夫婦別姓または夫婦別氏とは、結婚した後も互いに姓を変えずに元々の姓を名乗る(ことができる)という制度である。
現在日本では民法第750条「夫婦は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称する」に従い、結婚後はどちらかの姓に統一しなければならない。
しかし、婚姻による改姓によって、以下のような問題も起きている。
こうした問題があるために結婚を取りやめる人もいるほか、名前を変えたくないため事実婚を選択する人もいる。(事実婚は事実婚でまた別の問題がある)
こうした問題を解決するため、同姓にするか別姓にするかを選べる制度を選択的夫婦別姓または選択的夫婦別氏といい、日本で導入すべきかどうかが議論されているのはこちらである。
ちなみに2019年現在、夫婦同姓が法で規定されており別姓の選択権すら無いのは日本だけ[2]である。
また、「結婚後はどちらかの姓に統一しなければならない」のは日本人同士の結婚の場合のみであり、国際結婚の場合は夫婦別姓のままで婚姻届が提出できる……というか日本の法律上での結婚においては、外国人との国際結婚の場合は夫婦別姓が基本となり、自動的に同姓になったりはしない。なぜなら日本は氏名や結婚の制度が戸籍と紐づけられている珍しい国であり、そして外国人相手の結婚の場合は相手に日本の戸籍が無いわけなので「自分の戸籍に相手を入れる」ことも「相手の戸籍に自分が入る」こともできないため。
「あれ? でも外国人のスミスさんと結婚して「佐藤太郎」から「スミス太郎」さんになった知り合いがいるけど。名乗っているだけじゃなくて正式に苗字が変わったはず」と思った人がいるかもしれない。おそらく、それは「自分の苗字を変更する手続きをして自分の「佐藤」姓を「スミス」姓に変えた」のである。国際結婚をした際には改姓が比較的簡単にできるという制度があるのだ。「佐藤スミス」や「スミス佐藤」にすることもできる。あるいは相手のスミスさんが日本に帰化して苗字をカタカナの「スミス」として戸籍を創設してから結婚した、つまり「国際結婚ではない状態とした」のかもしれない。つまり、こういうプラスアルファの手続きをしなければ国際結婚では同姓にすることができない。
メリットとしては、以下のようなものが具体的な実利として挙げられる。
、2022年女の子赤ちゃんの名前ランキング
を見ると、『あおい』『かえで』『せな』『なぎ』『ひなた』『れい』が男女両方に存在している。
、2021年女の子赤ちゃんの名前ランキング
を見ると、『あおい』『かえで』『せな』『なぎ』『はる』『ひなた』『れい』が男女両方に存在している。
、2020年女の子赤ちゃんの名前ランキング
を見ると、『あおい』『かえで』『なぎ』『ひなた』が男女両方に存在している。一方、選択的夫婦別姓反対派からは以下のような主張が為されることが多い。
確かに夫婦や家族が同じ苗字になることで、絆・一体感が強固になったように感じる人は一定数存在するし、それは何ら悪いことではない。しかし、そのような人達は例え国から強制されなくても当然同姓結婚を選択するだろう。また、他に選択肢が無い状態で何も考えず同じ苗字になるよりも、同姓・別姓両方の選択肢について結婚相手と話し合い、お互い納得した上で同じ苗字になった方がより強固な絆・一体感が生まれるとも考えられる。一方、何らかの事情があって苗字を変えたくない人に対し、改姓を無理強いしたところでそれで絆・一体感が強化されるとは考えにくい。それどころか、何とか相手を説得をして改姓させたとしても、不本意な改姓によってしこりを残し、そのせいで夫婦や家族の絆・一体感を壊す可能性がある。
詳細は後述するが、日本は長い歴史の中で苗字を持たない(例え持っていても公称出来ない)時代や夫婦別姓が義務付けられていた時代もあり、夫婦同姓が日本の伝統であると言って良いかは微妙なところである。仮に夫婦同姓が日本の伝統であったとしても、同姓・別姓の選択式である以上、同姓の文化は残るため、日本の伝統が壊れることは無いと考えられる。
家制度は1947年5月2日を最後に廃止されており、既に崩壊しているため、選択的夫婦別姓の導入により家制度が崩壊することは有り得ない。因みに、家制度の開始は1898年7月16日であるため、家制度が存在していた期間はわずか48年9か月半ほどである。
そもそも家族であることの確認は、苗字が同じかどうかだけで行うものではない。よほど希少な苗字でもない限り、赤の他人でも同じ苗字の人は山ほど存在する。また、自分の子供や兄弟が結婚によって改姓した途端に、病院等で家族として認識してもらうのが難しくなるだろうか?
