■大阪市高速電気軌道中央線とは、コスモスクエア駅と長田駅を結ぶ大阪市高速電気軌道(OsakaMetro)の路線である。
路線データ | |
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路線総延長 | 17.9km(実キロ・営業キロ) |
駅数 | 14 |
軌間 | 1435mm |
複線区間 | 全線複線 |
電化方式 | 直流 750V (第三軌条方式) |
ラインカラー | (緑色(スペクトリウムグリーン)) |
駅ナンバリング | C(Chuo) |
大阪市住之江区のコスモスクエア駅から中央大通りや大阪城付近を通って東大阪市の長田駅までを結ぶ路線である。正式名称は高速電気軌道第4号線。2005年6月30日までは海側は一つ手前の大阪港駅が終点であったが、後述する理由により営業区間が伸びた。ラインカラーは、大阪城公園の木々をイメージした緑である。
また、近鉄けいはんな線と相互直通運転を行っており、両線を合わせて「ゆめはんな」という愛称が付けられている。また、近鉄けいはんな線と相互直通運転を行っており、両線を合わせて「ゆめはんな」という愛称が付けられている。
ニュートラム含め、OsakaMetroの全路線と乗り換えが可能な唯一の路線である。
後述する通り、2025年に開催される大阪・関西万博の会場となる夢洲への延伸が予定されているほか、2028年春に車両基地である森之宮検車場横に新駅を設置する計画がある。
発車メロディ・電車接近メロディは、現在は長堀鶴見緑地線以外の各路線と同じメロディが使われているが、万博開催に向けて2024年下期に新たなメロディに変更される予定。
計画そのものは古く、大正期に1号線(御堂筋線)などとともに立案されている。ただし、この時の計画では築港(大阪港)と平野を長堀通り経由で結び、しかも全線高架路線の予定であった。戦後改めて計画が練り直された際、一本では輸送力が足りないということで、二路線に分割され、4号線(中央線)は中央大通りを経由する計画に変更された(南側は5号線(千日前線)になった)。また、平野には5号線が向かうことになったため、4号線は片町線放出駅に接続することになった。
ルート変更に併せて路線も高架から地下に変更されたが、大阪市港区は軟弱地盤のため地下路線の建設が難しく、高架で建設されることになった。この時期は国鉄も大阪環状線全通を目指して工事中であり、1961年4月25日に国鉄の弁天町駅が開業した後、同年12月11日に地下鉄の弁天町駅が開業し、同時に大阪港~弁天町間で4号線の部分営業が開始された。ちなみに、地下鉄の弁天町駅は高架駅である国鉄の駅のさらに上に造られるという、全国でも珍しい駅となった。
都心部では地下を通さなければならないため、延伸工事は難航した。木津川以西には浸水の恐れがあるということで、地下駅は阿波座駅以東とすることが決まった。1964年10月31日に弁天町~本町間が開業するが、本町駅付近の用地買収が難航を極めたため、とりあえず仮駅として開業し、1号線とは300mほどの距離を徒歩連絡してもらうこととなった。大阪市は4号線開業に併せて大規模な道路の拡幅にも取り組んでいたが、本町駅のある船場地区には老舗の商店や問屋が集まっており、またこの地区は戦災を免れたため、船場・丼池という立地から離れては商売が成り立たないとする商店の抵抗、また広い道路で分断されると問屋街としての機能も損なわれるということで、用地買収は難航していた。そこで浮上したのが、2~4階建てのビルをまず建てて、その上に道路を走らせ、立ち退きに係る商店や事業所をこのビルに収容することで船場・丼池の繁栄も図ることが出来るという案であった。そして建設されたのが、船場センタービルである。
一方、計画の進まないこの区間は一旦おいておき、谷町四丁目駅以東の建設工事も開始された。1963年3月29日の都市交通審議会答申第7号を受けて改訂された基本計画では、放出駅へ向かう路線とは別に、分岐してさらに石切まで向かう路線が付け加えられた。まず1967年9月30日に谷町四丁目~森ノ宮間が開業し、次いで1968年7月29日に森ノ宮~深江橋間が開業した。
