八大競走 単語

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ハチダイキョウソウ

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八大競走とは、日本中央競馬において特に格が高いとされる(された)伝統ある重賞競走の総称である。

1984年グレード制が導入されるまでは特によく使用されていた。現在ではマスコミファン共に使用頻度が減ってきたが、全く使われなくなったわけではない(後述)

概要

レース皐月賞東京優駿(日本ダービー)菊花賞桜花賞優駿牝馬(オークス)天皇賞(春)天皇賞(秋)有馬記念の8レースで、有馬記念以外は戦前ルーツとなる競走のある伝統的なレースである。そのため、かつては「クラシック競走」というが八大競走をして用いられた時代もあった[1]

グレード制が導入される以前の中央競馬重賞日本ダービー天皇賞朝日杯3歳ステークスカブトヤマ記念も中山大障害セイユウ記念も、全てが「重賞」という区分であり、賞以外の差はなかった。しかし、そんな横一列の重賞においても、この八大競走は抜けて格のあるレースとされ、JRA競馬関係者の中で特別扱いされてきた。
当然ながら、グレード制導入後は全レースGIに格付けされている。

なお、このうち赤字旧4歳(現3歳)限定競走であるため、による八大競走全制覇は事実不可能。さらに天皇賞1981年までは勝ち抜け制だったため、勝利できるのは旧4クラシック三冠天皇賞のどちらか有馬記念の最大5レースだった。

また、桜花賞皐月賞日本ダービーオークスは開催日程の関係上同時に出ようとすると連闘になることが多く、による全制覇も行われていない。

八大競走対象外の大レース

八大競走はグレード制導入以前はごく少数だった馬券の全発売対レースだったが、全発売競走の対ながら八大競走にカウントされなかったレースが存在する。

宝塚記念
現在でもおなじみの、ファン投票制で行われるオールスター戦。有馬記念と対とされ、グランプリと称されることもあるが、開催時期が6月7月と高温多湿のコンディションを嫌って有が回避することが多く、八大競走の対外とされた。初めてフルゲート出走になったのが2007年だし仕方ないよね
三冠馬シンザンが本競走を含めて現在で言うGIレースを6勝していながら五冠と呼ばれたのは、宝塚記念が八大競走と認められていなかったためである。

エリザベス女王杯
現在では三歳と古突する女王決定戦として知られるレースだが、1996年秋華賞が創設されるまでは旧四歳牝馬三冠の最終戦だった。しかし創設は前身のビクトリアカップを含めても1970年と遅く、旧4歳クラシックレースにも含まれていなかったため、八大競走としても認められなかった。
また、レースの性格を受け継いだ秋華賞現在でも牝馬三冠の最終戦であってクラシックレースとは呼ばれない。なおエリザベス女王杯はフランスヴェルメイユ賞(フランス牝馬三冠競走最終戦にして凱旋門賞戦の一つ)をモデルとして創設されたレースでもある。

ジャパンカップ
1981年創設の際招待競走。レースの格としては創設当初から十分だったが、創設がグレード制導入直前の時期であったため八大競走に新たにカウントされることはなかった。八大競走にこそ組み込まれなかったが関係者からは年末のリーディングや表を受ける上で「勝たなければならないレースの一つ」としてほぼ同格の扱いを受けている。実際に賞レースレーティング有馬記念と同等である(賞は元々ジャパンカップの方が高額だったが有馬記念も同額まで増額した)。
ただし宝塚記念エリザベス女王杯と本競走を合わせて十大競走という呼称が一だけ使われたことはある。

高松宮杯高松宮記念
1971年から中京競馬場にて実施されている競走。現在はスプリンGIとして知られているが、かつては7月上旬に行われる2000mの別定戦であると同時に全発売競走だった。天皇賞と並んで皇族の名前を冠しており、レース的にもいわゆる「オープン重賞」としては賞額が高く、また宝塚記念との間隔が概ね中3週と程よくくことから有も多く出走。夏競馬の大一番であると同時に宝塚記念などに次ぐ格の競走として扱われた。
グレード制導入後は夏競馬一のGII格付けを受け開催されていたが、1996年に「季のスプリント王決定戦」として1200m戦・5月開催に変更されGIに格上げ、1998年にはレース名を現行の高松宮記念称し、2000年には開催時期を5月から3月に変更されている。これは、季開催のスプリンGIIだったCBC賞べ、レースの格が高かったためといわれている。旧高松宮杯の施行条件は金鯱賞に、季に開催されるスーパーGIIとしての位置付けは札幌記念にそれぞれ引き継がれた。