一般に、病院等で家族として認識してもらうのが難しいとされるケースには事実婚があり、事実婚が選択的夫婦別姓の代替案としては不十分と言われる理由の1つがこれである。
子供の苗字については、1996年(平成8年)の法制審議会(法務省)答申[14]にて、
夫婦が各自の婚姻前の氏を称する旨の定めをするときは、夫婦は、婚姻の際に、夫又は妻の氏を子が称する氏として定めなければならないものとする。
という案が既に提示されている他、同答申以降、公明党や超党派野党から度々提出されている民法改正案[15]では、
別氏夫婦の子は、その出生の際に父母の協議で定める父又は母の氏を称するものとする。
とされている。また、子供の苗字をどちらにするか親が勝手に決めるなんて子供が可哀想だという意見も存在するが、これについても同法制審議会答申にて、
子が父又は母と氏を異にする場合には、子は、家庭裁判所の許可を得て、戸籍法の定めるところにより届け出ることによって、その父又は母の氏を称することができるものとする。ただし、子の父母が氏を異にする夫婦であって子が未成年であるときは、父母の婚姻中は、特別の事情があるときでなければ、これをすることができないものとする。
とされており、子供が成人に達した後であれば、本人の意思で家裁に届け出てもう片方の親の苗字に変更することも可能である。以上のことから、子供の苗字をどうするかについてはとうの昔に検討済みであると言って良いだろう。
子供に自分の苗字を継がせることに強いこだわりを持つ者同士であれば、そもそも現行制度であってもどちらが改姓するかで対立する可能性が高い。
一方、現行制度においてどちらが改姓するかで対立する人達が、必ずしも子供に自分の苗字を継がせることに強いこだわりを持っているかというとそうではなく、自分は婚姻前の苗字を使い続けたいが子供の苗字は配偶者のもので構わないという人や、結婚はしたいが子供を儲けるつもりは無いという人達も少なからず存在する。
改めて整理をすると、下記の通りとなる。
以上のことから、どのような制度においても婚姻の際の対立は起こり得るものの、少なくとも現行制度よりは選択的夫婦別姓の方が婚姻の際の対立は起こりにくくなると考えられる。
なお、そもそも『選択肢を与えると揉めるかも知れないから最初から選択肢を与えるべきでない』という考えが妥当なものかはよく考える必要があるだろう[16]。
結論から言えば、これは明らかに間違いである。
まで公開している。よって、選択的夫婦別姓の導入により戸籍制度が崩壊することは無い。
を見ると、改姓しなかった側の配偶者氏名欄には配偶者の改姓前の氏名が記載されており、選択的夫婦別姓により戸籍の形式が大幅に変更される訳ではないことが分かる。つまり、現在の法務省見解、夫婦同氏が義務付けられるより前の日本、戸籍制度を採用する他国の事例と、いかなる観点から考えても選択的夫婦別姓の導入が戸籍制度の崩壊に繋がる等有り得ないのである。
一応、選択的夫婦別姓賛成派の一部に戸籍制度の廃止にも賛成している人が存在することは事実である。ただし、このような人達は選択的夫婦別姓賛成派の中でも一部に過ぎない上に、戸籍制度を廃止しようと思ったら選択的夫婦別姓とは別個に様々な法改正が必要となるため、戸籍制度の廃止は選択的夫婦別姓の導入よりも遥かに困難である。
前述の通り、選択的夫婦別姓は戸籍制度の存続を前提しているため、戸籍制度に代わる新たな仕組みが必要になることは無い。また、1990年代に進められた戸籍電算化の際に、将来の選択的夫婦別姓導入を見越した対応が行われており[20]、選択的夫婦別姓の導入に大きなコストが掛かるとは考えにくい。
選択的夫婦別姓が一体どんな犯罪に利用出来るのかは不明であるが、そもそも結婚・離婚を契機に名前をコロコロ変えられること自体が別人への成りすましに利用される可能性がある。そのため、結婚が犯罪へ利用されないことのみを考えるのであれば、選択的夫婦別姓どころか強制的夫婦別姓を導入し、生まれた時の名前から一生変更出来ないようにすべき、となってしまう。
