國鐵廣島(国鉄広島)とは、「JR西日本広島支社」に対する俗称である。「酷鐵廣島」、「國鐵廣島鐵道管理局」(国鉄広島鉄道管理局)とも。「広島鉄道管理局」とは、日本国有鉄道時代の広島エリアの地方機関(鉄道管理局)の名称である。
JR西日本は京阪神のアーバンネットワークエリアに対し、広島シティネットワークなど広島支社のエリアには国鉄時代の1983年を最後に新車を長らく投入しておらず、また京阪神地区で新車投入により余剰となった国鉄車両をこのエリアにまわすことで車両需要を賄ってきたため、JR発足(1987年)以後に製造された電車が全く見られない、国鉄時代の雰囲気や姿をそのまま残すエリアということで、このような俗称が付けられることとなった。
1982年にいち早く都市間輸送のためのパターンダイヤを導入するなど、先進的なエリアであったが時代を先取りしすぎていたことや、115系の投入(1977~83年)に際して「旧型国電や、急行から転用された初期急行形新性能車両の直接・大量置き換え」という方法が取られたため、車両の新造がモデル末期と重なり「型は古いが製造年は新しい」という巡り合わせの悪さもあった。その後30年近くにわたって車両面で抜本的な改善がされることはなく、電車に対して気動車では辛うじてキハ120形が投入されたものの、キハ40系が相変わらず幅を利かせており、やはり国鉄のままだと批判される傾向があった。
車両補修ではガムテープを多用し、雨漏り車両も多発。「チクビーム」と呼ばれる魔改造車両も使われていた。
更に国鉄時代の「首都圏色」の発想と同様、塗装費用の節約のためにエリア内を走る電車に「末期色」と呼ばれる黄色単色塗装を施し始めたため、鉄道ファンからは次第にネタ的にこの地域が扱われる傾向が強くなった。
JR西日本金沢支社(國鐵金澤)が同社の他の管轄エリアではこれに近い存在と見られていた。このエリアの国鉄車両は広島支社の黄色同様、北陸本線系統のものは真っ青、七尾線系統のものは真っ赤に塗られていた。
しかし同社エリアの場合、優等列車は681系・683系とJR化後に製造された車両で統一しており、近郊形であっても521系を2009年以降投入したため、そう揶揄されることは次第に無くなってゆき、逆に旧態依然のままである広島支社を揶揄する動きが更に強まる結果を招いた。
しかしながら2013年3月にJR西日本より発表された中期経営計画では、2014年より山陽本線白市~岩国間での新造車両を運行するなど、広島支社管内の運用改善計画が盛り込まれている事が判明。
そして2014年6月19日、ついにその新造車両が「227系」となることが発表された。
2015年3月14日、広島シティネットワークエリアで32年ぶりの新車となる227系の運用が開始。同時に5色のラインカラー制度も導入され、2018年度までに当該エリア内の車両を置き換える方針が定まっている。由宇駅以西の山口県エリアを切り離す形でまた岡山・下関地区も状態の悪い113・115系を広島地区から追い出された体質改善車で置き換える玉突き転配が進められるなど、「國鐵廣島」と呼ばれたエリアにも急速に近代化の波が到来している。2019年ダイヤ改正で電車に関しては227系に統一され、残りは芸備線のみとなった。
ニュータイプ | 40N完全リニューアル(転クロ) ※公式正式名称 |
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偽タイプ | 40Nリニューアル(クロスシート) (オカG編成、フチR編成、T-04を除くセキT編成) |
嘘タイプ | 1000、2000番台30Nリニューアル(塗装と転クロ ※ドア、天井はそのまま) |
クソタイプ | 中間車(C-14・21は+岡山方クハ)のみ体質改善施工で、Tc車の塗装を合わせたもの。 (C-14・16・21・24編成) |
ハゲタイプ | クハ115-219(C-14)・622(G-02)。 オカ時代に施工された謎の原型張上げ更新改造車。お家芸特産品。 |
オレオレタイプ | N編成30Nリニューアル(塗装と化粧板変更 ※ドア、天井、シートはそのまま) |
チクビーム | デカ目前照灯を埋め、その上にシールドビームを取り付けたもの。(由来:見た目から) |
黒チクビ | 上記のチクビームを瀬戸内色からリニューアル色へ変更したもの。(C-16・21編成) |
黄チクビ | 上記のチクビームを末期色へ塗装変更したもの。(G-02編成) |
ガムテープ | ガムテープで車体を補修したもの。稀に出現。事故時の回送以外で度々運用される。 |
ガムテ塗装 | 國鉄廣島による愛の美学。ガムテープで補修した上から塗装する究極の鉄道車両補修法。 |
C-20 | 両端が鉄仮面で瀬戸内色最後の3000番台クハ。遠からずリニューアル→セキO-02編成化 |
E-04 | 両端クハが東日本から購入した高運車。103系。クハは1両1万円! |
D-01 | 103系冷風3連。トイレも付いた。 |