中山大障害
1934年から年の瀬に実施されている障害競走の大一番。有馬記念創設までは地も含めた中山競馬場最大のレースの一つだった。また1998年までは現在中山グランドジャンプも「中山大障害(春)」として、年2回開催されていた。
障害競走自体が裏街道であることから八大競走の組みには入らないが、その長い歴史障害競走最高の賞額から、障害競走最大のレースとしてしまれた。現在でもJ・GIの格付けを受けているのは中山大障害中山グランドジャンプのみである。

なお、1984年グレード制施行時にGIとされたのは、八大競走・宝塚記念エリザベス女王杯ジャパンカップの他、12月に開催される東西の3歳(現2歳)重賞朝日杯3歳ステークス」「阪神3歳ステークス」(当時は両レースとも混合戦)、マイルGIとして位置づけられた最古のマイル重賞安田記念」と関東開催の安田記念に対応する関西開催のマイルGIとして創設された「マイルチャンピオンシップ」である。朝日杯3歳S阪神3歳Sグレード制以前から東西それぞれの3歳チャンピオン決定戦として定着していた。一方の安田記念歴史こそあったが、ハンデキャップ重賞かつマイル路線が王道ではなかったことなどから、レースレベルはあまり高くなかったと言われており、天皇賞(秋)ジャパンカップ有馬記念と並んで世界トップ100GIレースの上位常連の一員となっている現在べてレースの格の認識はかなり違ったものと言える。

八大競走の完全制覇をした、または完全制覇に近づいた人馬

ここでは一般的な慣例に従い、八大競走以外のGIレースグレード制導入前の勝ち数を冠数に含めず、グレード制導入後の勝ち数を冠数に含めるものとする。海外GIについても同様とする。(もっとも、グレード制導入前の日本レベルを考えると、当時海外の最高峰となるレースで勝つことは到底考えられなかった時代ではあったが。)

競走馬

シンザン
クラシック三冠天皇賞(秋)有馬記念が出走可な八大競走全制覇(天皇賞は勝ち抜け制)を果たし、五冠と呼ばれた。前述の通り、宝塚記念も勝っているが、六冠とは呼ばれない。

その他八大競走を複数勝利した競走馬

シンボリルドルフ
クラシック三冠天皇賞(春)有馬記念が出走可な八大競走準全制覇(天皇賞(秋)は出走したが2着)だが、有馬記念を2勝したことと同格とされるジャパンカップ勝利によって七冠と呼ばれた。

ディープインパクト
クラシック三冠天皇賞(春)有馬記念が出走可な八大競走準全制覇(天皇賞(秋)は出走せず)だが、ジャパンカップ宝塚記念勝利により七冠と言われる。グレード制導入前の基準に合わせると六冠に相当する。

クリフジ
日本ダービーオークス菊花賞を制覇し、として初めて八大競走3勝。ただし現役当時は有馬記念は設立前であるため出走は不可能

ブエナビスタ
桜花賞オークス天皇賞(秋)を制覇。変則三冠クリフジ牝馬三冠ジェンティルドンナと違い当だけ三冠馬ではないが、ジャパンカップ勝利しているためシンボリルドルフディープインパクトの先例に従うと四冠ということになる。現代の基準では阪神ジュベナイルフィリーズヴィクトリアマイルを加えた六冠と言われる。

ジェンティルドンナ
桜花賞オークス有馬記念を制覇。また、同時に牝馬三冠でもありジャパンカップを連覇しており、海外GIドバイシーマクラシックを制しているためそれを含め七冠グレード制導入前の基準だと秋華賞ドバイシーマクラシックを外して五冠となる。

アーモンドアイ
桜花賞オークス天皇賞(秋)を制覇し、天皇賞(秋)は連覇。による八大競走単独最多勝となる4勝牝馬三冠かつジャパンカップも2勝しており、現代の基準ではヴィクトリアマイル海外GIドバイターフを含めた九冠と言われている。先例に倣うと海外GIと新設GIを除いた七冠秋華賞を外せば六冠となる。

