トヤマコウセン
この項では、かつて富山港線を第三セクター方式で運営していた富山ライトレール、および同社が発行していたpasscaについても併せて説明する。
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1924年、富岩鉄道によって富山口駅(現在の日本海ガス本社付近)から岩瀬港駅(後の岩瀬浜駅)までの鉄道路線が開通した。これが現在の富山港線の始まりである。
当時は貨物線だったが、その後旅客営業も扱うようになり、さらに富山駅まで延伸する。その後1941年に富岩鉄道は富山電気鉄道に路線を譲渡し、富岩鉄道は解散した。運営が変わった元・富岩鉄道線は富山電気鉄道富岩線となった。
富山電気鉄道は2年後の1943年1月に社名を富山地方鉄道に変更する。そのため本路線も富山地方鉄道富岩線となる。しかしわずか5か月後の6月に富岩線は国有化され、日本国有鉄道富山港線となる。さらに1987年に国鉄が分割民営化され、本路線は西日本旅客鉄道(JR西日本)富山港線として継承された。
しかし2003年に転機が訪れる。このときJR西日本は富山港線および吉備線を路面電車に転換する構想を検討しており、翌年には富山市との間で富山港線路面電車化の合意がなされた。2006年3月1日にJR西日本富山港線は廃止、バス代行期間を経て同年4月29日には地域密着型の公共交通機関として富山ライトレール富山港線が開業した。
その後も交通の利便性向上を目的に、富山地方鉄道富山市内軌道線と富山港線を富山駅で接続して直通運転を行う計画が具体化する。先に2015年の北陸新幹線延伸開業に合わせて富山市内軌道線が富山駅高架下に乗り入れ、2020年2月22日には富山港線の延伸に先立って富山ライトレールが富山地方鉄道に吸収合併され富山地方鉄道富山港線となった。そして同年3月21日に富山港線は0.1km延伸され富山市内軌道線と直通運転を開始し、富山の南北統一が達成された。
上記のように、開業以来路線の概形は変わっていないのに6回も社名や路線名が変わっているというなかなか特異な路線と言える。しかも一度地鉄の経営を離れてから、77年の隔たりを経て再び地鉄として運営されるようになったというよくわからない経歴となっている。
路線はJR富山駅高架下にある富山駅停留場を起点に全駅が富山市に所在し、海岸に向かって北上するように路線は伸びている。
車両はポートラムと呼ばれる超低床電車が8編成導入されており、レッドやブルーなど8編成全てが異なるカラーで走っている。全車2車体2台車連接車で定員は80名となっている。低床が売りのポートラムはステップの高さが0.3mとなっており、2006年にはグッドデザイン賞金賞やバリアフリー優秀大賞などを受賞している。この他にも富山市内軌道線からサントラム・セントラムが乗り入れる。
運賃は富山市内軌道線区間を含め全線均一で、大人が210円、小人(小学生)が110円となっている。尚、passcaまたはえこまいかを利用すると割引になる。この場合大人なら180円、小人なら90円。
ダイヤは平日朝ラッシュを除いてほぼ15分刻みのダイヤとなっている。ちなみに富山駅の終電は23時30分。
また、フィーダーバスと呼ばれる富山港線の駅に接続する路線バスも運行しており、富山港線の運行時刻に合わせて駅に発着している。
「passca(パスカ)」とは、ポートラム・フィーダーバス・まいどはやバス・グランドパーキングで利用できる富山ライトレールが発行していたICカードのことである。前述の通り富山ライトレールは富山地方鉄道に吸収合併されたため、合併に先立ち2019年10月31日で新規発売を終了した。
2010年3月14日からは富山地方鉄道の発行している「えこまいか」とも相互利用が可能になったことで、一枚のカードで富山ライトレールと富山地方鉄道の市内電車・路線バス等を利用できるようになった。
払い戻しが可能であり、手数料210円を引いた額が返金される。逆に再発行には手数料525円とデポジット(500円)が必要。
通常のpassca以外にもシルバーパスカ・競輪専用ICカードがあり、シルバーパスカは65歳以上の方が使用でき、対象車両・対象時間の利用では運賃が100円になる。競輪専用ICカードは富山競輪が、競輪開催日に来場者が富山ライトレールに乗車できるよう発行された。
券種 | 初回販売額(デポジット含む) |
大人用 | 2000円(500円) |
小人用 | 2000円(500円) |
ポートラム定期券(3ケ月) | 19,440円(通勤定期) |
駅番号 | 駅名 | 接続路線 | 周辺施設 |
4系統:桜橋・西町・南富山駅前方面へ |
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C15 | 富山駅停留場 | 富山地方鉄道:本線(電鉄富山駅) 西日本旅客鉄道:北陸新幹線・高山本線(富山駅) あいの風とやま鉄道:あいの風とやま鉄道線(富山駅) |
富山県庁・富山市役所 北陸電力本店・北日本放送本社・タワー111 |
C27 | インテック本社前駅 | インテック本社ビル(タワー111) | |
C29 | 奥田中学校前駅 | 富山市立奥田中学校 | |
C30 | 下奥井駅 | 富山市立奥田小学校 | |
C31 | 栗島(大阪屋ショップ前)駅 | 大阪屋ショップ粟島店・富山市立奥田北小学校 | |
C32 | 越中中島駅 | 富岩運河環水公園 | |
C33 | 城川原駅 | 富山地方鉄道南富山運転区城川原管理所 | |
C34 | 犬島新町駅 | ||
C35 | 蓮町(馬場記念公園前)駅 | フィーダーバス | 蓮町公園・富山県岩瀬スポーツ公園 |
C36 | 大広田駅 | 富山市立萩浦小学校 | |
C37 | 東岩瀬駅 | 富山市立岩瀬小学校 | |
C38 | 競輪場前駅 | 富山競輪場 | |
C39 | 岩瀬浜駅 | フィーダーバス | 富山港展望台 |
掲示板
7ななしのよっしん
2019/09/13(金) 12:03:19 ID: shMfb9/eGQ
(独立した企業)→地鉄→戦時買収で国鉄→JR→ライトレールになって三セク化→地鉄再び買い戻す(予定)という謎の経歴を持つ路線
8ななしのよっしん
2020/07/15(水) 11:21:09 ID: Wcz9N9DmZW
>1924年、富岩鉄道によって富山口駅(現在のインテック本社前駅のやや岩瀬浜駅寄り
開業当初の富山口駅のあった場所は、もっと南東
日本海ガス本社の南側。
立体交差化から廃止までは県道30号と現あいの風とやま鉄道線の立体交差部の横、
9ななしのよっしん
2020/08/23(日) 11:06:43 ID: SgiQA4B93s
>>sm37402190
迷列車北陸編で遂に来ました~後篇楽しみ
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最終更新:2021/01/28(木) 08:00
最終更新:2021/01/28(木) 08:00
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