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対戦車兵器 単語

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タイセンシャヘイキ

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対戦車兵器とは、読んで字の如く戦車を撃破するための兵器全般である。

航空機から発射する対戦車ミサイルからロケットランチャー、対戦車地雷まで様々である。

概要

対戦車兵器は戦車の撃破を的として開発・運用される兵器のことである。

もちろん戦車専用…という訳ではなく、その他の装甲戦闘車両を破壊する際にも用いられたり、その破壊力から強固な敵地や敵の立て籠もる建物を攻撃する際にも用いられる場合もある。いずれにしても有効な対戦車兵器がなければ敵戦車に応戦どころか一方的無双されてしまう羽になる。

兵器の形式ではなく的で区別するカテゴリーのため、対戦車兵器と呼ばれる兵器は多種多様である。

相手側の特徴
  • 特に戦車は強固な装甲による高い防御力を備える。
    • 通常の小銃弾程度の攻撃は一切通用しない。
    • 防御力を高めるべく、二重装甲、追加装甲といった様々な工夫を凝らしてくる。
  • 強力な火で武装し、を問わず索敵・正確な射撃を実施できる。
  • 無限軌道による高い走破性で進軍してくる。
  • 騒音や死といった欠点も多いとはいえ、欠点を補い効率的に攻撃できるよう随伴歩兵やその他兵器兵科と連携して攻め込んでくる。(→諸兵科連合
求められるものなど

破壊力、取り扱いの容易さ、射程、精度、重量、コスト、汎用性など。

仮に命中しても一撃で破壊できなければ、手痛い反撃を受ける羽になる。
携帯式の対戦車兵器は破壊力や射程が少々劣るものの、柔軟な運用が可である。

一部は車両航空機に搭載して使用されるが、いずれにしても大きく重量のあるものが多い。
的榴弾など、戦車歩兵双方に使用できるものもある。(ただし榴弾としての性は劣る)

APFSDSのような特に装甲貫通力に特化した弾もある。

携帯発射式の対戦車兵器は敵の装甲車両を撃破できるよう、分隊・班員の1人が持っている場合も多い。

カテゴリー

対戦車兵器の例と解説を列挙する。

対戦車砲

※牽引式と自走式(戦車戦車駆逐)があるが、ここでは牽引式について記載。

 高初速の徹甲弾を発射して戦車の装甲を貫通させることを的とした。機動力に欠けるので、歩兵部隊戦車に対抗するために使用される防御的兵器である。特徴としては、直接照準のみで間接照準は行わない、高初速を出すための長身、戦場で動き回る戦車を確実に捉えるためにの左右への可動範囲が広い、敵に見つからないよう全高は低い、などがあげられる。また、徹甲弾だけでなく榴弾を発射しての対歩兵攻撃にも使用される場合がある。

 第二次世界大戦までは要な対戦車兵器だったが、戦車恐竜進化を遂げ、それに対抗するために対戦車巨大化して重くならざるを得なくなり、対戦車力を伸ばし始めた戦車や機動力のある自走砲、より簡易な無反動砲、対戦車ロケットランチャーの登場により対戦車兵器としての価値を失い、退役していった。

対戦車ライフル

 対戦車ライフル版、要は高初速の徹甲弾戦車の装甲を貫通させようというである。第一次大戦の頃の、機関銃 弾に対する防御力のみを持たせた戦車には有効であったが、第二次世界大戦戦車の装甲が強化されるとたちまち陳腐化。「歩兵が携行する対戦車兵器」の座は 対戦車ロケット無反動砲に譲った。[2]

詳しくは 対戦車ライフル の項へ

例:マウザーM1918、九七式自動

梱包爆薬

 単純に言えば大量の爆薬カバンにいれて一セットにした強力な爆弾。元々は工兵建物を爆破するために開発されたが、大量の爆薬ということで戦車セットして起爆してやれば大ダメージを与えることが可だったため、対戦車兵器に転用された。正規に開発されたモノ以外にも現地で爆薬をかき集めて作った急造のモノも存在する。戦車に触れられるくらい薄しなければならないという欠点があったが、爆薬さえあれば対戦車戦闘に使えるということであちこちで使用された。日本軍では布団爆弾と呼び、歩兵にとって力の対戦車兵器だったようである。

