小笠原諸島西方沖地震

小笠原諸島西方沖地震とは、小笠原諸島の西方沖で発生する地震である。以前からこの地域ではM7程度の大きな地震が発生している。

ここでは2015年5月の地震について扱う。

概要

2015年5月小笠原諸島西方沖地震

発生日時：2015年5月30日 20時23分(JST)
震源：小笠原諸島西方沖
深さ：682km(当初は590km)
規模：気象庁マグニチュード[Mj]8.1(当初は8.5)、モーメントマグニチュード[Mw]7.8

気象庁によると、1900年以降発生した深発地震で、マグニチュード8以上の規模の地震では、世界最深。

また、震源が非常に深かったため、この規模であるにもかかわらず津波は発生しなかった。

地震の規模としては東日本大震災以降、最大規模であった。

各地の震度

震度5強：東京都小笠原村母島、神奈川県二宮町
震度5弱：埼玉県鴻巣市、同県春日部市、同県宮代町

そのほか、震度4を静岡県から茨城県にかけて、震度3を静岡県から宮城県にかけての広い範囲と、福岡県、福井県の一部で観測した。
また、この地震においては、1885年に気象庁が地震観測開始後、初めて全国47都道府県で震度1以上を観測する地震となった。

緊急地震速報

この地震は、地震波検知後、3.4秒後に緊急地震速報(予報)を発表した。

しかし、一般的にテレビやラジオで見る・聞くような緊急地震速報(警報)は発表しなかった。
発表しなかった理由について、気象庁は「深発地震であるため、正確な震度の予測が困難であったため」としている。

被害

交通

地震発生直後、首都圏や東海地方などの鉄道が一時運転を見合わせた。

多くはすぐに運転を再開したが、東海道新幹線は約1時間、JRの山手線や京浜東北線など、一部の路線では約3時間程度運転を見合わせた。

エレベーター

エレベーターの管理会社によれば、この地震で都内の高層ビルやマンションなど、少なくとも1万3000台のエレベーターが停止し、地上に降りられなくなるなどの被害があった。
また、都内に限らず、大阪などでもエレベーターが停止するなどの被害があった。

その他

• 震度5強を観測した小笠原村と二宮町では、通常の大雨の警報・注意報の基準を暫定的に8割程度引き下げて運用することとなった。
• この前日には口永良部島が爆発的噴火を起こし全島民が避難する事態となり、二日連続で大規模自然災害が国内で発生する異例の事態であった。
• また、現在の地震観測・発表システムが確立して以降、初の47都道府県全ての1箇所以上で震度1以上の地震を観測した。（北は北海道中南部から南は沖縄北部まで）
• 味の素スタジアムで試合中のFC東京対柏レイソルの試合や、平塚での湘南ベルマーレ対サンフレッチェ広島の試合が地震で中断するなどした。
• 韓国でも揺れが観測され、ニュースとなった。
• ニコニコ生放送でも多くの生放送が放送中に地震に見舞われる事態となった。

関連動画

関連項目

• 地震
• 小笠原諸島