切島鋭児郎とは (キリシマエイジロウとは) [単語記事]

切島鋭児郎(きりしまえいじろう)とは、漫画『僕のヒーローアカデミア』の登場人物である。

概要

『ダチを信じる…！男らしいぜ爆豪！ノったよおめェに！』

CV:増田俊樹　誕生日：10月16日　身長：170 cm　好きなもの：硬派なもの・肉

雄英高校1-Aに所属する、デクのクラスメイト。
両端の前髪が角のように尖っている赤髪の少年。爆豪曰くクソ髪野郎。右目に小さな切り傷のようなものがある。
梅雨ちゃんや口田を代表とする異形型と比べると至って普通の外見をしているが、唯一歯だけは全て牙形状の異形になっている。
芦戸と同じく結田府中学出身。

男女問わず気軽に話しかけるコミュ力の権化。気さくで明るい性格をしたクラスのにぎやかし担当で、クラスメイトがガヤガヤしてる時の大半は中心に切島か上鳴がいる。

上鳴とは席が前後で親友のように仲が良く、共に行動したり会話やグループを組むことも多い。バスでは隣の席に座っていた。
クソ煮込みな性格の爆豪相手でもあっさりと打ち解けている。瀬呂や上鳴と並び、爆豪を平気で弄れる数少ない人物の一人。

憧れのヒーローの影響から「男らしさ」にこだわりがあり、よく口にしている。そのため対爆豪戦でアツイ戦いをしたデクや、身を張って食堂の混乱を鎮めた飯田は高く評価している模様。敵に臆さず斬りかかる勇敢さを持つが、それゆえ先走りしすぎてしまうことも。

明るい性格だが根っからの前向きというわけではなく、ネガティブな考え方をする一面を持っている。個性の地味さを気にしたり、友人のピンチに動けないことを必要以上に気にしてしまう傾向があるが、これは後述する過去の苦い経験によるものである。

オールマイトから『なんて素晴らしい心持ち』と称されるほどに良い人。入試の際にもデク・お茶子に次ぐ救助P35を獲得している。しかし爆豪のエキセントリックな行動に振り回されたり、食堂のトラブル時に巻き込まれながらもなだめようとする辺りから、人柄の良さゆえの貧乏くじ気質が感じられる。

実技試験は敵P39・救助P35の計74Pで総合2位、スポーツテストでの順位は８位、体育祭はベスト8と、一癖も二癖もあるクラスメイト達の中でも安定して高い成績を残している。
ただし座学の成績はクラス20人中15位と正直低い方であり、戦闘においても個性と身体能力に任せっきりで、策にはめられると弱いという一面がある。

デク・轟・爆豪と共にオールマイトの本気を肌で感じた人物の一人。

1-Bの生徒である鉄哲徹轍とは、後述する個性だけでなく実力・性格・コスチュームなど何から何まで被りまくっている。当初は『ただでさえ地味なのに！』と彼の存在に嘆いたが、体育祭本選での真っ向勝負の結果お互いを認め合ったようで、これまた被った研修先で再会した際にはがっちり握手を交わしている。

仮ヒーローネームは「剛健ヒーロー烈怒頼雄斗（レッドライオット）」。これは「漢気ヒーロー紅頼雄斗(クリムゾンライオット)」をリスペクトしてのもの。

切島の過去と芦戸との関係

中学3年当時の切島は「ちょっと硬くなる」程度の個性でしかなく、雄英は雲の上の存在であった。
対して同級生の芦戸は運動神経抜群、人当たりも良く個性も強烈、見た目もド派手と今っぽいヒーロー向きの存在であったため、彼女のようにもっと派手で強力な個性があれば…という劣等感を感じていた。

それでも紅頼雄斗の「心に漢気がありゃ”個性”なんて関係ねェ」という言葉を胸に鍛錬を重ねるが、街中で巨大敵に狙われる芦戸の友人に遭遇した際、恐怖で救いに行くことが出来なかった。加えて芦戸が恐怖に怯えながらも救出に向かったこと、当時は名も知らぬデクが爆豪の為に飛び出していったことを知り、己の心の弱さを痛感してしまう。

自暴自棄になった切島であったが、かつての紅頼雄斗のインタビューにより「漢気」を再確認し一念発起。同級生に謝罪し、猛特訓を重ね見事雄英に合格してみせた。
高校入学と同時に下した黒髪から赤髪のツンツヘアーに髪形を変えるが、これは情けない自分への決別の意思が込められており、ツノが芦戸とお揃いなのも彼女を意識してのことと思われる。
そんな切島を見た芦戸は気負い過ぎるなと発破をかけ、切島が過去と決別できる日までその話はしないことを伝えた。

このような過去のため、誰かがピンチの時に動けないことに対し強い恐怖を感じており、爆豪救出の時にはクラスメイトの静止を振り切ってまで行動するという半ば暴走気味の行為に走ったことがある。
しかしその漢気は確実に切島を成長させ、現在はプロヒーローどころか敵にまで認められる程になった。

