしまう。しかし…
「片腹痛いぞ将軍殿!!ついにあんたが!!
いやさ”花の都”が!!このおれを持て余しただけの事!!
絶縁上等!!!河岸を変えよう!!日が暮れたらそこが寝床だ!!!」
まるで気にする素振りも見せずに絶縁をすんなりと受け入れ、山の神事件での恩義からおでんに惚れ込みついてきた錦えもん及びその弟分の孤児傳ジローと共に白舞へ赴く。そこで大名霜月康イエから「ワノ国の癌」と称される九里の現状を聞き、ワノ国諸国漫遊の旅の一環としてそこに巣食う怪物とされる巨漢のアシュラ童子退治に乗り出した。
ちなみに九里へ向かう前に康イエの城で一泊していたのだが部屋を滅茶苦茶にしており、挙句金庫から金が消えてしまっていた。この時小間使いの男がおでんに濡れ衣を着せるが、その男こそ後々に続く深い因縁の相手・黒炭オロチであった。
九里への旅路の道中、おでんは海外の航海者達に倣い日誌をつけ始めると共に
と新たに4人の男達を仲間に加えた(というか勝手についてきた)。九里が目前に迫る中、食事の最中おでんは用を足すと言って南に向かった。その方角は九里の入口であることを知り、主君を置いてはいけないと留守を預かっていた錦えもんたちは急ぎ九里へ赴くのだが…
「あいつら…こんな所まで
悪ィな…今全部終わったとこだ…夜通し丸一日かかっちまったよ………!!!
おいお前ら……!!ーーまだおれの事大好きか?お前らの知恵と力を貸せ
おれはこのどうしようもねェクズ共の王になる事にした!!!」
錦えもん達が九里で目の当たりにしたのは、すでにアシュラの盗賊団を蹴散らしたおでんの姿だった。1日通しで続いた死闘を制したおでんはアシュラをはじめとする荒くれ物達を纏め上げ更生に導く事を決意。真っ当な人生を歩めずにいた彼等に労働の楽しさを教え、立派な農園や城を構える街を築き上げた。
血と犯罪の匂いで溢れかえっていた九里は嘗ての地獄ぶりがどこへやら、何時しか人々が真っ当に暮らせる郷へと一変。おでんはこの功績を知ったスキヤキから絶縁撤回と共に九里大名に任命され、錦えもん達を家臣に任命した。この時若干二十歳である。
ある日の事、九里ヶ浜でごろつき達に迫害を受けていた者達の姿があった。
姿形は今まで見知ってきた人間と異なれど、常識に囚われぬおでんはその姿形に偏見を抱くことなく3人を成り行きで助け城に連れ帰り、彼等から今までの経緯を聞いた事で海外への興味を一層募らせる。行く当てのないイヌアラシ等を加えた家臣達は、自分たちの生活費やおでんがオロチの懇願に応じて金を貸し与えるなどして逼迫した財政を解決しようと白舞の城へ大金を求め盗みに入るのだが、おでんへの期待からこの件を不問にした康イエに盗んだ額以上の金を渡され、「次期将軍」たるおでんを支える家臣に相応しいワノ国の守り神となるよう諭される。
それから3年。康イエから渡された資金を元手に学問と礼儀を学び、侍に相応しい威風堂々とした風格を身に着けるまでに成長した家臣を率い花の都に大名参列したおでん。人々はその様を「将軍行列」と呼び称賛した。おでんが都に帰郷したのはスキヤキが病床に伏せたという話を聞いての事だったが、父の元気な姿に安堵し、しばし談笑にふけったのだった。……この一間が親子の最後の会話であることを知る由もなく……。
大名としての日々を送りながらも、おでんの心の底では海外への憧れが未だに燻り続けていた。そして30年前のある日、遂に運命の歯車が大きく動く瞬間がやってきた。"白ひげ"エドワード・ニューゲート率いる白ひげ海賊団の船・モビーディック号が伊達港に漂着したのである。
「あれか!!!海賊の船!!よくぞ来た!!悪天候を越え滝を超え!