確かに選択的夫婦別姓反対派は旧姓の通称使用拡充を選択的夫婦別姓の事実上の対案として主張することが多い。しかし、これには様々な問題点がある。
つまり、反対派が選択的夫婦別姓のリスクとして主張する『犯罪への利用』『戸籍制度の崩壊』『大きな導入コスト』といったものは、実際には旧姓の通称使用拡充のリスクであると考えられる。
ところで、旧姓をそのまま使い続けられることと、改姓後の氏名に旧姓を併記出来ることは全く別物である。確かに法改正により国内の公的書類に関しては後者がある程度実現されているのは事実である。しかし、別姓希望者のニーズは前者であるため、後者がいくら実現されたところで問題解決にはならない。選択的夫婦別姓反対派の中には、意図的にか意図せずかは不明だが、前者と後者を混同し、後者の実現をもって別姓で結婚出来ないことの問題点が解消されたとの誤った主張が成される事例が散見される。
確かに選択的夫婦別姓が認められないことを理由に事実婚をしている夫婦は少なからず存在する。しかし、事実婚にも様々な問題点がある。
もしこれらの問題が全て解決され、事実婚と法律婚の格差を完全に無くすことが出来るのであれば[22]、事実婚は選択的夫婦別姓の代替案として十分であると言えるかも知れない。
何でも外国に合わせるべきではないというのはその通りだが、それならば『世界中のどの国にも無いが、日本だけ存在する特殊な事情』についての説明があってしかるべきである。この『特殊な事情』をきちんと説明せずに、日本以外の国では問題無くても日本で選択的夫婦別姓を導入したら夫婦・家族・社会が崩壊する等といたずらに主張するのは、日本国・日本国民は恐ろしく無能な国家・国民だと言っているようなものであり、ひいては日本国・日本国民を貶めるものである。
内閣府が2017年(平成29年)に行った『家族の法制に関する世論調査 図16 選択的夫婦別氏制度
』によれば、
| (A) | 婚姻をする以上、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきであり、現在の法律を改める必要はない | 29.3% |
|---|---|---|
| (B) | 夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望している場合には、夫婦がそれぞれ婚姻前の名字(姓)を名乗ることができるように法律を改めてもかまわない | 42.5% |
| (C) | 夫婦が婚姻前の名字(姓)を名乗ることを希望していても、夫婦は必ず同じ名字(姓)を名乗るべきだが、婚姻によって名字(姓)を改めた人が婚姻前の名字(姓)を通称としてどこでも使えるように法律を改めることについては、かまわない | 24.4% |
| (D) | わからない | 3.8% |
| (A)+(C)−(B) | 10.2% | |
という結果が出ており、(A)が明確な反対派、(B)が賛成派、(C)も旧姓通称派で広義には反対派に含まれると考えられるため、賛成42.5%、反対53.7%と一見すると反対派が多数のようにも見える。しかし、回答者の年代内訳を確認すると、下記のように回答者の45.5%が60歳以上、26.3%が70歳以上と、いくら少子高齢化社会とは言え、日本国民全体の年齢分布と比べて上の年代に偏った分布になった[23]。
| 年齢 | 18~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 | 総計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 回答者数 | 253 | 354 | 525 | 477 | 566 | 777 | 2,952 |
| 全回答者に占める割合 | 8.6% | 12.0% | 17.8% | 16.2% | 19.2% | 26.3% | 100.0% |
更に、年代別回答結果を確認すると、49歳以下では軒並み(B)の賛成派が(A)及び(C)の反対派を上回っており、50~59歳でようやく反対派が48.9%と賛成派を0.7ポイント上回り、反対派が回答者の過半数に達するのは60歳以上だけであった。
