小西行長とは (コニシユキナガとは) [単語記事]

「小西行長（こにしゆきなが）」（永禄元（1558）年-慶長5（1600）年）とは、戦国時代から安土桃山時代にかけての武将である。
キリシタン大名でもあり、洗礼名はアウグスティヌス（アゴスチノ）。官位は摂津守。

概要

堺の商人・小西隆佐の次男として生まれたが、商売の為にたびたび訪れていた宇喜多直家（宇喜多秀家の父）にその才能を認められて武士となる。さらに織田信長の命により毛利攻めの途上にあった羽柴秀吉の下に使者として遣わされると、めでたく覚えられて召し抱えられた。
豊臣政権下では水軍を任される。紀州征伐でも水軍を率いて参戦。天正13（1585）年の第二次太田城の戦いにおいては水攻めにも加わり、軍艦から砲撃を加えるなどして加勢したという。
とは言え華々しい戦での活躍は少なく、どちらかと言えば後方支援、運搬、輜重を担当する事が多かった。それもあってか、武断派で知られる加藤清正は、行長のことをたびたび「商人の子」と呼んで蔑んでいたともいう。
この頃、高山右近の影響を受けて一族揃って洗礼を受け、キリシタンとなった。母・わくさ（洗礼名・マグダレーナ）はその後秀吉の正室・寧々(高台院)に仕えたともいう。

しかし天正15（1587）年、バテレン追放令が秀吉により出される。
この時行長は棄教を拒否して浪人となった高山右近や、京都を追われたオルガンティノ神父らを領地のひとつである小豆島に匿った。自らは表向き棄教した風に装っていたともいう。

同年、九州征伐の功績を認められ、肥後国（現在の熊本県）の南半分にあたる宇土・益城・八代三郡を与えられた。その後これに従わなかった天草の国人衆を平定した事で、天草も所領となった。キリシタンであった行長の庇護の下、天草は人口の2/3がキリシタンであったと伝えられている。
ちなみにこの時、肥後国の北半分は加藤清正に与えられている。しかし前述の確執に加えて領地が接していた事、清正が熱心な日蓮宗の信者であった事から、たびたび対立していたという。

朝鮮出兵（文禄・慶長の役）においては水軍を率いて渡海し、先鋒として参戦する。平壌にまで軍を進めるなど奮戦したが、最終的に秀吉の死により撤退する事となった。
その後、石田三成と徳川家康の間で起きた対立については、徳川家康に近づく姿勢を示していたものの、西軍として石田三成に味方する事になる。これはかつての主の息子・宇喜多秀家の存在や、かねてより遺恨のあった加藤清正が東軍についた事が関係していたとも言われている。

慶長5（1600）年、関ヶ原の戦いにおいて奮戦するも、小早川秀秋らの裏切りにより戦線が瓦解。行長は伊吹山山中に逃れた。
厳しい詮議と落ち武者狩りが続く中、キリシタンである為に自害が出来ない行長は、雑兵の手にかかる前にと覚悟を決める。落ち武者狩りを指揮していた関ヶ原の庄屋・林蔵主に面会し、自分を差し出して褒賞を取るよう告げたという。
10月1日、京都市中を引き回された行長は、六条河原において石田三成・安国寺恵瓊と共に斬首された。浄土門の僧侶による祈りを拒み、キリストとマリアの聖像を押し頂いて、従容として首を差し出したと伝えられている。その遺体は教会に引き取られて葬られたというが、墓所は伝わっていない。

当時のローマ教皇・クレメンス8世は、遥か東方の地で果てたキリシタン・小西行長の死を悼んだという。また行長の死から7年後、イタリアのジェノバでは彼を主人公とする音楽劇が作られ、上演されたともいう。

戦後、領地は加藤清正の領地に併合されたが、息子・加藤忠広の代になり改易。代わって細川忠興の息子・細川忠利が転封され、熊本藩は大政奉還まで肥後細川家によって治められた。

小西家の滅亡後、家臣団は浪人となって各地に散った。
関ヶ原の戦いから37年後に起きた島原の乱には、益田甚兵衛（天草四郎の父）、森宗意軒ら、小西家に仕えた旧家臣が加わって一揆衆を率いている。

また、行長が築いた宇土城・麦島城のうち、宇土城の天守は清正によって熊本城へ移築され、宇土櫓となったという伝承がある。

信長の野望

「信長の野望」（PC）シリーズにおける小西行長の能力一覧。

シリーズ皆勤賞。一貫して高い政治能力が魅力的。また史実通り水軍適正に優れている事が多く、戦闘力も数値以上の活躍が見込める。作品によってはキリシタンであることや商人出身である事が相性にマイナス補正をかける事も。

	軍事能力						内政能力
戦国群雄伝(S2)	戦闘			42			政治	78			魅力	51	野望	57
武将風雲録(S2)	戦闘			51			政治	80			魅力	65	野望	69	教養	70
覇王伝	采配	74	戦闘	63	智謀	30	政治	78					野望	70
天翔記	戦才	132(B)			智才	90(B)	政才	156(A)			魅力	74	野望	69
将星録	戦闘			61	智謀	55	政治	83
烈風伝	采配	68	戦闘	45	智謀	54	政治	76
嵐世紀	采配	47			智謀	44	政治	71					野望	49
蒼天録	統率	50			知略	52	政治	75
天下創世	統率	51			知略	53	政治	72							教養	63
革新	統率	77	武勇	63	知略	70	政治	84
天道	統率	77	武勇	63	知略	70	政治	84
創造	統率	75	武勇	62	知略	67	政治	84
大志	統率	80	武勇	69	知略	77	内政	88	外政	87