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国債とは、「何らかの通貨を支払うと約束する政府負債」を記した券である。融商品の一種として取り扱われている。

当記事においては日本国の国債について説明する。アメリカ合衆国の国債については米国債の記事を参照してください。
 

概要

定義

国債とは、「何らかの通貨を支払うと約束する政府負債」を記した券である。

Aという通貨を支払うと約束したB政府の国債は、A建てB国債と表記される。日本円を支払うことを約束する日本政府の国債は円建て日本国債というし、アメリカ合衆国ドルを支払うことを約束するアルゼンチン政府の国債はアメリカ合衆国ドル建てアルゼンチン国債という。
 

国債は公債の一種で、債券の一種で、有価証券の一種

国債は中央政府が発行する債券である。一方、地方公共団体が発行する債券を地方債という。国債と地方債は、どちらも債(共債)という。

債の対義民間債で、民間債は企業が発行する社債と、銀行が発行する融債に分けられる。

債と民間債を合わせた概念債券と呼ぶ。

債券と手形小切手式と図書券と商品券などをまとめて有価と呼ぶ。

以上のことをまとめると次のようになる。

有価
債券 手形 小切手 図書券 商品券 その他
民間
国債 地方債 社債 融債

 

国債は政府の負債で、政府以外の存在にとっての資産

国債は、政府負債を記した券で、国会の議決を受けた上で政府が発行し(憲法第85条exit)、国債市場で売り出され、個人・企業・団体・他政府などに対して売却される。

円建て日本国債は東京の国債市場で売り出される。アメリカ合衆国ドル建てアルゼンチン国債はニューヨークの国債市場で売り出される。このように、国債に明記されている通貨を扱うの国債市場に売り出される[1]

国債を売却して得られた通貨は、政府の収入になる。政府予算の大部分を占める一般会計なら、歳入という項の、「」に入る(平成31年度予算exit)。政府予算の一部を占める特別会計でも、歳入という項の、「」に入る(平成30年度東日本大震災復興特別会計exit平成28年度財政投融資特別会計exit)。

日本国債は、日本政府負債である。つまり、日本政府以外の存在にとって、日本国債は資産となる。日銀貸借対照表を見ても(資料3ページexit)、銀行貸借対照表を見ても(資料5ページexit)、資産の部に国債が書き込まれている。

ある人の負債が、それ以外の人資産になる、という考え方は、簿記貸借対照表(バランスシート)の知識が少しでもあると理解できる。
 

10年物固定利付債が長期金利を決める

日本国債の中で最も多く発行されているのは、10年間一定率の利子を支払い続け、10年後に元本が償還される10年物の固定利付債である。

日本国債の中で最も多く発行されている10年物固定利付債は、常に国債市場で売買され、利回りが変動している。この利回りが日本国において代表的な長期金利とされ、銀行自動車・住宅のローン利を決めるときの標となっている。
 

債務不履行(デフォルト)

政府が発行済み国債の利子や元本を支払えなくなることを債務不履行とかデフォルトという。デフォルトで有名なのは、アメリカ合衆国ドル建てアルゼンチン国債を償還できなくなったアルゼンチン政府や、ユーロ建てギリシャ国債を償還できなくなったギリシャ政府である。
 

支払う通貨の種類によって国債を分類する

国債とは「何らかの通貨を支払うと約束する政府負債」を記した券なのだが、どういう通貨を支払うのかで分類することができる。

20世紀以降の世界において、大多数の中央銀行が発行する銀行券通貨として採用してきた。その現実に従って国債を分類すると次のようになる。
 

名称 支払う通貨 債務不履行の危険性
不換銀行券建て国債 「国債を発行する政府」の影を強く受ける自中央銀行が発行する不換銀行券 全く存在しない 2021年日本国債、1971年8月15日のニクソショック以降の米国債
兌換銀行券建て国債 「国債を発行する政府」の影を強く受ける自中央銀行が発行する兌換銀行券 存在する 1971年8月14日以前の米国債
不換銀行券建て国債 「国債を発行する政府」の影を全く受けない他中央銀行が発行する不換銀行券 存在する 2001年アメリカ合衆国ドル建てアルゼンチン国債
兌換銀行券建て国債 「国債を発行する政府」の影を全く受けない他中央銀行が発行する兌換銀行券 存在する 1904年のイギリスポンド建て日本国
共通不換銀行券建て国債 「国債を発行する政府」の影を全く受けない中央銀行が発行する不換銀行券 存在する 2015年ユーロ建てギリシア国債
共通兌換銀行券建て国債 「国債を発行する政府」の影を全く受けない中央銀行が発行する兌換銀行券 存在する (発行例なし)


日本国債は、その100%不換銀行券建て国債である。

不換銀行券建て国債は、自中央銀行のもつ限の通貨発行権を行使することで返済できる。このため、自不換銀行券建て国債は「どんなことがあっても100%確実に償還される極めて安全な融商品」と位置づけられる。

発行した自不換銀行券建て国債は、通貨発行権を行使して償還するか、置き換え(借り換え)をして中に残し続けるか、税収などによって償還するか、のいずれかになる。通貨発行権を使って償還する方法はインフレが高く、税収を使って償還する方法はデフレが高い。

通貨発行権を行使して国債を償還する具体例は、日本銀行通貨を新規に発行してそれと引き換えに国債を買い取る、というものである。

2020年現在日本国債の最大の保有体は日本銀行である。日本銀行は、資本55日本政府が出しており、日本政府子会社のような存在である(日銀法第8条exit)。また、日本銀行日本政府の意向に逆らうことができない(日銀法第4条exit)。このため「日銀保有の国債は、日本政府にとって元本や利子の支払いの負担がなく、実質的に負債ではない」と論じられる。

『自不換銀行券建て国債』の項で、自不換銀行券建て国債についてさらに詳しく解説することとする。
 

国債は金融商品

日本において、銀行券会社で個人向け国債が販売されている。また個人向け投資信託(ファンド)で国債を必要に応じて組み込んでいることがある。そして、銀行券会社はその資産の多くを国債に割り振っている。このように、国債そのものは、政府以外の存在にとって資産であり、融商品のひとつである。ちなみに、融商品ではあるが金融庁監督していない。

銀行券会社は日銀当座預金をもっているが、その日銀当座預金が必要な分よりも余ることがある。日銀当座預金には基本的に利子が付かず、国債には基本的に利子が付く。このため、日銀当座預金を余らせた銀行券会社は、自動的に国債を購入することになる。ゆえに、銀行券会社にとって日本国債は、必ずお金を増やすことができる貯のようなものといえる。

銀行券会社にとって、余った日銀当座預金式(どこかの会社の所有権の一部)や外の国債を買うという選択肢もある。ところが、式には値下がりのリスクがあるし、外の国債には為替リスクがある。後者は、日銀当座預金を外通貨に両替して外の国債を買った後に「円高・外通貨安」になり、外の国債が外通貨で償還されたときに大損するということである。このため、銀行券会社は、余った日銀当座預金式や外の国債を買うことを本質的に非常に嫌がり、日本国債を買いたがる傾向がある。確実に日本通貨を増やすことができる融商品は、日本国債だということになる[2]

