北北西に曇と往けとは (ホクホクセイニクモトユケとは) [単語記事]

北北西に曇と往けとは、入江亜季による日本の漫画作品。KADOKAWA「ハルタ」Vol.32からVol.80、後にKADOKAWA「青騎士」へ移籍してNr.1より連載中。2024年 12月現在、単行本は既刊7巻。

概要

基本情報
北北西に曇と往け
作者	入江亜季
出版社	KADOKAWA
掲載誌	ハルタ →青騎士
連載期間	2016年 3月 - 連載中
レーベル	ハルタコミックス →青騎士コミックス
巻数	既刊7巻 (2024年 12月現在)
受賞歴
第12回マンガ大賞最終ノミネート作品(2019年) 第3回みんなが選ぶTSUTAYA コミック大賞第8位(2019年)
漫画テンプレート

「乱と灰色の世界」でハルタ初期から連載していた入江亜季の最新連載作品。

日本から遥か離れた北極圏に位置する島国、アイスランドを舞台とし、フランス人の祖父の下で暮らす日本人少年が現地の人々との交流を通しての成長、弟との再会から周囲に始まる謎を探偵として追う姿を描く。所謂ジュブナイル・ミステリーと呼ばれるジャンルの作品。

日本の地方都市が舞台だった前作「乱と灰色の世界」から一転、北欧のアイスランドを舞台とする作品になったのは、元々作者である入江亜季が前作の終了後に世界各地を旅した時、中でもアイスランドを車でドライブした事が最高の思い出として残った事から「アイスランドの自然と、生活と、車」をテーマとした漫画を描くことにした。
作中にはアイスランド各地の名所が描かれるが、これはもちろん作者が実際に訪れたことがある場所で、主人公がよく車で様々な場所に訪れるのも作者の旅の経験が反映されている。

2019年には第12回マンガ大賞、「第3回みんなが選ぶTSUTAYA コミック大賞」では8位入賞と2つの漫画賞にノミネートされた。

2021年から新しく漫画誌青騎士が創刊されると、いくつかの作品と共に創刊号から移籍し、現在も連載中。

青騎士に移籍してからは通常の単行本の他に「愛蔵版」と題したワイドコミックが刊行されている。

あらすじ

旅、ときどき探偵。

舞台はアイスランド島、北緯64度のランズ・エンド。
17歳の主人公・御山慧には３つの秘密があった。ひとつ、クルマと話ができる。ふたつ、美人な女の子が苦手。
３つ、その職業は、探偵――。

あるときは逃げ出した飼い犬を連れ戻し、またあるときはひと目ぼれの相手を探し出す。
愛車ジムニーを駆りながら、胸のすくような探偵活劇が、いま始まる！

若き魔法使いの成長を描いた『乱と灰色の世界』から２年。入江亜季の最新作は極北の大地が舞台の“エブリデイ・ワンダー”!!

登場人物

御山慧(みやまけい): 主人公。高校を中退してアイスランド在住の祖父の家に居候している少年。17歳。; 機械なら何でも会話できるという超能力じみた特別な能力を持っていて、それを生かした探偵業をレイキャビクを中心にして営んでいる。特に自動車から持ち主の情報を聞き出しての人探しを得意としている。反面不思議な力に頼り切りというわけでは無く、残されたレシートから行動を推測するなど一般的な探偵としての能力も持っている。; 探偵らしく疑り深く表情も動かないためクールな印象を与えるが、本来は心優しく、内心では感情豊かな一面がある。また美女が苦手、ラーメンが好き等年相応な一面もある。; 両親を既に失くしていて、弟の三知嵩にはかなり過保護気味に接している。兄として; 愛車はジャックから受け継いだスズキ・ジムニー。かなりの愛着を持っていて、暇なときはよくドライブをしている^[1]。かつてアイスランド中を走っていた為多くの道を知っている探偵業の相棒でもある。慧曰くジャックに似ておしゃべりな性格らしい。
リリヤ: 第8話から登場。カトラの姉の娘で、本作のヒロイン。17歳。; 水浴びをしていた際にジムニーに導かれてその場を訪れた慧とばったり会い、後にカトラの家で再会した。; 非常に美しくミステリアスな雰囲気を纏っていて、初対面の時慧が「人間と思えなかった」と呆然と見つめてしまった程。; チェロと声楽を趣味としており、その技術は慧が手放しで褒めるほど見事な物。元々は北の方の街で暮らしているが、コンサートの為に度々カトラの家を訪れている。; 人の言葉の音を聞いてその人間の感情を察知することが出来る。日本語は話せないが三知嵩の話す声が「汚れた音がする」と述べ、慧に三知嵩が嘘をついていると警告した。; 実は慧とは8話以前にも会ったことがあり、その時はジムニーに積んであった毛布や着替えを盗んでいったことがある。
ジャック: アイスランドに住んでいる慧の祖父。フランス人。; 北極圏を中心にした生物学者で、大学では生態学を教える講師でもある。慧と同じく鳥と意思疎通できる特別な力を持ち、本人は自分たちの一族に伝わるものなのではないかと推測している。; 女好きな性格で慧曰く「誰でも口説くやつ」。出会ったとき助けたカトラに惚れられ、以来恋人同士になった。; 慧とは顔を合わせると喧嘩になる事が多く文句と注文と好き嫌いが多いと言われているが、実際は喧嘩するほど仲がいい。; 愛車はランドローバー・ディフェンダー。
清(きよし): 第12話から登場。慧の数少ない友人で、慧が日本で探偵業をしていた時は手を貸してもいた。日本在住。; 自分のノートパソコンでアプリを制作する仕事をしており、個人で企業との交渉もしている。; 成績優秀で受験生であるにもかかわらず「退屈」していた為、慧を訪ねてアイスランドを訪れた。
カトラ: 休業中の女優。海遊びに訪れた先でアクシデントに遭い、それを助けてくれたジャックに一目惚れして慧に人探しの依頼をしてきた。ジャックと付き合い始めてからは慧とも親しく接するようになり、リリヤと慧が友人関係になる切っ掛けとなった。
御山三知嵩(みやまみちたか): 高校に通う慧の弟。金髪など日本人離れした容姿を持つ。15歳。; 両親が亡くなってからは慧と別れ、母方の叔父夫婦に引き取られて暮らしていた。しかしある時夫婦が相次いで亡くなり、慧を追いかけてアイスランドまでやってきた。; 亡くなった夫婦はそれぞれ事故と病死であったが、夫婦の友人の刑事からは殺人の嫌疑をかけられ、追われる身となってしまった。