古代から中世前期に生じたガリア地域の俗ラテン語、ガロ・ロマン語の系譜にある言語。大別して9世紀の『ストラスブルクの誓約』、『聖女ウーラリの続誦』の二史料に用いられている最古フランス語、11~13世紀の古フランス語、14~16世紀の中フランス語、そしてそれ以降の近世・近代・現代フランス語という過程を経ているが、学習書によっては中フランス語までをも古フランス語として取り扱われている場合もある。
なおあくまでも北部のオイル語のことを指しているのであって、南仏のオック語は古プロヴァンス語などと呼称されて区別されている。
前舌母音 | 中舌母音 | 後舌母音 | ||
---|---|---|---|---|
狭母音 | 口腔母音 | i y | u | |
鼻母音 | [ĩ] [ỹ] | |||
半狭母音 | 口腔母音 | e | ə | |
鼻母音 | [ẽ] | [õ] | ||
半広母音 | ɛ | ɔ | ||
広母音 | 口腔母音 | [a] | ||
鼻母音 | [ã] |
現在とは異なり、一部の例外を除いて子音もほとんど発音されていた。
唇音 | 歯音 | 硬口蓋音 | 軟口蓋音 | 声門音 | |
---|---|---|---|---|---|
鼻音 | m | n | ɲ | ||
破裂音 | p b | t d | k ɡ | ||
破擦音 | ts dz | tʃ dʒ | |||
摩擦音 | v | s z | (h) | ||
側面音 | l | ʎ | |||
ふるえ音 | r |
14世紀までは主格と被制格の2格を持っていたが、中フランス語の時代に被制格に統合されて格変化が消滅した。
男性名詞 | ラテン語-us,-um型 | ラテン語-is,-x型 | ラテン語-er型 | ラテン語不等綴型 | 不変化型 |
---|---|---|---|---|---|
単数主格 | il murs | li chiens | li pere(s) | li ber | li nes |
単数被制格 | le(lo) mur | le(lo) chien | le(lo) pere | le(lo) baron | le(lo) nes |
複数主格 | li mur | li chien | li pere | li baron | li nes |
複数被制格 | les murs | les chiens | les peres | les barons | les nes |
女性名詞 | ラテン語-a型 | ラテン語第3曲用(1) | ラテン語第3曲用(2) |
---|---|---|---|
単数主格 | la rose | la flor(s) | la suer |
単数被制格 | la rose | la flor | la serour |
複数主格 | les roses | les flors | les serours |
複数被制格 | les roses | les flors | les serours |
俗ラテン語時代における活用体系の変化は、そのまま古フランス語に引き継がれて今日まで残っている。この中で特に大きな要素はゲルマン諸語の影響による語尾母音の消失やアクセントの移動といった混乱によるものがある。
直説法現在 | -er型活用 | -ir型活用 |
---|---|---|
単数1人称 | chant | fenis |
単数2人称 | chantes | fenis |
単数3人称 | chante(t) | fenist |
複数1人称 | chantons | fenissonns |
複数2人称 | chantez | fenissez |
複数3人称 | chantent | fenissent |
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最終更新:2023/11/30(木) 07:00
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