宇宙エレベータ(軌道エレベータ)とは、地上と宇宙をエレベータでつなぐ輸送機関である。
宇宙エレベータ(軌道エレベータ)とは、惑星の地表から静止軌道*1上のプラットフォームまでを構造物(ケーブル、レール、塔など。以降は便宜上ケーブルとする)で繋ぎ、そこを運搬機で上下に輸送するエレベータのことである。
エレベータの運搬機は電気を動力とし、ロケットを使用するよりも安全に低コストで物資を輸送することができると期待されている。
宇宙エレベータの基本となるアイディアは「宇宙旅行の父」とも呼ばれるロシアのコンスタンティン・ツィオルコフスキーによるもので、赤道上に静止軌道まで届く塔を建てれば、その頂上では無重量状態になるであろう、というものであった。1895年(19世紀!)の事である。
ただし、地上からこのような塔を建てる事はまず不可能と言ってよく、当のツィオルコフスキーもこれは単なる思考実験として、ロケット推進の研究に力を注いでいる。
半世紀ほど経った1960年、同じくロシア(当時はソ連)のユーリ・アルツターノフが、逆に静止軌道からケーブルを吊すアイディアを発表。これが現在考えられている宇宙エレベータの基本となった。
塔を建てるよりは現実味が増したものの、依然として壁は高かった。後の計算によれば要求されるケーブルの強度(破断長)は鋼鉄の100倍以上。もちろんそんな素材は実在しない。
強度を補助するためのテーパ構造や、いっそのこと地上との接続を諦める派生アイディアなどが考えられ、また材料側でもいくらかの進展はあったものの、宇宙エレベータはしばらくの間、単なるSFガジェットとして扱われてきた。
1991年、カーボンナノチューブが発見され、これがどうにか要求強度に達しそうだと言うことが分かり、ようやく宇宙エレベータに実現の可能性が出てきた。
その後、日本では2010年代に入ると未来の技術として紹介されるようになり、徐々に一般への認知も進んできたが、何故かそれまで使われてきた「軌道エレベータ」の語に代わり「宇宙エレベータ」という名称が使われ出した。解せぬ。
とはいえ、2016年現在、カーボンナノチューブもその他有望とされる新素材も、まだまだケーブルとして使えるような形にはなっておらず、実際に使えるのかどうかは不明である。今後の技術の進歩に期待したい。
1979年にアーサー・C・クラークがSF小説『楽園の泉』に登場させて以来、SF分野の小説・アニメ・漫画では割とポピュラーな題材として扱われている。
また、古くから現在に至るまでフィクションの作品に登場する場合は「軌道エレベータ」または「軌道~」の名称の方が使われることが多い。
『劇場版 仮面ライダーカブト GOD SPEED LOVE』で、初めて実写化された(ただし、ケーブルなどはもちろんCG)。
ニコニコ大百科に個別記事のある作品は、題名を太字で記載している。
掲示板
227 ななしのよっしん
2023/09/04(月) 16:14:23 ID: L5rqDfUmGE
原理をものすごく噛み砕いて表現したら「人工衛星から紐垂らして地上に結え付けるだけの簡単なお仕事」なんだけど実際は全然簡単じゃないのよな
228 ななしのよっしん
2023/10/03(火) 09:25:30 ID: Qo9ohCy/mm
登場作品に初代遊戯王!?遊 戯 王 !?
どういうことなの・・
229 ななしのよっしん
2023/10/07(土) 00:43:30 ID: 2DbNqsnodY
鉄腕アダムって漫画見てたら軌道エレベーターにバベルって名前つけてて大草原だったわ
縁起が悪すぎてギャグだよ!
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最終更新:2024/04/24(水) 02:00
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