競走馬別の制覇図

下図太字は八大競走。便宜上八大競走ではないが、それに準ずる格である秋華賞宝塚記念ジャパンカップも併記。

競走馬 2歳GI 牡馬三冠 牝馬三冠 五競走 その他GI・備考
皐月賞 日本ダービー 菊花賞 桜花賞 優駿牝馬 秋華賞 天皇賞春 宝塚記念 天皇賞秋 ジャパンカップ 有馬記念
シンザン 牡馬三冠
ミスターシービー × × × 牡馬三冠
シンボリルドルフ × 牡馬三冠
ナリタブライアン × × × 牡馬三冠
テイエムオペラオー × × 古馬王道全制覇
ディープインパクト 牡馬三冠
ウオッカ × × × × ヴィクトリアマイル
安田記念×2
ブエナビスタ × × × ヴィクトリアマイル
オルフェーヴル × × 牡馬三冠
キタサンブラック × × × 大阪杯
アーモンドアイ × 牝馬三冠
ドバイターフ
ヴィクトリアマイル
コントレイル × 牡馬三冠

種牡馬

*ヒンドスタン
三冠馬シンザンとして知られる。ヤマニンモアー(天皇賞(春))、スギヒメ(桜花賞)、シンツバメ(皐月賞)、ハクシヨウ(日本ダービー)、リユウフオーレル(天皇賞(秋)有馬記念)、オーハヤブサ(オークス)、シンザン(菊花賞)でそれぞれ初制覇し全制覇達成

*パーソロン
七冠シンボリルドルフとして知られる。メジロアサマ(天皇賞(秋))、ナスカオリ(桜花賞)、カネヒムロ(オークス)、サクラショウリ(日本ダービー)、シンボリルドルフ(皐月賞菊花賞天皇賞(春)有馬記念)でそれぞれ初制覇し全制覇達成

*サンデーサイレンス
日本競馬の血統を塗り替えたとも言われる大種牡馬三冠馬ディープインパクトとしても知られる。ジェニュイン(皐月賞)、ダンスパートナー(オークス)、タヤスツヨシ(日本ダービー)、バブルガムフェロー(天皇賞(秋))、ダンスインザダーク(菊花賞)、スペシャルウィーク(天皇賞(春))、チアズグレイス(桜花賞)、マンハッタンカフェ(有馬記念)でそれぞれ初制覇し全制覇達成

ディープインパクト
上記の通り自身もが出走可な競走で準全制覇を果たしているが、種牡馬としてもマルセリーナ(桜花賞)、ジェンティルドンナ(オークス有馬記念)、ディープブリランテ(日本ダービー)、スピルバーグ(天皇賞(秋))、ディーマジェスティ(皐月賞)、サトノダイヤモンド(菊花賞)、フィエールマン(天皇賞(春))でそれぞれ初制覇し全制覇達成。内種牡馬としては初の記録である。

その他八大競走を複数勝利した種牡馬

*トウルソル
初代ダービーワカタカ、変則三冠馬クリフジとして知られる。ワカタカ(日本ダービー)、ハツピーマイト(天皇賞(秋))、ソールレデイ(桜花賞)、トキノチカラ(天皇賞(春))、テツバンザイ(オークス)、クリフジ(菊花賞)、クリヤマト(皐月賞)でそれぞれ初制覇し産駒が出走できる八大競走を全制覇達成。トウルソル死亡したのは有馬記念創設の10年前であった。

シアンモア
戦前競馬をトウルソルと共に二分した大種牡馬。当時競走馬を生産していた小岩井農場に所縁を持つ。カブトヤマ(日本ダービー)、アステリモア(オークス)、ロツキーモアー(天皇賞(秋))、クリヒカリ(皐月賞)、ミナミモア(天皇賞(春))、ヤマイワイ(桜花賞)でそれぞれ初制覇し、菊花賞有馬記念が未勝利

ダイオライト
三冠馬セントライトとして知られる。タイレイ(桜花賞)、テツザクラ(菊花賞)、セントライト(皐月賞日本ダービー)、グランドライト(天皇賞(春))、トヨウメ(天皇賞(秋))でそれぞれ初制覇し、オークス有馬記念が未勝利

*プリメロ
シアンモアの後継として日本にやってきたイギリス種牡馬クラシック通算15勝は半世紀以上にわたって最多記録だった。ブランドソール(桜花賞)、ミナミホマレ(日本ダービー)、アヅマライ(菊花賞)、トキツカゼ(皐月賞オークス)、ハクリヨウ(天皇賞(春))でそれぞれ初制覇し、天皇賞(秋)有馬記念が未勝利

*セフト
トキノミノルとして知られる。ハヤタケ(菊花賞)、ミスセフト(桜花賞)、シーマー(天皇賞(春))、ヤシマヒメ(オークス)、トキノミノル(皐月賞日本ダービー)でそれぞれ初制覇し、天皇賞(秋)有馬記念が未勝利

