地震単語

ジシン

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地震とは断層運動、及びそれによって生じる揺れである。後者は"地震動"とも呼ばれ、断層運動である地震と区別される。

規模の大きいものは災害につながり、建造物・ライフラインを破壊したり土砂崩れ火災津波、地割れなどを起こし、人命・財産に甚大な被害をもたらす。

概要

そもそも何故地球で地震が起きるのかというと、火山と同様で地球内部の熱が原因である。

地球内部は表面から化学的に分けると、地殻(地表から大陸地殻で25-75km、海洋地殻で6km)、上部マントル(地殻の下~410km)、マントル遷移層(410km~660km)、下部マントル(660km~2900km)、外核(2900~5100km)、内核(5100~6400km)から構成されている。また、マントルと地殻を地表から力学的に分けると、剛性が高いリソスフェア[岩石圏](地殻と上部マントルの一部)、流動性が高いアセノスフェア[岩流圏](上部マントルの一部)、剛性が高いメソスフェア(上部マントルの一部とマントル遷移層と下部マントル)に分けられる。このうちリソスフェアはプレートとも呼ばれ、この二はほぼ同義である。

マント地球の中心部である外核と内核では46億年前の地球生時に放射性崩壊によって発生した熱が未だに残っており、下部マントルではこの熱によって温められ上昇流発生し、上部マントル・地殻へ上がっていく。この上昇流をホットプルームと言う。上部マントル・地殻へ到達したホットプルームはゆっくり冷やされ重くなり、下部マントルへ沈む下降流となる。この下降流をコールプルームと言う。下部マントルと外核の界付近(グーテンベルク不連続面)へ沈んだコールプルームは再び核の放射熱によって温められ再びホットプルームとなる。この循環する対流運動プルームと呼ばれ現在な学説と考えられており、この学説をプルームテクトニクスと言う。

対流運動であるプルームによって、プレートは流動性が高いアセノスフェアに流される形で移動している。プレート現在は十数枚存在しており、プレートが引きちぎられることによって嶺などからマグマが噴出し新たなプレートが生成され、プレート同士が衝突している部分では重いプレート方が軽いプレートの下に沈み込みコールプルームとなる。これらのプレート同士が引きちぎられたり(拡大)、衝突したり沈み込んでる部分(収束)、いはプレート同士がすれ違ってる(トランスフォー)部分が部分をプレート界と言う。

プレートは剛性が高く、弾性体として振舞う。その為歪みを加えると弾性変形し、やがて限界えると剪断破壊を起こす。この時の弾性変形した部分を褶曲、剪断破壊した部分を断層という。また、断層が剪断破壊を起こす間を断層運動いは断層破壊、即ち地震と言う。プレート界ではプレート歪み変形が起き易い為、地震が多く発生する。

日本では、大きく分けて4枚のプレートに乗っかっており、北アメリカプレートユーシアプレート太平洋プレートフィリピンプレート日本が存在している。これらのプレート界は日本では全て収束界として存在しており、このプレート界によって日本では世界の地震の約1割が発生している。

断層運動以外が要因の地震動としては、隕石の衝突、爆弾爆発火山噴火、氷河の移動、人の生活振動などがある。

震度

日本における震度は気象庁震度階級と呼ばれ、0から7までの10段階。(平成8年より震度5・震度6はそれぞれ強・弱に分けられている。)震度には際的な基準はなく、分け方も・地域ごとに異なる。

日本で震度階級が初めて作られたのは1884年(明治17年)。当時の内務省地理局が全の観測所や役所に通達した「地震報告心得」による。当時は微震・弱震・強震・震の4階級であり、(それぞれ現在の震度1、2から3、4、5以上)地理局はこの基準に沿った報告を各所にめた。

その後1898年(明治31年)には弱震・震をそれぞれ2分割して6段階とし、1937年(昭和11年)の地震観測法により、1996年まで使用される微震・軽震・弱震・中震・強震・震の各名称がつけられた。最上級となる震(震度7)は戦前公式には存在しなかった(非公式には明治時代から震の上の段階として存在したが、定義はされていなかった)が、1949年(昭和24年)に新たに制定された。一説には1948年(昭和23年)6月24日福井地震で広範囲で屋倒壊率が90え、これまでの震度6と同列に扱えないと判断されたことがきっかけとされる。

