孫悟空（ドラゴンボール）とは (ソンゴクウとは) [単語記事]

孫悟空とは、鳥山明の漫画『DRAGON BALL』およびそれを原作とするアニメシリーズの主人公である。

サイヤ人としての本名は「カカロット」（後述）。アニメなどでの声優は野沢雅子。

概要

エイジ737年、惑星ベジータで誕生した戦闘民族サイヤ人だが、紆余曲折を経て生誕直後から地球で育つ。名前の由来は空から降ってきたことから（TV スペシャルでは育ての親である孫悟飯が空を見て孫悟空と名付けた）

職業は武道家で、天下一武道会に何度も出場している（出場回数は下記の「孫悟空はニート？」を参照）
天下一武道会のアナウンサーには最初、孫悟空を「まごごそら」と読み間違えられていた。

武道の師匠は孫悟飯（孫悟空の育ての親）、亀仙人、カリン、神、界王。また弟子にはウーブがいる。

黒髪で、つんつんぼさぼさした特徴的な髪型をしている。人里離れた所に住んでいたため、最初は見た目で女が認識できないほどの世間知らずだった。一人称は「オラ」。超サイヤ人に変身した後の一時期の一人称は「俺」。

赤ん坊の時に孫悟飯に拾われて育てられる。この時、邪悪な宇宙人を退治しようと地球に派遣されてきた銀河パトロールに目をつけられていたが、ふとしたことから難を逃れている。その後、少年時代にブルマと出会うところから原作が始まった。

少年期にはすでに、車にはねられ拳銃で撃たれても痛がって済むほど体が頑丈になっていた。しかし一般知識や計算などは苦手。お尻からは尻尾が生えていて、背中には孫悟飯から与えられた如意棒という伸縮する赤い棒を背負っている。
無邪気で素直な性格で、よいこにしか乗れない筋斗雲を乗りこなすことからもその人物がうかがい知れる。
一方で、満月を見ると大猿に変身してしまい、無意識に周囲を破壊してしまうという凶悪さをも秘めている。

青年期には身長が大幅に伸びて170 cmを超える。諸事情により尻尾も生えなくなり、少年期にはなかった一般常識もある程度は身に付いている。

あまり悩まず文字通り“無邪気”な善人だったが、大人になって父親としての自覚や、地球を守ると言う使命感などに目覚め、息子の成長を促したり、若い世代に地球を守ってほしいと語る場面もある。その判断が仇になってピンチを招いてしまうこともあり、結局自分が解決する羽目になることもあった。

原作およびアニメの描写の中での超サイヤ人の登場は、孫悟空が1番最初である（ただし超サイヤ人として覚醒したのは1番最初ではない）。

後に宇宙最強と称されるが、妻のチチや病気（ウイルス性心臓病）、（アニメでは）注射などにはかなわない。

敬語は苦手で、亀仙人の修行中に「オッスではないおはようございますだ」と言われるなど、いろんな人から注意されている。亀仙人に多少礼儀をしつけられてからは、偉い人には一応「様」を付けて呼ぶが、師匠の亀仙人は「武天老師様」と呼ばず、ずっと「亀仙人のじっちゃん」と呼んでいる。破壊神ビルスと初めて対話した際も、ぎこちない敬語を使っていた。

フリーザは、サイヤ人は宇宙空間では生きられないと語っていたが、子供の頃に兎人参化一味を月に連れて行っている。余談であるが孫悟空がこのときに大猿化しなかったのは、作者曰く「半月だから」。また兎人参化一味は宇宙のどこかで生きているとのこと（『ドラゴンボール冒険スペシャル』という本を参照）。アニメではバーダックやブロリーやパラガス、ベジータも宇宙で生きている。『神と神』では超サイヤ人ゴッドの状態で地球上空の宇宙空間でビルスと激闘を繰り広げたことから、ある程度は大丈夫なのだろう。

