全日本マーチングコンテストとは、全日本吹奏楽連盟及び朝日新聞社が主催する国内最大級のマーチング(行進演奏)イベントである。通称は「マーコン」「吹連のマーチング」、先述の旧2部門制からくる「パレコン」など。
1988年に吹連50周年記念の記念事業として創設。(それ以前にも関西、九州などの地区では支部別に同様のコンテストが行われていた)同年に「全日本マーチングフェスティバル」として第1回大会が開催。以来11月後半の日曜日に開催され、翌月の日本マーチングバンド協会が主催するマーチングバンド全国大会(以下、協会)に続く国内の2大大会として定着した。ちなみに前日の土曜日に開催されるのは、吹連における小学校バンドの祭典「全日本小学校バンドフェスティバル」である。
『吹奏楽形態の団体がマーチング活動を行っている』を想定にした大会であり、専門の器具を多数必要とする協会の大会よりも導入が容易なのが利点。分かりやすく言えば、警察や自衛隊の音楽隊がやるマーチングをコンテストとして開催する、というべきか。
例年9月頃から吹奏楽コンクール同様に日本全国の各県にて県予選及び支部予選が行われ、上位二十数の団体が全国大会へと駒を進める。全国大会の会場である大阪城ホールは1万人規模のキャパを誇り、吹奏楽部員にとっては名古屋国際会議場とともに”聖地”として目指すべき場所とされている。
余談ではあるが、似た大会に「マーチングバンド全国大会」がある。これは日本マーチングバンド協会が主催している大会であるため、全く無関係である(後援として全日本吹奏楽連盟がいるため、全くの無関係とは言えないが…)
こちらの大会は『金管楽器と打楽器をメインにした形態のマーチング+大人数のバトンプレーヤー』で構成されており、言うなれば吹奏楽を使った劇として評価される。
開催年 | 開催会場 | 主な出来事 |
1988-93年 | 神戸ポートアイランドホール (ワールド記念ホール) |
全日本マーチングフェスティバルとして第1回大会開催。 当時はパレードコンテスト、フェスティバルの2部門制。 以後第6回大会まで同会場で全国大会を開催 |
1994-96年 | 幕張メッセ イベントホール | 会場を幕張メッセに移しての開催。 以後3年間を同会場で行う |
1997-2004年 | ワールド記念ホール→ 幕張メッセの交互開催 |
1年ごとに関西→関東と交互開催する体制へ変更 |
2005-2008年 | 大阪城ホール→ 幕張メッセの交互開催 |
関西側が神戸ワールドから大阪城ホールへ開催場所を変更。 2004年より全日本マーチングコンテストへ改称。 2007年より1部門制へ変更 |
2009年- | 大阪城ホール | この年より大阪城ホールの固定開催に。 2012年よりメジャーバトン及びフラッグなどのトス(放り投げ)、ピット楽器の使用が禁止に。 2013年に参加人数の上限が81人に(ドラムメジャー、サブメジャー除く)なり、3年連続出場制度(3出)が廃止に 同年よりSky-Aにて高校の部が開催翌月の12月に放送されるようになる |
全国大会で開催されるのは午前と午後の時間帯で分かれており、それぞれ「中学校の部」「高校以上の部」が行われている。この部分は吹奏楽コンクールと同様だが唯一異なる点が一つ。後者は高校以上と記載されている通り、吹連に大学、職場、一般のバンドとして加盟されている団体も同部門に参加することができる。過去に数団体の一般バンドが全国大会の地を踏んでいる。
参加校は北海道から沖縄含む九州までの全11支部から選出される。各部活動の練習環境やマーチング普及の関係上、マーチングコンテストは吹コン以上に地域差が出る大会でもあり、九州、関西のように支部大会に強豪がひしめく超激戦区もあれば、北陸、東京のような県大会を介さない一発勝負で大阪城行きが決まる支部もある。
演奏演技は30m平方の屋内フロアで行われる。フロアからは外側5mまでのハミ出しが可能で、横に幅広い隊列を組むことも可能。場合によっては前後に指揮台を配置することもできる。
参加団体の服装は極めて華美なものでなければ自由。10年位までは体操服などの軽装メインだったが、ここ最近は各学校がそれぞれの持ち衣装を着てショーをすることも多くなったようだ。
行進演奏を主体に置く吹連マーチングを象徴するのが規定課題。規定は3種あり、「3列以上の隊列による外周行進」「3列以上の隊列による180度方向転換」「足踏み(マークタイム)演奏32拍以上」を必ず取り入れることが必須となる。各学校がどんな曲を用いてどのように規定を消化するか、そういった部分も腕の見せ所。規定の細部については吹連ホームページの規定課題の項目を参照にされたし。
演技時間は中高ともに6分以内。どちらも協会の大会よりも短いが規定時間をオーバーすれば当然審査対象外となる。この部分は吹コンと同様。
なお使用曲目にコレと言った制限は無く、規約の楽器編成さえ守っていいればOK。毎年同じ楽曲(持ち曲)を規定課題に使ったり、レパートリーとフォーメーションを毎年丸々使いまわすと言ったことも出来たりする。その年毎に部員が変わるとはいえ、音楽的には協会の大会よりも自由度が高いのが吹連のマーチングなのだ。
審査は各楽器奏者などの講師を7名迎えて行われる。審査評価はA、B、Cの3段階で分けられ、過半数がA評価なら金賞、C評価なら銅賞、それ以外なら銀賞が与えられる。各団体は吹コン同様に上位陣の証である金賞を目指して切磋琢磨し、大阪城を彩るのである。もちろん銀賞銅賞の団体にも名演は山ほどあるので、最後の団体まで一人一人の頑張りに拍手を送りたい。
高校の部では演技終了後から表彰式の間まで、毎年地元であるチアリーディングの超強豪・箕面自由学園高校のチアパフォーマンスが楽しませてくれる。チケット即完売の本大会、世界屈指のチアリーディングを生で観れるお客さんは羨ましいぞ。ぜひ目に焼き付けておこう。
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最終更新:2023/03/30(木) 11:00
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