(日本軍では、戦車体上に設置して時限式の信管を作動させて使用した。)

対戦車地雷

 大量の爆薬戦車の底で起爆させることで、戦車の最も弱い部分の一つである底面や履帯を破壊することを的とした地雷。だいたい2kg~10kgくらいの爆薬を詰めて、人間程度の重さのモノが載っても起爆しないように設定されている。ただし人間が乗っても絶対安全というわけではない。バリエーションとして、磁石体にくっつけてから起爆する吸着地雷や、リモコン起爆式の対戦車地雷も存在する。余談ではあるが、ドイツは吸着地雷が敵軍によって開発・使用されるのを恐れ、体の磁性を消すツィンメリット・コーティングを開発戦車に塗布していたが、バズーカやPIAT開発した戦車薄しなければ使えない吸着地雷を全く開発しておらず、結局これはドイツとちり・杞憂に過ぎなかった・・・・・・なんてエピソードがある。

日本軍では、爆弾を抱えたまま戦車の下に飛び込んで自爆する、特攻兵器であるかのイメージが強いが、
本来の使用方法は、他の吸着地雷と同じである。
自爆攻撃に使用されるようになったのは、アメリカ軍が吸着地雷対策として戦車に木スパイクを装着したことで、吸着地雷がくっつかなくなり、に乗って爆薬を設置できなくなったためである。

地雷特性に関しては 地雷 の項も参照。

:九九式破甲爆、M15対戦車地雷M19対戦車地雷、92式対戦車地雷

対戦車擲弾

 戦車の損傷や破壊が可レベル爆薬を一塊にして、投擲できるようにしたグレネード。手で投げるタイプライフルグレネードとして小銃に装着して発射するタイプ、専用の擲弾発射器で発射するタイプの3つに大別される。

手で投げるモノには、現場で手榴弾に追加で爆薬を巻きつけた即席のものも存在する(というか恐らくこちらが発端である)。戦車進化により、単純な爆発戦車を撃破するには人間では投げられないレベル爆薬が必要となったため、粘着榴弾や成形炸薬弾を利用したタイプが登場したりもしたが、最終的に手投げ式はれた。

 現在ではライフルグレネード擲弾発射器で発射するタイプが使用される。擲弾発射器には対戦車ロケットランチャー無反動砲としたものもあり、個別の対戦車兵器をカテゴライズする際に非常に面倒なことになっている。

例:PIATパンツァーファウストRPG-7、RKG-3、タテ器

対戦車ロケット弾

 対戦車力(大抵は成形炸薬弾)を持つロケット弾。通常、ロケットランチャーと合わせて歩兵1~2人で運用可なように設計される。第二次世界大戦アメリカ軍が使用したバズーカがその先で、軽装の歩兵部隊にも安価に対戦車力を持たせることが可となった点が非常に画期的だった。バズーカ鹵獲したドイツ軍は急いでこれを解析・模倣してパンツァーシュレック開発している程である。しかし、射程が短い、命中率が低い、噴煙が後方に噴射されるので閉所では使えないなどの問題があり、後にロケットを大化し誘導力を持たせた対戦車ミサイルに発展する。

詳しくは ロケットランチャー の項へ

例:バズーカパンツァーシュレックM72LAWSMAW

・誤解されがちだがバズーカは製品名のため、ロケットランチャー全体をすものではない。

対戦車ミサイル

 対戦車ロケットに誘導力を持たせた兵器第二次世界大戦後に開発された兵器ではあるが、現在では歩兵部隊にとって必須とも言ってよいモノである。最新の対戦車ミサイルでは最大で数kmの射程を持ち、撃ちっぱなし力や戦車の装甲が最も薄い上面を狙うトップアタックモードなどの機実装されている。が、その代償として高価となっており、狙う標によってはより安価な対戦車ロケットランチャー無反動砲との住み分けが行われている一方、対艦ミサイルよりは安いとして小の舟艇を攻撃することを想定した対戦車ミサイルも存在する。

