千賀滉大 単語

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千賀滉大(せんが こうだい、1993年1月30日-)とは、愛知県出身のメジャーリーガー投手)である。現在ニューヨーク・メッツに所属。

概要

地元の高校に進んでから投手に転向。2年からエースになり、身長伸びるにつれ球速も上がり最速144km/hをマークしたが、3年も県大会3回戦止まり。
全くの名と言っていい存在だったが、2010年の育成ドラフト4位で福岡ソフトバンクホークス名され入団。背番号128

ソフトバンクスカウト部長(当時)の小川一夫が地元のスポーツ用品店経営者から存在を知らされ、練習を見学した結果、育成枠での名に至ったそうである。また同年の育成ドラフトでは5位で牧原大成、6位で甲斐拓也名されている。

ソフトバンク時代

入団当初は全くストライクが投げられないような制球だったが、倉野信次コーチのもと三軍魔改造を施された結果、最速152km/hをマークする剛速球投手に生まれ変わる。

2012年(2年)、キャンプから結果を残してA組に昇格しオープン戦でも登板。開幕後の4月23日、支配下登録を勝ち取った。
背番号和田毅のつけていた21を与えられ、本人も驚く。4月30日千葉ロッテマリーンズ戦(QVCマリンフィールド)でプロ登板、3回までノーヒットの投球を見せるが、4回に入って自滅し3失点でKOされた。
5月11日ロッテ戦(QVC)で登板するも1回4失点を喫し二軍落ち。そのまま二軍シーズンを終えるが、二軍では先発ローテーション入りし、21試合に投げて防御率1.33をマークしてウエスタンの最優秀防御率を獲得、11勝した二保旭と共にチームのウエスタ優勝の原動となった。


2013年岩嵜翔背番号を交換する形で背番号41に変更。
中継ぎとして開幕一軍入りを果たし、4月17日東北楽天ゴールデンイーグルス戦で1点リードの7回に登板し、プロ野球史上15人となる1回4奪三振記録するなど、リリーフでありながら奪三振ランキング上位に顔を出すという異常ペース三振の山を築く。
5月12日埼玉西武ライオンズ戦で同点の7回から2イニングを投げ、その間にチームが勝ち越しプロ勝利を挙げた。そのまま前半戦は27試合連続失点連続イニング失点のパ・リーグタイ記録(34回1/3)をマークする大活躍を見せるが、ブライアン・ファルケンボーグの離脱で抑えのポジションが回ってきた6月26日北海道日本ハムファイターズ戦で味方のエラーから連続失点が途切れ敗戦投手となると、そこから4試合連続で同点の場面で登板して失点し4連敗、登録抹消となった。オールスターゲームには監督推薦で初出場、第2戦で4者連続を含む5奪三振記録して敢闘賞を受賞。
後半戦もリリーフとして投げたが前半戦ほどの安定感はなく、9月に左離れで戦線離脱、そのままシーズンを終えた。最終的に51試合に登板、1勝4敗1セーブ17ホールド防御率2.40。


2014年デニス・サファテの加入もあり開幕から便利屋中継ぎポジションで投げていたが、6月に右肩の違和感で戦線離脱。そのまま後半のシーズンを棒に振った。19試合の登板で1勝1敗3ホールド防御率1.99だった。


2015年先発に再転向。二軍では好投を続けていたが、一軍先発きがく、なかなか昇格のチャンスがなかった。8月18日オリックス・バファローズ戦でシーズン登板、7回失点の好投で一軍先発勝利を挙げる。結局シーズンでは4試合に登板、2勝1敗、防御率0.40(22回1/3で自責1)と翌年へ期待を抱かせる数字を残した。
ポストシーズンリリーフとして待機し、クライマックスシリーズでは第1戦と第3戦で完璧リリーフを見せCS突破に貢献。日本シリーズでは初登板となった第3戦で山田哲人に3打席連続の3発となるホームランを打たれて敗戦投手となったが、第4戦では2イニングを失点に抑えた。