世の中の融商品は、安全性(償還されるかどうか)、流動性(換しやすいかどうか)、収益性(利子が高いかどうか)の3つの基準で評価することができる(資料exit)。円建て日本国債は自不換銀行券建て国債なので、安全性が極限まで高く、それにより流動性も非常に高いが、利子が低めになっていて収益性が今ひとつである。
  

政府の財源となる

政府予算の歳入は、「租税及び印収入」と、「その他収入」と、「」から成り立っている(平成31年度予算exit)。

租税及び印収入」は、いわゆる租税収入(税収)である。

「その他収入」は、税外収入と呼ばれるもので、政府の営利事業で得られる収入や、交通違反の罰などの収入が含まれる。日本中央競馬会JRA)や日本銀行からの納付がここに入る。

」は、国債を発行して市場で売却して得られる収入である。

政府予算の歳入の中で、が占める割合を依存という。日本依存度の推移は次のようになっていて(資料exit)、3分の1から2分の1程度、と憶えておいてよい。
 

依存
2012年平成24年 48.9%
2013年平成25年 48.2%
2014年平成26年 38.9%
2015年平成27年 37.5
2016年平成28年 37.7
2017年平成29年 36.3
2018年平成30年 34.5

 
政府の支出について「々の税金が使われている」と表現したり、政府の支出の無駄遣いのことを「税金の無駄遣い」と表現したりする例が見られる。

そういう表現は、政府予算の歳入の3分の1から2分の1程度を占めている国債のことを視した表現であり、あまり正確な表現ではない。

政府の支出について「々の税金と国債が使われている」と表現したり、政府の支出の無駄遣いのことを「税金と国債の無駄遣い」と表現したりするのが、より正しい表現といえる。
 

自国不換銀行券建て国債

定義

不換銀行券建て国債を定義すると、次のようになる。
 

政府負債を記した券で、「その券を発行した政府監督されている中央銀行が発行する不換銀行券を支払う」と約束したもの

 
国債の償還には、不換銀行券と即時に交換できる中央銀行で支払われるのが一般的である。そうした現実を踏まえて自不換銀行券建て国債をさらに定義すると、次のようになる。 
 

政府負債を記した券で、「その券を発行した政府監督されている中央銀行が発行する不換銀行券または中央銀行を支払う」と約束したもの

 
このように、自不換銀行券建て国債は、自中央銀行が肩代わりできる種類の負債である。

政府が国債の返済に行き詰まったら、中央銀行がその国債を買いオペして、政府負債を肩代わりすることができる。
 

中央銀行は、無限に自国不換銀行券建て国債を買うことができる

不換銀行券というのは中央銀行にとって負債性が極めて薄い負債で、中央銀行がごく簡単に発行することができる。このため、中央銀行には限の通貨発行権がある、と表現される。

ゆえに、自不換銀行券建て国債が債務不履行デフォルト)に陥る可性は全く存在しない。

不換銀行券建て国債を売り浴びせられたとき、中央銀行は売られた国債をすべて買い取ることができる。中央銀行が思い通りに国債を買い支えて国債価格を維持することができるため、「自不換銀行券建て国債には市場原理が働かない」「自不換銀行券建て国債は市場原理のから外れている」と表現することも可である。
 

政府と中央銀行の関係

中央銀行政府から全に独立しているわけではなく、政府の影を非常に強く受ける存在である。

日本中央銀行である日本銀行は、政府に資本55を握られ(日銀法第8条exit)、さらには次のような義務を課せられている。
 

日本銀行は、その行う通貨及び融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。 日本銀行法第4条exit

 
政府経済政策の基本方針が「」で、日銀通貨融調節が「従」であり、日銀政府の意向を常に伺わねばならず、日銀の拒否権など認められない・・・これが、日銀法第4条に明記されている。

政府国会の議決を受けて国債を発行し(憲法第85条exit)、国債市場に売却するのだが、そのことを差し止める権限など日銀には全く備わっていない。

日銀政府経済政策の基本方針に対して然と異を唱えて拒否権を発動すると、日銀総裁が国会に呼び出される。衆議院の予算委員会や財務融委員会で底的にし上げられ、「なぜ日銀法第4条を遵守しないのか」と問い詰められる。参議院の予算委員会や財政融委員会でも同じことが行われる。

それでも日銀政府経済政策の基本方針に対して反抗する姿勢を示すと、国会議員たちが日銀法を正したり日銀に関する特別法を立法したりして日銀総裁を解任する流れになることが予想される。
 

「自国不換銀行券建てではない国債」との比較

「自不換銀行券建てではない国債」とは、他不換銀行券建て国債や、共通不換銀行券建て国債のことである。アメリカ合衆国ドル建てアルゼンチン国債や、ユーロ建てギリシャ国債が典例となる。


不換銀行券建て国債と「自不換銀行券建てではない国債」は、次元が違うと言っていいほど異なる存在である。

前者は債務不履行の可性が全く存在しない。後者債務不履行の可性が存在する。後者の返済に行き詰まったら、通貨を発行する中央銀行に向かって土下座してひれ伏して「支援をしてください、国債を買い取ってください」と懇願することになる。
 

自国不換銀行券建て国債が不換銀行券の材料になる

2021年現在は、中央銀行の発行する不換銀行券通貨として採用するが、全世界の大多数を占めていて、日本もそのうちの1つである。

民生活を支えるため、中央銀行不換銀行券中央銀行という通貨を発行し、ある程度の量を経済の中にばらまかねばならない。

そうした不換銀行券中央銀行は、中央銀行負債である。中央銀行が何らかの資産を受け取ったときに、その代償として発行される。

2021年現在において、各中央銀行は、自不換銀行券建て国債を資産として受け入れて、その代償として不換銀行券中央銀行を発行するという方式をに採用している。日本銀行2019年9月30日時点における貸借対照表を見ても(資料3ページexit)、そのことは一瞭然である。資産の部において国債額が飛び抜けて大きく、負債の部における発行銀行券不換銀行券)と預日銀当座預金)の合計額と同じような額になっている。

このため、自不換銀行券建て国債は不換銀行券材料になる、自不換銀行券建て国債は通貨材料になる、と憶えておいてよい。
 

自国不換銀行券建て国債は安定的に売りさばかれる

政府が自不換銀行券建て国債を発行し、内の国債市場に売却した場合、とても順調に売れていくのが常である。

日本国は、自不換銀行券建て国債を順調に消化するため、次のような手続きを踏んでいる。
 

  1. 日銀法第4条exitを制定し、日銀に対して政府経済政策の基本方針と整合的な融政策をするように義務づける。たく言えば、日銀に対して政府経済政策をひたすら支援するように義務づける。
     
