北海道新幹線とは、北海道旅客鉄道(JR北海道)が運営する新幹線である。
なお、便宜上「北海道南回り新幹線」に関しても触れている。
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元々は全国新幹線鉄道整備法に基づき、起点青森市・経由函館市付近及び札幌市・終点旭川市と定められた路線。2002年に新青森駅~札幌駅間の区間において工事実施の認可を申請し、2005年に新青森駅~新函館北斗駅間で認可を受け鉄道・運輸機構により着工された(但し、共用区間はJRに委託)。
工事にあたり、津軽海峡を通過する青函トンネルをはじめとする一部区間(海峡線の約82キロ)は、三線軌条化した上で在来線との共用区間となっている。在来線ダイヤを調整した上で深夜に電化設備改修などの工事が行われている。なお、北海道新幹線開業後、共用区間は貨物列車が走行する。[1]
2014年10月に北海道新幹線用の車両となるH5系の搬入が行われ、同年12月から夏頃にかけて走行試験が行われた(3月までは奥津軽いまべつ~新函館北斗間、4月~8月は新青森~新函館北斗間)。走行試験が終了後、8月22日より深夜時間帯に3往復程度乗務員の訓練運転が実施されている。
なお、前述の共用区間があることから、在来線の貨物機関車が正常に運行できるかの試験も行わなければならないため、2015年1月1日に事前確認を行い、2015年3月22日にシステム切り替えを行った。
新青森駅~新函館北斗間は2016年3月26日に先行開業。車両は函館新幹線総合車両所所属となるH5系とJR東日本のE5系が使用されている。
2012年8月25日、新函館北斗駅~札幌駅間が着工された。但し、建設費の関係から通常より工期が延びて24年程度となる為、札幌延伸は当初予定(2019年度~2020年開業)より大幅に遅れ2030年度に開業予定。もともとは2035年度であったが、あまりにも工期が長いため地元からは早期開業を求める声があり、正式に前倒しとなった。
しかしながら、2024年4月に2030年度末の開業を断念する見通しという記事が一斉に報じられた。札幌市などから困惑の声が上がるも、5月8日、建設主体の鉄道建設・運輸施設整備支援機構(鉄道・運輸機構)は国土交通省に対し、2030年度末の開業を正式に断念したことを報告した。元々2030年に開催予定であった札幌五輪に間に合わせるための強行軍であり、五輪開催の可能性が事実上消滅した以上、2030年という目標そのものに意味がなくなったのも大きいだろう。その点を除いても、難工事続きで工期が遅れているのもまた事実であり、北海道ラピダス半導体工場との建設作業員の取り合いで人員不足にも陥っており、新たな開業時期の見通しは立っていない。
札幌駅まで開業すると新青森駅で東北新幹線と接続して直通運転を行う事で東京駅~札幌駅間が3時間57分で結べるとされている(大宮駅~札幌駅間を360キロで運転した場合[2] )。
新函館北斗駅〜札幌駅間についてはJR北海道が追加負担することで320km/h化する予定である。
また、札幌~旭川間については基本計画のみで今のところ具体的な動きはない。
青函トンネルでの貨物列車がネックとなり、部分開業時点では海峡線の共用区間(新中小国信号場~木古内駅間)において速度が在来線特急並に抑えられ最高速度は140km/hとなっている。
開業前のシミュレーションでは、東京駅~新函館北斗駅間の最短所要時間は4時間10分となってしまい、航空機との競争に不利とされ(一般的には4時間を超えると不利とされる)、地元自治体から短縮を要望する声が出ていたことから停車駅を減らすことで4時間を切る列車を開業時から運行することを検討していたが、最終的に見送られることになり、開業時の所要時間は最短で4時間2分となった。
当初は開業2年後を目処に新幹線専用時間帯を設けた上で1日1往復に限り時速200km/h以上で運行される予定であったが延期された(新幹線単独区間は最高速度260km/h)。現在は最繁忙期に限って210km/h運転が行われている。
その後もJR北海道としては260km/h化を目指していたが、2024年GWより最繁忙期での260km/h運転が実現することになった。
ちなみに新函館北斗駅から函館駅まで列車で向かう時間は、函館空港からバスで函館市中心部に向かう時間と大して変わらない。
このためミニ新幹線として函館駅に乗り入れる構想が何度か浮上しているものの、実現には至っていない(フル規格構想については後述)。
運行する列車名については実質東北新幹線の延長であることから、新青森駅~新函館北斗駅間開業時は「はやぶさ」「はやて」を使用し、札幌延伸時に列車名を公募する。