| 年齢 | 18~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| (A) | 明確な反対派 | 19.8% | 13.6% | 15.6% | 19.1% | 33.0% | 52.3% |
| (B) | 賛成派 | 50.2% | 52.5% | 49.9% | 48.2% | 41.0% | 28.1% |
| (C) | 旧姓通称派 | 28.1% | 31.9% | 32.0% | 29.8% | 21.9% | 13.3% |
| (D) | わからない | 2.0% | 2.0% | 2.5% | 2.9% | 4.1% | 6.4% |
| (A)+(C)−(B) | −2.3% | −7.0% | −2.3% | 0.7% | 13.9% | 37.5% | |
ここで、2017年(平成29年)の人口動態調査
を基に、年齢別婚姻件数を集計すると、下記のようになる。なお、人口動態調査では17歳以下の婚姻件数も計上されているが、本世論調査の対象に合わせ、18歳以上のみを対象に集計した。
| 年齢 | 18~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 | 総計 |
|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 婚姻件数 | 468,053 | 348,468 | 102,082 | 27,034 | 10,135 | 3,847 | 959,619 |
| 全婚姻件数に占める割合 | 48.8% | 36.3% | 10.6% | 2.8% | 1.1% | 0.4% | 100.0% |
表1-3の年代別回答結果を、表2の年代別婚姻件数の分布で重み付けを行い集計すると、下記のように賛成派が過半数に達する結果となった。
| 年齢 | 18~29歳 | 30~39歳 | 40~49歳 | 50~59歳 | 60~69歳 | 70歳以上 | 総計 | |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 全婚姻件数に占める割合 | 48.8% | 36.3% | 10.6% | 2.8% | 1.1% | 0.4% | 100.0% | |
| (A) | 明確な反対派 | 9.66% | 4.94% | 1.66% | 0.54% | 0.35% | 0.21% | 17.35% |
| (B) | 賛成派 | 24.48% | 19.06% | 5.31% | 1.36% | 0.43% | 0.11% | 50.76% |
| (C) | 旧姓通称派 | 13.71% | 11.58% | 3.40% | 0.84% | 0.23% | 0.05% | 29.82% |
| (D) | わからない | 0.98% | 0.73% | 0.27% | 0.08% | 0.04% | 0.03% | 2.12% |
| (A)+(C)−(B) | −1.12% | −2.54% | −0.24% | 0.02% | 0.15% | 0.15% | −3.59% | |
選択的夫婦別姓とは結婚する人達のための制度であるから、これから結婚する人が極めて少ない世代よりも、これから結婚する人が多い世代の意見がより反映されるべきと考えられる。しかし一方で、日本では『シルバー民主主義』と揶揄されるほど上の世代を優遇した政治が行われており、その主な原因が若年~中年層の有権者の投票率が低いことや、有権者が高齢の政治家を当選させ続けていることにあることを考慮すれば、回答者の分布が上の世代に偏った本世論調査も強ち不適切とも言い切れないのかも知れない。
なお、内閣府は同調査から4年後の2021年(令和3年)にも『家族の法制に関する世論調査
』を行っており、以下のような調査結果となっている。
| 現在の制度である夫婦同姓制度を維持した方がよい | 27.0% |
|---|---|