  2. 政府経済政策の基本方針として「○年×日に国債を◇兆円だけ売却して、得られた資経済政策をする」「国債の売買の前後で長期金利短期金利が急に変動するとそれを参考に貸出利を決めている民に迷惑がかかるので、そうした事態が起こらないようにする」といったものを決め、日銀に対して通達する。
     
  3. 日銀が国債市場の様子を調べる。国債市場に参加する銀行企業の資に余裕がなくて「○年×日に売却される◇兆円の国債」が安定的に消化されないと判断したら、日銀は国債市場に参加する銀行企業に対して買いオペを行い、国債市場に参加する銀行企業が持つ資を増やす。これを「政府の国債中消化を助ける買いオペ」という。
     
  4. 政府が◇兆円の国債を売り出す。国債市場に参加する銀行企業は資に余裕があるので、売り出される国債が次々に売れていく。
     

 

政府の国債市中消化を助ける買いオペ

国債市場の参加者たちが持っている余剰の通貨が減ってくると、国債の売り手に対して国債の買い手が少なくなって、国債の価格が下がり、国債の利(利回り)が上昇する。そのことは、中央銀行ならすぐに察知できる。

そういう場合は、中央銀行が新規に通貨を発行して、国債市場の参加者達が保有する国債を次々と買いオペし、国債市場の参加者たちが持っている余剰の通貨を増やしてあげている。これを政府の国債中消化を助ける買いオペという。余剰の通貨を抱えた国債市場の参加者達は、再び、自動的に国債を購入していく。

国債市場の参加者達が国債を保有していない場合は、中央銀行が新規に通貨を発行して、国債市場の参加者達に書貸し付けしたり、国債市場の参加者達が発行する民間債(社債または融債)を買いオペしたりする。このときの中央銀行は、国債の利回りよりも低い利で貸し付ける。国債市場の参加者達は、中央銀行から借りた資の利子よりも高い利回りの国債を買うことができれば十分に利益ができるので、中央銀行から借りた資で次々と国債を購入する。
 

国債は日銀当座預金や銀行預金よりも魅力がある

国債市場に参加する銀行は、日銀当座預金資産として持っている。この日銀当座預金には基本的に利子が付かず、国債には基本的に利子が付く。そのため日銀当座預金を余らせている銀行は、国債が新規に売り出されたら、自動的と言っていいほど即座に買う。

国債市場に参加する企業は、銀行資産として持っている。この銀行には利子が付くが、国債には基本的に銀行よりも少し高めの利子が付く。そのため銀行を余らせながら国債市場に参加する企業は、国債が新規に売り出されたら、自動的と言っていいほど即座に買う。
 

自国不換銀行券建て国債の償還に対する絶対的な信頼感

どこのでも、中央銀行政府支援している。特に日本には日銀法第4条exitがあり、政府経済政策の基本方針と整合的な融政策をすることを日銀に義務づけている。

国債市場に参加する銀行企業は、日銀日銀法第4条が課せられていることを知っている。

国債市場に参加する銀行企業は、政府が「国債が債務不履行になると融の大混乱が起こるので、そうした事態を絶対に回避する」という経済政策の基本方針を堅持していることも知っている。

それゆえ国債市場に参加する銀行企業は、「政府の発行する国債が債務不履行になることは、日銀があらゆる手段を尽くして必ず阻止するだろう」と高く信用している。このため日本国債は売り出されるたびによく売れていく。
 

日本国債の種類

日本政府が発行している国債には、いくつかの種類がある。
 

目的による分類

建設国債
社会資本の建設のための国債。財政法第4条exitは「社会資本の建設だけは国債を財としてよい」と定めている。そのため4条国債とも呼ばれる。一般会計の歳入になる。
 
特例国債(赤字国債)
歳入の不足を補うための国債。毎年、1年かぎりの時限立法として特例国債法exitが可決されて、その法律に基づいて発行されている。国会が財政法第4条を全に視しつつ発行を認めている国債。正式な名称は特例国債だが、マスコミ赤字国債と呼ぶことが多い。一般会計の歳入になる。
 
年金特例国債
基礎年金における庫負担の追加に伴い、消費税が引き上げられる平成26年度までのつなぎの財として、平成24年度、平成25年度の間のみ発行された。特例法を論拠に発行されている。平成45年度までに償還される。一般会計の歳入になる。
 
財政投融資特別会計国債(財投債)
財政投融資の為の費用捻出の国債。償還・利払いが財政融資資の貸付回収によって賄われているという特性から、一般政府債務には分類されない。財政投融資特別会計の歳入になる。
 
為替券(外為券)
為替市場で円売りドル買いの為替介入をする費用を捻出する国債。券という名前だが、償還期間1年以内の短期国債(庫短期券)である。為替特別会計の歳入になる。
 
借換国債(借換債)
国債の借り換えの為の国債。国債整理基特別会計の歳入になる。
 
復興債(復国債)
東日本大震災からの復のための財にするための国債。平成23年度から平成27年度まで発行される。償還期限は25年間で平成26年までの発行総額は16兆1037億円。日本郵政式売却収入(4兆円を見込んでいる)、復興特別所得税平成25年から平成49年まで課税)は、この復興債の償還財に充てられる。震災復特別会計の歳入になる。
 

償還期間による分類

長期国債
償還期間が10年をえる国債のことをいう。15年債、20年債、30年債、40年債がある。
 
長期国債
償還期間が10年の国債のことをいう。10年物の固定利付債が、日本国債の中でもっとも多く発行されている。10年物固定利付債の利回りは長期金利の代表的数値とされ、銀行などが長期のローンを組むときの参考にされる。
 
中期国債
償還期間が1年をえて10年未満の国債は、ここに分類される。2年債、3年債、5年債が発行されている。
 
短期国債(庫短期券)
償還期間が1年以内の国債は、ここに分類される。庫短期券とも呼ばれる。2ヶ債、3ヶ債、6ヶ債、1年債がある。すべてが割引債の形態で発行される。
 

償還方法による分類

固定利付債
発行時に決められた表面利率に従って利子が定期的に支払われ、償還期日に額面額が支払われる。日本国債において最も一般的な形態とされ、償還期間が1年をえて40年以下の中期国債・長期国債・長期国債の多くで採用されている。
 
変動利付債
市場利の変動によって変化する表面利率に従って利子が定期的に支払われ、償還期日に額面額が支払われる。償還期間が1年をえて40年以下の中期国債・長期国債・長期国債の一部で採用されている。
 
物価連動国債
物価の変動によって額面額が変動する。表面利率は発行時から変わらず一定である。償還期間が10年の長期国債の一部で採用されている。
 
割引債
定期的に支払われる利子が存在せず、償還期日になると額面額が支払われる。このため、発行時に額面額を割り引いた低価格で販売される。償還期間が1年以内の短期国債(庫短期券)のすべてで発行される。
 