家族

孫悟空一族に関わる家系図
（※Wikipedia 引用・加筆修正、2021年現在）

バーダック（父）
　　┃　　　 ┏ ラディッツ（兄）
　　┣━━━┫
　　┃　　　 ┗ 孫悟空（カカロット）
ギネ（母）　　　　　 ┃
　　　　　　　　　　 ┣━┳━━━━━━━ 孫悟飯（長男）
　　　　　　　　　　 ┃　 ┃ 　　　　　　　　 ┃
牛魔王（義父）　　 ┃　 ┗━ 孫悟天（次男）　 ┃
　　┃　　　　　　　 ┃　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　┣━━━━ チチ（妻）　　　　　　　　　　　　 ┣━ パン━ ？━ ？━ ？━ 孫悟空 Jr
　　┃　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　 ┃
　　？（義母）　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　ミスター・サタン　　　　　　　 ┃
　　　　　　　　　　 ┃　　　　　　　　　　　　　　　┃
　　　　　　　　　　 ┣━━━━━━━━━ ビーデル
　　　　　　　　　　 ┃
　　　　　　　　　ミゲル

父親はバーダック、育ての親は孫悟飯。顔が同じターレスは血縁関係では無い。
ベジータとはライバル関係。ブロリーとは誕生日が一緒。
母親の存在については長らく明らかにされていなかったが、最強ジャンプ 2014年 3月号の特別付録コミックス『ドラゴンボール　エピソード　オブ　バーダック』に収録された原作者・鳥山明への特別インタビューの中で存在が明かされ、名前が「ギネ（インタビュー内で「ネギから来ていると思われる」とコメントされている）」であることも判明。ギネは2014年 4月4日発売予定の『銀河パトロール　ジャコ』の単行本のおまけマンガに登場する。原作・アニメを通してサイヤ人の登場人物の母親の存在・名前などが明かされるのは初めて。
2014年 7月4日発売の『DRAGON BALL フルカラー魔人ブウ編6』に収録された鳥山明への特別インタビューではミスター・サタンの奥さんの名前が「ミゲル」だと判明した。

孫悟空はニート？

『Z』やその劇場版だと働かない悟空の描写が顕著だが、これは原作の大人時代に少なかった平和な日常を描いているから、働かない悟空が際立ってしまうのかもしれない。そのせいもあってかスピンオフ作品『ドラゴンボールSD』でもチチが悟空との結婚を決意した際に「ニートにだけはならないでくれ」とお願いするなど、公式でも悟空＝ニートとネタにされている模様。ちなみに原作・アニメとも、セルゲームまでに車の運転はできるようになっている。

本人に限れば、育ての親が死んでからろくに人間に会わず山暮らししていた野生児なので、働かなくても文字通り食っていける。お金が必要になるのは、主に家族の社会生活のため。ただしサイヤ人の特性として大食いなので、飯屋に行くと際限なく食ってしまう。（少年期に亀仙人が得た天下一武道会の優勝賞金50万ゼニーを、同席者がいたとはいえ食事で殆ど使わせた。しかも約50人前は食べたのに腹八分目と言っている。）

稼いだ事がないわけではなく（少年時代だが）、亀仙人の修行を兼ねた土方バイトをしたり、西の都にはじめて来たときは、ブルマの家を探すためストリートファイトで10万ゼニーを得ている。アニメでは地球の裏側ヤッホイから天下一武道会が開催されるパパイヤ島に向かうため、キツネ少年のコンキチのアドバイスで飛行機に乗る費用にと、力試しで見事鐘を鳴らし3万ゼニーを獲得したりもしている。（結局飛行機には乗れず、泳いで向かっている。）

サイヤ人編で死んで生き返って以後は、強敵との戦いを続け、地球に帰ってきて3年経ったらセル編で死亡してしまい、魔人ブウ編終盤まで7年生き返らなかったため、働く機会が無かったともいえる（それまではチチの父・牛魔王の財産で生活していたが、それも残り少なくなっていた。息子が金持ちと結婚して以降は金銭的不自由がなくなる）。武道家として稼げそうな天下一武道会だが、優勝は第23回（優勝賞金50万ゼニー）のみ。第21回と第22回は準優勝、第25回は魔人ブウ騒動でベスト16、第28回はウーブの修業のため途中退場。また第何回目かは不明であるが、『ドラゴンボールGT』の少年の部で準優勝している。しかし原作、アニメともに賞金を受け取った描写はない。