2016年は開幕から先発ローテーション入りし、1年間ローテーションを守った。4月13日西武戦ではプロ勝利を挙げるなど、安定したピッチングで7月まで敗の開幕8連勝記録
9月3日東北楽天ゴールデンイーグルス戦では1失点勝利で12勝を挙げ、読売ジャイアンツ山口鉄也の持っていた育成出身選手のシーズン最多勝利記録更新した(なお、山口は通算ホールド日本記録を持つ救援専門の投手である)。
その後の3試合で0勝2敗に終わり、13勝を挙げられず最高勝率タイトルは逃したが、初めて規定投球回数に到達し、12勝3敗、防御率2.61リーグ3位)の好成績を挙げた。
CSではロッテとのファーストステージ第1戦に先発し7回2失点の好投も勝ち負けつかず。日本ハムとのファイナルステージでは第3戦に先発したが、初回の4失点(自責0)がき敗戦投手となった。


2017年WBC日本代表侍ジャパン)に選出され、オーストラリア戦では6回から登板し、勝利投手となる。アメリカ戦の8回に1失点を喫し、敗戦投手となった。最終成績は4試合1先発1勝1敗、11回、16奪三振菅野智之と並んで全体で最多)、防御率0.82(10イニング以上を投げた投手では二番)となり、先発中継ぎフル回転し失点とも言える活躍を見せ日本の決勝ラウンド進出に大きく貢献、侍ジャパンからWBCベストナイン投手部門)にも選出され、育成選手出身ながら世界にその名を知らしめた。
レギュラーシーズンでは22試合に登板し、13勝4敗(勝率.764)、防御率2.64の成績を挙げ、最高勝率タイトルを獲得した。
日本シリーズでは第1戦で7回1失点の好投でを挙げたが、背中の痛みで第6戦は登板を回避した。


2018年は育成出身選手として史上初の開幕投手を務める。8月17日オリックス戦ではプロ完封を達成し、8月は4勝0敗、防御率0.86の成績でMVPを獲得(育成ドラフト出身選手ではパ・リーグ初)。最終的に22試合で13勝7敗、防御率3.51の成績を残したが、先から右腕のり、右肘の違和感、右肩の違和感などで短期間の登録抹消を繰り返したため、規定投球回数には届かず終わった。


2019年は2年連続の開幕投手を務め、開幕戦で自己最速の161km/hをマーク。開幕から好調で、5月6月と2ヶ連続でMVPを獲得した。7月からやや調子を崩し、8月17日西武戦では3回9失点という大炎上もあったが、9月6日千葉ロッテマリーンズ戦では令和初・育成出身初のノーヒットノーランを達成した。球団では1943年別所昭(別所毅彦)以来76年ぶり。最終的に13勝8敗、防御率2.79、227奪三振奪三振王タイトルを獲得。規定投球回数到達での奪三振11.33歴代最高記録となった。また自身初のベストナインゴールデングラブ賞を受賞。
日本シリーズでは堀内恒夫山田久志以来史上3人となる3年連続開幕投手を務め、7回1失点でを挙げ3連覇に貢献。オフプレミア12侍ジャパンに選ばれていたが、右肩違和感と蓄積疲労のため辞退した。


2020年キャンプから右ふくらはぎ、右前腕部などの故障で出遅れるが、新型コロナウイルスによる開幕延期で出遅れは最小限で済み、開幕から2週間ちょっとで復帰。8回148投負けなど球数がかさむことが多く、9月までは勝ったり負けたりだったが、10月以降は5試合34回1/3を投げて自責0(2失点)を記録。規定投球回数にも事間に合わせて9月まで3点台だった防御率を最終的に2.16まで下げ、11勝6敗、149奪三振最優秀防御率最多勝涌井秀章石川柊太タイ)・奪三振王山本由伸タイ)の投手三冠を獲得した(パ・リーグでは2006年斉藤和巳以来)。ベストナインゴールデングラブ賞を2年連続で受賞し、甲斐とともに最優秀バッテリー賞も受賞。また11月4日千葉ロッテマリーンズで通算1000奪三振を達成、855回1/3での達成は野茂英雄を上回ってパ・リーグ速記となった。