また、当面の終着駅となる新函館北斗駅と函館駅の間はアクセス列車「はこだてライナー」を運行する(詳細は新函館北斗駅を参照)。
駅名については2014年6月11日に発表され、「奥津軽いまべつ駅」「木古内駅」「新函館北斗駅」の3駅が設置されることとなった。
現在建設が進められている小樽経由のルートのほかに、長万部から室蘭本線と千歳線に並行して札幌に至るルートが「北海道南回り新幹線」として別に基本計画線となっている。
沿線の人口、人口密度ともに現在ではこの南回りのほうが高く、函館~札幌間の長距離輸送のメインルートとなっているが、こちらのルートは沿線に有珠山などの活発な火山を抱え、在来線も何度か火山の噴火によって不通となった経験がある。
また北回りの小樽ルートの方が札幌への所要時間も短く、且つ当初の整備計画での終着地・旭川への延伸に適していた事からこちらの方が優先され、南回りのルートは建設のための調査も行われていない。
この関係から、札幌駅延伸時は南回り方面へは長万部駅で室蘭本線の列車に乗り換えることになるとみられる。
北海道新幹線開業をPRするテーマソングは、函館市出身のロックバンド「GLAY」のTAKUROが「Supernova Express 2016」を書き下ろしており、北海道のCMで使用されている。
これは北海道などがGLAYに製作を依頼し、GLAY側が承諾したものである。
開業前には蟹田駅~木古内駅間で特急列車の自由席に限り乗車券のみで乗車できる特例があった(同区間は2002年に普通列車が廃止されたことから、特急列車でしか乗降できないため)。これは青春18きっぷや北海道&東日本パスにも適用されていた。
しかし、北海道新幹線木古内駅~新函館北斗駅間開業後は、海峡線を通過する在来線の旅客列車は全廃し(三線軌条化した上で、貨物列車は引き続き海峡線を通過する。また、津軽線については運営会社が異なることから並行在来線扱いせず、そのままJR東日本が運営している)、江差線(木古内駅~五稜郭駅間)は道南いさりび鉄道に転換された。
当然ながらこの特例は廃止となり、以下のように変更となった。
「青春18きっぷ北海道新幹線オプション券」を別途購入すれば、奥津軽いまべつ駅~木古内駅間の新幹線の立席(車内の空いている席)及び道南いさりび鉄道線の木古内駅~五稜郭駅間に乗車することができる。
また、奥津軽いまべつ駅はJR東日本津軽線の津軽二股駅と隣接しているため、そこから乗り換えとなる。
ただし、木古内駅と五稜郭駅以外の駅で下車した場合は別途運賃が必要になってくる上に、津軽二股駅が存在する津軽線三厩駅~蟹田駅間の列車は1日5往復しかないので、旅程を組む際は注意が必要である。
ただし当該区間は2022年に災害不通となっているため、2023年現在は代行バス、もしくは乗合タクシーである「わんタク」を利用することになる。「わんタク」の利便性が高いことからある程度旅程は組みやすくなっている。ぶっちゃけ18キッパーはこの切符を使うより青函を結ぶフェリー(JRとは別会社)を使ったほうが予定を組みやすい。
新青森駅~新函館北斗駅間を相互発着の場合に限り特定特急料金を支払えば新幹線の立席(車内の空いている席)に乗車することができる。
2014年11月20日に列車名が発表された。なお、北海道新幹線を運行する定期列車の本数は2015年9月16日に13往復(東京駅発着は10往復)と発表された。
2016年3月26日の新青森駅~新函館北斗駅間開業時に江差線が道南いさりび鉄道に移行。
2030年度の新函館北斗駅~札幌駅間開業時には函館本線(函館駅〜小樽駅間)のうち、函館駅〜新函館北斗駅間が第3セクター鉄道に転換(おそらく道南いさりび鉄道へ)、長万部駅〜小樽駅間は廃止・バス転換される予定となっている。新函館北斗駅〜長万部駅間については旅客輸送としてはバス転換する方針となっており、貨物輸送は維持する予定である(ただし、どのような形態で維持するかは未定)。
また、函館駅~新函館北斗駅間に引き込み線や複線区間の片側1線を活用したフル規格新幹線を走らせる構想がある。
停車駅:●は停車、▲は一部停車、|は通過。東北新幹線内の停車駅は「東北新幹線」参照。
駅名 | 停車駅 | 乗り換え路線 | 所在地 | ||
---|---|---|---|---|---|
はやぶさ | はやて | ||||
新青森駅 しんあおもり |
● | ● | 東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
東北新幹線 (東京駅まで直通運転) |
青森県 青森市 |
