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あぐらぼ~くじょ~♪
安愚楽牧場(あぐらぼくじょう、英:Agura Bokujo)とは、かつて栃木県那須塩原市に本社をおいていた株式会社安愚楽牧場が営業していた牧場である(本項では、断りなく安愚楽牧場とだけ表記して会社側の説明もすることを留意されたい)。
日本における和牛預託商法の最大手であった畜産会社であり、7万人もの被害者を出した日本国内でも有数のポンジ・スキームの実行者でもある。
安愚楽牧場は1979年に、栃木県那須町(現:那須塩原市)の地元農家から協力を得て、牛1頭ではじまった牧場である。『安愚楽』の名は、明治時代の「胡坐鍋」と呼ばれる牛鍋を楽しむ庶民の姿を描いた仮名垣魯文の小説、『安愚楽鍋』に由来している。1981年には、畜産農家5人の出資で有限会社安愚楽共済牧場を設立。このとき設立者の三ヶ尻忍は農協に頼らない経営を模索していた。通常、農家は農業協同組合(以下、農協)から金を借り、設備を買い、販路に至るまでのサポートを受ける。これにより自分たちで直接資金調達することも、販路を開拓する必要もなくなる。しかしそのかわりその農協にかなりの取り分を取られてしまうのだ。
1982年に、三ヶ尻はあるアイディアを実行に移す。これは『和牛預託商法』というものである。安愚楽牧場は出資者に母牛を購入させ、そのオーナーとする。そしてそのオーナーから母牛を「預託されている」という扱いにして仔牛を産ませ、それを売却する。この売却益を原資にオーナーに配当を出す。牛の妊娠期間は10ヶ月であるため毎年仔牛が産まれ、売却益が産まれるため手堅い投資になるわけだ。
とは言うものの、このときの日本はバブル景気真っ最中であり、土地を買って転がせばもっと大きく儲けることが可能であった。このため、当時は投資商品というよりは、共済が主目的となっていた。しかしバブルが崩壊したことで相対的に和牛は手堅い投資先となった。安愚楽牧場もこの時期に共済から投資目的としての展開を軸に切り替え、元本保証を謳い、電通を代理店として広告を打ち、雑誌『あるじゃん』やWebサイト『All About』『楽天』などで和牛オーナー制度の宣伝やキャンペーンを展開した。また、経済評論家であり、後に経済産業大臣や立憲民主党常任顧問を歴任することになる海江田万里もいくつかの雑誌で安愚楽牧場の和牛オーナー制度を「手堅い投資」として紹介した。海江田は当時売れっ子経済評論家であり、『ウッチャンナンチャンのやるならやらねば』や『TXNニュース THIS EVENING』『海江田万里のパワフルサタデー』などで経済評論を行い信用も非常に高かった。
こうしたなか、和牛が「Wagyu」として世界展開される兆しが出てきたことで雨後の筍がごとく和牛預託商法を行う事業者が増加していった。しかしそれらの多くは実際に投資先となる和牛が存在しなかったり(=現物まがい商法)、集めた金を和牛ではなく他のものに投資していたり、酷いケースでは集めた金をそのまま配当に回したり(=ポンジ・スキーム)したことで、それが明るみになり次々と出資法違反や詐欺罪で倒産していく。こうして実際に和牛肥育の実態が存在する安愚楽牧場とふるさと牧場だけが残り、その後も出資者を集めていく。
最盛期には38箇所の直営農場と346戸の預託農家で13万頭の牛を肥育していた。
しかし、こうして順風満帆に見えた安愚楽牧場だが、2001年に牛海綿状脳症(BSE)が発生。BSEに感染した牛の肉を食べると変異型クロイツフェルト・ヤコブ病[1]に感染してしまうと言われており、翌2002年には産地偽装も発生し、牛肉そのものが消費者から忌避されるようになってしまう。こうしたなかでも安愚楽牧場は規模を拡大し続け、2009年には有限会社から改組し、株式会社安愚楽牧場となる。前年である2008年にはともに和牛預託を続けていたふるさと牧場が、「肥育していた牛とオーナーに説明していた頭数がずれている」「出資金をそのまま配当に回している」「このように支払い能力がかけていたにもかかわらず粉飾することで事業継続性があるように見せ、オーナーの募集を続けていた」ということが重なり破綻。
