安楽智大とは (アンラクトモヒロとは) [単語記事]

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安楽智大（あんらく　ともひろ、1996年 11月4日-）とは、愛媛県出身のプロ野球選手（投手）である。

本来の表記は「安樂智大」。

概要

無所属
安楽智大
基本情報
国籍	日本
出身地	愛媛県松山市
生年月日	1996年 11月4日
身長体重	186 cm 87kg
選手情報
投球･打撃	右投左打
守備位置	投手
プロ入り	2014年ドラフト 1位
経歴
済美高等学校東北楽天ゴールデンイーグルス(2015年-2023年)
プロ野球選手テンプレート

小学校から野球を始め、中学時代は県大会準優勝。

済美高校では1年秋からエースとなり、2年には春夏連続で甲子園出場に導いた。県大会準決勝では157km/h、甲子園初戦では155km/hを計測した。2013年春の選抜大会にて記録した772球という異常な投球数は今なお語り草となっている。

8月の18U野球ワールドカップに出場。ベネズエラ戦では16奪三振を奪った。大会後、右肘の故障と骨挫傷でリハビリに費やす。3年夏に復帰したが、県大会3回戦で敗退した。

2014年ドラフト 1位で東北楽天ゴールデンイーグルスに入団。背番号20。

楽天時代

2015年は10月5日の福岡ソフトバンクホークス戦にてプロ初登板を果たし、6回を2安打5四球無失点に抑えてプロ初登板初勝利を達成した。

2016年は登録と抹消を繰り返しながらも一軍で主に先発として起用され、最終的に15試合の登板で3勝を挙げた。この年はオリックス・バファローズの金子千尋と4度も投げ合い、1勝2敗1分だった。

2017年は開幕前に右太もも裏を負傷。6月に一軍復帰したため、10試合の登板で1勝5敗に終わった。

2018年はキャンプで右肩を負傷した影響で調整が遅れ、一軍登板は9月の2試合に留まった。

2019年は9試合の登板に留まった。

2020年は中継ぎに転向して開幕を一軍で迎える。7月16日の埼玉西武ライオンズ戦ではアクシデント降板した弓削隼人に代わって緊急登板し3年ぶりの白星を挙げた。8月13日の西武戦でプロ初ホールドを記録した。一時はセットアッパーも任されるなどして5ホールドを挙げ、9月末に二軍落ちしてからは一軍登板の機会はなかったが、27試合に登板した。

2021年は開幕を二軍で迎えたが、福山博之が特例2021で登録抹消されたことで一軍に昇格。この年は勝ちパターンで起用された。自己最多の58試合に登板し、3勝3敗2セーブ22ホールドを記録した。

2022年は開幕を一軍で迎え、何度か2軍落ちを経験しながらも2年連続で50試合以上に登板し、6勝2敗1セーブ13ホールドを記録し主力リリーフとして活躍した。

2023年は2年連続で開幕一軍を迎える。主に火消しとして2021年に迫る57試合に登板し、シーズン通じて一軍に帯同したが、同年オフの契約更改直前に後述の不祥事が明らかになり、次年度の契約保留選手名簿に記載されず、12月1日付で自由契約となった。

プレースタイル

直球の最速は157km/h。変化球は縦と横のスライダー、落差のあるカーブを投げる。

不祥事

発覚

2023年 11月25日朝、スポーツ新聞各紙が安楽のパワハラ疑惑を報じた。
その中で報じられた安楽の行為は

「アホ」「バカ」などと日常的な後輩選手への暴言。
食事会の誘いを断った選手へ深夜に執拗な電話。
ZOZOマリンスタジアムのロッカールーム内で若手に「倒立しろ」と命令し、身動きがとれない状態でズボンとパンツを取って下半身を露出させ、陰部に靴下をかぶせて笑いものにする。
罰金と称し金銭を強要。
2021年の春季キャンプ中に選手の頭部を平手でたたく。

といったものであった。

同時に、これらは契約更改の場で複数の選手からの告発があったことで実態が表面化したことも報じられた。

ちなみに、このうち三つ目の行為について、「チンポソックス」の蔑称が安楽につけられることとなった。

また、これと時を同じくして安楽が後輩に送ったLINE メッセージの画像が流出しており、そこには執拗に電話への応答を要求する文面が映されていた。

また、上記パワハラについてより詳細に報じていたのが、週刊ポストとそのWEB媒体であるNEWS ポストセブンあった。具体的な内容は下記のリンクを参照。

《楽天・安楽パワハラ騒動》遠征先で「女を呼べ！」複数の現役選手らが決意の告白「あの人と野球をするのは限界だった」深夜の飲食店で後輩に大声で説教も

そこには、同僚選手（匿名）へのインタビューとして上記報道を裏付ける証言の他、下記の情報が載せられていた。

安楽がパワハラを始めたのは一軍に定着した2020年頃から。
毎日のよう飲み会が開かれていた。朝の3～4時まで飲むのはザラで、罰ゲームと称して後輩に無茶な飲み方をさせる。
飲み会を断った後輩には、飲みの場から電話をかけ、『なんで来ないんだよ』と電話越しに大声で説教。
選手だけではなく飲食店の店員や女性記者にも横柄な態度を取る。
告発のきっかけは安楽のパワハラに耐えかねたある選手が『もう耐えられない』と同僚に打ち明けたこと。これに安楽から被害を受けていたほかの選手たちが同調し、契約更改の場での告発に至った。

