帝国暦482年8月、惑星カプチェランカの戦闘で武勲を立てた ラインハルトとキルヒアイスは、念願の宇宙艦隊勤務に移ることができた。 赴任先は駆逐艦<ハーメルンⅡ>。新たな任務で待ち受けるものは。 次回、「銀河英雄伝説外伝 叛乱者」、第1話。 心のくびき解き放ち、強き翼、いま星の海にはばたく。 |
「叛乱者(Der Aufruhr)」とは、OVA「銀河英雄伝説外伝」オリジナル作品の一つである。全四話。
「白銀の谷」において新米少尉として前線で武勲を上げ、昇進したラインハルト・フォン・ミューゼルの中尉時代を描くOVAオリジナル作品。ラインハルトとキルヒアイスは配属された旧式駆逐艦<ハーメルンⅡ>で下士官や兵士たちと触れ合い、兵士の心という得難い「経験」を手に入れることになる。
原作では触れられていない、「白銀の谷」でのラインハルト少尉時代から「黄金の翼」での少佐時代を経て「朝の夢、夜の歌」の大佐時代までの空白を繋ぐ、ブリッジ・ストーリー三部作の第一部であり、若き日のラインハルトの人間としての成長の過程が垣間見えるだけでなく、銀英伝メカニックファンにとっては本編では登場の少ない「帝国軍駆逐艦」がどのように動かされているかニヤニヤしながら眺める事もできるという、一挙両得の作品でもある。
銀河帝国軍イゼルローン要塞駐留艦隊第237駆逐隊に所属する旧式駆逐艦。艦首部舷側に「ハーメルンの笛吹き男」をイメージしたと思われる紋章がある。
前半部は通常の帝国軍駆逐艦と同じだが、艦中央部から後部のエンジンにかけての辺りが通常より非常に大きくなっており、長さも100m以上長い。旧式故にワルキューレも搭載できず(通常は2機搭載可能)、内装も相当に草臥れている老朽艦である。
「叛乱者」では、所属する237駆の駆逐艦5隻でのイゼルローン回廊付近の哨戒任務の最中、アルトミュール星域において戦闘に巻き込まれることになる。
イゼルローン要塞から回廊を同盟側に6光年の位置にある恒星系。
その主星は不安定な赤色巨星の様相を呈しており、何重もの小惑星帯に取り巻かれている難所である。
「叛乱者」では、このアルトミュール星域で<ハーメルンⅡ>が遭遇した苦難が描かれる。
<ハーメルンⅡ>に配属され、副長ベルトラムの案内のもとで艦長以下主要士官を紹介されるラインハルトとキルヒアイス。しかし、ブリッジ士官や兵士はあまりに若すぎる貴族出の航海長に不安を抱いていた。そこでアラヌスが弟ロルフの船外作業を手助けしてくれるよう、ラインハルトに頼み込むことになる。
それが新任の航海長を試すテストであることを瞬時に見抜いたラインハルトは要請を快諾、スラスターの交換作業を行うことになる。しかし船外に出た途端、ロルフは焦りから自身のスラスターで命綱を焼き切ってしまう。艦から離れるロルフを見たラインハルトは彼を追い、手が届かないと見るや咄嗟に自身の命綱をも切り離してロルフを救う。
艦に戻ろうとする二人だったが、その時艦が彼らを突き放すかのようにスラスターをふかす。しかし彼らはキルヒアイスとアラヌスの助けで間一髪、艦に戻ることが出来た。そしてアラヌスにロルフを救けた理由を聞かれたラインハルトは、「平民も貴族も同じ人間だ」と答える。この言葉によってラインハルトを認める兵士たちだったが、彼はむしろ<ハーメルンⅡ>の先の機動に不信感を抱いていた……。
食堂でザイデル兄弟の身の上話を聞くラインハルトとキルヒアイス。酒が入ったアラヌスの、「兵士だって無駄死したくない、だからせめて士官にはまともな判断をして欲しい」という涙ながらの訴えに心を動かされたラインハルトは、「兵士にも一人ひとりに人生がある」と感じ、より多くの話を聞かせてくれるよう願った。
一方第237駆逐隊は、警戒任務のための航行中、アルトミュール星域に到達した。そこで同盟軍の哨戒部隊の奇襲攻撃を受け<ハーメルンⅡ>は被弾、アデナウアー艦長も重傷を負う。指揮権を委譲されたラインハルトは僚艦の向かう方向を罠と断定、それと逆の方向に舵を切るよう命じた。しかし駆けつけたベルトラム副長は指揮権の行使を宣言して僚艦への追随を指示。これに反対したラインハルトとの間の対立は、一触即発の危機に陥った。
正しかったのはラインハルトだった。僚艦はそのまま敵の罠に落ちて全滅。一方<ハーメルンⅡ>はエンジンを損傷しながらも小惑星帯に逃げ込んで難を逃れた。当面の危機は去ったと判断したベルトラムは改めて指揮権を要求、ラインハルトはそれに応じたが、ベルトラムの最初の命令はラインハルトの解任と、抗命罪での拘束だった。