こうして唯一生き残り、「和牛預託商法の最後の砦」とされた安愚楽牧場は、2010年に口蹄疫問題に直面する。口蹄疫はヒトに感染してもBSEほどの問題こそないが、家畜の急死などに繋がるため拡大を食い止めなければいけない。しかし、ここで安愚楽牧場は牛のよだれや潰瘍といった症状を認めながら、その事実を隠蔽し、聞き取り調査があるまで通報せず、また本来獣医師が診断の上で行うべき投薬を一般従業員が実施していたことが明らかとなる。特に隠蔽のために牛の移動を行い、死亡場所を偽装したことで、本来なら口蹄疫対策として行われる家畜の移動制限が十分にできなかったことから、2011年に農林水産省は安愚楽牧場が口蹄疫の感染原因であると指摘。更に宮崎県検証委員会は安愚楽牧場が感染初発であった可能性についても言及する。こうして厳重注意処分をうけた安愚楽牧場であったが、オーナーの三ヶ尻久美子は出資者を集め神戸のホテルでパーティーを開催。その際に涙ながらに「口蹄疫で指摘を受けているが、国も応援してくれている。畜産をこの国からなくしてはならない」と語り、オーナーたちの支持を取り付ける。
……と、ここまで読んできた読者諸兄は、BSEや口蹄疫をなんとか乗り越えつつも安愚楽牧場は頑張って2011年まで成長を続けてきた、と読み取っただろう。だが、そうではない。実は1991年の時点で安愚楽牧場は牛肉自由化の影響を受け、1頭あたりの利益はもはや赤字に転落していた。更にこの時期、安愚楽牧場もまた他の和牛預託商法事業者と同様にゴルフ場・リゾートやホテル、美術館などノウハウのない事業に参入し資金を溶かしていた。更に、他を圧倒的に凌駕する規模でごまかされていたが、実は安愚楽牧場の肥育頭数はオーナーの出資している牛の頭数より少なかった[2]。なんのことはない。安愚楽牧場もまた、他の和牛預託商法事業者と同じように、頭数の水増しを行っていたのである。規模がでかすぎて気付きにくいだけで。
しかもここに追い打ちが重なる。それでも安愚楽牧場は13万頭もの牛を肥育していた現実は存在しており、現にたくさんの牛が牛肉として流通していた。しかし、その肉の品質は同業者をして「高くてまずい肉」であった。1頭あたりの利益が赤字であるため高く売るしかなかったのだが、高く売ったところでまともに旨く育っているわけではないため売れるはずもなかった。また安愚楽牧場はレストラン部門ももっていたが、そのレストランがよりにもよってまずいからという理由で安愚楽牧場産の牛肉使用を拒否する。
同業者はおろか自社内ですら低評価の肉であったが、加工肉としてなら売る方法もなくはない。しかしここで考えて頂きたい。安愚楽牧場が農協に頼っていないということは、安愚楽牧場は自社で販路を開拓する必要性がある。では安愚楽牧場はそれができていたのだろうか?結論を言えば、そもそもそんなことができる組織ではなかった。安愚楽牧場の営業部門は、オーナー営業部とまきば営業部しかなかった。よって安愚楽牧場の肉は各地の畜産市場を経由して出荷するという状態であり、畜産市場の売上を伸ばせるわけもなかった。畜産会社なんだけどなこの会社。
そもそも牛がまずいのも1頭あたりの利益が赤字であるのも、これだけのスケールメリットを活かせず肥育頭数が増えても1頭あたりの肥育コストが変わらなかったこと(コストダウン意識の欠如)、市場で40万が相場の仔牛をなぜか50-60万で買い付けていたこと(相場感覚の欠如)、上述の通りの販路開拓の失敗(そもそもほとんど試みてさえいないのだが)、更に仔牛の死亡率が高い(肥育技術力の欠如、配当の根拠となる仔牛販売頭数の不足)という「まあそりゃダメに決まってるよね」という話であった。