信頼性が低い媒体の情報ではあるものの、記事の内容がこれまでの報道と矛盾しないこと、証言が具体的なことからこの記事の内容自体はおおむね事実と受け止められている。

告発と報道を受け、楽天球団は上記パワハラ疑惑へのアンケート調査及び安楽の契約更改の無期限延期を発表した。

事実の確定、自由契約へ

その後、楽天はアンケート調査の結果を発表。約10人がパワハラ被害を受けており、ハラスメント行為を「見た、聞いた」という選手が約40人いたことがわかった。

この調査結果を受け、球団は安楽のパワハラの大半を事実と認定。(唯一、平手打ちに関しては「体を押した行為」として認定された)安楽は次年度の契約保留選手名簿に記載しないという形で事実上の解雇となった。

この事件の影響で、直近に控えていた選手納会はじめとする選手主導のイベントが軒並み中止となった。特に選手納会についてはコロナ禍の影響で2019年を最後に3年連続で実施が見送られていたこともあり、選手から落胆の声も上がった。

この他、11月29日に行われる宮城県塩竈市とのパートナー協定締結式も延期となるなど、球団そのものにも影響を及ぼした。

田中将大への非難

この事件で安楽本人だけでなく、安楽が兄貴分として慕っていた田中将大にも非難が及ぶこととなった。

元は、安楽のパワハラをみて現場に居合わせた田中がそれを笑っていたと報じた媒体があった事である。すぐにその媒体からは当該記述が修正削除されたが、球団内で数少ない安楽を止められる立場にあった田中が、それどころかパワハラに加担していたという報道は大きな衝撃を与え、田中にも非難が殺到した。また、同年10月に公開された松井裕樹の500試合登板記念動画において、安楽が松井の右隣に位置する内星龍の背中を軽く蹴って態勢を崩させている様子を笑って見つめており、田中自身も内の隣にいたトレーナーの頭に肘打ちしており、これも田中への非難を強めることとなった。

これについても週刊ポストが前述した記事の続編として同僚選手にインタビューを行っており、安楽と田中の関係について同記事には下記のように述べられている

田中は後輩の面倒見がよいことで知られているが、2021年に8年ぶりに楽天復帰してから特に可愛がっていた後輩が安楽だったという。

「田中さんは楽天復帰後、若手選手との距離感や接し方などに悩んでいたのですが、そこに近づいてきたのが安楽さんだと聞いています。田中さんにとって、安楽さんは若手と対話するための橋渡し的な存在で、田中さんがメシ会を開くときに、安楽さんが若手に声をかけて選手を集めていた。 -《楽天パワハラ騒動全舞台裏》自由契約の安楽と蜜月だったエース・田中将大がSNSで沈黙し続ける理由(https://www.news-post seven.com/archives/20231130_1924187.html)より

このほか、zakzakが「田中が安楽の後ろ盾となっていた」とする記事を掲載している

〝マー君の威を借る〟楽天・安楽智大のパワハラ疑惑　暴走を加速させた「後ろ盾」の存在「そうですよね、将大さん？」

zakzakは週刊ポスト以上に信頼性が低い媒体とされているためか大きな騒ぎにはならなかったものの、同記事内で用いられた安楽が後輩に絡む時に言っていたとされる「そうですよね、将大さん？」のフレーズは田中と安楽との関係性を象徴するフレーズとして少しの間流行した。

結局、信頼性のある媒体から「田中がパワハラに加担していた」ことが報じられることはなく、安楽が自由契約となった12月1日にSNSを一週間ぶりに更新。本件についてのコメントを出した。

ツイートを読み込み中です
 https://twitter.com/t_masahiro18/status/1730466917289545820

これをもって、田中への非難は（一応）収まることとなった。

成績

（2023年終了時点）
※青はリーグ最高、赤はリーグワースト。

年度別投手成績

年度	球団	登板	先発	勝利	敗戦	セーブ	ホールド	勝率	投球回	与四球	奪三振	失点	自責点	防御率
2015年	楽天	1	1	1	0	0	0	1.000	6.0	5	4	0	0	0.00
2016年		15	12	3	5	0	0	.375	84.1	22	64	33	32	3.42
2017年		10	9	1	5	0	0	.167	51.0	18	37	27	23	4.06
2018年		2	2	0	2	0	0	.000	8.0	2	2	10	9	10.13
2019年		9	4	0	2	0	0	.000	32.1	11	19	22	17	4.73
2020年		27	0	1	0	0	5	1.000	31.0	17	30	12	12	3.48
2021年		58	0	3	3	2	22	.500	56.1	33	50	13	13	2.08
2022年		52	0	6	2	1	13	.750	49.1	12	39	25	24	4.38
2023年		57	0	3	2	0	10	.600	47.1	18	32	16	16	3.04
NPB：8年		231	28	18	21	3	50	.462	365.2	138	277	158	146	3.59

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