よくぞここまで!!!待ってたぞ!!!ハハ!!おれの名は光月おでん!!
誰だか知らんが!!お前の船に!!乗せてくれ!!!」
その話を聞きつけたおでんは好奇心を爆発させ伊達港へ直行。ニューゲートと切り結びながら乗船を頼み込むのだった。しかしニューゲートはおでんが人の下に付けるタイプではないことを察しロックス海賊団時代の経験からこれを拒否。船の修繕が済んだ2週間後に夜逃げ同然の形で出航しようとするが…。
「そういうことすると思ってたぞ!!白ひげ!!!」
イゾウ「おでん様、あなたこそそういう事すると思ってましたよ!!行かせない!!!」
何とおでんはモビーディック号のマストに鎖を巻き付け、彼を止めようとしがみ付いてきたイゾウ共々遂にワノ国を後にする。イゾウを船に引き上げたニューゲートは散々断ったにもかかわらず無理矢理ついてきたおでんを簡単に受け入れるわけにもいかなかった為、鎖を手放さず3日間耐え抜くという条件をクリアすれば乗船を許可すると持ち掛けた。
そして海水に浸かりながら船に引きずられること71時間超。目標達成まであと数十分というところ、とある島からタコトパス海賊団の人攫いに襲われ助けを求める声が聞こえたおでんはその島へと上陸。激突と飲み込んだ海水のせいで最早原型を留めぬ怪物のような姿(人攫い曰く「海坊主」)と化していたおでんに人攫い共は恐れをなし一目散、これが声の主である後の妻・天月トキとの運命的な出会いであった。3日間という目標は果たされなかったが、翌日島に上陸したニューゲートから自らの野望すら投げ打って迄トキを助けた義侠心を見込まれ「弟」として船に迎え入れられる。かくして白ひげ海賊団の面々、トキ、イゾウ、そして密航していたイヌネコと共におでんは念願の世界を回る航海の旅を始めるのだった。
環境・生物・文化・種族……船旅の過程で上陸した島々はワノ国に留まり続けていては絶対に巡り会えなかったであろう、想像をはるかに超える多様さに溢れていた。そんな広々とした世界に胸躍らせたおでんは、改めて自分が世界のちっぽけなほんの一部に過ぎないことを再認識するのだった。一方、閉ざされた国から大海原に出てきた侍の存在を新聞で知り、興味を抱く海賊がいた。その名はゴール・D・ロジャー……。
出航から2年。トキとの間に長男モモの助を設けたおでんは白ひげ海賊団の一員として名を上げたことで賞金首となっており、イゾウから元々トキの目的地でもあるワノ国への帰国検討を促されるが、答えが出てないとして保留。船員が増えたことで白ひげ海賊団は部隊制を設けることになり、おでんはニューゲート直々に2番隊隊長に(嫌々ながらも)任命された。
さらに2年後、長女日和を設けたおでんは魚が震え猛獣逃げ惑うただならぬ気配が漂う島に上陸。待ち受けるは海兵たちを返り討ちにしたロジャー海賊団。白ひげ海賊団とロジャー海賊団の激闘は三日三晩続いても決着が着かず、4日目には財宝を奪い合う為に闘っていた筈がいつの間にか宴が開かれていた。
