唐津くんち(からつくんち)とは、佐賀県唐津市にある唐津神社の秋季例大祭である。
毎年11月2日〜4日に開催されるお祭りで、乾漆で製作された巨大な曳山14台が「エンヤ!エンヤ!」という曳子たちの掛け声とともに唐津市街を巡行する。毎年50万人以上の観光客が訪れる、九州を代表する秋祭りの一つでもある。
もともと唐津神社の御神幸は1670年ごろにはじまったとされ、かつてはお神輿にお供する出し物として「傘鉾」や「担ぎ山」、「走り山」と呼ばれるものがあったとされるが、1819年に現在の1番曳山である赤獅子が製作されたのを機にほかの町もこぞって曳山を製作し、今のような絢爛豪華な祭りへと進化を遂げた。
唐津くんちの曳山行事は国の重要無形民俗文化財に指定されており、2016年(平成28年)にはユネスコ無形文化遺産に登録された。また14台の曳山は佐賀県重要有形民俗文化財にも指定されている。
夜7時30分に1番曳山が大手口を出発し市街を巡る。途中で各町内の曳山が順次合流していき、夜10時前に唐津神社前に揃う。提灯の灯りに照らされた曳山はとてもフォトジェニック。
朝5時ごろに唐津神社で獅子舞が奉納される。9時30分ごろ、唐津神社を出た曳山はお神輿のお供として城下町を一巡。正午ごろに西の浜の御旅所に次々と引き込まれる。その後15時半ごろに曳山は御旅所を出て各町へ向かう。
西の浜の御旅所は2004年まで小学校の運動場だった場所で、車輪が砂地に埋もれた曳山はかなり気合を入れないと思ったように動かせない。この御旅所での勇壮さが唐津くんち最大のみどころとされている。
翌日祭とも呼ばれており、曳山は前日の御旅所神幸と似たようなルートで街中を巡る(ただしお神輿は出ない)。正午ごろに曳山たちは唐津駅前に集合。15時ごろより唐津神社横の曳山展示場に順次納められ、3日間に及んだ華やかな祭りは幕を閉じる。
唐津くんちの曳山は世界最大級の乾漆造の美術工芸品とされ、幕末から明治にかけてそれぞれの町によって作られた。なんとでっかいのに可動式!製作期間は1台につき3〜6年とされ、現在の価値では2億円程度の製作費がかかっているらしい。下は車輪のついた台車になっていて、前方にある2本の綱に数十人の曳子がついて曳山を進めていく(さらには曳山の上や中にも人が乗る)。もともとは15台製作されたらしいのだが、1台が明治時代に謎の消失をして今に至っている。
ちなみに曳山の高さは5~6.5メートル、重さは2~3トンほど。田舎なので巡行ルート沿いに高い建物はあまりなく、秋の青空をバックに曳山の巨大さを堪能できるのもおすすめポイント。
各曳山には作られた順に番号が振られていて、「〇番曳山」あるいは「〇番ヤマ」と呼ばれている。それぞれの曳山のデザインは以下の通り。
ちなみに、くんち期間中以外の曳山は唐津神社隣の曳山展示場で休んでいるため、普段はここに行けば曳山を見ることができる。ただしメンテナンスのため一時的に出払う曳山もある。
唐津くんちの期間中、唐津市民は学校や会社を休みにするほど祭りムード(と料理と酒)に溺れる。市内の各家庭ではお客さんに極端すぎるほどのごちそう(通称:くんち料理)が振舞われることが一般的で、盆や正月に帰省しない人もくんちの時には唐津に帰ってくるんだとか。特にそんじょそこらの大鍋では絶対にどうにもできない巨大魚・アラの姿煮は有名。なお場合によっては200人分以上も料理を準備することがあるため、このような家に嫁いだ女性は接待が忙しすぎて祭りを毎年見逃し続けるらしい。
くんち期間中、市内の飲食店などは休業するお店もある一方で、くんち限定スペシャルメニューを提供してくれるお店もある。ただし値段も通常メニューよりお高めになるのはご愛嬌。
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最終更新:2024/04/24(水) 15:00
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