クモハタ
日本競馬史上初の内リーディングサイアーとして知られる。種牡馬実績を評価されて顕彰馬にも選出された。ニユーフオード(菊花賞)、カツフジ(天皇賞(秋))、ヤシマドオター(桜花賞)、キヨフジ(オークス)、ミツハタ(天皇賞(春))、メイヂヒカリ(有馬記念)でそれぞれ初制覇し、皐月賞日本ダービーが未勝利

*テスコボーイ
日高の生産地の救世主として人気を集め「お助けボーイ」と呼ばれた大種牡馬トウショウボーイとしても知られる。ランドプリンス(皐月賞)、キタノカチドキ(菊花賞)、テスコガビー(桜花賞オークス)、トウショウボーイ(有馬記念)、ホクトボーイ(天皇賞(秋))でそれぞれ初制覇し、日本ダービー天皇賞(春)が未勝利

*ノーザンテースト
社台牧場躍進の原動となったカナダ生まれの大種牡馬。「ノーザンテースト産駒三度変わる」と言われ、18年連続重賞勝利・20世代連続重賞勝利輩出・28年連続の産駒勝利は未だに日本最多。アンバーシャダイ(有馬記念天皇賞(春))、シャダイアバー(オークス)、シャダイソフィア(桜花賞)、ギャロップダイナ(天皇賞(秋))、ダイナガリバー(日本ダービー)でそれぞれ初制覇し、皐月賞菊花賞が未勝利

騎手

保田隆芳
戦前1936年デビューし兵役も経験、日本競馬に初めてモンキー乗りを普及させたことでも知られる、日本競馬史上初の1000ジョッキーアステリモア(オークス)、テツモン(天皇賞(秋))、タイレイ(桜花賞)、ハクリヨウ(菊花賞天皇賞(春))、ハクチカラ(日本ダービー有馬記念)、マーチス(皐月賞)でそれぞれ初制覇し全制覇達成。この記録は2人武豊が達成するまでの30年間、騎手としては保田のみが持つ記録だった。現在騎手引退騎手者。

武豊
日本競馬最多記録をいくつも持つ「日本競馬界のレジェンド」。すべての八大競走とジャパンカップを3勝以上している。スーパークリーク(菊花賞天皇賞(秋))、シャダイカグラ(桜花賞)、イナリワン(天皇賞(春))、オグリキャップ(有馬記念)、ベガ(オークス)、ナリタタイシン(皐月賞)、スペシャルウィーク(日本ダービー)でそれぞれ初制覇し全制覇達成現在現役の騎手

クリストフ・ルメール
フランスから日本JRAに移籍してきた外国人ジョッキー。外出身の騎手による八大競走全制覇は史上初。ハーツクライ(有馬記念)、サトノダイヤモンド(菊花賞)、ソウルスターリング(オークス)、レイデオロ(日本ダービー天皇賞(秋))、アーモンドアイ(桜花賞)、サートゥルナーリア(皐月賞)、フィエールマン(天皇賞(春))でそれぞれ初制覇し全制覇達成現在現役の騎手

その他八大競走を複数勝利した騎手

加賀武見
60年代に7度のリーディンジョッキーになった経験を持つ、「闘将」の2つ名が有名な日本競馬史上4人1000ジョッキータカマガハラ(天皇賞(秋))、ハツユキ(桜花賞)、アサホコ(天皇賞(春))、ベロナ(オークス)、アサカオー(菊花賞)、イシノアラシ(有馬記念)、クライムカイザー(日本ダービー)でそれぞれ初制覇し、最期の皐月賞は19年連続出走の日本記録を作るものの未勝利に終わった。現在騎手引退

柴田政人
距離を得意とし、義理堅い性格でも知られた関東トップジョッキーダービー勝利を悲願としていたことでも有名。ファンタスト(皐月賞)、プリテイキャスト(天皇賞(秋))、ブロケード(桜花賞)、ミホシンザン(菊花賞天皇賞(春))、イナリワン(有馬記念)、ウイニングチケット(日本ダービー)でそれぞれ初制覇し、オークスが未勝利現在騎手引退騎手者。

岡部幸雄
武豊登場以前に日本競馬トップジョッキーとして活躍し「名手」の二つ名で呼ばれた騎手三冠馬シンボリルドルフ騎手としても知られる。カネヒムロ(オークス)、グリーングラス(天皇賞(春))、シンボリルドルフ(皐月賞日本ダービー菊花賞有馬記念)、ヤエノムテキ(天皇賞(秋))でそれぞれ初制覇し、桜花賞が未勝利現在騎手引退騎手者。