 歩兵に持たせるものも多いが、より大車両に搭載するタイプや、攻撃ヘリコプター戦闘機攻撃機に搭載する対地ミサイルも存在する。

詳しくは 対戦車ミサイル の項へ
自衛隊における配備・呼称については 対戦車誘導弾 の項へ

例:TOWジャベリンAGM-114ヘルファイア
 79式対舟艇対戦車誘導弾、87式戦車誘導弾、01式軽対戦車誘導

無反動砲

 カウンターマスや火ガス弾の発射と同時に後ろに放出することで、作用反作用の法則により反動ゼロ、あるいはほぼゼロにする兵器身を薄く軽く作ることができるため、歩兵が持ち運べる簡易なとして利用される。成形炸薬弾を使用することで対戦車戦闘も可であり、対戦車ロケット較して命中精度が良く、対戦車ミサイル較すると安価なため、対戦車ミサイルと並行して配備・運用しているもある。欠点としては、後方にカウンターマスや火ガス放出されるため、使用時には後方にスペースを十分確保する必要がある点があげられる。

 弾を装填すれば何度でも使える再利用式、一回使用したら終わりの使い捨て[3]、射程延長のため弾にロケットブースタを搭載したもの、弾が身内に収まっているもの、弾が無反動砲の先端に取り付けられているもの等々、形式はさまざまである。

詳しくは 無反動砲 の項へ

例:パンツァーファウストRPG-7AT4カールグスタフ

対戦車犬

現在は使用されていない

 爆薬と起爆スイッチ(垂直に立てた木製レバー)を背負わせた第二次世界大戦時のソ連の対戦車兵器である。敵戦車の下に飛び込ませて爆薬を起爆させ、それで戦車を破壊しようという胆で、そのためには戦車の下に餌を置いて戦車の下=餌があると条件付けして飛び込ませる訓練が施された。

…が、実際に戦場で使用したところ、戦場音にビビってもとの味方地に飛び込んで起爆しただの、訓練でドイツ軍戦車を用意できなかったので自軍の戦車で代用していたため現地でも味方の戦車に飛び込んで見事撃破しただのとトラブルが多く、あっという間に姿を消した。一応、ドイツ軍はこの動物兵器にかなりビビったらしい。

刺突爆雷

現在は使用されていない

 棒の先に成形炸薬弾を取り付け、これで装甲を突いて起爆、もって戦車を撃破しようという日本軍驚異の対戦車特攻兵器。他からすれば狂気の沙汰としか言いようがなかったが、っ当な対戦車兵器の日本軍では重宝され、現地生産も行われていたようである。第一次インドシナ戦争でもベトナム側によって使用された。

実際には不発が多く、装甲を突く前に使用者が死傷することが多かったため、効果は薄かったらしい

戦車

戦車自体も敵戦車との戦闘・撃破を想定している。

すごく大雑把な広義に言うならば
戦車の搭載しているも対戦車だし、戦車も対戦車兵器といえる。
ただし他の兵器較すると大コストが高く、柔軟性に欠けるといった欠点も。

口径や装甲厚は戦車によって異なるため、絶対的な性を一概にはいえない部分もある。

様々な対戦車兵器の発達によって
戦車なんていらなくね?」をガチでやってしまったのが戦車不要論(項参照)である。
※実際は不要でなく、様々な意味で代替しづらい点も多いなど、全撤した際のデメリットも多い。

その他

対戦車兵器とは少し異なり、元々が対戦車兵器の製品として設計されたものではないが
ありあわせの弾や爆薬を組み合わせたIED即席爆発装置)が対戦車攻撃に用いられる場合もある。
ゲリラテロリスト等、イラク戦争でも米軍列を狙った攻撃として行われている。

特性としては対戦車地雷・梱包爆薬と似ている部分もあるが(手動起爆式も多い)
即席とはいえ組み合わせ次第ではそれらをかに駕する威力も製造可
(決まった形がないため、理論上は無限に組み合わせられる) → IED

関連動画

関連項目

脚注

  1. *ゲージ装甲。RPG-7等の弾頭部を着弾時にショートさせたり、成形炸薬弾の最適な起爆タイミングをずらす、外側で炸裂させることで対戦車兵器の高い貫力を発揮させない。
  2. *現在は同様の物が対物ライフル対物狙撃銃)として長距離狙撃に使用される。
  3. *一発限りの使い捨てな反面、再利用式と較し軽量(さらに小な場合も)であり通常小銃と共に個人携帯しやすく、大勢への配布も容易である。
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