1969年12月6日に本町~谷町四丁目間が開業し、4号線はようやく1つに繋がった(同時に中央線という愛称も付いた)。船場センタービルの両脇を通すことになったため、本町駅は扇型の変則的なホームとなった。
深江橋から東については大阪市外に出ることもあってしばらく放置されていたが、1971年の都市交通審議会答申第13号にて近鉄奈良線の混雑緩和のために生駒まで延伸すべきとされたことから、協議の結果長田を境として西を大阪市、東を近鉄が建設することで1974年に合意。
1985年4月5日に深江橋〜長田間が開通し、翌1986年10月1日に近鉄東大阪線(現在のけいはんな線)と相互直通運転が開始された。
大阪港~コスモスクエア間は高架から地下まで一気に移動するため急こう配のトンネルとなっている。このトンネルはあらかじめ地上でトンネル部分を作り、海に沈めて建設する沈埋工法という手法を用いている。
なお、元々は後述するOTSによって「南港・港区連絡線(テクノポート線)」として1997年12月18日に開業したが、利用客が伸び悩んだことから2005年7月に大阪市交通局に譲渡された。
現在はコスモスクエア駅が終点であるが、その先の夢洲、舞洲を経由して、桜島の新桜島駅(仮称)まで線路を敷設する計画がある。大阪市は2008年のオリンピック招致を目指しており、これに併せて会場までの路線を延伸する計画であった(新桜島駅がどこにも接続しない駅になっているが、招致時点では桜島線を延伸する構想だったらしい)。結局招致に失敗し、計画は一旦棚上げとなったものの2025年開催予定の万博招致に成功し(大阪・関西万博)、再び延伸計画が動き出した。会場となる夢洲駅(仮称)までの一区間の延伸となるが、大阪市交通局時代に道路用と鉄道用の海底トンネルを一緒に作っていたため、2024年中の開業が可能としている。
この延伸区間は現在は後述するOTSが事業免許を保有する「北港テクノポート線」となっているが、コスモスクエア〜夢洲間は開業時にはOsaka Metroが運営することになる見込み。
ちなみに夢洲〜舞洲〜新桜島間はIR誘致が成功するまで棚上げされており、中央線を延伸させる以外にも桜島線や京阪中之島線の延伸案が検討されている。
一方、近畿日本鉄道はパンタグラフと集電靴の両方を搭載した新型車両を開発し、近鉄けいはんな線と近鉄奈良線との相互直通運転を実現する構想を発表していた。こちらはIRに向けて開発が進められており、2022年5月には近鉄から可動式第三軌条用集電装置の試作品が完成したことが公表されている。
上記の他に森ノ宮駅から分岐して設置されている森之宮検車場の横に大阪公立大学の新キャンパスが2025年秋に設置される予定であることから、検車場に新駅「森之宮新駅/大阪公立大学前駅(仮称)」を2028年春に開業させる計画がある。
大阪港トランスポートシステムの略称で、中央線のコスモスクエア駅-大阪港駅間の設備を所有している。OTSの本来の業務は南港のトラックターミナルや倉庫の管理を行う、大阪市の第三セクターである。
元々中央線のコスモスクエア-大阪港間はこのOTSが開業させた路線「南港・港区連絡線(テクノポート線)」で、運賃体系は当時の大阪市営地下鉄とは別立て(全区間一律230円)であった。これはコスモスクエアに当時住宅や学校が存在しておらず、公共輸送と見做されないことから補助金支給のためにやむなくこのような形態となった。当初は大阪港〜コスモスクエア〜中ふ頭間を現在の南港ポートタウン線として開通させる計画だったが、コスモスクエア駅周辺にZepp Osaka(2012年閉鎖)が1998年にオープンすることになったことを考慮して現在の形となった。
結局運賃別立てとしたことで利用者数が伸び悩み、2005年7月にOTSが所有している線路以外の車両・鉄道施設を交通局へ譲渡し、交通局を第二種鉄道事業者とする運営方式に転換。運賃は値下がりし、利用者数は増加傾向に転じた。
ちなみに、弁天町から南港まで割安で移動できる手段として大阪市営バスの44系統・44A系統があったが、2005年8月16日より運行経路と区間が変更されて本数もカットされた。
