天王寺とは、JR天王寺駅と近鉄阿倍野橋駅界隈にある、大阪市南東部の繁華街の総称であり、都心部の南端に位置する。若者の街や奈良、和歌山県民の街や全国最高層の商業ビル『あべのハルカス』の拠点として知られるが、近鉄ターミナルから商業中心地として発展したのはあべの(あべの橋)であり、こちらは阿倍野区に属する。天王寺駅側は駅ビルの天王寺MIOがそびえるが、あとは昔ながらの商店街が続く程度である。
東京都区内でいえばターミナルとして発展した上野と商業地として発展した御徒町の関係に似ている。
本記事では門前町、市南部のターミナルとして発展した天王寺とあべのを並列して記述する。
JR天王寺駅と、近鉄大阪阿部野橋駅、OsakaMetro天王寺駅、阪堺電車天王寺駅前電停を中心とした一帯を指す。
大阪環状線の南端に位置し、大阪市南部の玄関口の一つであり大阪市第3の規模を持つ繁華街でもある。
現在、梅田北ヤードに劣らぬスピードで再開発が進んでいる。
これらの大規模な3駅(+1停留所)の他、路線バス・高速バスが集中する一大ジャンクションであり、近鉄百貨店をはじめとして多くのデパートやファッションビルが密集する。
近鉄百貨店の本店はここにある「あべのハルカス近鉄本店」であり、近鉄が威信を掛けて建築した日本でもっとも高い商業ビル「あべのハルカス」のメインテナントである。
後述の天王寺公園を挟んだ北西側・新世界には通天閣があるのだが、これよりも背の高いビルがたくさんある。
天王寺とは、四天王寺から変化した言葉。四天王寺へは谷町線の隣駅である四天王寺前夕陽ケ丘駅が最寄りだが、天王寺駅から続く参道でも距離は大きく変わらず、多くの人がここを通り訪れている。またその近くには関西屈指の骨仏の寺として知られる一心寺もあり、ここは宗旨関係なく納骨と法要を受け付けている(寺の宗派は浄土宗)。10年毎に集まった納骨で骨仏を建立している。近年の墓じまい増加などの影響で年々納骨が急増しており、ついに2020年初頭、納骨制限を行わざるを得ない状態になった。この影響で四天王寺同様、年中参拝客が絶えない。
また、天王寺駅と阿部野橋駅の間はそのまま天王寺区と阿倍野区の境になっているのだが、繁華街の大部分は阿倍野区に広がっているため、人によっては天王寺ではなく阿倍野と呼ぶこともある。ちなみに地下鉄は御堂筋線と谷町線の2路線が通っているが、谷町線の天王寺駅は天王寺区内にあるのに対し、御堂筋線の天王寺駅の所在地は阿倍野区内にある(厳密には境界線上にある)。
梅田や難波と比べて狭く感じるが、ファッションビルやデパートの密集率が高く、それぞれへのアクセスは楽。
また、市内では梅田と並ぶ書店密集地区として知られる。2021年現在、あべのハルカスにジュンク堂あべのハルカス店、天王寺ミオに紀伊國屋書店天王寺ミオ店、ヴィアあべのウォークと天王寺ミオ別館(旧天王寺ステーションビル)にくまざわ書店、きんえいアポロビルとあべのルシアスに喜久屋書店+漫画館が展開している。ほかに駅近くにブックオフがあり、街の本屋も点在している。
阪神高速14号線を挟んで西側とは明確に区別される。
この西側エリアの環状線より北側は、昭和の空気を残すジャンジャン横町を経由し、新世界・通天閣、日本橋でんでんタウンへと続く。
一方で南側を進むと飛田新地やあいりん地区に続くため、こちらの方角へは行かないほうが良い。
あべの筋と谷町筋の交差点。天王寺の中心部、かつ前述のとおり天王寺区と阿倍野区の境界線上にある。
ここにかかる歩道橋は天王寺のシンボル。多分。ちなみに再開発に伴い新たな歩道橋が架けられた。
上から橋を見下ろすと阿倍野のアルファベット表記の頭文字である「a」と見えるようになっているのが特徴。
交差点南西部にはシネコンアポロシネマを持つアポロビル、隣接するルシアスビルがあり、更に西には大阪市立大学医学部がある。
大阪阿部野橋駅のここに面した部分が、阿部野橋ターミナルビル・あべのハルカスとして建て替えられた。高さ300mの、2020年現在日本最高の高層商業ビルである。
ちなみに、アニメイト天王寺店は、この交差点の北西側にあるエコーアクロスビルに収容されている。フロア辺りの面積では関西最大。西日本地区の旗艦店である。実はギリギリで大阪環状線外側に置かれているため、環状線内側にある店舗は京橋店、日本橋店のみである。
あべのキューズタウンは2011年4月に開店した超大型複合商業施設である。
東急不動産が開発の中心を担っており、渋谷109や東急ハンズなど、関東資本の百貨店・ファッションテナントが一挙に進出する大阪初の施設となっている。上層部にはホールやイベント会場を建設する。
ちなみに、大阪市中心部の南の玄関口にして、高層ビルを伴う超大型複合商業施設としては、なんばパークスが既に存在する。
元々天王寺は、南玄関としての役割を難波と二分する街であるため、なんばパークスとの壮絶な競争が予想されている。テナント数ではなんばパークスを上回っている。
また、あべの筋1丁目の、近鉄前交差点の南西部分には、『あべのnini』という高層ビルが2012年に開業した。
ホテル、集合邸宅、商業施設が融合した24階建てのビルで、あべのハルカスに次ぐ阿倍野再開発地区の玄関口を象徴する建造物である。
南側にはあべのベルタが隣接しており、前述のアニメイト天王寺店はかつてここに入居していた。またキューズタウンとベルタはOsakaMetro谷町線阿倍野駅に直結している。
あべの筋の東側一帯。
