寒天とは、テングサなどの紅藻類を煮溶かし固めたものをいったん凍結したのち乾燥させた製品である。
煮溶かし固めた状態のものが所謂「ところてん」であり、「寒晒しで作るところてん」からこの名がついたといわれる。
細かい事かもしれないが、英語で寒天は「agar」と呼ぶのだが、日本で食材として手に入る「寒天」と「アガー」は、微妙に製法が違い性質も異なる別の品なので購入の際は注意のこと。特に透明度が全然違う(寒天は白濁するが、アガーは透明度が高い)。
元は江戸時代に、参勤交代途上の島津侯が京都伏見の旅宿・美濃屋にて、食べ残しのところてんを戸外へ捨てたところ寒空のもとで凍結し、その翌日に日の下で溶けて乾燥した事で、海草くささの無い、鬆の入った乾物に変わった。これを発想の大元として、宿の主人が創製して売り出したのが寒天の始まりといわれている。
炭水化物(正確には多糖類。いわゆる食物繊維)で構成されている食物なので、消化吸収されにくい。したがって低カロリー食品として利用・並びに紹介されることも多い。健康食品、並びにダイエット食品としてテレビ番組や広告で幾度となく取り上げられたのはご存知の通り。
ニコニコ動画では料理関連における、寒天による創作デザートが専ら評判である。
「寒天で目玉を作ってみた」で知られる『寒天に憑依された人』の作品が特に有名か。
寒天は熱に強い(100℃の高温にさらされても、温度が下がれば元通り)。また食物繊維のみの存在のため、これを分解できる酵素が少なく、ましてや栄養源として消費できる生物はほとんどいない。そのため、微生物の研究の際に目的の微生物を増殖させるフィールド「培地」として非常に都合が良い。円形シャーレに微生物が増殖している写真がよく有るが、あれはたいてい、栄養素を溶かした液体を寒天で固めたこの「寒天培地」が使われている。
この寒天培地のために、一時期日本からの輸出品目上位に寒天が躍り出たとか。現在は逆に日本が輸入しているが…。
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7 ななしのよっしん
2015/06/13(土) 12:24:03 ID: bgxwYraEIq
8 ななしのよっしん
2017/09/30(土) 11:53:55 ID: pFfvpfW3Hn
培地として高温に強いのは100℃より121℃に耐えられることが重要
一般に微生物用の培地の滅菌は121℃で行われるから(100℃では不十分)
湯煎で融けて室温で固まるのも扱いやすい
そして原料は培地用の寒天は専用である必要が無く市販の寒天で十分なので安価に済む
あとDNAの分析手法の一つである電気泳動に使われるのも寒天
食物繊維が網状に絡んでいるので試料を電圧をかけて寒天に通そうとすると分子量が大きいほど引っ掛かりやすく移動距離に差が出るのを利用して分離・分析する
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最終更新:2025/01/25(土) 13:00
最終更新:2025/01/25(土) 12:00
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