その宴の中でロジャーはログポースの最終地点「水先星(ロードスター)島」とは別にロードポーネグリフが示す先にある本当の最後の島の存在を語り、一笑に付すニューゲートの傍でおでんは唖然としていた。ポーネグリフに用いられた古代文字を解読が可能なことから、ロジャーは最後の島に到達する為におでんを1年間貸してくれないかと土下座してニューゲートに懇願。当然ニューゲートは「おれから”家族”を奪おうってのか!!?」と激昂するが、おでんは家のルーツにも纏わる古代文字と光月家の関係、そしてロジャーとの出会いに何かを感じ、気が付いた時には…
「行ってみたい。行かせてくれねェか!!!」
とニューゲートへの説得の言葉を口にしていた。こうして、何とか承諾を得たおでんは白ひげの「息子」としてすっかり馴染み後に16番隊隊長として活躍するイゾウと別れ妻子(とついでに例によって密航していたイヌネコ)を連れロジャー海賊団に移籍。オーロ・ジャクソン号に乗り込み第二の海賊人生の幕が開いたのであった。
ロジャー海賊団と共にめぐるグランドラインの航海では後に麦わらの一味も訪れることになる様々な場所を巡っていった。
航海の途中、トキが当初から目的地として定めていたワノ国の近海に来た段階で緊張の糸が途切れ、長旅の疲労に苛まれて体調を崩してしまい、おでんは一時ワノ国に再上陸することになった。久々に再開した家臣達の言葉からこの4年間にワノ国で異変が起きていたことは察しがついたが、「ここで降りるなら離縁する」と宣言し、家臣を説得してでも航海続行を望む妻の姿を見て敢えて旅の続行を決断。ロードポーネグリフの写しを取り僅か数時間の帰郷を終え、妻子とイヌネコをワノ国に残し再び海へ出たのだった…。
航海を再開した一行はビブルカードを頼りにゾウへと辿り着き(なお、魚人島の時と同様、ここでもズニーシャと思しき”声”を聞いている)、モコモ公国にてロードポーネグリフ最後の一つを発見。その上部に刻まれた光月の家紋を見たおでんは嘗てイヌネコが語ったミンク族と光月家の関係が本当だということを身をもって知ったのであった(この時の経験から帰国後家臣達にいざという時はゾウを目指すよう助言をしている)。
全てのロードポーネグリフを揃え、幾つかのリオ・ポーネグリフを見つけたロジャー海賊団。遂に全ての準備が整い、おでん達は最後の島へ向けて船を出す。
ーーーあの日おれ達は世界の全てを知ったーーー
”空白の100年”とは……!!”Dの一族”とは……!!「古代兵器」とは……!!
「ワノ国」はかつて世界と接していたのだ
本当にあった”莫大な宝”を目の前に…ロジャーはあの時……笑ってた
最後の島へロジャー達と共に辿り着いたおでんは”ひとつなぎの大秘宝”を発見し、皆で涙が出る程に大笑いしていた。そして、ほどなくして「海賊王」と世間に称されることとなるロジャーは800年もの間誰も行きつけなかったこの島に名を付ける事にした。「ラフテル」と。
早過ぎたラフテル到達を果たしたロジャー海賊団はこの航海を以って船長ロジャー直々に解散が宣言され、おでんもワノ国に正式に帰国することになる。そして20年以上先の未来、いつか”ジョイボーイ”が現れるその日までにワノ国を開国することを決意し、ロジャー海賊団の面々に別れを告げた。
「勝手に飛び出して今更『将軍』やらせろなんて虫のいい事ァ言わねえが………
意思は必ずつないでみせる……!!!国に残した優秀な家臣らと共に!!