以後1996年(平成8年)までは、地震計も参考にするものの、基本的に測所職員の体感で震度が決定されていた。(震度7のみ、後日気象庁が震度5以上の地域の被害状況を勘案して決めるという仕組みであった。)

しかし、この方法では震度を発表できる地点がきわめて限定されており、直下地震のような狭い範囲での大きな揺れをただちに把握しきれないことがあった。1995年(平成7年)の兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)で震度の決定が遅くなったことも情報速度の観点から問題視された。加えて、それまでの震度は揺れの強さより被害状況の安としての性格が強かった(1990年代には地震計による計測も補助的に用いられるようになった)が、震度5と震度6は被害の幅が広すぎるというが出てきた。1990年代前半に最大震度6の地震が多発したが、建物の耐震化が進んだことによって同じ震度でも被害状況に差がある(昔の同震度の地震に被害が少なく、具体的には震度6でも建物がほとんど倒壊しないケースもあった)ことが増えてきた。

そのため、震度は地震計の数値によって市町村単位で速報する方式に変更となり、また震度5と6をそれぞれ2段階に分割し、予想される被害をより細かく示すようになった。

1980年代までの震度6は、揺れは現在の震度6弱~7のいずれかに該当するが、インパクトとしては現在の震度6強、もしくは7に相当する。震度5も同様にインパクトは震度5弱~6弱に相当する。

以下、気象庁震度階級関連解説表exitを参考に作成。(平成21年3月31日更新) →表をスキップする

震度 人の体感・行動
屋内の状況
屋外の状況/
地盤・斜面等の状況
建物被害(木造住宅
コンクリート建物)
NHK総合テレビの対応
0 人は揺れを感じないが、地震計には記録される。 ―― ―― ――
1 屋内で静かにしている人の中には、揺れをわずかに感じる人がいる。 ―― ―― テロップ「地震」

※通常6~10分後、地震が発生した地域のみで表示。
2 屋内で静かにしている人の大半が、揺れを感じる。眠っている人の中には、を覚ます人もいる。
などのつり下げ物が、わずかに揺れる。
―― ――
3 屋内にいる人のほとんどが、揺れを感じる。歩いている人の中には、揺れを感じる人もいる。眠っている人の大半が、を覚ます。
棚にある食器類が音を立てることがある。
電線が少し揺れる。 ―― テロップ「地震」

※震度3以上は通常3分以内に全で表示。
4 ほとんどの人が驚く。歩いている人のほとんどが、揺れを感じる。眠っている人のほとんどが、を覚ます。
などのつり下げ物は大きく揺れ、棚にある食器類は音を立てる。座りの悪い置物が、倒れることがある。
電線が大きく揺れる。自動車を運転していて、揺れに気付く人がいる。 特に予想される被害はない。 テロップ
「やや強い地震」
5弱 大半の人が、恐怖を覚え、物につかまりたいと感じる。
などのつり下げ物はしく揺れ、棚にある食器類、書棚の本が落ちることがある。座りの悪い置物の大半が倒れる。
固定していない具が移動することがあり、不安定なものは倒れることがある。
まれにガラス割れて落ちることがある。電柱が揺れるのがわかる。道路被害が生じることがある。
地盤に裂(小さな地割れ)や液状化が生じることがある。落石やがけ崩れが発生することがある。
耐震性の低い木造住宅では、などに軽微なひび割れ裂がみられることがある。 テロップ
「強い地震」