個性

個性は「硬化」。最強の矛にも盾にもなる。
硬度は刃物を砕き、巨大仮想敵に押しつぶされても傷一つ付かないレベル。ただ単純に硬くなるだけではなく、硬化時はある程度鋭利な形状に変化させることが出来るようで、前腕部を硬化させての攻撃はさながら斬撃のようなものとなる。
また個性の硬度だけでなく、爆豪の爆破によるカウンターを食らっても微動だにしないフィジカルの強さも併せ持っている。

グッと気張ることで硬化が発動。全身、一部を問わず通常の硬化なら10分程度、後述の安無嶺過武瑠状態は3～40秒程度持続できる。持続が切れたら一呼吸置かないと再硬化はできない。
高い攻撃力と防御力を併せ持つため対人戦に強く、デクからはプロにも十分通用する個性だと評価されているが、当人的には地味なのが不満らしい。

目立ったデメリットはないが、対爆豪戦では全身ガチガチに硬化し続けるといずれどこかが綻ぶという欠点を付かれ、試験ではセメントスに耐久戦に持ち込まれた結果打開策が見出せずに手詰まりになってしまっている。（尤も爆豪は長期戦で真価を発揮する無類のタフネスであり、セメントスもアスファルトがある限りほぼ無限に壁を作り出せるようなチート個性なので、切島が特別持久力がないというわけではない）
また、機動力が課題だと本人は口にしている。

個性の影響なのか、汗の吹き方が少々特殊。どこぞのキャプテン・クロのようである。

前述のように鉄哲徹轍の個性「スティール」と性質がダダ被りしている。

必殺技

烈怒交吽咤(レッドカウンター)：硬さを活かし、攻撃を食らいながら強引にカウンターをブチかます力技。
安無嶺過武瑠(アンブレイカブル)：個性伸ばし圧縮訓練により到達した現時点での最高硬度を全身に身にまとう防御形態。現在維持できる時間は3～40秒程度だが、その硬度はクスリを使ってブーストした無数の刃すら退ける。髪や手足、眼球に至るまで硬化・鋭利化しており、動くたびに全身から軋むような音が鳴るのが特徴。
烈怒頑斗裂屠(レッドガントレット)：硬化した腕でのパンチ。シュートスタイルのデクのキックと合わせて壁をぶち破れるほどの威力がある。

ヒーローコスチューム

個性により元々高い防御力を誇るためか、上半身は赤い歯車のようなショルダーを両肩に付けただけのほぼ裸。ちなみにヘッドギアを着用すると、前髪が正しく二本の角のように見える形となる。
服を着てもどうせボロボロになるからということで最初からズタボロの布を装備している。ズタボロは漢の勲章。
ベルトのバックルがRの形をしており、これは仮ヒーローネームのレッドライオットから来てると思われる。

仮免編以降は素肌では人を抱える時に傷つけてしまうと気づいた結果、アームカバーを装備したニュースタイルとなっている。

ゴリゴリの武闘派スタイル故、ヘッドギアとアームカバーがしょっちゅう壊れる。

僕らのヒーロー解体新書その⑫「漢なら益荒男(ますらお)ぶれ」切島鋭児郎

切島’ｓ髪：セットは3分。
切島’ｓ傷：よく描き忘れる。
切島’ｓ歯：歯ブラシの消耗が激しい。
切島’ｓこのポーズ(両拳を胸の前に合わせるポーズ)：彼なりの気合ポーズ。
切島’ｓ拳：いい音が出る。
切島’ｓ全身：硬い！！！

THE・裏話

上鳴と同じく曲者揃いな1-Aの輪を繋ぐような人物というコンセプトの下で生み出されたキャラクター。
そのコミュ力は上記の通りであり、作者も彼にはネーム的に助けられることが多いとか。

明るく気さくな性格・イメージカラーが赤・ツンツン髪・根性気質に硬化というゴリ押し上等個性と少年漫画のテンプレのようなキャラクターのため、時折デクより主人公っぽいと言われることもある。

右目のキズは３歳時に就寝中、尿意で目が覚め目をこすったところ、そこで初めて個性が発現してしまい硬化した手で傷つけてしまったもの。汗の拭き方が特殊なのはこの出来事があったからなのかもしれない。

実は3話の段階からすでに登場していたらしい。３話の実技試験の様子を見返してみると、両手の手刀で仮想敵を切り裂いている人物がいるため、彼のことだと思われる。当時の髪形が違う理由は前述の通り。
ちなみに初期構想では「超絶高校デビューヤンキー」という設定だった。入試時と入学後の髪形の違いはこの名残だろう。

私服姿はパーカーにハーフパンツとまさにTHE・活発といった感じだが、少々幼くも見える。

本編中序盤ではデクと直接的な共闘をほとんどしていないため大きな見せ場があるわけではないが、どの場面でも彼の描写は少なからず描かれており、何気に出番が多かった。
本格的に活動が始まるインターン編では単行本16巻の表紙を含め多くのカラーイラストを飾っており、一気にレギュラーキャラとしてその地位を確立させた。
またアニメ公式サイトでは八百万・常闇・上鳴がトップ画像に追加されない中、彼はメイン6人に混じってトップ画像入りしている。初映画の特報画像にも登場している他、スピンオフのすまっしゅでも貴重なツッコミ要因の一人としてある意味本編以上に活躍しており、何かと扱いの良さに定評がある男である。