「ワノ国」を開国し!!20年以上先の!!”未来”を待つとしよう!!!」
そしてここからが彼の……否、
ワノ国の人々にとっての本当の試練の始まりとなる。
帰国したおでんが5年間留守にしていた間、ワノ国の情勢は大きく変化していた。父スキヤキの訃報が公表され、康イエへの恩義から(いずれは返済させる前提で)金を貸していただけに過ぎないオロチが自分の弟分を名乗り、黒炭ひぐらしが変装した偽スキヤキの推薦で将軍代理の地位に就き、更にはニューゲートの元同僚カイドウが率いる百獣海賊団と結託。国の至る所に武器工場を構えて国の男達に重労働を強い、更にはあの手この手で金を集めて贅の限りを尽くし、国は疲弊し民衆は苦しんでいた。
世界政府が干渉しようのない鎖国体制を悪用した暴政ぶりに耐え兼ね、主不在の九里を何とか切り盛りしていた家臣達はオロチの元へ乗り込むも、まるでそれを見計らっていたかのように同じタイミングでオロチがモモの助の首を狙って刺客を送り、庇ったトキが大怪我を負ってしまっていた。
堪忍袋の緒が切れたおでんは単身花の都へ乗り込む。その姿に民衆達が大喝采を送る中オロチの元へ殴り込みその首を取ろうとした瞬間、琵琶法師・黒炭せみ丸が発動したバリアに阻まれてしまう。そしてオロチの口から将軍代理就任がひぐらしと結託して仕組んだ罠ということを聞かされるのだが……。
破天荒に育つも「九里」の大名となり海へ飛び出し
世界屈指の海賊達と肩を並べまた何倍にも強くなって帰郷した男
天下無敵の光月おでん!!悪の力に苦しむ故郷で人々の救世主となる筈だったが
正当後継者として期待を一手に背負っていた"最後の希望"はオロチの首を取るどころか、週に一度都で裸踊りをして媚び諂い物乞い同然に僅かな賃金を得るという醜態をさらしていた。その姿を目の当たりにしてものの見事に思いを打ち砕かれた民衆達からは失望と怒りを向けられ、遂には九里の民もそんな「バカ殿」の奇行に愛想を尽かし始めていた。以前より彼の人となりを知る家族・家臣・康イエ・ヤクザの大親分花のヒョウ五郎とその妻といった僅かな理解者及び恩人を除いて……。
翌年、オロチから海外の新聞を受け取ったおでんはロジャーの公開処刑と彼が遺した最後の言葉により大海賊時代が幕を開けたことを知り、海岸を走りながら泣き笑いしていた。
更に翌年、ワノ国では鈴後での百獣海賊団と後の王下七武海ゲッコー・モリア率いるゲッコー海賊団の全面衝突や刀神リューマの墓荒らしといった事件が起きるも、おでんは相も変わらず裸踊りに興じていた。もはや信頼などどん底にまで墜ちていたが、彼には「バカ殿」として振舞わねばならぬ事情があった。
2年前のあの日、おでんはオロチとカイドウから「自分達は5年後に完成予定の船に乗船しワノ国を去る。その間花の都で"黒炭家への謝罪の裸踊り"をすれば百獣海賊団が誘拐した人質の民を1度につき100人解放する」という取引を持ち掛けられていた。オロチは嘗て祖父が犯した大名殺しの罪により黒炭というだけで迫害を受けた過去からワノ国その物を恨み、国に復讐する為にひぐらしと結託して権力を得、民衆をカイドウへの貢物として差し出す形で百獣海賊団に拉致させ続けていたのである。各郷を回り新たに人攫いの被害に遭う民衆がいないか確認しながら、来る日も来る日もおでんは道化続けていた。いずれワノ国が暴君から解放される日を信じて……。
それから3年後、取引の期日であるこの年に止まっていた時が動き出す。九里を訪れたオロチに取引の確認を取るや知らん顔で「何の話だ?」と冷たく突き放され、花の都ではワノ国の裏の顔であるヒョウ五郎が身柄を拘束されカイドウの元へ引き渡された事、反発した子分16人とヒョウ五郎の妻が殺害された事を知らされたのである。「どうしようもねぇクズ」の言葉を敢えて信じ道化に徹してきたおでんは約束を反故にされたことでついに我慢の限界を迎え、大きな決断を下す。
家族と家臣の大方の予想通り
5年間”何か”を背負い込み続けていた偉大な”侍”のーーー
張りつめていた糸は遂に切れ彼の目から大粒の涙がこぼれた
抑え込んでいた感情ーー
「カイドウを討つぞ!!!」
光月おでん、狐火の錦えもん、夕立ちカン十郎、霧の雷ぞう、イヌアラシ、ネコマムシ、残雪の菊の丞、傳ジロー、アシュラ童子、河童の河松。後に「赤鞘九人男」と呼ばれる9人の家臣とその主君はカイドウの根城・鬼ヶ島への討ち入りを敢行することに。狙いはただ一つ、鬼ヶ島で酔い潰れ眠りこけているであろうカイドウの寝首のみ、かに思われた。しかし…
カイドウ「新しく建ったばかりのおれの屋敷を
戦場にしたくねェんで……出向いてやったまでた…」
「全てウソだったんだな、カイドウ!!!」
道中立ち寄った兎丼の森で10人の侍を待ち受けていたのは
龍に変化したカイドウと百獣海賊団の船員総勢約1000名だった!!