※総合テレビ臨時ニュースに切り替わる。
また、震度5弱以上が予想された場合は緊急地震速報が流れる。
5強 大半の人が、物につかまらないと歩くことが難しいなど、行動に支障を感じる。
棚にある食器類や書棚の本で、落ちるものが多くなる。
テレビが台から落ちることがある。固定していない具が倒れることがある。
ガラス割れて落ちることがある。補強されていないブロック塀が崩れることがある。据付けが不十分な自動販売機が倒れることがある。自動車の運転が困難となり、停止するもある。 耐震性の低い木造住宅では、などにひび割れ裂がみられることがある。
耐震性の低い建物では、、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ裂が入ることがある。
6弱 立っていることが困難になる。
固定していない具の大半が移動し、倒れるものもある。
ドアが開かなくなることがある。
タイルガラスが破損、落下することがある。
割れが生じることがある。がけ崩れ地すべりが発生することがある。
耐震性の低い木造住宅では、瓦が落下したり、建物が傾いたりすることがある。倒れるものもある。耐震性の高い木造住宅でも、などに軽微なひび割れ裂がみられることがある。
耐震性の低い建物では、ひび割れ裂が多くなる。耐震性の高い建物でも、梁(はり)、柱などの部材に、ひび割れ裂が入ることがある。
テロップ
「強い地震」

チャイムが鳴り、NHK全波で臨時ニュースに切り替わる。

※民放では「非常に強い地震」という表現も使われることがある。
6強 立っていることができず、はわないと動くことができない。揺れにほんろうされ、動くこともできず、飛ばされることもある。
固定していない具のほとんどが移動し、倒れるものが多くなる。震度7では具が飛ぶこともある。
タイルガラスが破損、落下する建物が多くなる。補強されていないブロック塀のほとんどが崩れる。
大きな地割れが生じることがある。がけ崩れが多発し、大規模な地すべりや山体の崩壊が発生することがある。
耐震性の低い木造住宅は、傾くものや、倒れるものが多くなる。耐震性の高い木造住宅でも、などにひび割れ裂がみられることがある。
耐震性の低い建物では、斜めやX状のひび割れがみられることがある。1階あるいは中間階の柱が崩れ、倒れるものがある。耐震性の高い建物でも、ひび割れ裂が多くなる。
7 補強されているブロック塀も破損するものがある。 耐震性の高い木造住宅でも、まれに傾くことがある。
耐震性の低い建物では、倒れるものが多くなる。耐震性の高い建物でも、1階あるいは中間階が変形し、まれに傾くものがある。

因みに海外の震度階級は、メルカリ震度階級(MMI)がアメリカで使用されており、I~XIIの12段階評価である。その他にもメドヴェーデフ・シュポンホイアー・カルニク震度階級があり、CISEU中東の一部などで使用されている。クソ長いので略してMSK震度階級と呼ばれることが多い。こちらもメルカリ震度階級と同じくI~XIIの12段階評価であるが、MMIとは結構違う。
日本の周辺のでは、ロシアMSK震度階級、アメリカがMMI韓国もMMI台湾が旧気象庁震度階級っぽい震度階級(0~7の8段階評価)、 中国では地震度と呼ばれる震度階級が設定されており、I~XIIの12段階評価が使用されている。

震度とマグニチュードの違い

震度とマグニチュードは混同されやすいが、全く異なる概念である。震度はある地点での揺れの大きさを表す単位であるのに対し、マグニチュードは地震の規模(地震で放出されたエネルギーの大きさ)を表す単位である。

音で例えるなら、マグニチュードスピーカーの音量に、震度は実際に聞こえる音の大きさにあたる。

小さなイヤホンの音でも元で鳴っているなら大きな音に聞こえるし、巨大なスピーカーでも数km離れればの鳴くような音にしか聞こえない。同じように、マグニチュードが小さくても震域からの距離が近い場所では大きな震度になることがあるし、巨大地震でも震域からの距離が遠ざかるにしたがって震度は小さくなっていく。

しかし、上記の内容とは逆に、震に近い場所の震度が較的小さく、その地点より離れた場所での震度が1~2段階大きい数字になる事もある。
これは「異常震域」といわれ、プレート内部の構造や地震計を設置している場所の地盤の硬さなどで起こる。
地盤が柔らかい地域では揺れが増幅され震度が大きくなる一方、硬い地盤の上にある地域では周辺の地域より揺れが小さくなったりする。
また、揺れの伝わり易さも地盤の構造によって異なるため、同じ地域でも震度が異なる場合がある。