河内洋
アグネス一族での子三代クラシック勝利などが知られる。に騎乗しての活躍が多く「河内」と呼ばれた。アグネスレディー(オークス)、ハシハーミット(菊花賞)、カツラノハイセイコ(天皇賞(春))、ヒカリデユール(有馬記念)、メジロラモーヌ(桜花賞)、アグネスフライト(日本ダービー)、アグネスタキオン(皐月賞)でそれぞれ初制覇し、天皇賞(秋)が未勝利現在騎手引退騎手者。

安藤勝己
アンカツ」の称でしまれたから移籍してきた天才騎手オグリキャップの最初の騎手としても知られる。ザッツザプレンティ(菊花賞)、キングカメハメハ(日本ダービー)、スズカマンボ(天皇賞(春))、キストゥヘヴン(桜花賞)、ダイワメジャー(天皇賞(秋))、ダイワスカーレット(有馬記念)、ブエナビスタ(オークス)でそれぞれ初制覇し、皐月賞が未勝利現在騎手引退

横山典弘
度々意表を突く騎乗を繰り出し「トリックスター」扱いされる関東トップジョッキー。近年では息子2人の活躍も著しい。サクラローレル(天皇賞(春)有馬記念)、セイウンスカイ(皐月賞菊花賞)、ロジユニヴァース(日本ダービー)、カンパニー(天皇賞(秋))、サンテミリオン(オークス)でそれぞれ初制覇し、桜花賞が未勝利現在現役の騎手

蛯名正義
凱旋門賞の2度の2着を成し遂げたことでも有名な、史上7人2000ジョッキーバブルガムフェロー(天皇賞(秋))、ウメファイバー(オークス)、マンハッタンカフェ(菊花賞有馬記念天皇賞(春))、アパパネ(桜花賞)、イスラボニータ(皐月賞)でそれぞれ初制覇し、日本ダービーが未勝利現在騎手引退

ミルコ・デムーロ
イタリアから日本に移籍して来た外国人ジョッキー外国人ジョッキーJRA騎手試験受験1号天皇賞(秋)の最敬礼がとくに知られる。ネオユニヴァース(皐月賞日本ダービー)、ヴィクトワールピサ(有馬記念)、エイシンフラッシュ(天皇賞(秋))、ジュエラー(桜花賞)、キセキ(菊花賞)、ラヴズオンリーユー(オークス)でそれぞれ初制覇し、天皇賞(春)が未勝利現在現役の騎手

福永祐一
三冠馬コントレイル騎手としても知られる。日本ダービー3勝は武豊に次ぐ大記録プリモディーネ(桜花賞)、ダイワエルシエーロ(オークス)、エプファネイア(菊花賞)、ジャスタウェイ(天皇賞(秋))、ワグネリアン(日本ダービー)、ワールドプレミア(天皇賞(春))でそれぞれ初制覇し、有馬記念が未勝利現在騎手引退

蛯名五郎
JRA初のリーディンジョッキーいた、1950年代を代表するトップジョッキーヒデヒカリ(皐月賞)、ボストニアン(日本ダービー)、メイヂヒカリ(菊花賞天皇賞(春)有馬記念)、キヨタケ(桜花賞)でそれぞれ初制覇し、オークス天皇賞(秋)が未勝利現在騎手引退

伊藤
戦後直後にデビュー追い込みを身上とした勝負強い競馬を得意としていた昭和30年代の天才ジョッキーキタノオー(菊花賞天皇賞(春))、ダイゴホマレ(日本ダービー)、ガーネツト(天皇賞(秋)有馬記念)、アイテイオー(オークス)でそれぞれ初制覇し、桜花賞皐月賞が未勝利現在騎手引退

南井克巳
「剛腕」「ファイター」の異名で知られた遅咲きのリーディンジョッキー三冠馬ナリタブライアン騎手としても知られる。タマモクロス(天皇賞(春)天皇賞(秋))、バンブービギン(菊花賞)、ハクタイセイ(皐月賞)、ナリタブライアン(日本ダービー有馬記念)でそれぞれ初制覇し、桜花賞オークスが未勝利現在騎手引退

池添謙一
グランプリで7勝を挙げている、人呼んで「平成グランプリ男」。やたらと気性に難のある名に縁があることでも知られる。アローキャリー(桜花賞)、トールポピー(オークス)、ドリームジャーニー(有馬記念)、オルフェーヴル(皐月賞日本ダービー菊花賞)、でそれぞれ初制覇し、天皇賞(春)天皇賞(秋)が未勝利現在現役の騎手