なお、アニメでは魚をとったり薪木を用意する、『オッス！帰ってきた孫悟空と仲間たち！！』、『ドラゴンボール超』では（修行してぇ、ミスター・サタンから口止め料を貰ってる、と愚痴りつつ）チチと農作業する、など家庭の仕事は一応している。

カカロット

カカロットは、悟空のサイヤ人としての本来の名前である（『孫悟空』は育て親の孫悟飯がつけたもの）。
由来はニンジンを意味する英単語、キャロット（carrot）のもじり。

地球に来襲したラディッツにより、惑星ベジータで生まれた悟空は元々カカロットという名だと知る。
だが、誕生して間もなく地球に送り込まれ、悟飯が拾った後日に、誤って谷底へ落ちた悟空はこの名前を覚えておらず、知る機会も無かった。
ただ、もし悟空が頭を打たなかった場合でも、果たしてカカロットの名前を知る機会があったのかは謎。

ドラゴンボール公式キャラクターソング『ベジータ様のお料理地獄!!～「お好み焼き」の巻～』ではベジータがニンジンを調理する際「貴様の苦味には反吐が出る！」「バッキバキに刻んでやるぜ！」などといい、明らかに他の食材と態度が異なる。理由はもちろんニンジン（キャロット）をカカロットに見立てているため。

カカロットの名前を巡っては、『西遊記』で孫悟空が生まれた「花果山」（かかざん）の名も含まれている、亀仙流の胴着の色をニンジンと結びつけた、などの説もあるが、特に裏づけはない。

作中での使われ方

本人自らカカロットと名乗ることはない。ラディッツ来襲直後はこの呼び名を何度も否定していた。
サイヤ人を自覚するようになって以降も「地球育ちのサイヤ人・孫悟空」としているが、ラディッツと会った当初以外はカカロットと呼ばれても嫌がらず、わざわざ訂正することもなくなった。

ベジータたち純血のサイヤ人は孫悟空の名では呼ばず、一貫してカカロットと呼んでいる。
悟空の存在を知らないフリーザがカカロットと聞いただけで「その名前はサイヤ人か！」と言うあたり、サイヤ人特有の名前なのかもしれない。
ベジータは地球人と行動するうちに『孫悟空』の名を当然認識しているが、それでも最後までカカロットと呼び続けている（話の流れで「ソンゴクウ」とか「悟空」とか言ったことはある）。

「ドラゴンボール超ブロリー」ではブロリーに対し、孫悟空の名と、カカロットと自ら名乗った。

ベジータとポタラで合体した際には『孫悟空』ではなく『カカロット』の名を取って『ベジット』と名乗っている。
これは映画で先に出ていたゴジータと区別を図っただけかもしれないが。

作品外での扱い

ニコニコでも『カカロット』タグを使っている動画は案外多い。
これは西遊記、あるいは『最遊記』などの孫悟空との混同を避けるという利点があるが、そうした使い分け目的でつけられることは少ない。
現状、孫悟空タグの大半はドラゴンボール関係のようである。

どちらかというとサイヤ人中心の動画等であえて『カカロット』を使っている場合がある。
またブロリーの口癖なのでブロリー関連動画で盛んに使われている。

ゲーム『ドラゴンボールZ　超武闘伝2』ではタイトル画面で「↑X↓BLYRA」と入力すると「カカロット」と言うブロリーの声が響いて、隠しキャラのブロリーと悟空が使えるようになる。
一度に何度も入力すると何度も「カカロット」と言わせることができるため、「カカカカカカカカカカロット」と回数を競う遊びが流行った。
余談だが『神龍の謎』がDSの『ドラゴンボール DS2 突撃！レッドリボン軍』に移植収録された際、ポーズ中にこの「カカロットコマンド」を入力すると体力が回復するという裏技が追加されている。