有名な例としては、1995年兵庫県南部地震(阪神淡路大震災)がある。
震度発表時、大阪市気象庁発表で震度4であった。しかし震となった淡路島北部から遠い京都市滋賀県彦根市では震度5と発表された。
これは大阪市の地震観測点が較的強固な地盤の上に位置していた事や、京都市彦根市の観測点が堆積層の上に位置していたため、揺れが強くなりやすい環境であったことが原因と思われている。
また、大阪府内でも民間による非公式の地震計のデータで震度7相当の揺れが観測された地点もあり、震から遠い=揺れが小さいとは一概に言えないのである。

地震の種類

地震の種類は大きく分けて三つあり、いわゆる直下地震、地震、海洋プレート内地震である。ここではそれを書く。

大陸プレート内地震

内陸地殻内地震とも言う。いわゆる直下地震。直下地震というのは実はマスコミで学術的には適していない(というか、定義がない。最近では直下地震と言う言葉が広まっているため、便宜上使われる場合がある)。陸で発生する震が浅い地震などとも言われたりする。直下地震と直下地震はどちらもマスコミ定義などないが、前者が内陸地殻内地震のみをし、後者は"地震のメカニズム関係なく、震源地陸上のもの"というに使われることが多い。その為、南関東直下地震な想定はプレート間地震である。

この地震のメカニズムはプレートテクトニクスにより、海洋プレートが沈み込む際の押すが内陸側にも及び、陸側プレート表面に断層が発生し、その断層がずれる際に発生する地震が内陸地殻内地震である。特徴としては地震よりも規模は小さめで、震の深さは20kmよりも浅く、地震による被害は震付近に集中しやすいことである。

日本周辺では溝やトラフが多いため、内陸地殻内地震は逆断層が流である。羽山脈や赤石山脈あたりは逆断層によって出来ている。逆断層は左右から圧縮がかかり、そのを逃すため、片側がもう片方に乗り上げるようにずれるものである。わかりやすくいうと、こんにゃくゼリーカップから取り出す際とよく似ている。カップを左右両方から圧をかけると中身がぷるんと出てくる。この中身がぷるんと出る際に起きるのが地震である。のどを詰まらせないよう気をつけたい。
また、日本では逆断層だけでなく、溝付近や九州沖縄県では正断層も多い。逆断層は左右から圧縮がかかる事によってずれることに対し、正断層は左右から引がかかる事によって発生する。この左右からの引を逃す際に片方がもう片方に滑り落ちるようにずれる。
そのほかに横ずれ断層がある。横ずれ断層はせん断応にすれ違うようにずれる断層である。北から南に直線の横ずれ断層があるとして、上から見て左側が南に、右側が北にずれる物が左横ずれ断層、左側が北に、右側が南にずれる物を右横ずれ断層と言う。

海溝型地震

プレート間地震とも言われる。ただ、プレート間地震だと溝以外のプレート界部で発生する地震も含む。アメリカ西海サンアンドレアス断層や、嶺で起きる地震もプレート間地震である。

この地震のメカニズムは、例の如くプレートテクトニクスにより海洋プレート溝・トラフから大陸プレートに沈み込む際、プレート界部に圧縮がかかり、大陸プレート歪み、それが溜まりばねのように跳ね返ることによって発生する。日本では、太平洋プレートが北アメリカプレートに沈み込んでいる千島・カムチツカ溝と日本海溝、太平洋プレートフィリピンプレートに沈み込んでいる伊豆小笠原溝、ユーシアプレートが北アメリカプレートにぶつかっている日本海東縁変動帯と新潟-神戸歪み集中帯、フィリピンプレートが北アメリカプレートに沈み込んでいる相模トラフ、フィリピンプレートユーシアプレートに沈み込んでいる南海トラフ琉球溝でプレート間地震が発生する。