岩田康誠
地方所属のまま菊花賞勝利した後に中央に移籍してきた園田のリーディンジョッキーデルタブルース(菊花賞)、、アドマイヤジュピタ(天皇賞(春))、アンライバルド(皐月賞)、ジェンティルドンナ(桜花賞)、ディープブリランテ(日本ダービー)、ヌーヴォレコルト(オークス)でそれぞれ初制覇し、天皇賞(秋)有馬記念が未勝利現在現役の騎手

調教師

尾形藤吉
年間最多勝12回、八大競走39勝、日本ダービー8勝は現在でも最多記録で、「大尾形」と称された日本競馬有数の調教師有馬記念創設前に他の7競走を勝利し、有馬記念を第2回で勝利して人含めて史上最速での全制覇を成し遂げた。フレーモア(日本ダービー)、アステリモア(オークス)、テツモン(菊花賞天皇賞(秋))、タイレイ(桜花賞)、クリハナ(皐月賞)、ハクリヨウ(天皇賞(春))、ハクチカラ(有馬記念)でそれぞれ初制覇し全制覇達成現在は故人。調教師者。

武田文吾
タケブンの称でしまれ尾形藤吉と並び称された。三冠馬シンザン調教師としても知られる。ハイレコード(菊花賞)、レダ(天皇賞(春))、ミスオンワード(桜花賞オークス)、コダマ(皐月賞日本ダービー)、シンザン(天皇賞(秋)有馬記念)でそれぞれ初制覇し全制覇達成現在は故人。調教師者。

その他八大競走を複数勝利した調教師

田中和一郎
日本初の内リーディングサイアークモハタ三冠馬セントライト、「トキノミノル調教師として知られる。クモハタ(日本ダービー)、トキノチカラ(天皇賞(春))、ロツキーモアー(天皇賞(秋))、セントライト(皐月賞菊花賞)、ブランドソール(桜花賞)、キヨフジ(オークス)でそれぞれ初制覇し、管理が出走できる八大競走を全制覇達成有馬記念が未勝利だが、田中は第1回有馬記念が開催された1か後に死去しており、第1回に田中の管理は出走していないため、制覇するチャンスはなかった。現在は故人。調教師者。

藤本
日本初のグランプリホースメイヂヒカリ調教師として知られる。ヒデヒカリ(皐月賞)、ゴールデンウエーブ(日本ダービー)、キヨタケ(桜花賞)、メイヂヒカリ(菊花賞天皇賞(春)有馬記念)、オーハヤブサ(オークス)でそれぞれ初制覇し、天皇賞(秋)が未勝利現在は故人。調教師者。

稲葉幸夫
の管理に長け「作りの名人」と呼ばれ、第1回ビクトリアカップ勝利して史上初の牝馬三冠達成調教師になった。テツバンザイ(オークス)、オパールオーキツト(天皇賞(秋))、ヤマトキヨウダイ(有馬記念)、ナスカオリ(桜花賞)、タケホープ(日本ダービー菊花賞天皇賞(春))でそれぞれ初制覇し、皐月賞が未勝利現在は故人。調教師者。

二本柳俊夫
1980年代に多くの八大競走優勝を手掛けた関東の名調教師騎手時代にオートキツ、調教師時代にシリウスシンボリダービーを制覇した。オンワードゼア(天皇賞(春)有馬記念)、アズマテンラン(菊花賞)、ホウヨウボーイ(天皇賞(秋))、シャダイアバー(オークス)、シリウスシンボリ(日本ダービー)でそれぞれ初制覇し、桜花賞皐月賞が未勝利現在は故人。調教師者。

池江泰寿
ドリームジャーニーオルフェーヴル兄弟調教師として知られる。ドリームジャーニー(有馬記念)、トーセンジョーダン(天皇賞(秋))、オルフェーヴル(皐月賞日本ダービー菊花賞)、ミッキークイーン(オークス)でそれぞれ初制覇し、桜花賞天皇賞(春)が未勝利現在現役の調教師

尚介
ゴールドシップジャスタウェイ、近年ではソダシ調教師として知られる。ゴールドシップ(皐月賞菊花賞有馬記念天皇賞(春))、ジャスタウェイ(天皇賞(秋))、ソダシ(桜花賞)でそれぞれ初制覇し、オークス日本ダービーが未勝利現在現役の調教師

