「女シンジ」とは、アニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の主人公の少年「碇シンジ」の女性版を指す言葉。二次創作の界隈で使用されることがある。「TSシンジ」「女体化シンジ」などと表現されることもあるようだが本記事でまとめて扱う。
時には、少しその定義からずれて「女装した碇シンジ」や「碇シンジみたいな女」を指して使われることもあるようだ。
世の二次創作において「性別反転ネタ」というものは割とよく見かける。1995年から1996年にかけて放映され、社会現象となる程のブームを起こしたアニメ『新世紀エヴァンゲリオン』の二次創作界隈においてもそれは例外ではなく、ブームの全盛期には性別反転ネタの二次創作(「TSもの」などと呼ばれていたようだ)が多数作られていたという。
その中でも、特に主人公の少年「碇シンジ」を「女性化」したものが「女シンジ」「TSシンジ」「女体化シンジ」などとされて、同人誌や二次創作小説がまあまあの数存在していたようである(古いものには、既に入手困難であったりアクセス不能なものも多いらしいが)。「設定改変」で「最初から女性として生まれた」としたもの、「何らかの原因で男性から女性に変化した」とするもの、双方があったようだ。
後述するように、アニメ本編中でも碇シンジが女装するシーンは存在するためにその影響を受けて創作されたものか。あるいは『新世紀エヴァンゲリオン』のキャラクターデザイン担当者の貞本義行自らが認めてしまっていたほどにシンジが女顔で、女性化に違和感が出にくかったためかもしれない(『シンジの描き方』と題したショートコミック。『ふしぎの海のナディア』の主人公の少女「ナディア」の絵を描いてから、「まつげをとり髪型変えて出来上がり!」とのこと)。
pixivなどでは「碇シンコ」という、「碇シンジ」を割と乱暴にもじった名前・タグが使用されることがあるようだ(「関連リンク」のピクシブ百科事典記事参照)。
一方、テレビシリーズ第弐拾話「心のかたち、人のかたち」では、碇シンジが生まれる前の両親の会話の中で、父ゲンドウが「男だったらシンジ、女だったらレイと名付ける」と話しているシーンがある。そのことを受けて、「生まれつき女だった」と改変するパターンの場合は「碇レイ」と設定されることもあるらしい。
そんな「女シンジ」ものの二次創作作品の中には、「シンジは女になっていた方が救いのある展開になったのでは」という観点から作成されていたものもあったようだ。『新世紀エヴァンゲリオン』はそのストーリー中で登場人物にとって過酷な出来事が次々に起きるが、特に後半では複数のメインキャラの精神が追い詰められるような、陰鬱な展開になってしまう。こういった「重い展開の作品」について「もっと明るい展開に改変するような二次創作をしてみたい」という願望を抱くファンは割といるらしく、その手段の一つが「碇シンジを女にしてみること」だったらしい。
「女にすると何がどううまくいくというのか?」については様々で、「同級生男子から殴られるシーンがあったが、女子ならさすがに殴られにくいのは?」くらいの軽いものもある。だが、特に父である「碇ゲンドウ」に関連するものが多いらしい。碇シンジは幼い頃に父親ゲンドウに育児放棄されて知人に預けられてしまっており、本編でも冷たく当たられることが多い。そんな碇ゲンドウは亡き妻である「碇ユイ」に執着し続けている男で、実の息子のシンジを放っておいて碇ユイに似た少女「綾波レイ」と談笑しているシーンもあった。碇ユイ似の「娘」であれば、「息子」だった場合より少しはゲンドウから大事に扱われるのでは、という発想らしい。
しかし劇場版最終話「まごころを、君に」では碇ゲンドウが「俺がそばにいるとシンジを傷つけるだけだ。だから何もしない方がいい」という不器用ながら親心と、「自分が人から愛されるとは信じられない」という恐怖心から幼いシンジから離れたらしいことを明かしている。こういう動機であれば、「娘」であっても結局離れるのではなかろうか。
碇シンジはアニメ本編中でも女装している。テレビシリーズ第八話「アスカ、来日」にて、女性パイロット「惣流・アスカ・ラングレー」用の予備のプラグスーツを着る羽目になるため。
商品として販売されている版権取得作品の中でも女装させられている。例えばゲームソフト「新世紀エヴァンゲリオン2」では、冬月コウゾウ(碇ユイに好意を抱いていた)に碇ユイそっくりの格好やメイド服などに着替えさせられ、写真を撮られるというシーンがあったりする。
また、漫画『碇シンジ育成計画』やデフォルメシリーズ『ぷちえゔぁ』でも、碇シンジの女装ネタがあるという。
ゲームソフト『新世紀エヴァンゲリオン 2nd Impression』に登場するゲームオリジナルキャラ「山岸マユミ」は「内面が碇シンジに似ている」ことがキャラクターとしての、そして個別ストーリー上でのキーとなっている。
このゲームの関連書籍の企画において、このゲーム内に収録されている彼女の内面描写シーンを見たSF翻訳家の「大森望」氏は「これじゃ山岸マユミはただの女シンジですね(笑)。母親が父親に殺されたって設定はアスカ入ってますけど。」との感想を漏らしたという。
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最終更新:2024/04/23(火) 19:00
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