半導体単語

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半導体(Semiconductor)とは、情報機器や精密機器に欠かせない部品である。現代の世の中では、パソコンスマートフォン必要不可欠な物である。半導体は”産業の”と呼ばれるほど広く社会に浸透している。

今、あなたがニコニコを見ているそのパソコンの中にも、当然ながら、半導体が入っている。

概要

世の中にある物質は「導体」と「絶縁体(不導体)」の2種類がある。「導体」は電気を通す物体である一方、「絶縁体」は電気を通さない物体である。この2つの物体の中間に位置する物体が「半導体」と言い、ある一定の条件によって電気を通したり通さなかったりするように制御できる物質のことを言う。

電気を通すと言えば抵抗思い出されるが、半導体はおおよそ10-6~107Ωcmくらいの幅の広い物となる。

例えば、導体は(Fe)や(Cu)、絶縁体はガラス天然ゴム、半導体はシリコン(Si)やゲルマニウム(Ge)である。

現代では欠かせない物質の一つで、今この記事を見ているPCスマートフォンCPUをはじめとして、デジカメLEDなどの様々な電子機器や、ICカードにも利用されている。

真性半導体と不純物半導体

シリコン単結晶のように不純物をまったく含まないものを真性半導体と言い、導電不純物のようなものを含むものを不純物半導体と呼ぶ。

シリコンウェハーに使用されるような高純度シリコンは後に述べる。

不純物として添加されるような物質としてアルミニウム(Al)やリン(P)などがある。

アルミが含まれる半導体はP半導体(Positive-type semiconductor)と呼ばれ、電荷が正の正孔(ホール)を持つ。リンが含まれる半導体はN半導体(Negative-type semiconductor)で、電荷が負の自由電子を持つような役割をする。正孔などをキャリア(電荷を運ぶ荷体)と呼ぶ。シリコンは結合手が4本であるが、リンは結合手が5本あり、その1本が自由電子のように振る舞う。

※PやN、またはPN接合というような言葉が出てくるが、高校野球で有名なPL学園とはあまり関係がない。ちなみに、日本野球機構NPBは、Nippon Professional Baseball Organization 、略称NPB である。

エネルギーバンドダイヤグラム

半導体をイメージするのに役立つのがエネルギー帯図(エネルギーバンドダイヤラム)である。

エネルギー帯は、電子が自由電子として動ける伝導帯(Conduction Band)と電子が束縛されて動けない価電子帯(Valence Band)、その二つの間の電子が存在できない禁止帯(Band gap)の三つのエネルギー帯からなっている。バンドギャップが中程度の半導体とバンドギャップが大きい絶縁体の伝導帯には、常温でもほとんど自由電子が存在しないが、導体にはバンドギャップが小さいためか伝導帯と価電子帯がオーバーラップしている。価電子帯、禁止帯、伝導帯の順でより高いエネルギー状態を表している。

半導体は、バンドギャップよりも高いエネルギーが与えられる(熱や電流)と価電子帯にある電子が禁止帯を飛び越えて伝導帯に入り、自由電子となる。

半導体素子

PN接合ダイオード

ダイオードDiode)は整流作用(電流を一定方向にしか流さない作用)を持つ電子素子である。PN接合構造によって2端子間に電圧をかけない時には、電流が流れない性質を持つ。

フォトダイオード

フォトダイオードとは信号を電気信号に変換する機をもったダイオードで、CCD(Charge Coupled Device)などの検出器に使われる。PN接合部に信号が入ると、価電子帯に存在する一部の電子がバンドギャップ帯を飛び越えて伝導帯に入る。信号のエネルギーが、バンドギャップより大きいエネルギーを持つ必要がある。太陽電池と少し似ているが、ちょっと違う。

発光ダイオード

発光ダイオードLED:Light Emitting Diode)とは電気信号を信号に変換する機を持った素子である。さきほどの、フォトダイオードと原理は逆で、自由電子が価電子帯に入ることで、を発する。青色発光ダイオードが有名であるが、青色が表現できたのは、青色に対応するバンドギャップを持つ素子を上手く作成できたからである。波長は赤色より青色の方が短く、エネルギーは高い。

半導体レーザ

化合物半導体を用いたレーザが使われていて、フォトダイオードと異なる部分はを閉じ込める層があり、そこでの強度が増幅されていることである。

NPN接合(PNP接合)トランジスタ

トランジスタは、電子回路において、信号を増幅またはスイッチングすることができる素子である。NPN連結されていて、それぞれ端子が伸びている。それぞれの端子への電圧の掛け具合により、増幅やスイッチングができる。CPUMPUに内蔵されているトランジスタの数は増え続け、今ではひとつのチップに1億個以上のトランジスタが搭載されている製品もある。CPUMPUは、それらの膨大な数のトランジスタが高速でスイッチングを行うことで動作している。

重要な技術など

シリコンウェハー

シリコンウェハーとは、高純度の単結晶シリコンの薄い円盤である。このウェハー上でICチップを作る。シリコンウェハーに使われるシリコンの純度はイレブンナインと呼ばれる99.999999999%の高純度となる。また、円盤状に加工した後の、坦度の要精度は数ミクロン以下となる。直径100mくらいの野球場に例えると、グラウンド表面の凸凹が2.5mm以下に相当する。シリコンウェハーの加工の際にも高精度加工が要される。

このような、高精度技術が必要な場合に、製造時の品質保や生産性向上の課題がある。

ビームテクノロジー

高集積回路を実現するための微細加工技術に、レーザ技術がある。短い波長のを用いるほど、微細なパターンを作ることができるが、X線や電子ビームを用いるなどの様々な構想がある。

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最終更新:2023/10/01(日) 07:00

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