圏論においては射の合成の可換性を見やすくするため以下のようなグラフがよく用いられる。
X, Y, W, Zをある圏の対象、f: X→Y, g: Y→Z, h: X→W, k: W→Z を射とする(圏論の言葉に慣れない人は、X, Y, W, Z を集合、f, g, h, k を写像だと思ってもよい)。このとき、次の図
|
|
f |
Y |
| h↓ | ↺ | ↓g |
|
W |
→ |
Z |
を可換図式(または単に図式)という。これは4つの射 f, g, h, k に関し、↺ を囲む領域の辺をなす射の合成 g∘f: X→Z と k∘h: X→Z が等しいこと(g∘f=k∘h、つまり可換)を表している。ここでたとえば、kはWからZに伸びているので、hとk∘g∘fを比較することはできない。
簡単に言うと、矢印の通り道が異なっていても、始点と終点が一致していれば合成射として一致している、ということをわかりやすくするための図である。圏論では対象とそこから伸びる矢印を中心に考えるため、式だけで表すより図を用いた方がわかりやすく間違いもないのである。
この図式は射の合成だけでなく関手の合成や自然変換の合成に対しても有効。
またこの例では4角形の可換図式を紹介したが、一般には多角形の可換図式や、それらが複数個組み合わさった可換図式なども登場する。
掲示板
1 ななしのよっしん
2019/01/13(日) 22:35:21 ID: x3ef4DCnXM
「可換」っていうと前後を入れ替えても答えが変わらないものってイメージだけどこれ違うよね
「可換図式は代数学において方程式が果たすような役割を圏論において果たす」ってWikipediaにあったけど
てことは「等しい」とかの方が良かったのでは…英語の時点で「可換」になってたみたいだけど
2 ななしのよっしん
2019/01/14(月) 00:46:37 ID: sgaBkhL0P0
>>1 群を対象がただ1つであるような圏だと思うと、群が可環であることと圏の任意の図式が可環であることが同値になるので、可環図式はいわゆる普通の可環(交換可能)の一般化になってるのではないでしょうか。
3 ななしのよっしん
2019/01/14(月) 09:54:26 ID: sgaBkhL0P0
>>2 可環 を全部 可換 に直して読んで下さい…辞書登録しないと載ってないのかなこの単語
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最終更新:2025/12/10(水) 02:00
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