奇面組とは、新沢基栄のギャグ漫画『3年奇面組』『ハイスクール!奇面組』及び『フラッシュ!奇面組』作中の主人公・一堂零を中心とした五人組のことを指す。
当記事においては前述の漫画3作品についても記述する。
「個性の追求」をモットーとする変な顔(奇面)の五人組。進級しても進学しても常に「10組」に在籍する。落第するほど成績が悪く、遅刻の常習犯であり、しばしば授業を中断させたり…とクラスや校内を騒がす問題集団とみなされているが、一方でワケがわからないけどすごいこともやる名物集団ともみなされている。零以外は顔立ちゆえに誹謗されることが多く、目立たぬよう振る舞っていたらしい。零との出会いによって自分の異相も「個性」と開き直った目覚めたことで、零をリーダーとして一緒に行動するようになった。
舞台である「一応中学校→一応高校」には他のクラス等にも五人組の名物集団が複数存在するが、後述のようにメンバーに年齢差がある唯一の名物集団。当初は割と普通の頭身であったが、ギャグキャラらしく次第に頭身が縮んだり変身したり、果ては自分たちの異相を必殺技と化した「奇面フラッシュ」という技を放ったりと、人間離れした行動をするようになる。作中ではこうしたふるまいを「変態」と呼んでいて、性癖上の変態を意味しない。
奇面組を中心に、河川唯と宇留千絵をはじめとする多数の個性的な人物、集団が学校生活を中心とした日常の中で騒動を巻き起こすドタバタギャグ漫画。作者のデビュー読切作『3年奇面組参上』が好評を博したことから連載が企画された。『3年奇面組』は中学時代、『ハイスクール!奇面組』は高校時代(及び完結直前はエピローグ的にその後)を描き、高校へ移行したことに伴って改題したもので、実質的には同一作品。週刊少年ジャンプにて1980年10月~1987年7月まで連載され、2シリーズ全240話。『フラッシュ!奇面組』は『3年~ハイスクール!』のある種セルフリメイクで、月刊少年ガンガンにて2001年~2005年まで連載されたが、休載の末に未完となってしまった。
1話完結を基本としながらも、運動会や修学旅行などの大きな学校行事のほか、『ハイスクール!…』で度々登場した奇面組が助っ人として部活動の試合に参加する「クラブ挑戦シリーズ」など、複数回にまたがる事もある。ウルトラマンの世界を奇面組に置き換えた「ワラトルマン」シリーズ(「ウルトラ編」)なども時折挟み込まれたほか、すべてを4コマ短編で構成するなどした話もある。
作者はギャグマンガの登場人物が歳を取らないことに違和感があったといい、1980年第41号より開始された『3年…』は河川唯と宇留千絵が中学2年生、奇面組らは中学3年生の設定でスタートする。翌年1981年春は奇面組はじめ3年生の大半の主要キャラは揃って受験失敗&留年して全員が同級生となる。1982年春の高校進学と同時に『ハイスクール!…』へ移行。作者は大学進学を描くつもりはなく高校卒業までの3年間で終わらせる構想だったというが、「人気があるうちは継続を」との編集部の要請に加え、1985年10月からアニメがスタートすることも反映し連載継続となり、1985年春以降は「作者がタイムマシンに乗って1年前に戻る」という設定で高校3年の話を重複しないように繰り返す形となる。
しかし1986年秋頃から作者の古くからの持病である腰痛が極度に悪化、連載継続も危うい状況が続いた末、1987年にはついに2週の休載を余儀なくされる。そこで改めて編集部と協議が行われた結果、完結のための3話に単行本(ジャンプコミックス最終第20巻)への収録上必要な2話を加えた残り5話で終了とすることが決定、1987年第30号への掲載をもって7年近くに渡った連載に幕を閉じた。
2000年前後に80年代の復刻ブームが起こり、その中で奇面組の存在もクローズアップされ、新作『帰ってきたハイスクール!奇面組』を発表したり図鑑的な書籍が発刊された。これを受け、2001年より『フラッシュ!…』として改めて奇面組の連載が始まった。後述の「物語がループしている」ことを実現させたかのように、『3年~ハイスクール!』の時間軸を守っており、唯・千絵は既に奇面組たちと出会って、中学3年生に進級、一方奇面組ら名物集団が留年で同学年となったところからスタートする。その後一応高校に進学する流れも同じだが、受験や進学の話は『3年~ハイスクール!』の話をベースとするも、設定の変更を反映して書き直されている。また、当時のままではあまりに時代遅れになっていた一部キャラクターの髪型や制服のスタイルなどは変えられた。しかし、こちらも腰痛で臨時休載が多くなり、2005年6月号での掲載を最後に中断、未完となった。
