失楽園とは、イングランドの詩人ジョン・ミルトンによって作られた叙事詩である。
原題は「Paradise Lost」。
1658年に執筆が開始。1667年に発表。キリスト教文学と英文学の両方における代表作のひとつとして広く知られている。
ダンテの叙事詩「神曲」は同様にキリスト教をテーマとした叙事詩であり、よく比較・並立して語られる。
旧約聖書の「創世記」2章~3章に記された、アダムとイブが「善悪を知る果実」を口にした事でエデンの園から追放されるエピソードを元にしており、同時に父なる神に叛逆して地獄に落とされた堕天使の長サタンを描く。
作中で語られた「神とその御子」「天使と悪魔」「アダムとイブ」や世界観等の解釈は、以降のキリスト教やキリスト教芸術に大きな影響を与えた。
また、創世記の当該エピソードやエデンの園を指して「失楽園」と呼ぶ場合や、これをモチーフにした創作物のタイトルに用いられる場合もある。原題の「Paradise Lost」についても同様。
人間にさきがけて創造された天使は、神の寵愛を一身に受ける身であった。しかし神が人間を創造し、彼らを一番に愛し、天使達にも同じように愛するよう命じた事からすべては始まる。
天使のうち1/3は神の意向を良しとせず、彼らを束ねる天使サタンを筆頭として堕天使となり、神に戦いを挑んだ。しかし神によって敗北した彼らは地獄へと落とされ、美しい姿は怪物の如く変化してしまう。
一敗地にまみれたサタン達だったがすぐに再起し、地獄には壮麗なるパンデモニウムが建設される。そこで作戦会議が行われ、サタンは神および神が愛する人間への復讐をすべく、単身地獄を旅立つのであった。
混沌を超えて天国を目指し、かつての美しい姿に変装したサタンはエデンの園に降り立つ。そこでこの美しい地にあって無垢な人間を堕落させんとする我が罪に慄くものの、自らを悪と定義して蛇の姿を取り、無垢だが無知なイブを誘惑。善悪の区別がつく「禁断の果実」を口にさせて神への復讐とする。
約束を破り自由意志を得てしまったアダムとイブに対し、神は人間の救い主たらんとする御子イエスを遣わすと、楽園からの追放を告げた。
地獄へと凱旋したサタンは、自らの子である「罪」と「死」を地上へとつかわし、支配者となるよう命じた。パンデモニウムにて堕天使を前に演説をうち、得意満面となるサタンだったが、彼の耳には称賛も喝采も聞こえず、神の裁きによって蛇に姿を変えられた仲間の舌の音ばかり。そしてサタンも巨大な蛇に姿を変えられ、「全ての生物の中で最も呪われ、塵を口にする事しか許されない」身とされるのであった。
楽園を追放されるアダムとイブに対し、大天使ミカエルは彼らが犯した罪によってこの先人間が様々な苦難に会う事を教える。その一方、ノアの箱舟やいずれ地上に顕現する「救世主」イエスによる救済が示唆され、二人は涙を拭うと新たなる世界へと向けて手を繋ぎ、歩き出す。
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17 ななしのよっしん
2020/10/01(木) 09:53:10 ID: bFnuMg0Chu
18 ななしのよっしん
2020/11/26(木) 23:06:07 ID: +mJqHYL9z9
失楽園のサタン普通にカッコいんだよね
危険な任務を部下に任せずに自分でやるし中々誇り高い
というか多かれ少なかれ後世の魔王像に影響を与えている
19 ななしのよっしん
2021/11/23(火) 06:18:35 ID: YNMZq4hAPR
ほんとにサタンカッコいいか…?
言ってることはカッコいいけど、劣等感の塊だし、虚勢をはるし、やってることは嫌がらせだし、独断でやらかすし、カッコ悪さを浮き彫りにしているようにしか思えないが
そう言うダメなところを描写することで、辛くとも醜さを抱えて生き抜くことの大切さを説いているのだと思うが
まあ劣等感ゆえの苦悩を抱えているところに人間的な魅力があるとは思う
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最終更新:2023/06/02(金) 15:00
最終更新:2023/06/02(金) 15:00
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