| 現在の制度である夫婦同姓制度を維持した上で、旧姓の通称使用についての法制度を設けた方がよい | 42.2% |
| 選択的夫婦別姓制度を導入した方がよい | 28.9% |
| 無回答 | 1.9% |
ただし、2017年調査とは質問文や回答選択肢が大きく変更されているため、過去の調査結果と比較して賛否の増減を論ずることは出来ない点には注意する必要がある。また、この質問文や回答選択肢の変更については、法務省が保守派との関係を意識したものであることが分かっている[24]他、賛成の回答を減少させる可能性があると指摘する学者の声もある[25]。その他、回答者に占める高齢者の割合が高い点、女性よりも男性、若年~中年層よりも高齢者の方が反対派が多い点は2017年調査と同様である。
前述の通り選択的夫婦別姓反対派の多くは高齢者であり、若年~中年層は比較的賛成派・容認派が多いため、若年層の最たる存在である子供達がそのような理由でいじめを行うとは考えづらい(核家族化が進んだ現代社会においては、祖父母が孫に与える影響力も限定的である)。更に言えば、如何に仲の良い友達であっても、その親のことまで熟知しているケースは稀である。
百歩譲って仮にいじめ等が起こったとしても、悪いのはいじめる人や、同姓選択者を批判する人であり、選択的夫婦別姓という制度が悪いのではない。なお、日本以外の全ての国で別姓での結婚が可能であり、その内大半が同姓・別姓の選択式を採用しているが、同姓・別姓のいずれかを選んだ方がもう片方を攻撃するという問題は起こっていない。仮に日本でこのような問題が起こるとしたら、日本人は世界の中で突出してモラルの低い集団である、ということになってしまう。
2015年・2021年の最高裁判決は現行制度(強制的夫婦同姓)は憲法違反ではないと述べたものであり、選択的夫婦別姓を導入したら憲法違反になるとは言っていない。むしろ、最高裁判決では『国会で論ぜられ、判断されるべき事柄』と述べられていることから、現行制度(強制的夫婦別姓)だけでなく選択的夫婦別姓も憲法違反ではないと認めている[26]。よって、選択的夫婦別姓を導入するに当たって特に憲法改正の必要は無いといえる。
正直なのは良いことだが、この件に限らず、誰それが賛成(反対)しているから反対(賛成)と主張するのは単なる逆張りであり、政策そのものの問題点を指摘出来ないと認めたも同然である。なお、「リベラル・左派が賛成している」という表現はあたかも賛成しているのはリベラル・左派ばかりであるという誤解を与えかねないものであるが、選択的夫婦別姓については、保守・右派政党である自民党ですら4割程度は賛成[27]しており、第26代総裁兼第99代内閣総理大臣の菅義偉、第27代総裁兼第100・101代内閣総理大臣の岸田文雄、第28代総裁兼第102・103代内閣総理大臣の石破茂も賛意を示したことがある[28]。なお、この3人はいずれも保守本流の政治家である[29]。また、その自民党と共に20年以上にわたって保守・右派的な政策を推進してきた公明党に至ってはほとんどの政治家が賛成、更に野党についても自民党寄り、保守・右派的とされる日本維新の会や国民民主党も含めほとんど政治家が賛成している。このことから、「リベラル・左派が賛成している」というよりも「右派の内ごく一部[30]が反対している」といった方がより実態に即していると言えるだろう。
色々述べてきたが、この問題の論点は、「同姓か別姓か」ではなく「強制か選択か」である[31]。選択的夫婦別姓とは、結婚後もお互いに結婚前の姓を名乗り続けたい人が名乗ることも出来るようにする制度であるから、同姓にしたい人達が同姓にする自由が侵害されることは全く無く、別姓にしたくない人は同姓を選べば良いで終わる話なのである。
夫婦別姓の議論においてはしばしば歴史的に日本は夫婦同姓であったか別姓であったかという話になることも多く、これについても「明治民法において当時の西洋の真似をして夫婦同姓が義務付けられる前は日本では夫婦別姓が常識であった」という主張と「氏から家を重視するようになった中世の頃からは既に夫婦で同じ名字を名乗っており夫婦同姓は日本古来の伝統と言える」という主張がある。