「これが叛乱だと言うのなら、わたしはその汚名を敢えて被ろう」
修理を急ぐ<ハーメルンⅡ>だったが、逃げ切れないと判断したベルトラムはシャミッソー砲術長とデューリング水雷長を集め、「不名誉な降伏より名誉ある死を選ぶ」と、自爆の決断を告げる。この情報を得たキルヒアイスは、ザイデル兄弟たち兵士の協力を得てラインハルトを救出、艦と兵士たちを守るために叛乱の道を選んだ。
ベルトラムから指揮権を奪い取ったラインハルトは、先日シュミット一等兵がベルトラムに提案して一蹴された「恒星の表面爆発による恒星風によって加速・包囲を突破する」という脱出案を採用、全力での機関修理を命じる。
しかしその影で、ベルトラムは指揮権の奪回を狙っていた。
ベルトラムとその一派はロルフを人質に取り、艦橋に押し入った。彼は脱出作戦を無謀無意味と断じて中止と自沈を要求したが、ラインハルトは「兵士たちを一人として無駄に死なせる訳にはいかない」とこれを拒否。激昂したベルトラムは更にアラヌスら兵士を「負け犬」と怒鳴りつけ、それをスピーカーで聞いていた兵士たちの支持を失う。ベルトラムは逆上してラインハルトの命を狙うが、火線に斃れたのは人質となっていたロルフだった……。
「まだまだ、学ぶべきことは多いな」
脱出作戦のため、恒星アルトミュールへの自由落下を開始する<ハーメルンⅡ>。恒星に近づき徐々に気温が上がっていく中で、怯えたデューリング水雷長が脱出を図るというトラブルもあったが、意識を取り戻した艦長の命令により改めて艦長代理に任命されたラインハルトの判断により、すんでのところで事態は解決された。
エンジンの修理が終わり、機関長はシミュレーションで復旧を確認する。しかし、脱出に必要なスラスターが一つだけ作動しない。灼熱の船外修理を買って出たベルトラムに、アラヌスは信用出来ないと言い捨て自身が行くと申し出たが、作業には太陽光パネルで熱を遮断するもう一人が必要だった。結局、二人共同で作業することになる。
修理を終え帰路につく二人。だが、その最中に表面爆発が起きたために<ハーメルンⅡ>が姿勢を調整、船外の二人は艦から離されてしまう。離れゆくアラヌスを見たベルトラムは彼を掴み、艦へと押しやった。自らの熱で炎上しつつも無事回収されるアラヌス。しかし、反動で艦の影を外れたベルトラムは、劫火に包まれ消えていった……。
<ハーメルンⅡ>は増援を得てイゼルローンに還った。アデナウアー艦長はラインハルトに昇進を言い渡し、「せめて軍隊の中で様々な経験を積むべきだ」と諭す。転属することになったラインハルトとキルヒアイスは、アラヌスら兵士とブリッジ士官たちの見送りと敬礼を受けて<ハーメルンⅡ>を去った。
DVDの表紙はメックリンガーなのに、彼の登場シーンはない。なんでだ。
軍務省の内勤を命ぜられ、鬱々とした日を過ごしていたラインハルトは、 姉アンネローゼの友人であるシャフハウゼン子爵夫妻が 決闘を挑まれているという苦境を聞き、その代理人となることを引き受けてしまう。 次回、「銀河英雄伝説外伝 決闘者」、第1話。 護るべきものは誇りか、夢か、それとも愛か。 |
掲示板
20 ななしのよっしん
2021/05/15(土) 14:03:58 ID: QtbGxy09iE
ベルトラムは生き延びられたとしても一連の騒ぎの責任取らされて
降格なり除隊なりさせられてそう。(まさかラインハルトにとらせるわけにもいくまい)
21 ななしのよっしん
2022/03/29(火) 01:10:42 ID: rhkZ91rVU7
ハーメルンⅡの乗員はラインハルトとキルヒアイスと同じ艦に乗ってたことを一生の自慢にするんだろうな
ザイデル伍長はキルヒアイスが死んだニュースを聞いて弟が死んだときと同じくらい号泣してそう
22 ななしのよっしん
2023/09/30(土) 22:33:16 ID: WTDQTJDWkv
最期の見送りで艦橋メンバーよりザイデル伍長が敬礼の音頭を取るのが良い演出なんだよな。
艦橋組ってデューリングがヘタレなだけでけっこう有能な感じがしていたからみんな順調に出世して生き残ってくれていると良いけどな。
ザイデル伍長達は兵役を終えてシルヴァーベルヒにこき使われる日々を過ごしていたりするかもなw
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最終更新:2024/04/24(水) 15:00
最終更新:2024/04/24(水) 15:00
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