デカ目 | 115系のうちライトが際立って大きいもの。 ティー編成と共に最古参級で、國鐵型の中でも特に支持され続けていた編成。 電気代がかさむため、全てチクビームにされてしまった。 |
どうでもE編成な基礎痴識を元に、さらに細かく所属している車両を見てみよう。なおこれらは2021年11月現在の情報を元にしている。
本線での活躍はほぼ無いが、広島地区の可部線、呉線、山口地区の宇部線など各地区のローカル線を中心に活躍していた。宇部の増結用を除き、全車ワンマン対応。
現存する編成は全て下関総合車両所運用研修センター所属。かつては広島支所(旧広島運転所)に所属し、朝と夜の可部線を走る他は呉東線こと広―三原間で活躍。竹原を舞台にした【たまゆら】のOPや劇中にもゆうパックこと広島色が出演した。が、その広島色は末期化済。
全部で6編成。全車更新工事済でワンマン運転対応。現在は3編成が残る。
K-03
ワンマン運転対応組の中で、最後まで広島色を守り抜いた編成。2016年7月の全検で末期色化した。
K-02、K-06
運用研修センター所属。全車末期色、貫通幌付き、更新工事済。宇部線を中心に走るが、朝夕のラッシュ時は山陽本線宇部―下関間も走る。
U01―U06編成まではワンマン対応済、その他は非対応。
運用研修センター所属。全車末期色、更新工事済。ラッシュアワーの混雑に対応するための増結用車両のみが所属する編成。例外として、U10編成のクモハや、広島でお役御免となったK-07編成のクモハも増結用としてこのグループに所属している。
クモニ143を改造して作られた車両。宇部線の一部区間と小野田線(本山支線も)で活躍。105系と連結しての運用が可能だが、元荷物車であるが故、外見の違和感はえげつない。
105系U編成に括られており、U13―U18編成まで所属している。
山陽本線(瀬野~岩国)、可部線、呉線で活躍。大半は関西圏で活躍していた車両で、セノハチを越えられないため、運用に若干の難あり。
平日は朝と昼、土休日限定だが夕方に4+4の8両編成での運用があった。
元日根野・宮原車によって構成された編成。関西時代に更新工事を終えているため、大半は関西更新色を纏って広島に転属してきた。一時期は全部で14編成も広島車両所に所属していたが、227系運用開始により余剰になったのを機に、岡山の鉄仮面を倒すべく、クハのみ組み替えて転属するものもいれば、幕と貫通幌を装備し編成ごと転属したものもいた。
P-08
最後まで残った関西更新色(関西カフェオレ)。ついこの前まで相方であったP-07編成もいたが、関門海峡花火大会の団臨に充当し、そのまま幡生入場……出てくる時は末期色だろう。。
元京都・日根野車によって構成された編成。103系B・D編成を置き換え要員として、ステンレス車が充実しお役御免となった関西更新車と未更新車が混合したグループで、最初は湘南色もいたが最終的には広島更新色(ミルクカフェオレ)と瀬戸内色に塗り替えられた。が、2011年から徐々に更新工事を終えた前述のP編成が転属してきて、未更新車は続々廃車。更新車も2019年に力尽きた。
F-13
F編成最期の生き残り。モハは40N更新車、クハは30N更新車で雨樋がデコボコしている個性的編成。
かつての広島の主、全車運用研修センター所属。全盛期は東は岡山県の三石駅、西は山口県の下関駅と総延長400km超えの範囲をカバーしていた。かつては西のお家芸:魔改造によってお家芸特産品が数多く所属していたが、227系の運用開始によってボロ車のほとんどが粛清され、ボロを半ボロ(更新車)で埋めるという一大プロジェクトが行われた。
運用研修センターの主力に返り咲きかけた比較的まともなグループ。かつては広島運転所に配置されていたが、227系の運用開始によって少しずつ下関へ転属していった。尤も、L編成が組成される以前、未更新時代は全車下関所属だったので、転属というよりは里帰りを果たした。
全部で22編成所属しており、L-13までは40N更新(ニュータイプ)、L-14以降は30N更新(嘘タイプ)だった。行き先表示については、ニュータイプはLED、嘘タイプは幕(かつては白幕だったが、2017年からは黒幕にかわっている)。しかし新天地での天下も長くは続かず、2019年に全て廃車。何故か岡山に飛ばされた編成も2020年に用無しとなった。
L-04
L編成唯一の転落防止幌装備車。他の車両は守る気ZERO~♪だが、彼はちゃんとグレーの幌を装備している。
L-16
6代目カープ電車。上り側先頭車であるクハ115-1155はトイレのついた車両であるが、利用客が混乱しないようにするためか、【業務用】という謎封印がかけられているプチネタ車。岡山に飛ばされ、最期の生き残りとなった。
L-17
カープの影響を受けてか広島のプロサッカークラブ:サンフレッチェ広島もラッピング列車を運行開始!なお上り側クハのドア付近手すりは何故か223系などで使われている黄色の丸みのあるものに換装されている。こちらも最後は岡山に飛ばされた。
L-20、L-21
何の変哲もない嘘タイプだが、この2編成だけは何故か行き先表示がLED化している。更新工事の時期が原因?