なお、夫婦別姓議論でよく引き合いに出される北条政子、日野富子、前田まつ、細川ガラシャ、大石りくなどの近世以前の歴史上の有名な女性の名前はあくまでも現在歴史学において便宜上使用している学術用語に過ぎず、彼女たちは何れも生前そういう名前を名乗っていたわけではない(例えば北条政子は生前は御台所と呼ばれており、吾妻鏡などでは二品禅尼などと記されている)ので歴史上日本が夫婦同姓であったか別姓であったかの根拠として引き合いに出すには不適切である。
また、余談ではあるが歴史の授業で「明治以前の庶民は名字を持たなかった」と習った人も多いかと思うが、近年の研究によりあくまでも江戸時代に公式の場では名乗ることが禁止されていたというだけで、実際には鎌倉時代以降は庶民も名字を名乗り、幕府に使用を禁じられた江戸時代ですら日常生活では名字を名乗っていたことが判明しており当時における庶民の名字はしばしばこの議論における主張の根拠とされることもある。
以上のことから、夫婦同姓が日本の伝統であると言うべきか否かは微妙なところであるが、仮に夫婦同姓が日本の伝統であるという立場に立ったとしても、同姓・別姓の選択式である以上、同姓の文化は残るため、日本の伝統が壊れることは無いと考えられる[32]。
2011年2月14日に
「夫婦同姓」を定めた民法750条は、結婚するには一方が氏を変更することを余儀なくする夫婦同姓強制であり人権侵害。また結婚改姓をしているのは大多数が女性であることから男女平等を保障した憲法に反する女性差別にもあたる
として国家賠償提訴が行われ
2013年5月29日 東京地裁にて棄却
2014年3月28日 東京高裁にて控訴棄却
2015年12月16日 最高裁判所大法廷は民法の規定を合憲との判断を示し棄却
と判決が下っている。
なお、このとき最高裁の中でも裁判官15人のうち5人(このうち女性裁判官は3人全員)が違憲と判断して意見が割れており、判決文には「この種の制度の在り方は、国会で論ぜられ、判断されるべき事柄にほかならないというべきである」と記され、夫婦別姓を認めるべきかどうかは国会での議論に委ねられるとの見解を示した。
2018年1月9日 ソフトウエア開発会社「サイボウズ」社長の青野慶久ら男女4人が
日本人と外国人が結婚する場合、同姓にするか別姓にするか選ぶことができる。
日本人と外国人が離婚する場合、同姓にするか別姓にするか選ぶことができる。
日本人と日本人が離婚する場合、同姓にするか別姓にするか選ぶことができる。
と法的に有効な改姓しない仕組みがあるのに対して
日本人と日本人が結婚する場合のみ、同姓にするか別姓にするか選ぶことができない(法的に有効な改姓しない仕組みがない)現行の戸籍法は憲法が定める法の下の平等に反している
として提訴が行われており、
2019年3月25日、東京地裁にて
「(上位の法律の)民法を改正せずに戸籍法を変えるのはおかしい」という国側の主張が認められ、棄却→後日控訴
2020年2月26日、東京高裁にて
「原告側が指摘する取り扱いの違いは、民法750条の規定が適用されているかどうかによって生じている」と指摘。「本来比較の対象とならない場面をとらえ、これらの間の取り扱いの差異が合理性のない差別に当たるとするものにすぎず、採用することができない」として棄却されている
原告側は上告する意向
結婚後もそれぞれの姓を名乗ることができる「選択的夫婦別姓」を認めない民法や戸籍法の規定が
■憲法14条第1項違反・・・夫婦別姓を希望する「信条」が差別されている。
■憲法24条違反・・・約96%が男性側の姓に改名しており、「両性の実質平等が保たれていない」。
■国際人権条約違反・・・自由権規約と女性差別撤廃条約に違反している。
に当たるとして、選択的夫婦別姓を求める事実婚当事者が2018年、国に損害賠償を求め、東京地裁、東京地裁立川支部、広島地裁で提訴されている
2019年9月30日
夫婦同姓を定めた民法の規定が「法の下の平等」を保障した憲法に違反するとの主張に対し