割引債以外の3形態は、すべて、償還期間の間に定期的な利払いを受ける。ちなみに、日本国債において、利子の支払いは半年に1回である。「額面100万円・表面利率2%固定利付債」なら、1万円の利払いを年に2回受け取る。
 

国債の保有者別内訳

保有者 保有率(
国債 庫短期 全体
日本銀行 46.5 10.8 43.5
銀行 15.2 15.5 15.2
生損保等 21.2 2.1 19.6
年金 4.1 0 3.8
年金 3.1 0 2.8
海外 7.4 71.6 12.8
1.3 0 1.2
その他 1.0 0 0.9
一般政府(除く年金 0.3 0 0.3
財政投融資 0 0 0

 
かつては銀行の保有率のみが単一で突出していた時代もあったが、2019年の時点では日本銀行の保有割合がとても多くなっている。

財務省国債等関係諸資料のページexitに掲載されている国債等の保有者別内訳 (令和元年6月末(速報))exitから抜した。
 

国債などの残高推移

国債の残高の推移

年度 普通国債残高 GDP 地方合計債務残高 GDP
1998年平成10年 295兆円 56% 553兆円 105%
2003年平成15年 457兆円 88% 692兆円 134%
2009年平成21年 594兆円 121% 820兆円 167%
2010年平成22年 636兆円 127% 862兆円 173%
2011年平成23年 670兆円 136% 895兆円 181%
2012年平成24年 705兆円 143% 932兆円 189%
2013年平成25年 744兆円 147% 972兆円 192%
2014年平成26年 774兆円 149% 1001兆円 193%
2015年平成27年 805兆円 151% 1033兆円 194%
2016年平成28年 831兆円 155% 1056兆円 197%
2017年平成29年 853兆円 156% 1077兆円 197%



財務省・財政関係パンフレット教材ページexitの中にある日本の財政関係資料(令和元年6月)exitから抜した。財務省・国債等関係諸資料ページexit国債発行額の推移(実績ベース)exitでも普通国債残高の推移を確認できる。
 

日銀保有分を引いた国債の残高推移

2013年3月黒田日銀総裁に就任してから、量的・質的融緩和(異次元融緩和)と称して大規模な買いオペレーションを進めた。

日銀政府子会社のような存在なので、日銀保有の国債の元本や利子の返済を考えなくてよい。日銀買いオペをするたびに、政府の実質的な債務が減っている。

日銀保有の国債が急に増加し、国債の総額から日銀保有分を差し引いた額がどんどん減少していることを示す表は以下のようになる。
 

発表時 国債などの総計 日銀保有分 総計-日銀保有分 日銀保有
2010年平成22年12月 727兆円 58兆円 669兆円 8.0%
2011年平成23年12月 755兆円 67兆円 687兆円 9.0%
2013年平成25年3月 807兆円 93兆円 713兆円 11.6%
2014年平成26年3月 840兆円 156兆円 683兆円 18.7%
2015年平成27年3月 883兆円 224兆円 658兆円 25.5%
2016年平成28年3月 955兆円 317兆円 637兆円 33.2%
2016年平成28年12月 958兆円 370兆円 587兆円 38.7%
2017年平成29年12月 988兆円 427兆円 560兆円 43.2%
2018年平成30年12月 1013兆円 466兆円 546兆円 46.0%


財務省の国債出版物のページexitに、各年度の債務管理リポートが載っている。「保有者層の多様化」のページの「国債の保有者別内訳」を参考にした。
 

日本における国債の状況

政府債務残高が多い

2019年現在において、日本政府は大量の国債を発行しており、政府債務残高はGDPで約237.5(2.375倍)世界最大になっている(資料exit)。
 

100%自国不換銀行券建て

2019年現在日本国債は100%不換銀行券建て国債であり、日銀通貨発行権を行使して限に買いオペすることが可なので、財政破綻の可性はゼロである。

100%不換銀行券建て国債で財政をまかなっているのだから、すでに日本は健全なる財政を達成しているといってよい。

世の中には他通貨建て国債というものがある。これだと、日銀通貨発行権を行使できず、買いオペ限界があるので、発行者は財政破綻の可性に怯えることになる。

かつての日本は他通貨建て国債を発行したことがあった。日露戦争の戦費を調達するため、イギリスロンドンポンド建て日本国債を売りだしたことは有名である。また、1950~60年代日本世界銀行からドル建てで巨額の融資を受けており(プライマリーバランスの記事で解説されている)、これはドル建て日本国債を発行したのとほぼ同じ意味を持つ。こうした他通貨建て国債・他通貨建て融資に頼っていた時代は、債務不履行・財政破綻の可性と隣り合わせだったので、かなり危険で不健全な財政状態だったと言ってよい。

日露戦争の他通貨建て国債を返済し終わったのは1986年で、世界銀行の融資を返済し終わったのは1990年7月である。
  

日本国債に買い手が付く状態が続いている

2019年現在は、不気による民間の需要不足や、日銀による買いオペ継続という点はあるものの、長期金利(10年物国債の利回り)は世界最低クラスを維持している。つまり、国債に対して買い手が多く、国債の値段が高い状態が続いている。つまり、財政破綻からほど遠い状態が続いている。

財政破綻というと、次のような状況を意味する。国債の買い手が全く付かず、国債が次々と投げ売りされ、国債の値段が暴落し、国債の利回り(長期金利)が急上昇することにより、極めて高い利率の国債を発行せざるを得なくなり、利払いの負担が雪だるまのように膨れあがる・・・といった事態である。

円建て日本国債を扱う市場においては、底なしの購買を持つ日本銀行という巨人が存在する。日本銀行好きなように国債を買い、いくらでも国債の価格を釣り上げて長期金利を下げることができる。
 

日本の対外純資産が多い

日本は対外純資産世界で最も多いで、「世界最大の対外債権」という称号を得ており、その座を1991年以降ずっと堅持している。2018年の時点で、対外純資産341兆5,560億円となっている。(資料exit

このため、円や日本国債は較的安全な資産とされ、海外経済危機が起きるたびに円や日本国債に資が流入することが多くなっている。
 

日本の経常収支が黒字続きになっている

2019年現在日本の経常収支は19兆932億円黒字になっている。貿易収支は小幅な黒字に留まっているが、第一次所得収支20兆8,102億円の巨額に上っている(資料exit)。

第一次所得収支とは、日本企業海外において子会社を設立するなどの投資をして得られる利子・配当の積み重ねをす。多くの日本企業海外に工場を持ち、堅調に利益を上げていることになる。第一次所得収支は、安定的な稼ぎであり、それが順調に増えている(資料exit)。

経常収支は1981年から2019年まで39年連続黒字になっている(資料exit)。これは、日本が産業に恵まれドルなどの外貨を極めて大量に稼いでいることを意味している。

経常収支が39連続黒字なので、基軸通貨であるアメリカドルが次々に政府庫に入ってきている。日本政府は、そのアメリカドルを使って米国債を購入して保有している。日本政府米国債の保有額は2019年6月28日の時点で1兆1253億ドルとなっていて、世界一位となっている。