八大競走を6勝している現役調教師(2023年5月17日時点) 2桁の数字はその競走を初めて制した年の下2桁
名前
池江泰寿 11 15 11 11 11 09
尚介 21 12 12 15 13 12

馬主

サンデーレーシング
社台グループに属するバッテンの勝負服が有名なクラブ法人ノーザンファーム生産が多く所属する。レッツゴーターキン(天皇賞(秋))、デルタブルース(菊花賞)、ドリームジャーニー(有馬記念)、ブエナビスタ(桜花賞オークス)、オルフェーヴル(皐月賞日本ダービー有馬記念)、フェノーメノ(天皇賞(春))でそれぞれ初制覇し全制覇達成

金子真人/金子真人ホールディングス
三冠馬ディープインパクト、大種牡馬キングカメハメハクロフネを所有する日本最強の個人馬主2005年ごろから法人名義に変更している。キングカメハメハ(日本ダービー)、ディープインパクト(皐月賞菊花賞天皇賞(春)有馬記念)、アパパネ(桜花賞オークス)、ラブリーデイ(天皇賞(秋))でそれぞれ初制覇し全制覇達成。なおもう一度皐月賞勝利すると法人名義単独での全制覇も達成する[2]

その他八大競走を複数勝利した馬主

社台レースホース
社台グループに属する黄色縦縞勝負服が有名なクラブ法人社台グループクラブでは最も歴史が長い。ダイナカール(オークス)、ギャロップダイナ(天皇賞(秋))、ダイナコスモス(皐月賞)、ダイナガリバー(日本ダービー有馬記念)、ダンスインザダーク(菊花賞)、ダンスインザムード(桜花賞)でそれぞれ初制覇し、天皇賞(春)が未勝利

栗林友二
栗林会長を務めた「クリ」の冠名で有名な大馬主ライスシャワーを所有した栗林英雄息子クリヒカリ(天皇賞(秋))、クリフジ(日本ダービーオークス菊花賞)、クリヤマト(皐月賞)、クリペロ(天皇賞(春))でそれぞれ初制覇し、桜花賞有馬記念が未勝利現在は故人。

メジロ牧場/メジロ商事
昭和を代表するオーナーブリーダー北野豊吉氏が起こした牧場メジロ牧場」の馬主名義[3]競走馬に応じて使い分けられていた。メジロムサシ(天皇賞(春))、メジロティターン(天皇賞(秋))、メジロラモーヌ(桜花賞オークス)、メジロデュレン(菊花賞有馬記念)でそれぞれ初制覇し、皐月賞日本ダービーが未勝利現在馬主業から撤退。

さくらコマース
短、中距離でのレコードタイムを多く更新し「スピードサクラ」と称えられた。オーナー全演植、騎手小島太調教師太郎との強な三者関係でも知られた。サクラショウリ(日本ダービー)、サクラユタカオー(天皇賞(秋))、サクラスターオー(皐月賞菊花賞)、サクラローレル(天皇賞(春)有馬記念)でそれぞれ初制覇し、桜花賞オークスが未勝利

松本好雄
明石松本を意味する「メイショウ」の冠名で活躍する実業。中小牧場からの信頼が厚い個人馬主として知られる。メイショウサムソン(皐月賞日本ダービー天皇賞(春)天皇賞(秋))、メイショウマンボ(オークス)でそれぞれ初制覇し、桜花賞菊花賞有馬記念が未勝利

生産者

社台ファーム(旧)
日本を代表する吉田善哉氏が1955年に社台牧場から独立し、善哉氏の死後94年に分割相続されるまでの所謂旧社台ファームをす。ノーザンテーストリアルシャダイトニービンサンデーサイレンスなど日本競馬史に名を遺す数々の大種牡馬を導入し躍進した。コウユウ(桜花賞)、シャダイターキン(オークス)、ニチドウタロー(天皇賞(春))、アンバーシャダイ(有馬記念)、ギャロップダイナ(天皇賞(秋))、ダイナコスモス(皐月賞)、ダイナガリバー(日本ダービー)、ダンスインザダーク(菊花賞)でそれぞれ初制覇し全制覇達成

ノーザンファーム
吉田善哉氏が死去した後息子たちによって分割された際の「社台ファーム来」を前身とする。ディープインパクトアパパネの生産牧場としても有名。アドマイヤベガ(日本ダービー)、ラインクラフト(桜花賞)、シーザリオ(オークス)、ディープインパクト(皐月賞菊花賞天皇賞(春)有馬記念)、カンパニー(天皇賞(秋))でそれぞれ初制覇し全制覇達成