溝は溝でも、地震がやたらめったら起きる溝とあまり起きない溝がある。例えば千島溝では同じ固有地震が均約70年間隔で発生しているのに対し、伊豆小笠原溝では固有地震というものすらない(とされている)。これは地震のメカニズムは海洋プレート大陸プレートに沈み込み、大陸プレート歪みが溜まり、解消される際発生するものであるが、その歪み自体が発生しにくい、つまりプレート界部がすっごい滑るよ状態だと歪みが溜まらず地震も発生しないと言うものである。この歪みの溜まりやすさはカップリング率という。カップリング率は海洋プレートが沈み込む溝周辺が最も高く、プレート界部の深さが深くなるにつれて低くなっていく。これは、深くなればなるほど地球内部の熱によって、プレートが溶ける為だとされている。プレート界部の温度350℃よりも高いとプレート界部が全に溶ける為、カップリング率が0%になる。その為、地震はプレート界部の温度350℃よりも深さでは発生しない。プレート350℃になる深さは各プレート界ごとに異なっており、日本海溝では60~80km程度、南海トラフでは30km程度、琉球溝では50km程度である。プレートが作られた時期が遅いほど深い位置でも地震が発生するようになっているが、これはプレート嶺から噴出したマグマで作られ、年が立つと、プレート自体の熱が、作られた頃よりも低くなるためである。伊豆小笠原溝や琉球溝で、日本海溝や南海トラフべると大きな地震があまり発生しないのは、実ははっきりしたことは分かっていない。

地震は溝全体で一気に地震が発生するわけではなく、溝内で個別して発生する場合が多い。この個別で発生する地震のうち、活動周期の規則性があり、規模も同じくらいの地震を固有地震と言う。例えば南海トラフ内には東海地震東南海地震南海地震日向灘地震とそれぞれが個別で発生し固有地震である……が、この個別で発生するものが2つ以上一気に発生する場合がある。これを連動地震と言う。連動地震はその個々の固有地震の合計よりも規模が大きい場合が多く、例えば東北地方太平洋沖地震では、固有地震で分けると三陸中部+三陸南部(M7.7)+宮城県(M7.5)+(福島県)M7.7+(茨城県)M7.2=約M8.1だが、実際はM9.0である。これは、固有地震以外にも他に巨大地震の周期がある(スーパーサイクル)と言う説がある。

因みに、スーパーサイクル日本周辺では現在3箇所明らかになっており、北海道東部で500年間隔、三陸で600年(いは1000年)間隔(東北地方太平洋沖地震)、そして南海トラフスーパーサイクルが確認されている。南海トラフの活動間隔ははっきりと分かっていない。(350年とか言われている。)

そしてこの地震、津波を発生させやすい。地震が発生し、大陸プレートが溜まった歪みを開放する際、断層運動によって海底が大きく起するため津波が発生する。日本でのプレート界部は、全てで津波が発生しうる。特に、M8以上の地震は大津波が発生する可性があるため、注意が必要である。
また、近くで地震起き、津波が発生しても震周辺の沿部しか津波が襲わないと言うわけではなく、遥か彼方地球の裏側で津波が発生し、沿部に来襲する可性がある。過去の例としては1960年チリ地震が発生した際、約23時間かけて三陸沿を襲い、日本で多数の死者を出したと言うものがある。これを遠地津波と言う。2004年スマトラ島沖地震でも遠地津波が発生し、約9時間後に南アフリカ沿部を襲った。

地震は揺れが弱いor屋を倒壊しにくいと言うイメージを持ってる人はいないだろうか。否、それは間違いである。1923年関東大震災では地震であるが、震域が神奈川県千葉県の直下で、揺れによる屋倒壊で約2万人、火災で約8万人の死者を出した。また、1854年の安政東海地震の際も、震域が駿河の直下で揺れや液状化現現在山梨県静岡県愛知県などに大きな被害を出した。

逆に、地震は津波を発生させる。その為、「内陸直下地震は津波を発生させない」と思ってる人はいないだろうか。それも間違いである。地震によって津波を発生させる要因は"海底の上下の地殻変動"であり、地震でも内陸直下地震でも、震域が海底にあれば津波が発生しうる。