産業に恵まれない貧乏は、外貨を稼ぐ手段を持ち合わせていない。それなのに、ときおり、外貨を使って外製の商品を購入しなければならない。石油や武器といった国家生存に不可欠な物資を外貨で購入したいと思ったとき、他通貨建て国債を発行することになる。他通貨建て国債は、通貨発行権で返済できず債務不履行の危険があり、極めて危険である。経常収支が赤字になって外貨を稼げなくなるとこういった流れで財政破綻に突き進むことになる。日本は、経常収支が39年連続黒字で外貨をたっぷり稼いでいるので、こういった事態からは最も縁が薄いの1つである。

経常収支や第一次所得収支などのデータも、円や日本国債が較的安全な資産とされる要因となっている。
 

海外投資家の影響力が低い

2019年現在、国債の88内で消化され、海外投資の保有率は約12%になっている。 新興国では「海外投資が一斉に新興国国債を売りに出し、新興国国債が暴落」ということがたまに起こるが、日本においては、そういうことが起こりにくい。
 

安倍政権は国債の新規発行額を減らしている

2012年12月発足の安倍政権は財政再建という名の緊縮財政を志向しており、新規国債発行が年々減らされている。
 

2012年平成24年)度 442440億円
2013年平成25年)度 42兆8510億円
2014年平成26年)度 412500億円
2015年平成27年)度 36兆8630億円
2016年平成28年)度 34兆4320億円
2017年平成29年)度 343698億円
2018年平成30年)度 33兆6922億円
2019年平成31年)度 32兆6605億円

 
財務省・国債等関係諸資料のページexitの「国債発行額の推移(当初ベース)exit」を参考にした。
 

国債発行で市中銀行の預金が増える(増減なしの時もある)

国債を発行すると、国債の額だけ銀行の預額が減っていく」というイメージがあるが、実際はそうなっていない。

国債を発行すると、国債の額だけ銀行の預額が増えていく」ということが多い。

「国債を発行すると、銀行の預額がいったん減った後に同額だけ増加して、増減なしになる」となることもある。
 

日銀当座預金を保有する金融機関が国債を保有する場合、市中銀行の預金が増える

日銀に口座を開設して日銀当座預金を保有している機関というと、銀行信用金庫農林中央金庫、そして企業といったところである(日銀資料1exit日銀資料2exit)。

そうした機関が国債を購入して保有し、政府が国債発行で得た資内で消化する場合、銀行の預額が増える。


銀行が国債を購入する流れは以下のようになっている。
 

  1. 日本国政府政府を全くもっておらず、ニコニコ銀行カドカワ銀行日銀当座預金をそれぞれ100億円持っているとする。ニコニコ銀行は、余剰の10億円を使って日本国債を購入した。すると、ニコニコ銀行日銀当座預金90億円になり、日本国政府政府は10億円になる。
     
  2. 日本国政府は、10億円分の政府支出が可になる。10億円分の政府を担保にして、10億円分の政府小切手を発行する。その政府小切手で、10億円分の共事業の代ドワンゴ建設に支払う。
     
  3. ドワンゴ建設はカドカワ銀行に10億円分の政府小切手を持ち込み、「10億円に換してください」と要する。そこでカドカワ銀行は、ドワンゴ建設の口座に10億円を書き込む(創造)。これでカドカワ銀行の預総額が10億円増えたことになる。世の中に出回るお金マネーストック)が10億円増えて、インフレとなる。
     
  4. カドカワ銀行日銀へ行き、10億円分の政府小切手を換することを要する。日銀カドカワ銀行日銀当座預金を10億円増やして110億円にする。また日銀は、日本国政府政府を10億円減らして0円にする。
     
 
4.が終わった時点での貸借対照表バランスシート)は、1.にべて次のように変化している。民間部門全体で見ると、国債という資産が10億円分だけ純に増えている。
 
資産 負債 備考
ドワンゴ建設 銀行+10億円 資産が増えて大きく得をする
カドカワ銀行 日銀当座預金+10億円 銀行+10億円 少しだけだが、損。日銀当座預金には利子が付かず、銀行には利子を付けねばならない。ただし、日銀当座預金を使って銀行間取引市場で貸し付けしたり、日銀当座預金を使って国債を購入すれば、その損を取り返すことができる
ニコニコ銀行 国債+10億円

日銀当座預金-10億円
少しだけだが、得。
 
 
※この例え話の資料・・・中野剛志『目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】』121~124ページexit_nicoichiba。同氏は、建部正義『商学論纂第55巻第3号(2014年3月)』599ページexit引用している。

 
4.を終えた時点で、今度はカドカワ銀行に10億円の余剰の日銀当座預金が発生した。カドカワ銀行は、余剰の10億円の日銀当座預金で、国債を購入することができる。このように、国債の購入は、限に続けることが可である。

日本国政府が国債を発行しまくると、銀行は預者から集めた預をどんどん減らすことになる」という考え方は間違いである。実際はその逆で、日本国政府が国債を発行して銀行に保有させて得られた資共事業を行うたびに、それと同額だけ銀行の預額が増加するし、世の中の通貨流通量(マネーストック)が増加してインフレがかかる



2019年6月3日参議院決算委員会において、西田昌司参議院議員が、日本銀行加藤企画局長に対して質問し、加藤局長は「銀行が国債を保有するケースということについて申し上げますと、政府が国債を発行し、かつ、その資内で支出するという場合には民間貯蓄は増加するという形にはなりますので、そういう意味では民間の預が増える形でそこはファイナンスされている形になるというふうに認識しております」と答弁している(議事録四ページexit)。西田議員の質問のシーンはこちらexit加藤局長の答弁のシーンはこちらexit

2019年5月23日参議院財政融委員会において、西田昌司参議院議員が、日本銀行雨宮正佳副総裁exitに対して質問し、雨宮副総裁は「国債発行による財政支出が預通貨創造につながるかどうかは、国債の最終的な消化形態によっても変わってくるわけでありまして・・・(中略)・・・銀行が保有している分について申し上げますと、それは信用創造を通じて預が増加するという格好になります」と答弁している(議事録三ページexit)。雨宮副総裁の答弁のシーンはこちらexit

2019年10月23日衆議院内閣委員会において、安藤衆議院議員が、日本銀行藤田研二企画局審議役exitに対して質問し、藤田審議役は「委員御摘のとおり、発行された国債を銀行が保有しまして、財政支出が行われた場合には、同額の預通貨、マネーといいますか、これが発生することになるということでございます」と答弁している(議事録三ページexit)。藤田審議役の答弁のシーンはこちらexit

こうした国会議事録のPDFファイルは、このページexit検索するとすぐに見つかる。


さて、最近の日本国政府は、政府小切手を使わずに財政支出をするようになった。そのため、上記の説明は、ちょっと古いものとなった。政府小切手を使わずに支払いをする現状を踏まえて説明すると、以下のようになる。

