免罪符 単語

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メンザイフ

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免罪符(めんざいふ)とは、以下のことを表す。

  1. 贖宥状(しょくゆうじょう、羅: Indulgentia)のこと。
  2. 1 に由来する、自身の罪や落ち度に由来する非難を免れる名等のこと。

1. 贖宥状

始まり

職者への告白や懺悔を通じて信徒が神により罪を赦される「告解」(羅: Confessio, Poenitentia)の制度はキリスト教において古くから存在していたが、寄進による「贖宥」という形で制度化が進んだのは中世ヨーロッパでの出来事であった。

かつて十字軍遠征にいて従軍できない代わりに寄進を行ったのが始まりとされ、それがローマ等の聖地巡礼による贖罪を行えない代償としての寄進、更には堂の建築などへの献金、と転用されていった。そうした寄進の見返りとして教会から発行されたのが贖宥状、いわゆる免罪符である。

普及

方の全ての罪は赦されますというお付き=天国へのチケット」を金銭で買うのである、と書くと非常に俗っぽいものを感じるかもしれない。しかし、「お金を手放せば天国に行ける」というシステム自体は、「富める者が天国に入るのは、ラクダが針のを通るよりも難しい」という福音書に記された有名なイエス・キリストの発言とも合致している。

また、俗世側からも大いに需要があったからこそ成立していた制度でもあった。例えばその土地の領が贖宥状の販売を禁止しても、領民はわざわざ他の土地に出向いてまで贖宥状を買いめた。現代人以上に死を身近に意識(メメント・モリ)せざるを得ない脆弱な生活インフラの中に在った中世人にとって、来世の存在は現世と同等以上に現実的なものであり、来世での幸福はまさに死活問題だったのである。

こうした状況下で日頃の不信心を面倒な告解を経ずともお金較的手軽に解決できるこの制度は大いに普及し、末期には個人の罪のみならず、死後に煉で罪を償い続けている祖先のすらも救済の対となった。

たとえその裏にあるのが露経済的動機や政治的動機であったにせよ、職に対する寄進等に何らかのご利益を期待するのは、別にキリスト教でなくてもごく普通に抱き得る自然な感情であろう。

宗教改革へ

だが、ヴィッテンベルク大学の神学教授マルティン・ルターは「そんなんどこにも神学的根拠あらへんやん」と純に教理的な理由から贖宥状制度の存在に疑念を抱き、1517年に数々の疑問点をラテン語で箇条書きにして大学堂の掲示板として利用されていた)にり付け、他の教授学生たちに広く意見をめた。

この「贖宥状の意義および効に関する私見」と題された九十五か条の論題が、大学に通う帝国各地の貴族や商の子息の間に議論を巻き起こし、更に印刷や翻訳を経て大陸中に広まって後の大きな歴史的潮流となる宗教改革のきっかけとなった。

もルター自身はカトリック教会宗教的な在り方について改善を促そうとしていただけであり、何も当初から自前の分を立ち上げようとしたわけでなければ、ヨーロッパ中を宗教分裂(シスマ)に巻き込むつもりもかった。事実破門によってく成立したルターは、英国会に次いで教理や典礼の面でカトリック教会に近く、リベラルな多数ローマ教皇庁との和解も大きく進んでいるのである。

2.言い逃れへの転用

免罪符を持っていれば、告白などの手続きなしに罪が許されることから、転じて「持っていると、罪を責められなくなる」属性を「免罪符」ということがある。

具体例はあえて挙げないが、たとえばある人物・団体が何らかの逆にあれば、その人物・団体が必要なことができなかったり、するべきでないことをしたとしても、その逆のせいにしてしまえるのである。

このとき「その人物・団体はその逆を免罪符にして(好き放題やって)いる」といった表現で用いることが多い。

人間は 自分は絶対に正しいと思い込んだ時に 最も残酷な事をする」

司馬遼太郎

確かに逆にある者に対しては一定の配慮は必要であるが、制限に許しが得られるはずもなく、ましてや自らの逆を理由に他者に危を加えることが正当化されるはずもないのである。

例外

もちろん、明確な殺意をもって自分・他人を殺・重篤な危を与える事が明人間に限って
手加減は必要なく、相手を加・殺傷したり、後遺症を残しても罪には問われない。
あおり運転で停させられ、ガラスが割られそうなので轢いて死なせた、など。
…ただし、殺す気でやらないと殺されるので注意。
護身術正当防衛など)

また、自分や他人の生命を保護するためにやむを得ず法律違反を犯しても罪には問われない。
…このまま放っておいたら死んでしまう人をトラックの荷台に乗せて運ぶ
火災災害から避難するためにガラスを壊した、他人の敷地を断で通過した
緊急避難

日本法は何かと加害者側を擁護されがちなため
何もしなければ「やられ損」「死に損」になりがちな点も忘れてはならない。

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