近鉄大阪阿部野橋駅はここにあるが、その裏にあべのHoop、あべのandが建っており、賑わいを見せている。
が、これらは元々、後述のあべのハルカス竣工までの『つなぎ』のようなビルであり、ビル竣工の暁には現在収容されているテナントの多くはこちらへ移る予定である。これ以降のHoop、andの行く末は決まっていない。
一部では、京急など、他の関東資本の百貨店が参入するとも言われているが、定かではない。
また後述のあべのハルカスの東には新宿ごちそうビルがあり、「大阪なのに新宿とはこれ如何に」ということで地元民や観光客からネタにされやすい。
2014年に竣工した高層商業ビル。平成の通天閣。高さは300m、日本一の高層ビルである。
近鉄大阪阿部野橋駅の西側部分であり、近鉄前交差点の南東部分。
近鉄百貨店「あべのハルカス近鉄本店」と美術館、有名企業のオフィス、阪南大学のサテライトキャンパスなどの学術研究施設に、ホテルが入居し、ビルの最上階には大阪市一帯や遠くは淡路島までを見渡せる展望台が作られている。
通天閣をはるかに見下ろす高さである。
大手ゼネコンの1つである竹中工務店が中心となって建設されたが、既に建造物が密集している上、交差点に面しており、更に1階である大阪阿部野橋駅を営業しながらの建設とあってその建設は非常に難しく、最新の建築技術がどっさりと投じられている。同社曰く“日本一の難所”だとか。
天王寺が、上野や千住と比べられる所以。
天王寺駅の北西、茶臼山町一帯がこの都市公園である。
天王寺動物園・市立美術館・慶沢園などから成り、その総面積は28ヘクタール。
市内でも人気の観光スポットであり、新世界と隣接していることもあって観光客は多い。公園から美術館前を通って新世界に向かうことも可能。
2015年の条例改正により閉園日がなくなり、年中入場可能になった。また園内施設の慶沢園を除き入場料は無料となっている。ただ天王寺⇔新世界の通路は22時~翌7時まで閉鎖となる。
あいりん地区と隣接していることもあって、かつてはホームレスの天国ともいえる状況を呈していた。無料で入れるエリアにダンボールハウスと露店が大量に並んでいるのはもちろん、野外カラオケ=青空カラオケの騒音がそこら中に響き渡るというひどい状態であったが、世界陸上の開催に合わせて2000年代に市が取り締まりを強化。
現在ではほぼ一掃されている。
天王寺の再開発で駅に隣接する公園部分は広い芝生エリアにフットサルコート、飲食店などを連ねた「てんしば」として2015年にリニューアルオープン。フットサルコートはキャプテン翼とコラボしており、キャラクターショップも併設されている。
日本3番目の動物園。関西でも人気の高い動物園であり、年間入場者数は約186万人で国内第4位。
開園は1915年と古い。 実は世界的な知名度で言えば和歌山県にあるアドベンチャーワールドの方が上らしい。
が、その敷地は実は茶臼山町の西側=新世界側一帯であり、入場ゲートは新世界側にある。
最寄り駅は実は御堂筋線動物園前駅である。名前からしてそうであるとわかりそうなものだが、いかんせんアクセスの都合上、天王寺側から入場する人が圧倒的に多い。動物園前駅からもそれなりに歩く必要があるのも一因か。
この場合、天王寺公園をつっきらなくてはならないため、結構歩かされることになっていたが、てんしばエリアの整備によりそちらにも入場ゲートができたため、入場がそれほど苦ではなくなった。
入場には500円かかる。
住友財閥の創業者一族・住友家の本邸があった場所に建設された美術館。
こちらも開館は1935年と、長い歴史を持つ。
年間入場者数は30万人。
日本美術・東洋美術を多く扱う。
建築当時の流行よろしく、その様式は歴史主義建築である。
こちらも住友家の庭園。いかに住友家が力を持っていたかわかる。
動物園などに比べて人が少ないため、のんびりと風景を楽しむことが出来る。
全長200mの前方後円墳であるが、教科書に載っている写真のようなきれいな状態ではなく、むしろモサッと木が生えただけの小山である。欠損も激しい。
実際、調査はあまり進んでおらず、被葬者が誰なのかは不明である。
大阪冬の陣では徳川家康が、翌年の冬の陣では真田幸村が本陣を張った場所でもある。
大阪市内の主な地名 |
梅田(大阪府)|中之島|新大阪|京橋|難波|心斎橋|天王寺 日本橋(大阪府)|鶴橋|新世界|あいりん地区| |
掲示板
17 ななしのよっしん
2021/01/26(火) 17:39:39 ID: M5+0iXhQht
現在配信中の仮面ライダー剣にも天王寺という名字のウルトラセブンがいますよ。
18 ななしのよっしん
2022/05/19(木) 16:26:17 ID: M5+0iXhQht
天王寺姓のキャラについて。
記事の冒頭に曖昧さ回避を付けて、そこに天王寺姓をまとめてみた方が良いかと思われます。
今の状態で延々と関連項目が追加され続けるときりがありませんので。
19 ななしのよっしん
2023/10/22(日) 04:00:05 ID: bYZfH7hENq
毎月ある四天王寺のバザー楽しい
特に〇〇〇がすげー安く手に入る
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/15(土) 23:00
最終更新:2025/02/15(土) 23:00
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