  1. 日本国政府政府を全くもっておらず、ニコニコ銀行カドカワ銀行日銀当座預金をそれぞれ100億円持っているとする。ニコニコ銀行は、余剰の10億円を使って日本国債を購入した。すると、ニコニコ銀行日銀当座預金90億円になり、日本国政府政府は10億円になる。
     
  2. 日本国政府は、10億円分の政府支出が可になる。10億円分の共事業をドワンゴ建設に依頼する。それと同時に、日本国政府ドワンゴ建設から取引銀行がどこであるか聞き出し、ドワンゴ建設の取引銀行カドカワ銀行であることを把握する。
     
  3. 日本国政府は、カドカワ銀行に対して連絡して、ドワンゴ建設の口座に10億円を書き込むように依頼する。それを受けて、カドカワ銀行ドワンゴ建設の口座に10億円を書き込む(創造)。
     
  4. 同時に日本国政府は、日銀に対して、振り込みを依頼する支払図書を送信する。その支払図書を受けた日銀は、カドカワ銀行日銀当座預金を10億円増やして110億円にし、日本国政府政府を10億円減らして0円にする。 
 
 
※この例え話の資料・・・カリンゴンの怪獣でもわかる経済のお話第122回exit財務省資料『我が国の国庫制度~出納計理編28~29ページ』exit

 

日銀当座預金を保有しない人が国債を購入すると、民間預金は増減なしになる

日銀に口座を開設しておらず日銀当座預金を持っていない機関というと、生命保険や損保険などの保険企業である。

また、一般人や一般企業日銀に口座を開設することができない。

また、GPIF年金の積立を運用する団体。世界最大級の機関投資とされる)も日銀に口座を開設していない。

そうした人や企業や団体が国債を購入するときは、銀行を減らすことになる。政府が国債発行で得た資内で消化する場合、銀行の預額が増える。銀行がいったん減って、同額だけ増加するので、差し引きゼロということになる。


保険企業が国債を購入する流れは以下のようになっている(よく知られている政府小切手モデルで説明する)。

  1. 日本国政府政府を全くもっておらず、ニコニコ銀行カドカワ銀行日銀当座預金をそれぞれ100億円持っているとする。
     
  2. ひろゆき生命はニコニコ銀行に口座を開設しているのだが、政府から国債10億円分を購入することにした。ひろゆき生命の預が10億円減少し、その代わりに10億円の国債が手に入った。ニコニコ銀行は10億円の日銀当座預金政府に送した。すると、ニコニコ銀行日銀当座預金90億円になり、日本国政府政府は10億円になる。
     
  3. 日本国政府は、10億円分の政府支出が可になる。10億円分の政府を担保にして、10億円分の政府小切手を発行する。その政府小切手で、10億円分の共事業の代ドワンゴ建設に支払う。
     
  4. ドワンゴ建設はカドカワ銀行に10億円分の政府小切手を持ち込み、「10億円に換してください」と要する。そこでカドカワ銀行は、ドワンゴ建設の口座に10億円を書き込む(創造)。これでカドカワ銀行の預総額が10億円増えたことになる。
     
  5. カドカワ銀行日銀へ行き、10億円分の政府小切手を換することを要する。日銀カドカワ銀行日銀当座預金を10億円増やして110億円にする。また日銀は、日本国政府政府を10億円減らして0円にする。

4.が終わった時点での貸借対照表バランスシート)は、1.にべて次のように変化している。民間部門全体で見ると、国債という資産が10億円分だけ純に増えている。

資産 負債 備考
ドワンゴ建設 銀行+10億円 資産が増えて大きく得をする
カドカワ銀行 日銀当座預金+10億円 銀行+10億円 少しだけだが、損。日銀当座預金には利子が付かず、銀行には利子を付けねばならない。ただし、日銀当座預金を使って銀行間取引市場で貸し付けしたり、日銀当座預金を使って国債を購入すれば、その損を取り返すことができる
ニコニコ銀行 日銀当座預金-10億円 銀行-10億円 少しだけだが、得。
ひろゆき生命 国債+10億円

銀行-10億円
少しだけだが、得。

 

 
この場合、カドカワ銀行ニコニコ銀行の預額の合計は、増減がない。

2006年頃から2019年現在まで、国債保有者における保険企業の割合は18~22%程度となっている。ゆえに、上記のケースも多々発生していることになる。

ひろゆき生命の銀行が、国債を介して、ドワンゴ建設の銀行に姿を変えた・・・というにとらえることもできる。ひろゆき生命の銀行があまり消費されない性質のもので、ドワンゴ建設の銀行は従業員の給料になるなどして消費に使われる性質のものなので、このケースにおいても国債発行は気刺の効果があると言える。

ちなみに、このことを経済学の用を使って表現すると「ドワンゴ建設の銀行は高い乗数効果exitをもたらす、ひろゆき生命の銀行は低めの乗数効果しかもたらさない」となる。
  

まとめ

日銀当座預金を持つ機関が国債を保有するケースと、日銀当座預金を持たない企業が国債を保有するケース較すると、次のようになる。

日銀当座預金を持つ機関が国債保有 日銀当座預金を持たない存在が国債保有
代表例 銀行企業 保険企業、個人、GPIF
日銀当座預金の全体額 増減なし 増減なし
銀行の全体額 増加する 増減なし
民間部門の黒字 増加する 増加する


いずれにせよ、「日本国政府が国債を発行しまくると、民間銀行総額が減る。銀行は預者から集めた預をどんどん減らすことになる」という考えは、間違っていることが分かる。

そうした考え方から、クラウディングアウトという理論が導かれる。そして、その理論からプライマリーバランス黒字化方針というものが生まれる。

さらには、国債の発行額の増加に恐怖を感じるようになり、国債恐怖症を発症する。

ちなみに、国債発行額を減らしてプライマリーバランス黒字を達成すると、その直後に不況が訪れる・・・という不吉な法則がある。それについては、プライマリーバランスの記事を参照のこと。
  

国債の返し方

国債には期日というものがあり、満期になると元本を償還しなければならない。また、定期的に利子を支払わねばならない。このため、政府にとっての負債といえる。

満期が近づいてくる国債をどのように扱うかは、大きく分けて3つの方法がある。日銀が国債を買い取る方法と、置き換え(借り換え)を行う方法と、税金で返済する方法である。
 

日銀が国債を買い取る

1つは、日銀が国債を買い取る方法である。

つまり、中央銀行の国債直接引き受け買いオペレーションである。前者は、日本国政府日銀に国債を購入させて償で政府を手に入れて、その政府で国債の元本・利子を償還する。後者は、日銀日銀当座預金を発行して、元本・利子で得られる額より多めの日銀当座預金を支払って、国債を買い上げる。どちらも、国家の持つ通貨発行権を行使している。