あまりにも用意周到なこの布陣に驚嘆するおでんに対し内通者の存在を示唆させたカイドウは、5年前の取り引きがおでんとヒョウ五郎が手を組みワノ国中の侍とヤクザを敵に回す事態を回避しつつ百獣海賊団を育てるための時間稼ぎとして持ち掛けた出鱈目であることを明かした。「何の犠牲にも動じねェ前評判通りのイカれた男」ではなくニューゲートやロジャーのような「強ェがどこか甘い奴」だったおでんは血が流れずに済む方法を選び結果として彼等の罠にまんまとはまってしまったのだ。
カイドウ「お前も同類よ!!馬鹿は踊り続けた!!裸になって笑われ蔑まれながら
ウォロロロロ!!お前にはもう「光月」の威厳も何もねェ!!」
「あの日の判断はアレでよかったーー話を未来へ進めようぜ」
かくして戦の幕が開いた。オロチに寝返った御庭番衆に見切りをつけおでんの側に付く道を選んだくノ一のしのぶが加勢し、11人の侍は圧倒的な物量差にも怯む事無く百獣海賊団に挑む。敵の想像を絶する強さを見せつけたおでんは桃源十拳を繰り出しカイドウの胸にバツ字の傷を刻むなど善戦。しかし、モモの助に変装したひぐらしが人質のフリをしたことで生じた一瞬のスキを突かれてカイドウの攻撃に倒れ、家臣達も次々と陥落。捕らえられたおでんと赤鞘計10名は花の都の牢に投獄され、「将軍の謀反人」として大衆の面前で釜茹での刑という形で公開処刑されることが決定した。なお、この折秘密裏に牢を訪れたトキに刀を預けており、彼女を通じて子供たちに託している。
3日後、後に「伝説の一時間」として語り継がれる公開処刑当日。現場では煮え滾る油で満たされた巨大な大釜が用意されていた。おでんは10人同時に入り刑を耐えきって生存した者がいるならば解放してほしいとオロチとカイドウに頼み、カイドウから「全員が釜に入った状態で1時間耐える」という無茶な条件を指定される。真っ先に釜の中に入ったおでんは赤鞘達が乗った状態の板橋を持ち上げ、頭上に担ぎ上げた。
強引ながらもカイドウに全員が釜に入ったと認められ、カウントダウンが開始する。常人ならば数秒で焼死する程の灼熱の油に浸かりながら9人もの巨漢を支え続けるという到底無茶としか思えぬ荒行におでんは必死に耐え続ける。そのしぶとさに観衆達は次第におでんに罵声を浴びせ始めるが、その場に忍び込んでいたしのぶはそんな彼らに怒りを爆発させ、おでんとオロチ達の取引の真相やオロチの本性を明かした。
しのぶ「バカはお前達だ!!!誰のお陰であんた達が今平和に生きてられてると思う!!?
ここでおでん様を失ったらみんな思い知る事になる!!
どれ程の不幸が食い止められていたか!!!