海洋プレート内地震

単にプレート内地震とも言う。海洋プレート内地震は、大まかに分けてスラブ内地震、アウタライズ地震がある。

ラブ内地震は沈み込んだ海洋プレート内で発生し、震は浅いものは溝周辺で10km、深いものは700km弱までで発生する。気象庁では60km~200kmをやや深発地震、200km以上深い地震を深発地震と呼んでいる。ちなみに深さが70km程度以上深い地震は全てがスラブ内地震であり、そこより深いスラブ内地震を深発地震とも言う場合もある。また、スラブ内地震は200-500kmでは正断層の地震、深さが670km付近では逆断層の地震が多い。

ウタライズ地震は沈み込む前の海洋プレート内で発生し、震は浅いものでごく浅い、深いものでは100km前後で発生する。震が浅い場合は正断層地震、プレート中層だと横ずれ地震、深い場合だと逆断層地震が多い。これは海洋プレート大陸プレートに沈み込む際、海洋プレートが落ち込むため折り曲がり、浅い部分が引、深い部分が圧縮によって拉げる為である。例えるなら、スポンジを折ると分かりやすいかもしれない。折った外側は引っられて、折った内側はしわしわに圧縮されてるのが分かる。
また、震が浅い場合の正断層地震の場合は津波を発生させる場合がある。顕著なものでは1933年昭和三陸地震(M8.1)、2007年千島列島地震(M8.1)などがある。

主な地震

日本で発生した主な地震

ニコニコ動画開始(2006年12月12日)以降発生した最大震度6弱以上の本震と思われる地震、および大百科に記事のある地震で明治以降に起きた震度6以上の地震、もしくは大津波が発生した地震を記載する。

その他の地震については日本で起きた災害の一覧を参照。

発生日 生時 地震名称 規模 最大震度 左記震度観測地
1891年10月28日 6時37分 濃尾地震(美濃・尾地震) M8.0 7 ※(1) 濃尾平野西部
1905年6月2日 14時39分 1905年芸予地震 M7.2 6(震) 広島市松山市など
1923年9月1日 11時58分 大正関東地震(関東大震災) M7.9 6 ※(2) 南関東の広範囲
1943年9月10日 17時36分 鳥取地震 M7.2 6(震) 鳥取市
1944年12月7日 13時36分 昭和東南海地震 M7.9 6(震) 御前崎市津市
1948年6月28日 16時13分 福井地震 M7.1 6 ※(2) 福井市
1952年3月4日 10時22分 1952年十勝沖地震 M8.2 6(震) 池田町浦幌町
1968年4月16日 9時48分 1968年十勝沖地震 M7.9 6(震) 苫小牧市
1983年5月28日 11時58分 日本海中部地震 M7.7 5 ※(3) 町・秋田市など
1984年9月14日 8時48分 長野県西部地震 M6.8 6(震)
1993年7月12日 22時17分 北海道南西沖地震 M7.8 5 ※(3) 江差町小樽市など
1995年1月17日 5時46分 兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災) M7.3 7(震) 神戸市西宮市など
2000年10月6日 13時30分 鳥取県西部地震 M7.3 6強 日野町・境港市
2001年3月24日 15時27分 2001年芸予地震 M6.8 6弱 河内町・大崎町など
2003年9月26日 4時50分 2003年十勝沖地震 M8.0 6弱 静内町・浦河町など
2004年10月23日 17時56分 新潟県中越地震(新潟県中越大震災) M6.8 7 川口
2005年3月20日 10時53分 福岡県西方沖地震 M7.0 6弱※(4) 福岡市前原市など
2007年3月25日 9時41分 平成19年2007年能登半島地震 M6.9 6強 輪島市七尾市など
2007年7月16日 10時13分 新潟県中越沖地震 M6.8 6強 柏崎市・刈羽村など
2008年6月14日 8時43分 岩手・宮城内陸地震 M7.2 6強 奥州市栗原市など
2008年7月24日 0時26分 岩手県沿岸北部地震 M6.8 6弱 八戸市・五戸町など
2009年8月11日 5時7分 静岡地震 M6.5 6弱 伊豆市焼津市など
2011年3月11日 14時46分 東北地方太平洋沖地震(東日本大震災) M9.0 7 栗原市
2011年3月12日 3時59分 長野県北部地震(栄村大震災) M6.7 6強 栄村
2011年3月15日 22時31分 静岡県東部を震とする地震 M6.4 6強 富士宮市
2013年4月13日 5時33分 淡路島付近を震とする地震 M6.0 6弱 淡路市
2014年11月22日 22時8分 長野県断層地震(長野県北部地震) M6.7 6弱 長野市小谷小川
2016年4月14日 21時26分 平成28年熊本地震前震 ※(5) M6.5 7
2016年4月16日 1時25分 平成28年熊本地震 ※(5) M7.3 7 町・西原
2016年4月16日 3時55分 熊本県地方を震とする地震 ※(6) M5.8 6強 山村
2016年10月21日 14時7分 鳥取県中部を震源とする地震 M6.6 6弱 倉吉市湯梨浜町・北栄町
2018年6月18日 7時58分 大阪府北部地震 M6.1 6弱 大阪市北区高槻市枚方市茨木市箕面市
2018年9月6日 3時7分 平成30年北海道胆振東部地震 M6.7 7
2022年3月16日 23時36分 福島県沖地震 ※(7) M7.4 6強 登米市・蔵王町・国見町・相馬市南相馬市
2022年6月19日 15時8分 石川県能登地方を震とする地震 ※(8) M5.4 6弱 珠洲市
2023年5月5日 14時42分 石川県能登地方を震とする地震 ※(8) M6.3 6強 珠洲市
2024年1月1日 16時10分 令和6年能登半島地震 ※(8) M7.6 7 輪島市志賀町