コスモスクエア〜夢洲〜舞洲〜新桜島間の「北港テクノポート線」も事業免許を取得したのが2000年だったこともあり、現在もOTSが第一種鉄道事業者とされている。
ただし前述した通り、コスモスクエア〜夢洲間はコスモスクエア〜大阪港間と同様にOsaka Metroが運営する見込みであるほか、夢洲〜新桜島間は様々な延伸案があり実際は未定な状況。
近鉄けいはんな線と直通運転を行っている。会社境界駅となる長田駅で近鉄の運転士と交代する。
昼間の列車間隔は7分30秒でコスモスクエア-生駒系統とコスモスクエア-学研奈良登美ヶ丘系統が交互に運転される。また、区間運転は森ノ宮検車場がある森ノ宮着・発や、中央線の終端である長田着・発が朝ラッシュ後や夕ラッシュ前、深夜を中心に設定されている。
森ノ宮検車場は千日前線の車両も管理しているため、ラッシュ前後に線路内の列車数調整のため中央線内を回送で走る千日前線の車両を見ることができる。
夢洲駅〜コスモスクエア駅間は現在の事業としては大阪港トランスポートシステム北港テクノポート線とするのが正式であるが、便宜上当路線の駅一覧に記載する。
駅番号 | 駅名 | ■乗り換え・備考 | 駅所在地 | |
---|---|---|---|---|
(C09) | 夢洲駅 ゆめしま Yumeshima |
※駅名は仮称。2024年度開業予定。 | 大阪市 | 此花区 |
C10 | コスモスクエア駅 Cosmosquare |
■大阪市高速電気軌道:南港ポートタウン線(ニュートラム)(P09 ) | 住之江区 | |
C11 | 大阪港駅 (天保山) おおさかこう Osakako |
港区 | ||
C12 | 朝潮橋駅 あさしおばし Asashiobashi |
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C13 | 弁天町駅 べんてんちょう Bentencho |
■西日本旅客鉄道:大阪環状線(JR-O15 ) | ||
C14 | 九条駅 くじょう Kujo |
■阪神電気鉄道:阪神なんば線(HS 44 ) | 西区 | |
C15 | 阿波座駅 あわざ Awaza |
■大阪市高速電気軌道:千日前線(S13 ) | ||
C16 | 本町駅 (船場西) ほんまち Hommachi |
■大阪市高速電気軌道:御堂筋線(M18 )・四つ橋線(Y13 ) | 中央区 | |
C17 | 堺筋本町駅 (船場東) さかいすじほんまち Sakaisuji-Hommachi |
■大阪市高速電気軌道:堺筋線(K15 ) | ||
C18 | 谷町四丁目駅 たにまち4ちょうめ Tanimachi 4-chome |
■大阪市高速電気軌道:谷町線(T23 ) | ||
C19 | 森ノ宮駅 もりのみや Morinomiya |
■大阪市高速電気軌道:長堀鶴見緑地線(N20 ) ■西日本旅客鉄道:大阪環状線(JR-O06 ) |
||
C20 | 緑橋駅 みどりばし Midoribashi |
■大阪市高速電気軌道:今里筋線(I20 ) | 東成区 | |
C21 | 深江橋駅 ふかえばし Fukaebashi |
|||
C22 | 高井田駅 たかいだ Takaida |
■西日本旅客鉄道:おおさか東線(JR-F09 )【高井田中央駅】 | 東大阪市 | |
C23 | 長田駅 ながた Nagata |
■近畿日本鉄道:けいはんな線(直通) | ||
近畿日本鉄道けいはんな線 学研奈良登美ヶ丘駅C30まで直通運転あり(駅番号も連続) | ||||
駅番号 | 駅名 | ■乗り換え・備考 | 駅所在地 |
大阪市高速電気軌道・ニュートラム | ||
---|---|---|
御堂筋線 |
谷町線 |
四つ橋線 |
中央線 |
千日前線 |
堺筋線 |
長堀鶴見緑地線 |
今里筋線 |
南港ポートタウン線 |
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最終更新:2024/04/24(水) 11:00
最終更新:2024/04/24(水) 11:00
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