2021年も両ふくらはぎのコンディション不良で開幕に間に合わず、4月6日北海道日本ハムファイターズ戦で復帰。しかしその試合の6回、渡邉諒ピッチャーライナーを捕球した際に左足首を捻った体勢で転倒、そのまま立ち上がれず担架で運ばれ緊急降。左足首の靱帯損傷で長期離脱となった。
6月17日三軍で実戦復帰し調整していたが、なんと一軍復帰前の7月5日に追加招集で東京五輪日本代表に選出される。翌日の千葉ロッテマリーンズ戦で一軍復帰したものの、3回途中10失点と爆発炎上
いくらなんでもこの状況で代表入りはなのでは?という不安の中迎えた東京五輪だったが、本番ではノックアウトステージアメリカ戦で炎上した青柳晃洋の後を受けて4番手として登板、2回5奪三振失点の快投で流れを断ち切り逆転勝利に繋げると、決勝でも2番手として1回失点。きっちりと金メダルに貢献してみせた。
レギュラーシーズン再開後は先発ローテーションに復帰。チームが苦戦する中、復帰後はQS100%の安定した投球に加えて、援護率5.80と援護にも恵まれて快調にを積み上げ、最終戦できっちり6年連続2桁勝利に間に合わせた。最終的に13試合で10勝3敗、防御率2.66。


2022年は開幕前に新型コロナウイルス濃厚接触者の疑いで隔離されたが、陰性だったためすぐに復帰。3年ぶりに開幕投手を務めたが勝敗は付かなかった。右肘の故障、8月には新型コロナウイルス感染による離脱があったが、22試合に登板し11勝6敗、防御率1.94を記録した。オフ海外FA権を行使した。

メッツ時代

2022年12月10日ニューヨーク・メッツと5年契約で合意が発表され、メディカルチェックを経て12月18日に正式に獲得が発表された。背番号34

2023年4月2日に行われたマイアミ・マーリンズ戦で先発に起用され初登板。そこから2試合2連勝、2試合で14奪三振を奪う快投を見せ、この時点で防御率1.59記録[1]場にはマーカス・ストローマンMLBオールスターゲームの出場を辞退したことで出場選手に選出された。29試合の先発登板で12勝7敗、202奪三振防御率2.98を記録した。ルーキーオブ・ザ・イヤー投票では2位だった。

プレースタイル・人物

最速161km/hの強いストレートと、吉見一起から伝授されたとんでもない落差のフォーク(通称:お化けフォーク)が武器

育成選手時代から、その素材としての魅には他球団からも注が集まり、埼玉西武ライオンズ帆足和幸人的補償としてっ先に検討し(育成選手人的補償いため移籍は免れた)、中日ドラゴンズの地区担当スカウトが地元の逸材を見逃していたことに大目玉を食らったほど。

2010年代ソフトバンク黄金時代投手を創りあげた倉野信次投手コーチの最高傑作と言うべき存在である。その一方、とにかくストレート球速と球威を上げることを重視する倉野式育成術で育った速球投手の常として四死球が多い。

名だった高校生育成枠から日本代表に、というサクセスストーリーは、2018年に「千賀物語」というタイトルで「コミックゼノン」で漫画にもなった(作画山田俊明)。

パ・リーグ投手ゆえ打席に立つ機会は少ないが、意外とバッティングは得意で、2021年終了時点の通算打率は.250(16打数4安打、1二塁打)。本人もバッティングが好きで、ファンフェスティバルホームランダービーの常連であり、野手顔負けの打球を披露している。

2022年正月には『とんねるずのスポーツ王は俺だ!!』の名物企画リアル野球BAN」に侍ジャパンメンバーとして参戦。投球の機会がないバッティングのみのルールにもかかわらず、前述の通りの野手顔負けのスイングで9打数5安打の活躍を見せ、ホークスファンからは「千賀先発のときはDHなしでいいんじゃ?」「二刀流いける」「代打やれ」などのが上がっていた。

同期入団で同級生、同じ育成出身でバッテリーを組む甲斐拓也とは、周囲から「仲が良すぎて気持ち悪い」(by五十嵐亮太)と言われるレベルの大の仲良し

SENGA」&お化けフォークアニメーション演出

ニューヨーク・メッツ移籍後、ホームであるシティーフィールド千賀登板する試合が行われた際、千賀三振を取ると、球団から千賀のためだけに制作された特別演出がバックスクリーンに映し出される。
その内容は、某青いロゴのゲーム会社を彷彿とさせるようなレトロゲーム調のフォントで「SENGA」の文字が映し出され、そのあとにベビーサタンフォークを持ったお化けがドロンと登場するアニメーションとなっている。