社台ファーム
吉田善哉氏が死去した後息子たちによって分割された後の現在の社台ファーム。「社台ファーム千歳」を前身とする。エアシャカール(皐月賞菊花賞)、アグネスフライト(日本ダービー)、マンハッタンカフェ(天皇賞(春))、ダンスインザムード(桜花賞)、ハーツクライ(有馬記念)、ダイワメジャー(天皇賞(秋))、サンテミリオン(オークス)でそれぞれ初制覇し全制覇達成

その他八大競走を複数勝利した生産者

シンボリ牧場
千葉県成田市に本場を置く「シンボリ」冠名オーナーブリーダーとしても有名な生産牧場2代目和田共弘氏の下で凱旋門賞に挑戦したスピードシンボリ七冠シンボリルドルフを生産するなど躍進した。タイレイ(桜花賞)、ハククラマ(菊花賞)、スピードシンボリ(天皇賞(春)有馬記念)、メジロアサマ(天皇賞(秋))、サクラショウリ(日本ダービー)、シンボリルドルフ(皐月賞)でそれぞれ初制覇し、オークスが未勝利

千明牧場
群馬県片品に本場を置く「シービー」冠名オーナーブリーダーとしても有名な生産牧場オーナー一族子3代での日本ダービー制覇の偉業でも知られる。スゲヌマ(日本ダービー天皇賞(春))、メイズイ(皐月賞)、コレヒデ(天皇賞(秋)有馬記念)、ミスターシービー(菊花賞)でそれぞれ初制覇し、桜花賞オークスが未勝利

吉田牧場
テンポイントフジヤマケンザンの生産牧場としても知られる。ヒロイチ(オークス)、ワカクモ(桜花賞)、リュウズキ(皐月賞有馬記念)、テンポイント(天皇賞(春))、プリテイキャスト(天皇賞(秋))でそれぞれ初制覇し、日本ダービー菊花賞が未勝利現在産業から撤退。

ノースヒルズ
三冠馬コントレイルの生産牧場としても知られる。ファレノプシス(桜花賞)、ノーリーズン(皐月賞)、ヘヴンリーロマンス(天皇賞(秋))、ビートブラック(天皇賞(春))、キズナ(日本ダービー)、コントレイル(菊花賞)でそれぞれ初制覇し、オークス有馬記念が未勝利

老ファーム
吉田善哉氏が死去した後息子たちによって分割された際の「社台ファーム老」を前身とする、社台グループでは最も歴史が古い牧場三冠馬オルフェーヴルの生産牧場としても知られる。ゼンノロブロイ(天皇賞(秋)有馬記念)、オルフェーヴル(皐月賞日本ダービー菊花賞)、でそれぞれ初制覇し、桜花賞オークス天皇賞(春)が未勝利

現在の八大競走

安田記念ジャパンカップ宝塚記念といったレースの地位向上、天皇賞(春)菊花賞といった長距離重賞の地位低下により以前よりは八大競走の重要性は薄れてきているものの、未だに特別視する関係者は多い。
また、2004年に初めて行われた調教師制度の選考基準は「通算勝利数が1000勝以上かつ、旧八大競走10勝以上かつその中に日本ダービーが含まれていること」だった(ただし2014年調教師ではGI10勝以上に条件が緩和された)。

また、八大競走から開抽選が行われる有馬記念を除き、そこに宝塚記念ジャパンカップチャンピオンズカップ(旧ジャパンカップダート)を足した10競走は、木曜日の14時すぎとそれ以外のGI競走より順が発表される(他の日曜開催のGI木曜14時に出走が確定し金曜9時すぎに順が発表される)。

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関連項目

脚注

  1. *1990年代まではJRAWEBサイトや用集などでも「クラシック競走とは伝統ある競走という意味で旧・八大競走のこと。とくに皐月賞東京優駿菊花賞桜花賞優駿牝馬の5競走を四歳クラシック競走と呼ぶ」といった解説が見られた。グレード制以前の書籍では、しばしば宝塚記念について「天皇賞有馬記念に次ぐ古セミクラシック競走」と紹介する記述が確認できる。
  2. *ディープインパクト(菊花賞から)、アパパネラブリーデイマカヒキ現在7競走
  3. *北野氏は牧場開設前の個人名義時代にメジロタイヨウで天皇賞(秋)勝利しており、「メジロ」としてはこれが初制覇になる
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