古い作品であるがゆえに何故か原作の最終回が夢オチな作品としてだけ知られている。完結にあたって高校卒業後を描いた最後の3話は、アニメ化の際に作者が提示した初回脚本の原案により制作されたアニメ第1話より着想を得て、あらかじめ用意していたものであった。しかし、ハッピーエンドを確定させたような流れから突如、唯・千絵が中学2年で奇面組達にも出会っていない『3年…』第1話の最初の場面に戻るという結末に、夢オチと取った読者からの抗議が当時も実際に寄せられたという。
作者は2000年に発売された雑誌「帰ってきたハイスクール!奇面組」の中で最終回の結末が「悪いふうに取られてしまった」とインタビューに答えており、後年発売された愛蔵版と文庫版の最終回の最終コマには『3年…』の第1話に戻ることを示唆した描写が書き加えられている。これにより物語はループしており、奇面組の世界は永遠に終わらないという見解がある。余談だが、前述の雑誌出版の際に使用された原稿が紛失されるトラブルが発生している(作品自体は印刷データが残されていたため復元され、後年出版の単行本に掲載された)。
1985年10月12日~1987年9月26日にフジテレビ系列毎週土曜19:30~20:00の枠でアニメ化された(全86回)。アニメ化に際し、タイトルは当初から『ハイスクール!奇面組』ながら、キャラクターの関係性を描く関係上、主要メンバーが全員中学3年生で同級生という設定に変更された形でスタート(制服の色や髪色、名前など他にも原作と異なる部分は細々とある)。「バレーボールワールドカップ中継」による約1か月の中断があることが当初から決まっていたことから、中断前の5回で中学3年生編を放送し、中断を挟んでから高校1年生編となる。以降は原作の方針同様に時間の進行に合わせて進級。このため高校1年生の話は4か月のみとなり、1986年春から高校2年生、1987年春からは高校3年生となってその秋で番組は終了しており、整合性が取れていた。
アニメは『3年』『ハイスクール!』の原作の並びは考慮せず、概ね季節に合わせた作品が放映されており、1回の放送で2話、もしくはCMまたぎの1話という形式で放送された。原作では修学旅行やスポーツ大会など5~6回にまたいだシリーズものも1話にまとめられるなどしたことから、徐々に原作からアニメに起こせる話が不足する状況となった模様で、連載とアニメ放映が並行していた時期は、作者も原作に1話完結作品を増やして対応したと原作単行本のコメントに記していたほか、放送終盤を中心にアニメオリジナルの話も作られた。また、原作ベースでも話の一部がアレンジされているものもあり、原作では作者がストレートに書くと照れるからという理由で大半で匂わせる程度にしていた、ラブコメ調の演出がより強めに出される傾向もあった。最終回は完全オリジナルで原作とは全く異なるストーリーである。
当時フジテレビで平日夕方に放送されていたバラエティー番組『夕やけニャンニャン』から生まれたおニャン子クラブのメンバー高井麻巳子と岩井由紀子が『うしろゆびさされ組』を結成し主題歌を担当。こちらも人気を博した。ユニット解散の際には2人が本人役として本作にゲスト出演している。その後は生稲晃子・工藤静香・斉藤満喜子による『うしろ髪引かれ隊』が引き継いだ。
1986年の「東映まんがまつり」でアニメ映画化されたほか、同年にはセガ・マークIIIでTVゲーム化され、翌年には家庭用パソコンのMSX2に移植されている。また、2000年には「SIMPLEキャラクター2000シリーズ」でプレイステーションのテーブルホッケーゲームのキャラクターとなっている。
一方、2017年、2018年には舞台劇として上演されている。
掲示板
132 ななしのよっしん
2024/10/02(水) 22:21:51 ID: yGYeZ+gw/f
んん? ひばりくんじゃなくて?
133 ななしのよっしん
2024/10/02(水) 22:34:17 ID: CShH2GdgJL
奇面組からして美男子が入ったらまずい
大くんって乙女仕草でノンケも引っかかってるから
今で言うブサカワ系にあたるのかな
しかしいくら個性が大事だっていっても潔は今の時代完全アウトだよな・・・
134 ななしのよっしん
2024/12/31(火) 10:35:35 ID: MVMcOfMYxU
名物集団に骨岸無造(ほねきしむぞう)率いるインテリ集団「骨組」ってのもいたけど、彼らは有名進学校に行ったのでフェードアウトした
後のほうで弟のほうの骨岸無駄郎(ほねきしむだろう)が零を慕って出てくる
急上昇ワード改
最終更新:2025/02/19(水) 14:00
最終更新:2025/02/19(水) 14:00
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