特に1996年(平成8年)以前に起きた地震については、震度階級の基準や表示が現在と異なっている。震度6(震)のものには現在の7相当も含まれると思ってもらえればよい。

世界で発生した地震

ニコニコ動画開始(2006年12月12日)以降に日本国外で発生した以下に当てはまる地震を記載する。

発生日、発生時間は現地時間。規模はアメリカ地質調所(USGS)発表の数値。

発生日 生時 地震名称 発生地 規模 備考
2007年1月13日 13時24分 (UTC+9) 千島列島地震 ロシア千島列島 M8.1
2007年4月2日 7時39分 (UTC+11) ソロモン諸島沖地震 ソロモン諸島 M8.1
2007年8月15日 18時40分 (UTC-5) ペルー地震 ペルー(リマの南南西150km) M8.0 当年最多犠牲者数(519)
2007年9月12日 18時10分 (UTC+7) スマトラ島沖地震 インドネシアスマト M8.5 この年最大規模
2008年5月12日 14時28分 (UTC+8) 大地震 中華人民共和国四川省 M7.9 この年最大規模、最多犠牲者数(87,587)
2009年9月29日 6時48分 (UTC-11) サモア地震 サモア(アピアの南190km) M8.1 この年最大規模
2009年9月30日 17時16分 (UTC+7) スマトラ島沖地震 インドネシアスマト(パダンの西北西60km) M7.5 当年最多犠牲者数(1,117)
2010年1月12日 4時53分 (UTC-5) ハイチ地震 ハイチ(ポルトプランスの西南西25km) M7.0 当年最多犠牲者数(316,000)
2010年2月27日 3時34分 (UTC-3) チリ地震 チリ(コンセプシオンの北北東107km) M8.8 この年最大規模
2012年4月11日 15時38分 (UTC+7) スマトラ島沖地震 インドネシアスマト(バンダ・アチェの南西434km) M8.6 この年最大規模。余震でもM8.2を観測
2012年8月11日 16時53分 (UTC+4:30) イラン西部地震 イラン、東アーザルバージャーン州 M6.4 当年最多犠牲者数(306)
2013年2月6日 12時12分 (UTC+11) ソロモン諸島沖地震 ソロモン諸島サンタクルーズ M8.0
2013年5月24日 17時45分 (UTC+12) オホーツク深発地震 オホーツク(エリゾヴォの西北西380km) M8.3 この年最大規模
2013年9月24日 16時29分 (UTC+5) パキスタン地震 パキスタン、バロースターン州 M7.7 当年最多犠牲者数(825)
2014年4月1日 20時46分 (UTC-3) イキケ地震 チリ(イキケの北西83km) M8.2 この年最大規模
2014年8月3日 16時30分 (UTC+8) 魯甸地震 中華人民共和国雲南 M6.2 当年最多犠牲者数(617)
2015年4月25日 11時56分 (UTC+5:45) ネパール地震 ネパール、ガンダキ県 M7.8 当年最多犠牲者数(8,947)
2015年9月16日 19時54分 (UTC-3) イヤペル地震 チリ、イヤペルの西48km M8.3 この年最大規模
2016年4月16日 18時58分 (UTC-5) エクアドル地震 エクアドル、ムイス M7.8 当年最多犠牲者数(676)
2017年9月7日 23時49分 (UTC-5) アパス地震 メキシコ(トレスピコスの南南西101km) M8.2 この年最大規模
2017年11月12日 21時48分 (UTC+3:30)
21時18分 (UTC+3)
イランイラク地震 イラン、エズゲレ/イラクハラブジャの南29km M7.3 当年最多犠牲者数(630)
2018年8月19日 12時19分 (UTC+12) フィジー深発地震 フィジー(オノ・イ・ラウの北北東286km) M8.2 この年最大規模
2018年9月28日 18時02分 (UTC+8) スラウェシ地震 インドネシア、パルの北70km M7.5 当年最多犠牲者数(4,340)
2019年5月26日 2時41分 (UTC-5) レート地震 ペルーラグナスの南東78km M8.0 この年最大規模
2019年11月26日 3時54分 (UTC+1) アルバニア地震 アルバニア、マムラスの西南西15km M6.4 当年最多犠牲者数(52)
2020年10月30日 13時51分 (UTC+2)
14時51分 (UTC+3)
エーゲ海地 ギリシャネオカルロヴァシの北北東13km M7.0 当年最多犠牲者数(116)