奥羽本線 | |||||
新中小国信号場 しんなかおぐに |
| | | | 接続路線無し(乗降不可) | 青森県 東津軽郡 外ヶ浜町 |
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奥津軽いまべつ駅 おくつがるいまべつ |
▲ | ● | 東日本旅客鉄道 (JR東日本) |
津軽線(津軽二股駅) | 青森県 東津軽郡 今別町 |
(竜飛定点) | | | | | (※緊急時の避難所として使用) | 青森県 東津軽郡 外ヶ浜町 |
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(吉岡定点) | | | | | (※緊急時の避難所として使用) | 北海道 松前郡 福島町 |
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湯の里知内信号場 ゆのさとしりうち |
| | | | 接続路線無し(乗降不可) | 北海道 上磯郡 知内町 |
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木古内駅 きこない |
▲ | ● | 道南いさりび鉄道 | 道南いさりび鉄道線 (旧・JR江差線) |
北海道 上磯郡 木古内町 |
新函館北斗駅 しんはこだてほくと |
● | ● | 北海道旅客鉄道 (JR北海道) |
函館本線 | 北海道 北斗市 |
駅名 | 乗り換え路線 | 所在市町村 | |
---|---|---|---|
新函館北斗駅 しんはこだてほくと |
北海道旅客鉄道 (JR北海道) |
函館本線(転換予定) | 北海道 北斗市 |
新八雲駅(仮称) しんやくも |
接続路線無し | 北海道 二海郡 八雲町 |
|
長万部駅 おしゃまんべ |
北海道旅客鉄道 (JR北海道) |
室蘭本線 | 北海道 山越郡 長万部町 |
函館本線(転換予定) | |||
倶知安駅 くっちゃん |
北海道旅客鉄道 (JR北海道) |
函館本線(転換予定) | 北海道 虻田郡 倶知安町 |
新小樽駅(仮称) しんおたる |
接続路線無し | 北海道 小樽市 |
|
札幌駅 さっぽろ |
北海道旅客鉄道 (JR北海道) |
函館本線 (千歳線直通) (学園都市線直通) |
北海道 札幌市 中央区 |
札幌市交通局 (札幌市営地下鉄) |
南北線 | ||
東豊線 |
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の車両 |
200系 - 400系 - E1系 - E2系 - E3系 - E4系 - E5系/H5系 - E6系 - E7系/W7系- E8系 |
東北・北海道・上越・北陸新幹線及び山形・秋田新幹線の列車 |
東北・北海道: はやぶさ - はやて - やまびこ - なすの - あおば 上越: とき - たにがわ - あさひ 北陸: かがやき - はくたか - つるぎ - あさま 山形・秋田: つばさ - こまち ※下線付きは現在不使用 |
掲示板
307 ななしのよっしん
2024/03/24(日) 20:26:22 ID: pgOJP7r98F
最速達便を設定するのもいいけど、それよりも速達便を増やしてほしい。現状では東京~新函館北斗間で4時間切る列車は下り2本と上り1本しかない。
北陸新幹線のかがやきみたいに繁忙期は1時間ごとに速達便が走るくらいにしてほしいものだ。
308 ななしのよっしん
2024/03/28(木) 18:41:40 ID: C4e5ldqpzm
新幹線の函館駅乗り入れ「可能」 市の試算結果が判明 フル規格想定
https://
東京直通はともかく、はこだてライナーと北斗のアップグレードと考えればその額でいけるならやるのが道南エリアにはいいんじゃないかね
どこが金出すのかで揉めそうだけど
309 ななしのよっしん
2024/10/01(火) 20:44:05 ID: 7n+m0MpITv
札幌延伸までは黒字にならないのは当たり前みたいに言われてるけど
2004年に国土交通省が新函館までの延伸でも年平均45億円の黒字という試算を出して着工させたことは札幌開業まで記憶に留めておきたい
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最終更新:2024/11/12(火) 01:00
最終更新:2024/11/12(火) 01:00
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