大学院 単語

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大学院とは、教育課程の一つである。

概要

大学の学部卒の者が更に学問に対し深く研究するための教育機関である。

通常大学に併設されているが、大学院のみが独立している大学院大学や複数の大学によって運営されている連合大学院などもある。

また、法科大学院や教職大学院といった専門職大学院もこの数年で設立されている。

理系などでは、就職にあたり高度な内容をめられるため修士課程修了者をめる企業が多いが、文系では教員や研究職を志望する者などを除き進学する者は稀である。
一般的に、研究職に就くには大学院での修士号・博士号の獲得が大前提であり、大学院へ進学するということは、自らが大学で学んだ分野に一生を費やすことであると考えてよい。

……以上が、建前であり、本来あるべき姿である。
もちろんそのような大学院・大学院生もたくさんいるが、中には「就職厳しいから大学院行くわ!」みたいな人もいる。当然そういう人たちは就職活動から逃げているだけなので、院生就職活動でも苦労する人は多い。しかも院生就職活動にはあとがない(通常博士後期課程に進むのは一般的でない)。

なお非常に勘違いされやすいが、大学院卒=博士号取得者 ではない。
上記の通り大学院での教育課程は大きく「博士前期課程」と「博士後期課程」に分かれ、前期のみを修めて卒業することも出来る。これがいわゆる「修士」である。博士前期課程は分かりやすく修士課程と呼ばれることが多いため、シラバスなどを見て「え?修士課程の次は博士後期課程なの?前期は?」と戸惑う院生がいるとかいないとか。

進学

学費

初年度の納入金の相場は、立の大学院で大体6080万、私立文系で80120万、私立理系100180万程度と見たほうが良い。が、これが法科大学院だと200万前後が相場になることもあるので、大学の学部入試と違って学費のばらつきが大きいと言える。

例えば修士課程の場合だと、大学4年間で初年度の学費を貯めた時点で入学を決める人が多い。
大学べて奨学金などの制度が非常に充実しているため、自分または家族の財力によって進学を制限される傾向は小さいと言えるが、バイトずくめの毎日でも今日の飯に困るような学生にはさすがに厳しい。
また、後述の厳しい就職状況の中で、奨学金の返済を考えなくてはならなくなることにも注意しなくてはならない。
経済的に余裕の学生については、修士号を取得した後一旦就職し、学費を貯めた後で再び博士号取得をすという進路もポピュラーである。

入試

大学院が入学してくる人間めるのは、だいたい「語学力」と「基礎学力」と「専門学力」の3つである。
英語や他の外国語の論文が読めないのでは研究にならないし、基礎学力=多的な広く浅い知識のついていない生徒には視野の狭い研究しか出来ない、専門分野の知識がに至っては何のために大学院に来ているのか、と見なされる。

なので大抵、大学院入試においては英語・専門科を中心とした筆記学力試験と、卒業論文を使った口頭試問・研究発表の2つが課される。
ここからはもう、大学によってものすごくまちまちなので、あくまで基本中の基本的な例として取り上げる。

①については、まず文理に関わらず英語は必須なのだが、肝心の内容は大学入試して変わらないことが多い。
しかし、大学在学中に英語から遠ざかったことで、入試当時には解けた問題が解けなくて落ちる生徒が非常に多いので、まずは自分の入りたい大学院が付随している大学入試レベルにまで英語力を鍛え直し、その上で自分が研究した分野の専門的な単語を覚えれば良い。
院によっては、TOEICTOEFLを代わりに受けさせることもあるので、学部在学中に受験しておいても損はい。
また、文系大学院では第二外国語理系大学院では数学理系が課されるのが普通だが、とにかく英語ができないと話にならないので、これらについては優先度を思いっきり下げても大丈夫である。

次に専門科については、とにかく出題者の好みがはっきりと映り込む
い話、自分がどれだけその分野に詳しいかよりも、問題を作る教授がどのような授業をしているか・どのような研究実績を持っているかを研究したほうが効率が良い。
大学や大学院にいる人間から授業内容やノートを手に入れたり、場合によっては授業に潜り込んででも出題者の研究をし、問題傾向などを予測して対策することが重要である。

に関わらず筆記試験について言えるのは、とにかく過去問題が学部入試べてどといっていいほど出回らないため、絶対的な学力はもちろん、問題情報をどこまで手に入れて対策できるかが重要となってくるということである。
自分のす大学院に合格した人間を捕まえて過去問題を手に入れられたり出来ればもう御の字である。
とにかく情報を手に入れ、対策した者勝ちであるので、積極的に行動するべきである。