「最高裁判決後、社会の動向が認められ、姓が家族の一体感につながるとは考えていない者の割合や、選択的夫婦別姓の導入に賛成する者の割合も増加傾向にある」と認定しながらも、
「最高裁判決当時と比較して、変更するだけの変化が認められない」として棄却。
2019年11月14日
夫婦別姓を認めない民法や戸籍法の規定は、憲法が禁じる「信条による差別」に当たるとの主張に対し
「民法や戸籍法の規定は、同姓希望者と別姓希望者を差別するものではない」として棄却
またその上で「世論調査の結果や、地方議会で採択された夫婦別姓の導入を求める意見書を踏まえ、国会や国民全体で議論されることが望ましい」とした。
原告側は控訴する意向
2019年11月19日、広島地裁にて
選択的夫婦別姓が認められないのは憲法で禁止されている「信条による差別」に当たると主張に対し、
「法律婚の効果を享受することができないことの不利益は『信条』によって生じるものではない」と退けた。
また、選択的夫婦別姓について「選択的夫婦別姓を許容する意見が高まっており、氏の同一性が果たす役割が徐々に小さくなってきている」と別姓の必要性を示す社会情勢については認めたが、
「氏を改める場合の不利益が拡大しているとまでは認められない」と述べ違憲とは言えないと判断した。
原告側は後日控訴
2020年9月16日、広島高裁にて
「制度変更に当たっては慎重な検討が必要。夫婦同姓には一定の意義がある」と指摘。
結婚する際に夫婦どちらかの姓を選べることから「規定が結婚を不当に制約しているとまでは言えない」として棄却
一方、判決文にて『平成27(2015)年、最高裁判決以降も多くの地方議会から選択的夫婦別姓制度の導入や審議などを求める意見書が国会などに提出されていることや、女子差別撤廃委員会が我が国に対し、本件各規定の改廃を行うよう、たびたび勧告していることは、重く受け止めるべきであり、国会には選択的夫婦別氏制度の導入を求めている人たちの声に謙虚に耳を傾け、現在の社会情勢をふまえた真摯な議論を行うことが期待される』と指摘している
原告側は上告した
』によれば、2015年(平成27年)に結婚した夫婦の内、女性が男性の姓に変更するケースが96.0%であった。
2021年2月22日のツイート
珍百景コレクション「珍名のお母さん」
2022年5月30日のツイート『4コマ「あなたとは結婚できない」』







によれば、18歳以上の日本人人口は105,738千人、60歳以上は42,742千人、70歳以上は25,137千人であった。よって、18歳以上の日本人の内、60歳以上は40.4%、70歳以上は23.8%である。

、2021年最高裁判決全文
』より。なお、動画内で石原は選択的夫婦別姓の反対意見は感情論であることを認める発言をしている。
。岸田も内閣総理大臣就任前の2021年3月25日に発足した「選択的夫婦別氏制度を早期に実現する議員連盟」に「呼びかけ人」として参加した。
掲示板
5761 ななしのよっしん
2025/12/13(土) 20:27:46 ID: wipjhePcav
社会の安定云々言うなら夫婦同姓で1家族単位で同じ姓を使うのが一番だから夫婦別姓自体諦めてもらわんとな
5762 ななしのよっしん
2025/12/14(日) 10:56:59 ID: ZUgieC9Yn2
>>5758
つい最近まで経済安全保障とか言ってた人がマネロン等のリスクを高めるダブルネームを推進とか草も生えない
>>5761
戸籍上の家族が全員同じ苗字じゃないと社会が安定しないという根拠は何処にあるんだ?
日本以外のありとあらゆる国でそんなに社会が不安定とも思えないが
5763 ななしのよっしん
2025/12/15(月) 07:16:35 ID: EB6LGma5pP
結婚しようがしまいが改姓改名は簡単に出来ないようにするのが一番安心だと思うんだが
獄中結婚した犯罪者もよく改姓するしな
急上昇ワード改
最終更新:2025/12/17(水) 00:00
最終更新:2025/12/17(水) 00:00
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