いずれの場合でも、銀行は、日銀当座預金を増やすことになる。日銀当座預金が増えると、銀行にとっては融資可額が大きく引き上げられることになり、インフレがかかりやすい状態になる(準備預金制度の記事でそのことが解説されている)。デフレに苦しんでいるときはこの方策を採用することになる。インフレで苦しんでいる状況では、あまりこの方策を採用したくないと言える。


日銀当座預金銀行の変化は2パターンに分かれる。銀行日銀当座預金を持つ存在の代表、生命保険日銀当座預金を持たない存在の代表、と考えておけばいい。

日銀当座預金 銀行
直接引き受け買いオペ銀行保有の国債の元本・利子を返す 増加 増減なし
直接引き受け買いオペ生命保険保有の国債の元本・利子を返す 増加 増加

 
国債発行残高の変化は3パターンに分かれる。

累積国債発行残高 中に出回る国債 日銀保有の国債
直接引き受け元本返済 増減なし 減少 増加
直接引き受け利子返済 増加 増減なし 増加
買いオペ元本・利子まとめて返済 増減なし 減少 増加

 

国債の置き換え(借り換え)

1つは、国債の置き換え(借り換えである。償還期日が近づく国債Aと全く同じ額の国債Bを発行して、日本国政府政府を増やしておく。国債Aが満期になったら、政府を支払って償還する。国債Aが国債Bに姿を変えただけで、国債が中に存在し続けることに変わりがなく、現状維持の方策だといえる。

中の国債に対しては利子を支払う義務がある。日本国政府は、利払いするために新規国債を発行することになり、少しずつ国債の累積発行額が増えていく。

日銀当座預金の総額も変化しないし、中に出回っているお金マネーストック)もあまり変化しない。このため、インフレデフレもあまりかからないので、インフレ率が2~3でとてもちょうど良い状態の時は、この方策を採用することになる。


日銀当座預金銀行の変化は4パターンに分かれる。

日銀当座預金 銀行
銀行に国債を購入させて銀行保有の国債の元本・利子を返済 増減なし 増減なし
銀行に国債を購入させて生命保険保有の国債の元本・利子を返済 増減なし 増加
生命保険に国債を購入させて銀行保有の国債の元本・利子を返済 増減なし 減少
生命保険に国債を購入させて生命保険保有の国債の元本・利子を返済 増減なし 増減なし

 
国債発行残高の変化は2パターンに分かれる。

累積国債発行残高 中に出回る国債 日銀保有の国債
置き換えで元本返済 増減なし 増減なし 増減なし
新規国債発行で利子返済 増加 増加 増減なし

 

税金で返済する

最後の1つは、税金を徴収して、日本国政府政府を増やし、その政府で国債を償還するものである。必要に応じて税率を上げて、税収を増やす。デフレがかなり高い。

インフレで苦しんでいるときは、税金返済の方策を採用することになる。デフレに苦しんでいる状況では、あまり税金返済の方策を採用すべきではないと言える。


お金の流れを詳しく解説すると、2つのケースに分かれる。

日銀当座預金を持つ存在(銀行)が国債保有者であるケースは、次のようになる。

ニコニコ銀行が1億円の国債を保有していて、それを税収で償還するとする。

民間人が政府に対して1億円を納税し、民間人の銀行1億円が消滅する。銀行から政府に対して送が行われ、銀行日銀当座預金1億円を減らし、政府政府を1億円増やす。

政府は、手にした1億円の政府ニコニコ銀行保有の国債を償還し、政府を1億円減らす。ニコニコ銀行政府から日銀当座預金1億円を受け取り、ニコニコ銀行が保有していた国債は消滅する。

以上を振り返ると、銀行が1億円減り、日銀当座預金に増減がないことが分かる。

銀行が純に減り、中に出回っているお金マネーストック)が減ってデフレが強くなる。

 
日銀当座預金を持たない存在(生命保険)が国債保有者である場合は、次のようになる。

ひろゆき生命が1億円の国債を保有していて、それを税収で償還するとする。ひろゆき生命はニコニコ銀行に口座を開設していることにする。

民間人が政府に対して1億円を納税し、民間人の銀行1億円が消滅する。銀行から政府に対して送が行われ、銀行日銀当座預金1億円を減らし、政府政府を1億円増やす。

政府は、手にした1億円の政府ひろゆき生命保有の国債を償還するため、ニコニコ銀行に1億円の送をする。政府政府を1億円減らし、ニコニコ銀行日銀当座預金を1億円増やす。ニコニコ銀行ひろゆき生命の口座に1億円を書き入れ、ひろゆき生命が保有していた国債は消滅する。

以上を振り返ると、銀行に増減なし、日銀当座預金にも増減がないことが分かる。

民間人の銀行が、ひろゆき生命の銀行に化ける形になる。ひろゆき生命は国債に投資するような企業なので、あまり消費を活発に行わない存在である。世の中の消費がすこし鈍り、気を冷やすことになり、デフレがかかる。


 

以上の例え話を表にまとめると、こうなる。

日銀当座預金 銀行
銀行保有の国債の元本・利子を税金で返済 増減なし 減少
生命保険保有の国債の元本・利子を税金で返済 増減なし 増減なし

 

累積国債発行残高 中に出回る国債 日銀保有の国債
税金元本返済 減少 減少 増減なし
税金利子返済 増減なし 増減なし 増減なし

 

3方法の比較

インフレ率に対してどのように影を与えるかという観点から、3方法を較すると、以下のようになる。

日銀購入 置き換え 税金返済
インフレ率に対する影 インフレが高まる ほとんど影を与えず、穏である デフレが強まる

 
置き換え(借り換え」という方策は、国債発行残高が一向に減らずにじわじわ増えていくので、国債恐怖症を発症している人から見ると極めて過で恐ろしい方策に思えるのだが、インフレ率に与える影という観点では最も安全で穏健な方策である。

「国債とは、基本的に置き換え(借り換え)されるものである。それゆえ、基本的に増え続けていく」といわれることが多い。その言葉通り、日本の国債はずっと右肩上がりで増え続けている。アメリカ合衆国の国債も同様で、右肩上がりで増え続けている。日本アメリカ合衆国も、置き換えという穏健な方策を採用し続けてきたのである。

税金返済」という方策は、デフレが強すぎてあまりお奨めできないというのが実情である。この方策を採用するにはプライマリーバランス黒字化しなければならないが、プライマリーバランス黒字化を達成したら大不況に陥るという不吉な法則が存在する。(詳細は、プライマリーバランスの記事を参照のこと。)
 