おでん様はずっとこの国を守り続けてたんだ!!!誰がバカ殿だ!?言ってみろ!!!」
突然の暴露に民衆は戸惑いを隠せなかったが、いつの間にか周囲を囲んでいたオロチの配下と百獣海賊団が処刑中止を懇願する者を始末する様からしのぶの言葉が真実だと悟り、それまでの非難が一転しておでんを応援する声に塗り替わり瞬く間に彼の真意は国中に広まっていった。今更だと憤る赤鞘をよそに声援を素直に受けとったおでんは5年間の航海で知った空白の歴史の真実を彼等に語りだす。
ワノ国の鎖国はある巨大な力から国を守るために光月家が行った事、800年後に現れるある人物を世界が待っている事………。オロチとカイドウが自分を確実に殺しに来ると確信していたおでんは、ある人物が訪れるであろう20年後に備え自分に代わりワノ国を開国するよう赤鞘に託し、絶対に生き延びるよう命じた。そして釜入りから1時間、遂に釜茹での刑を耐え抜いたおでんだったが、これを不服としたオロチは急遽おでんと赤鞘を銃殺刑に処し関係者郎党皆殺しにすると宣言。
板橋を投げ飛ばし赤鞘達を逃がすことに成功し、満身創痍の中せめてもの情けと言わんばかりに見事な死に様を演出せんと介錯を買って出たカイドウに銃口を向けられる。先の戦いで邪魔をしたひぐらしの件で詫びを入れられたおでんは「真面目だな………せいぜい強くなれ」と返して辞世の句を残し、カイドウの銃撃を受け事切れる。
「”一献の 酒のおとぎに なればよし
煮えてなんぼのォ~”」
(モモの助、日和…!!行って参る!!)
光月おでん、享年39歳
大見得を切り辞世の句と共に不敵な笑みを浮かべ、
残されし者に開国の夢を託した語られざる英雄は最後まで堂々としながら散っていった
康イエがトキに「もしおでんが敗けた時はこの国は終わる」と語った通り、おでんを失ったワノ国は破壊者・黒炭オロチと"最強生物"カイドウの支配下による長き暗黒時代へと突入し、妻であるトキも凶弾に斃れたが…
トキ、おれはもう限界だ
おれが討ち取れなかったらーーカイドウを倒せる者は当座現れない
20年以上先の話ー世界ではおそらく大海を分かつ程の”巨大な戦”が起きる
ーーつまりあと20年もすれば……その”巨大な戦”の主役達が新世界に押し寄せる………!!!カイドウを討てるのはそいつらだ!!
生前トキが見つけた手紙にはおでんの直筆でこう書かれていた。おでんの夢を託された家臣達、おでんを信じ続ける理解者達がそれぞれの道を往きはじめてから20年の時が過ぎ、再び彼等はワノ国の明日をかけて再び集結した。そして……
おでんが予見した"戦の主役"…
最悪の世代と呼ばれる強力な海賊達がカイドウと対峙するその時が遂に訪れる……!!!
モデルとなった人物は諸説あるが、特に有力視されているのは以下の通り。
掲示板
66 ななしのよっしん
2023/01/02(月) 18:24:41 ID: yH4B/kSoUu
侍魅大魂(しみだいこん)
アニメ版の対アシュラ童子船にて使用した技。
ではなくて
侍魅大魂(しみだいこん)
アニメ版の対アシュラ童子戦にて使用した技。
ではないですか?
どなたか編集お願いします。
67 ななしのよっしん
2023/07/31(月) 04:59:56 ID: sy4vBYQFzc
大渦蜘蛛スクアードの刀がバカでかいのは、白ひげへの謀反用だったからか
68 ななしのよっしん
2024/04/18(木) 17:45:40 ID: T0JvCfjiL2
カリスマは本物
そのカリスマを誰よりも高く評価していたのが敵のオロチという政争に負けた大将
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最終更新:2024/04/24(水) 05:00
最終更新:2024/04/24(水) 05:00
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