運用研修センターの準主力。國鐵廣島黄金期は、みんな大好きチクビームや鉄仮面、未更新ボロといった個性的メンツが多く所属していた編成グループだったが、227系の運用開始により広島でいらない子となった元広ヒロL編成達が流れてきたために個性もボロもほぼ廃車され、黄金期は2ケタいた編成も2019年に全滅した。
C-13
下り側先頭車のクハ115-608は52年弱走り続けたご長寿車両。広セキで数少ないボロ車の生き残り。元は中間車だったのだが、短編成・高頻度化の波に飲まれ、先頭車不足を補うために顔をつけて、同時期に廃車になった急行型153系がつけていたAU13クーラーを6つ付け先頭車デビューを果たした。それゆえ、天井が他の車両と違ってユニークである。中間車と上り側クハはただの30N更新。
C-21
C編成最期の生き残り。オール30N更新車でパッと見L編成と見間違えるが、2015年冬まで下り側クハはチクビームであった。個性がないのなら、いっそL-23編成を名乗ってしまえばいいのに……
運用研修センターの更新車のみで組成された編成グループ。黄金期時代、ゴチャゴチャしていたC編成ときっぱり区別をするために作られた(?)。応荷重対応の「オー」など命名に関しては諸説あり。
O-01、O-02
何故か両先頭車が2ドアの3000番台。中間車は岡山で再利用されている。
O-04
O編成最期の生き残り。後述のR-02と違ってタイフォンがオリジナル形状なので、実質1本のみの純粋カフェオレだった。
運用研修センターのちょっと訳ありな編成グループ。中間車が未更新だったり、先頭車が元113系で改造を施されたやつだったり、かつて存在していた物には鉄仮面がいたりと、とにかく何かしらの訳を持った車がよくいる。こちらも容赦なく廃車され、1000番台未更新車が全滅した。
R-01、R-04
両先頭車は元113系で改造により115系となった車両。それゆえ、タイフォンが113系のお椀型である。中間車は未更新でクロスシート。
R-02
広島更新色(ミルクカフェオレ)最期の生き残り。下り側クハは元113系でお椀型タイフォンである。末期は側面にコーヒーしみがついてきており、ミルクカフェオレとはなんなのか…という感じになりつつあった。
広島運転所の困ったちゃん。広島地区用に作られた115系3000番台、及び117系魔改造車である3500番台で組成された編成だが、利用客のほとんどがドア付近に集中してしまい、キャパを十分に発揮出来なかったのに加え、3ドア車が主流の広島地区において突然2ドア車が来ると、真ん中のドア位置で待っていたお客は両サイドに捌けないといけなかったりで、あまり好印象を持たれなかった悲運の編成である。
2016年、広島地区のドア数統一宣言により、岩国―下関間の閉じ込め運用を強いられたが、座席数の多さを強みに、普通列車しかいなく長距離運用の多い山口界隈で活躍している…が、5月の航空祭臨など臨時で時折広島地区に顔を出すことがある。
全部で19編成。全て運用研修センターに集約され、L編成の残党にとどめを刺した。N-12までは全車新製でパンタグラフが2つ装備されている(だが、運用時は1つのみ使用)。N-14、16以降は中間車が3500番台で、パンタグラフは1つのみ。行き先表示は全車白幕。
運用研修センターのグルメ担当。絢爛豪華(?)な115-550らによって構成されていたが、オンボロになった為、かつて福知山にいたモハを改造して生み出したチョコパンでそれらを追い出した。味をしめた彼らは更に高みを目指し、卵付けにされフレンチトーストと化した。なおこのペッタンコ先頭車は後に岡山のぬらりひょんのヒントになったりと、ペッタンコ先頭車の先駆け的存在である。行き先表示は全車白幕。
T-11
下り側のクモハ114-1106はWパンタ。しかし、運用時は1つのみ使用。
別名を「国電区間」(國電區間)。1982年11月改正で「ひろしまシティ電車」の名のもとに全国の国鉄で初めて高頻度運行(広島-岩国・大野浦間15分間隔運転)を実施したエリアである。
また急行形153系の置き換えとして京阪神地区で「新快速」に117系が投入されている中、1983年にはこのエリアにも主要機器類は115系2000番台と同様としながらも、117系同様に2扉転換クロスシートを採用した115系3000番台を投入していた。
国鉄時代はこのように「近代化」の旗手と位置づけられ、国鉄末期からJR化後に全国で見られる新車投入や普通列車の増発の先駆となっていたのである。
JR化後、新車の投入は2015年の227系まで32年間実施しなかった一方、所要時間短縮のため快速列車の設定が多くの路線でされたが、山陽本線の「シティライナー」や可部線の「通勤ライナー」のように後に廃止に追い込まれたものも存在する。シティライナーは2016年度ダイヤ改正で結局復活したが。
現在、シティネットワークエリアに存在する快速列車は以下のとおり。
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最終更新:2025/02/08(土) 23:00
最終更新:2025/02/08(土) 22:00
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