このアメリカジョークな演出に、日双方から発想が面すぎる演出として話題を呼んでいる。このアニメーション演出に対して、千賀は「最初はビックリしましたけど、そうやって名前というかイメージがつくことはなかなか選手としてないと思うので、非常にありがたいと思ってうれしい気持ちです。」と試合後のインタビュー記者に答えている。[2]なお、このアニメーションは、SNY Mets[3]公式Twitterでも紹介されている。

さらに、このアニメーションだけでなく、一部の現地メッツファンからも独自のな演出を試合で披露しており、千賀三振を取った際にフォークを持ったお化けイラストを掲示している。この模様はニューヨーク・メッツ公式Twitterでも紹介されている。

千賀モデルのグローブについて(メッツ移籍後)

ニューヨーク・メッツ移籍後、千賀の地形図とアニメーション演出にも登場するフォークを持ったお化け刺繍が入ったグローブを使用してプレーしている。これについても、「お化け刺繍かわいい」、「蒲郡市の地形図が世界に発信されてる」などと日双方からデザイングローブとして話題を呼んでいる。

応援歌

球団 レス No プレイヤー
ソフトバンク 応援歌のピコカキコ一覧#826 11316
11316

成績

年度別投手成績

年度
Year
球団
Team
登板
G
先発
GS

CG
完封
SHO
勝利
W
敗戦
L
セーブ
SV
ホールド
HLD
勝率
W-L%
投球回
IP
与四球
BB
奪三振
SO
失点
R
自責点
ER
防御率
ERA
2012年 ソフトバンク 2 2 0 0 0 1 0 0 .000 4.2 8 1 7 5 9.64
2013年 51 0 0 0 1 4 1 17 .200 56.1 26 85 16 15 2.40
2014年 9 0 0 0 1 1 0 3 .500 22.2 5 28 5 5 1.99
2015年 4 3 0 0 2 1 0 0 .667 22.1 10 20 2 1 0.40
2016年 25 25 3 0 12 3 0 0 .800 169.0 53 181 52 49 2.61
2017年 22 22 0 0 13 4 0 0 .765 143.0 46 151 47 42 2.64
2018年 22 22 1 1 13 7 0 0 .800 141.0 58 163 57 55 3.51
2019年 26 26 2 2 13 8 0 0 .619 180.1 75 227 60 56 2.79
2020年 18 18 1 0 11 6 0 0 .647 121.0 57 149 37 29 2.16
2021年 13 13 0 0 10 3 0 0 .769 84.2 27 90 25 25 2.66
2022年 22 22 1 0 11 6 0 0 .647 144.0 49 156 37 31 1.94
2023年 NYM 29 29 0 0 12 7 0 0 .632 166.1 77 202 60 55 2.98
NPB:11年 224 153 8 3 87 44 1 20 .664 1089.0 414 1252 345 313 2.59
MLB:1年 29 29 0 0 12 7 0 0 .632 166.1 77 202 60 55 2.98

タイトル・表彰・その他

タイトル
NPB 最優秀防御率 1回 2020年
最多勝利 1回 2020年
最高勝率 1回 2017年
最多奪三振 2回 2019年2020年
NPB ベストナイン 2回 2019年2020年
ゴールデングラブ賞 2回 2019年2020年
MVP 3回 2018年8月2019年5月6月
最優秀バッテリー賞 1回 2020年捕手甲斐拓也
WBC 最優秀投手 1回 2017年
その他
NPB 開幕投手 2回 2018年2019年
オールスターゲーム出場 3回 2013年2017年2019年
ノーヒットノーラン 1回 2019年9月6日
MLB MLBオールスターゲーム選出 1回 2023年

関連動画

関連コミュニティ

関連項目

脚注

  1. *千賀滉大メジャーデビュー先発2試合14Kは歴代2位タイ 1位は『暗黒の騎士』【MLB】(中日スポーツ 4月9日配信)exitメジャーデビューを飾った
  2. *千賀滉大「ビックリしたけどありがたい」 初本拠地で“お化け演出”に喜び (full-Count 4月9日配信)exit
  3. *ニューヨーク・メッツニューヨーク・ジェッツの試合を中心に放映しているニューヨークスポーツチャンネル
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