出羽守 単語


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デワノカミ

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出羽守とは、

  1. 出羽の長官。役職の扱いについては「国司」の記事を参照。
  2. 何かにつけて「○○では~」という言い方をする人を揶揄した言葉。「ではの神」などとも表記する[1]
  3. 最上出羽守。最上義光のこと。個別記事参照。

本記事では2について解説する。

概要

出羽守とは、何かにつけて「○○では~」と別世界の物事を引き合いに出す人をす古くからある俗語である。連語の「では」とかつての官職である「出羽守(でわのかみ)」を掛けた落である。多くの場合「○○」には「海外」「欧州」「北欧」などが入り、それぞれ頭に載せて「海外出羽守」「欧州出羽守」「北欧出羽守」と呼ばれることもある。東南アジア中東南米アフリカ々に対してはあまり使われない[2]

編『日本俗語辞典』(東京堂, 2003)に記載されているほか、近年では『デジタル大辞』や『大辞 第四版』(三省堂, 2019)など国語辞典にも掲載され始めている。『日本俗語辞典』ではOLことばと紹介されているが、性別に関わりなく使われる言葉である。

インターネットの普及に伴いよくにするようになったためネット用語と誤解されることもあるが[3]、実際は戦前に発行されたユーモア集(1938)にも収録されているほど古くからある落である[4]

海外や他業界と較して評価すること自体は決しておかしなことではないが、互いの環境文化の違いを考慮せずに表面的に較すると批判を受けやすい。較する際には「日本の似た事例や背景・文脈の理解と言及も必要」とされている[5]。また海外在住者でも「現実無視して過度に美化した海外情報を広める出羽守には、正直が立つ」という意見が見られる[6]

派生語

出羽守ほど使用頻度は高くないが、同じような成り立ちの用語が存在する。

  • 豊前守(ぶぜんのかみ)
    出羽守の逆。「どのも参考にならない」という憮然とした態度をとる人のこと。
  • 佐渡守(さどのかみ)
    やたらに攻撃的な論調の人のこと。サディズムの「サド」との落。
  • 守(おわりのかみ)
    日本は終わっている」ということを前提として語る人のこと。悲観義者。

その他

○○守」という俗語の中で最古級の物に「薩摩守」がある。これは「ただ乗り」を意味する用語であり、平清盛の忠度(ただのり)が薩摩守であったことにかけた落である。

戦国時代の『狂言本』所収の「青海苔」にはこの落が登場する。

関連項目

脚注

  1. *ではの神(デハノカミ)とは - コトバンクexit2020年7月28日閲覧
  2. *中川淳一郎「「外国では…」 とにかく気持ちいい“出羽守説法”の万能感」『週刊ポスト』exit2020年7月28日閲覧
  3. *「編集局から】「出羽守」って知ってる? ことあるごとに海外や他の業界の状況を引き合いに」『zakzak』exit2020年7月28日閲覧
  4. *でわのかみ【出羽守】- 日国友の会exit2024年12月12日閲覧
  5. *両角達平「海外では海外では〜はうざい?「海外出羽守」の発信者も批判者も気をつけたいこと。」『HUFFPOST』exit2020年7月28日閲覧
  6. *雨宮 紫苑「「海外を引き合いにだして日本を語る」が日本で嫌がられる理由」『FRaU』exit2020年7月28日閲覧
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最終更新:2025/04/07(月) 16:00

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