②については、とにかく大学によって形が大きく違うが、メジャーなのは自分の卒業論文を持参して、院の教授たちと面接し、口頭で試験を受ける形である。

「4年間でそれなりの学習を進めていれば、特に心配は要らない」というのが一般的な意見であるが、とにかく教授たちにはネチネチネチネチと論文を弄り回されるので、そこらの文献を写しただけの論文ではまったくが立たない。
自分が書き上げた論文について、確かな意見と知識を持った上で臨まなくてはならない。
あとぶっちゃけた話、どれか1人の教授に嫌われたりでもしたら即アウト(むしろこっちのほうが危険性は高い)なので、丁寧な応答も一応練習するべきである。
また、大学生同士が行う研究会・勉強会・ディスカッションに参加することは、面接試験通過するためには特に効果的で重要なので、ぜひとも参加すべきである。

なお、大学院には偏差値がなく、大学受験とかでよくある「偏差値ランキング」みたいなものは基本的にはない。(疑似的に作ってあるものはある)これは、①予備校が作っていないから。大学院受験コースを作ってもからないから予備校がそのような講座を設けておらず、院試に関する偏差値表も作っていないから。②専攻する分野や研究科であまりにも入試の内容が違いすぎて統一的な偏差値表が作りづらいから。というのが原因である。しいて言うならば定員と志願者数の倍率で高いところは難易度が高いと言うことができるが、倍率が高くても受験者の質が低いところもあれば、その逆に倍率が低いけどレベルの高い受験者が争うところもあるので、やはり簡単には較できない。とはいえ、実態としては学部の偏差値ランクで大学院の序列、ランクも決まっている。当然Fランク大学院もある。

研究

結果さえ出せれば何をしても良しである。

修士課程・博士課程の最終標は、言ってしまえば修士論文・博士論文を書き上げてそれを評価してもらうことだが、確かな成果を出していると評価されれば、どんな下らなく見える題材の研究でも立な論文となる。

上手くいけば、自分がその分野の先駆者兼第一人者となれる。

後期課程修了後の地獄進路

日本企業は新卒で若い人材をめる傾向が非常に強いため、博士課程後期に在籍する者では、年齢となり就職ができないという問題も生じている。統計的にも、大学直後に就職した人間と大学院を出た後に就職活動を始めた人間では、定職の持ち方に非常に差があるなど、大半(特に文系、まして文学部)は就職で死ぬほど苦労する羽になる。

大学院を修了した人間の進路は、ど以下の3つになる。なお工学院の修士卒など、学部卒とあまり変わらない(むしろ選択肢が広がる)ケースも存在することを付記しておく。

  1. 大学研究機関
    大学院へ進む人間の恐らくもっとも多くが理想に掲げる地位。文字通り、大学研究所、博物館などで研究者として自らの研究を進めることになる。が、もちろんそんな理想的な環境にたどり着ける人間ごく稀(10以下)であり、大半は非常勤講師として大学を転々とする羽になる。講師といえば聞こえはいいが、フリーターとさして変わらない労働環境であり、35歳を過ぎてもこの状態であれば、行き着く先は無職でほぼ確定してしまう(一般認識として、大学などで助手・研究員として就職できるのはこの年齢限界である。もっと言えば、30歳を越えたあたりでリーチがかかる)。
    近年はこの非常勤職増加の解消のために『ポスドク制度』なるものが導入されたが、それによって40代後半でありながら無職と化している博士号所持者の存在が判明し、事態の深刻性が浮き彫りになっている(制度自体についてはウィキペディアでも見てください)。
  2. 民間企業
    理系であれば一般的な進路だが、文系(特に文学部)や、バイオ工学などの需要の低い分野を研究してきた理系などはほぼ不可能な進路である。
    仮に就職できたとしても、30歳近く・もしくはそれを越えるまで社会人を経験せず、学生として生きてきた人間への当たりがいかに強いかは想像に難くない。もっとも、就職後に大学院を修了したならばその限りでもないが。
  3. 無職
    いわゆる「高学歴ワーキングプア」である。団塊世代の大量定年によって多少は就職もまともになったかと思われたが、リーマンショックによってむしろ悪化してしまった。大学院へ進学する人間としては一番ありえる進路だと考えたほうがよく、非常勤職についている人も既に片足を突っ込んでいるといっても過言ではない。

このように、修了後の進路は非常に厳しいことがわかる。
一例を挙げると、平成17年度における全での博士課程修了者は15000人である。このうち、上記の1.と2.の合計となる「就職者」は、全体の57である9000人であり、3.の「無職」は23に上る4000人。残りの10=1000人にいたっては、「死亡・不詳」となってしまっている。

また、現在日本全体での博士号修了者のうち、11以上が「死亡・不詳」となってしまっている。

なお、修了後の人々の現状をわかりやすくった解説したものとして、インターネット上で開された作者不明の童話「博士100にんいるむら」があり、非常にわかりやすいため一読することを勧める。

が、研究職はもちろんのこと、博士号を持っていなければ就けない職業も多い。大学で専門的に学んだ知識を活かしたいのであれば、大学院に進んでさらに深く研究し知識を得るのはむしろ普通である。

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