今後日本で発生が想定されている地震

内閣府(中央防災会議)発表の防災資料exitなどより抜

名称 想定震 定規 想定被害
想定東海地震 遠州(駿トラフ) M8.0級 30年内発生確率:87%(参考値)
死者数:約7,900~9,200人
全壊建物:約230,000~260.000棟
経済被害:約31兆~37兆円
大津波発生の可
南海東海地震連動 静岡県から三重県にかけての太平洋沿または太平洋上(南海トラフ) M8.4級 30年内発生確率:70%程度
地震後経過率:0.76(東南海地震)
死者数:約12,000~18,000人
全壊建物:約330,000~360.000棟
経済被害:約57兆円
大津波発生の可
東海・東南海南海連動地震 東海地震および東南海南海地震が同時または同時期に発生(南海トラフ) M8.7級 30年内発生確率:60%程度
地震後経過率:0.71(南海地震)
死者数:約22,000~28,300
全壊建物:約513,000~568,600棟
経済被害:約53兆~81兆円
大津波発生の可
首都直下地震
(南関東直下地震)
南関東で発生する相模トラフ沿いの固有地震以外の地震 M7.2級 30年内発生確率:98%
死者数:最大約13,000人
帰宅困難者:最大約6,500,000人
全壊建物:最大約850,000棟
経済被害:最大約112兆円
中部圏直下地 愛知県中部(投-高浜断層帯) M7.7級 30年内発生確率:0~2%
地震後経過率:0.4-1.1
死者数:約4,300~11,000人
全壊建物:約190,000~300,000棟
経済被害:約33兆円
近畿圏直下地 大阪府北部(上町断層帯) M7.5級 30年内発生確率:2~3%
地震後経過率:1.1-2よりも上
死者数:約20,000~42,000人
全壊建物:約660,000~970,000棟
経済被害:約74兆円
長野県下地 長野県中部(糸魚川-静岡構造線断層帯北部・中部) M8.0級 30年内発生確率:14%
地震後経過率:1.2
死者数:約3,500
全壊建物:約100,000棟以上
三陸沖地震 三陸(日本海溝外縁起帯) M8.4級 東北地方太平洋沖地震の発生により、誘発が危惧されている。
大津波発生の可
房総地震 千葉東方(日本海溝) M8.0級 こちらも同様に、東北地方太平洋沖地震の発生により、誘発が危惧されている。
大津波発生の可

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