そんなわけで儲けがあるわけもないが、それでも配当はしないといけないので、結果として入ってきた出資金から配当を出すポンジ・スキームに陥った。これを持続させるために、本来であれば借金・負債として計上すべきオーナーからの出資金を、あろうことか利益として計上するという豪快すぎる粉飾決算を実行。更に、実際には頭数が申告より少ないにも関わらず、牛1頭に複数の個体番号を発行して水増しし、「牛は本当にいます」といった虚偽のパンフレットを発行したり、うその説明を行っていた(不実の告知)。
しかし2011年、そんな安愚楽牧場にもついに終わりの時が訪れる。2011年3月11日、東北地方太平洋沖地震(東日本大震災)が起きる。これにより出資者の多くが解約を申し込むことになる。安愚楽牧場は経営が悪化し、民事再生法を申請するも11月に破産。このとき、それでも再建を試みていたらしく、「東京電力の福島第一原発事故によって解約が増加した」として東電に損害賠償請求を行おうとした。なお東電サイドは安愚楽牧場のオーナーからの損害賠償請求に応じない姿勢をみせた。
そして2013年に不実の告知により特定商品預託法違反で三ヶ尻をはじめとした幹部が逮捕される。捜査当局はより重罪となる詐欺罪での立件も視野に入れていたが、少ないとは言え牛はいたので、詐欺罪立件は見送られた。
安愚楽牧場の最終的な被害実態が明らかとなった。7万人もの出資者が被害にあい、被害総額は4207億円。かつて日本最大とされてきた投資詐欺『豊田商事事件』を超える規模であった。
安愚楽牧場の被害弁護団が発足し、安愚楽牧場をはじめ、農林水産省・消費者庁が安愚楽牧場の虚偽の説明を信用してしまい、結果被害を放置したとして国家賠償請求訴訟が行われた。また、経済評論家として安愚楽牧場の投資案件を紹介してきた海江田万里についても責任が問われ民事提訴が行われたが、2016年に請求棄却となった。
安愚楽牧場の破綻により、和牛預託商法はすべて現物まがい商法であり、ポンジ・スキームでしかなかったことが露呈することとなった。しかし和牛預託商法がなくなったからといって詐欺がなくなるわけではない。現にこの投資被害者をカモにせんと、「債権を買い取る」などとして振り込め詐欺を行う者も登場している。
安愚楽牧場に関わる裁判は2022年4月になった現在でもなおすべて終結してはいない。
安愚楽牧場はCMにも力を入れており、牛がトレーニングをしたりするなど独特のセンスを見せていた。また黒毛和牛が歌を歌いながらネットで牛肉を注文するというシュールなCMも放映していた。
CMのなかで「安全な牛肉をお届けするのが私たちの仕事です。」としていたが、口蹄疫問題の際に事態を混迷させてしまっている。
掲示板
3 ななしのよっしん
2022/08/20(土) 21:54:25 ID: CBu38hlsBK
きとう弁護士の活躍事例
4 ななしのよっしん
2022/10/16(日) 17:26:39 ID: qTMjWx8V4U
海江田は有名だけど西川元農水相の息子がここの顧問やってて西川本人も献金受けてたってのはあまり知られてないな
5 ななしのよっしん
2022/10/31(月) 20:55:25 ID: ckrKHCo6Ci
うちの親が騙されてたな、確か30万くらい投資して最終的に1万くらい返って来てた覚えがある
当時この利回りは怪しいって忠告はしたけどもっと強く言っておけばよかったと後悔してる
急上昇ワード改
最終更新:2024/03/29(金) 01:00
最終更新:2024/03/29(金) 01:00
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