国債に関する表現

国債をどのように表現するべきか、しばしば論争になる。
 

通貨の材料、売りオペの弾丸

中央銀行にとって、国債とはどういうものだろうか。

まず間違いないことは、国債は中央銀行にとって通貨材料である、という点である。

日本銀行は、「円という通貨を支払います」と約束された国債を買い取って、その代償として円という通貨を新規に発行している(買いオペ)。

また、中央銀行は、通貨を発行しすぎたと判断した場合、国債を市場に売却している。そうすることで、通貨を正式に消滅させている(売りオペ)。

通貨には基本的に利が付かず、自動的に増殖しない。一方で、国債には基本的に利が付き、確実に増殖する。このため、日銀売りオペして国債を売り出すと、とても順調に国債が売れていき、確実に中の通貨を減らすことができる。このため、日銀にとって、国債とは売りオペの弾丸であり、売りオペに際して最も頼りになる具である。

政府に発行されて国債市場に売却された国債は、日銀と、日銀以外の市場参加者の間を、キャッチボールの球のごとく、行ったり来たりすることになる。日銀の手元に国債が入ったら通貨が新規発行され、日銀の手を離れて日銀以外の市場参加者の手元に国債が収まったら通貨が消滅する。
 

経営を助ける貯金箱

国債を発行する政府中央銀行を除いたすべての国債市場参加者にとって、国債とはどういうものだろうか。

100%確実に増殖することが保されている融商品」というのが、国債というものをもっとも的確にとらえた表現である。式、土地、塊、石油、といった商品には、すべて値下がりのリスクがあり、民間債(社債または融債)には債務不履行リスクがある。ある通貨100%確実に増殖させる融商品というのは、その通貨を発行する中央銀行に対して強い影を持つ政府が発行する国債と、その通貨を発行する中央銀行が発行する中央銀行手形だけである。

政府中央銀行を除いたすべての国債市場参加者にとって、国債は100%確実に利をもたらしてくれる宝物であり、経営を助ける貯である。
 

国の借金か、政府の借金か

国債を発行する政府にとって、国債とはどういうものだろうか。

日本国政府の一部門である財務省は、国債を「の借」と好んで呼んでいる。同省の作成する資料にはそういう表現が載っている(検索例exit)。

これに対し、三橋貴明など経済評論家の一部は、国債を「政府の借」と表現することを好んでいる。借をしているのは政府であり、民は政府に対して貸付を行っているのであり、政府が国債を発行して「政府の借」を増やすほど民の貸付額すなわち資産が増加するのであり、政府が国債を発行するほど民は豊かになる、という論理展開が行われることになる。「国債は政府の借で、それと同時に政府以外の全員にとっての資産」という結論に到達することになる。


一方で、国債のことを借と呼ぶのは不適当だという論考が挙がることもある。

日本国政府が発行している日本国債は、その100%が自不換銀行券建て国債であり、日銀通貨発行権を行使することで返済することが可なものである。実際に、日銀は、買いオペ、つまり通貨発行権を行使して日本国債を買い取る行動をすることで、日本国債の返済を行っている。

日本政府は、日銀の資本55を握っており、日銀子会社のような存在にしている。また日銀法第4条において次のように定められており、日銀日本国政府の意向に逆らうことができない。
 

日本銀行は、その行う通貨及び融の調節が経済政策の一環をなすものであることを踏まえ、それが政府経済政策の基本方針と整合的なものとなるよう、常に政府と連絡を密にし、十分な意思疎通を図らなければならない。 日本銀行法第4条exit

 
通貨発行権を行使して返済できるものを「」と呼ぶのは、はたして適切だろうか。

中央銀行通貨発行権を行使して返済したら、「借」というよりは、ぞうきんといった感じの現となる。


「AがBを借りる」という表現は、「Aが自分の意思でBを簡単に増殖させられない状況に置かれていること」を自然と連想させる表現である。

ところが、円建て日本国債を発行売却する日本政府は、日銀法第4条に基づき、自分の意思で簡単に世の中に流通している円を増やすことができる。

ゆえに、「日本政府が円建て日本国債を発行して売却すること」を「日本政府が円を借りる」と表現するのは、すこし違和感がある。
 

無限であり有限である資金調達手段

国債を発行する政府の立場から国債というものを見つめ直すと、「限の資調達手段」となる。政府というのは、日銀法第4条に基づいた日銀支援をいつでも受けられる立場にあるので、国債による資調達を限に行うことができる。ゆえに、そういう表現が可となる。

もちろん、政府憲法行動を制約されている。憲法前文exitには「民に福利をもたらすような政をしろ」と書いてあるので、無限大に資を調達して無限大政府支出して年率10を大きく越えるような高度のインフレをもたらして民の福利を損なうわけにはいかない。

だから結局、政府にとって国債は、「日銀法第4条によって限に販売できるが憲法前文によって販売が有限となる換商品」ということになる。限であり有限である資調達手段、という表現をすることになる。
 

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関連項目

脚注

  1. *債券は、債券に明記されている通貨を扱うの債券市場だけでなく、債券に明記されている通貨を扱う以外のの債券市場に売り出すことがある。日本円を多く持っている日本国外の企業に対して日本国外で売り出される円建て債券をユーロ円債という。世界に輸出してアメリカ合衆国ドルなど外貨を多く稼ぐ日本企業に対して日本国で売りだされる外貨建て債券をショーグンという。そういう例があるが、基本的には「円建ての債券は日本国の債券市場で売り出される」「アメリカ合衆国ドル建ての債券はアメリカ合衆国の債券市場で売り出される」とおぼえておいてよい
  2. *ちなみに確実に日本通貨を増やすことができる融商品というともう1つあり、中央銀行が発行する手形である。日本なら日銀が発行する日銀手形である
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掲示板

  • 360ななしのよっしん

    2021/05/13(木) 12:34:27 ID: Qz7RzqxsuE

    日本の場合は自己債権の形なんだろうけど、なんかそれがつもりにつもっての基礎が弱体化、外部資本に買われる状況になってるんじゃないかなと思う次第

  • 361ななしのよっしん

    2021/06/01(火) 02:06:44 ID: dliJu9yudp

    小切手は有価券なの?

  • 362ななしのよっしん

    2021/07/18(日) 06:44:37 ID: b5Q0DG9Vzo

    ググる小切手は商法上では有価券だけど会計上は別の専門の科に計上されるみたいですね

    国債の残高は貨幣発行の記録という考え方があります
    そこでちょっと考えてみましたので正しいかどうか判断してつかあさい

    まず通貨発行権という存在があるんですが、これは正確には"現"通貨発行権だと思います
    日本では日銀通貨発行権があるんですが、お金というのは現以外に"預"なんかもあるんですね
    国債の発行は最終的に日銀当座"預"を増やす(と思う)ので貨幣の発行と言える…んですよね?

    通貨発行権を深く考えてみると、これは日銀に現を発行する権利を与えるというより、
    日銀以外が発行した札は現とは見なさないという偽札防止の考え方に思えます
    通貨発行権とは国債の発行で増える予定の預に対し、必要となるだろう現機械的に発行する作業であり、
    機械的作業ゆえに民間に任せても構わないとなるのかなぁと思います(諸外では中央
    (省略しています。全て読むにはこのリンクをクリック!)

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