屍人とは、SIRENシリーズに登場するクリーチャーである。
概要
シリーズ毎によって細かな設定が異なるが、人間から変化し、身体中から血を垂れ流し、緩慢な動きをする、ゾンビの様な風貌であるという、共通した特徴を持つ。
そのグロテスクな外見とは裏腹に、非常に秩序的な社会を形成しており、『幻視』を用いた意思疎通や、個体に応じた役割分担といったものを行いながら、まさしく『生活』をしている。
また若干の知性も備わっており、人間であった頃の記憶や習慣に基づいた行動を行う。しかしそれはあくまで生前の記憶をなぞって行動しているだけであり、そこに思考や意思は介在しない。海還りから帰って完全な屍人になるとこれらの記憶すらなくし、ただ頭脳屍人に感覚をつながれ 操られるだけの存在に成り果てる。ただ、頭脳屍人は本能的とはいえ生前の記憶をおぼろげながら残すようである。また他の屍人でも酒好きなどの嗜好が残っているケースもある
SIRENの屍人
初代SIRENの屍人化の条件
- 村の各地に湧き出る赤い水を、体内に吸収する
- 死亡する

羽生蛇村各地で登場しており、その大半が村民である。
以上の条件を満たした状態で、定期的に村に響き渡るサイレンの音に晒される事で屍人(半屍人)へと変化する(但し、赤い水を体内に吸収するだけでも、屍人に近い状態になるケースも存在する)。
屍人化すると不死性が備わるようになり、どんなに外的損傷を与えられようとも、瞬く間に自己再生を開始し復活する。ただし行動不能には陥るので、ある程度の損傷を受けると復活までの追い打ちを避けるため身体の硬質化に移行する(これをシェル化と呼ぶ)。
- 半屍人
- 一般的な屍人の姿。赤い水を体内に受け入れたことによって、不要となった血液を身体中から排出させている。名の通り、屍人としては未だ不完全な状態であり、定期的に行われる『海送り』『海還り』を繰り返すことによって、完全な屍人へと進化を遂げる。
- 驚異的な命中率で猟銃を撃ち放し、数多のプレイヤーに無限ループの恐ろしさを身をもって感じさせた、通称ゴルゴ屍人は、半屍人でありながらも重要な役職であるようだ。
- 犬屍人
- 変態屍人の一つ。女性のみが、この形態へと進化する。四つん這いの体勢と、額から生えた二本の角が特徴。
- 地を高速で駆け回る、高い段差も飛び越える等、俊敏な動きを見せる一方で、扉を開けるといった行動も取れないほど知能が失われている。そのため蜘蛛屍人共々頭脳屍人による制御が必要。その身体的特徴からか、野外等の広い場所で巡回している場合が多い。
- 蜘蛛屍人
- 変態屍人の一つ。男性のみが、この形態へと進化する。四つん這いの体勢と、前後反対に捻じれた頭部、後頭部であった箇所から新たに芽生えた複眼が特徴。
- 壁や天井に張りつく事が可能で、視覚外から急襲されることもしばしば。聴覚にも優れており、僅かな物音にも敏感に反応する。犬屍人同様、扉の開け閉めは出来ない。こちらは病院や小学校といった、屋内によく潜伏している。
- 羽根屍人
- 変態屍人の一つ。明確には語られていないが、男性のみが、この形態へと進化する。背中から生えるトンボの様な四枚の羽根と、昆虫の様に変化した頭部が特徴。正確には元の頭部に鼻の下から突き出るように新しい頭部が形成されているタイプと首に新しい頭部が形成された2タイプが存在する(顔が二つある。鼻の下から出たものは元の頭部の口が新しい頭部に移動したり唇の跡が残っていたりする)
- 上空を飛行しながら索敵を行っているため、視界が非常に広い。また銃器を携行しているので、苦戦は必至。シチュエーションや個体数が限られているのか、登場するステージは多くない。
- 頭脳屍人
- ブレインと読む。変態屍人の一種で、この形態に進化するには、なんらかの素質が必要らしいが、詳細は不明。辛うじて人間らしい外見を保ってはいるが、一様に頭部がおぞましい形に変化している(フジツボやカイメン、ウミウシといった海生生物が顔面に張り付いた状態)。一説には海送りの入水の際に赤い海に生息する生物が付着し一体化したものではないかと言われている。
- 半屍人と同じく知性は残っており、人間であったころの記憶に準じ、何かに執着するかの様な行動を取るものが多い。
- 犬・蜘蛛・羽根の各変態屍人の感覚を統制する司令塔的な役割を持つ。そのため頭脳屍人が斃れると、支配下にあるこれらの屍人も途端に行動不能に陥る。よって基本的には戦闘力に乏しく、戦わずして逃げる者が殆どだが、個体によっては攻撃に秀でた者や、配下の屍人を使い数の利をつけ攻勢に転じる者も存在する。
SIREN2の屍人
人間の死体に屍霊と呼ばれるモノが取り憑いた存在。黒い靄の様な姿をした屍霊は光に弱く、懐中電灯の灯り程度の光で消滅してしまう。そのため屍人となることで人間の身体を『殻』にし、光からその身を守ろうとしている。
初代とは異なり不死性は無く、外的損傷を与えると中身の屍霊は消滅してしまう。但し、別の屍霊が新たにその死体に入り込むので、結果的には死なない。それでも、死体の損傷が著しくなると、屍霊自らその『殻』を捨て、新しい『殻』を求めて人を襲う様になる。
屍人の間は、死体となった人間の記憶を基に行動するようになり、屍人同士で会話をしたり、場合によっては恋愛感情が生まれる場合もあるようだ。
同作に登場する闇人とは、近しくも決して相容れぬ存在として、敵対関係にある。
SIREN:NewTranslationの屍人
設定等は初代に基づいているが、細かな点が異なる(シェル化しない等)。
- 人型屍人
- 初代の半屍人に相当するが、此方を発見すると急に動作が機敏になり、手刀で身体を貫く・首の骨を折るといったアグレッシブな行動を見せるようになる。他にも日常生活での細かな動作やぼやき等もうかがうことが出来、ある種コミカルな面も感じさせる。
- 時間経過で変態屍人への進化を遂げる者もいるが、どういった条件でそれが行われるのかは不明。
- 蜘蛛屍人
- 変態屍人の一つ。初代とは異なり、男女共にこの姿へ進化する他、喋るといった知性も保ったままである。仰向けに捻じれた身体、昆虫の腹部の様に膨れ上がった胴体、異常に著しく細くなった腕に新しく表れた節など、まさしく蜘蛛を連想させる非常にグロテスクな装いとなっている。
- いなくなった犬屍人の役割も兼ねているため、村各地に登場する。
- 羽根屍人
- 変態屍人の一つ。蜘蛛屍人と同じく、男女共に進化し、喋る。頭部から一対の羽根が生えており、これを用い飛行する。その他瞼も羽根の形状に変化している。また民家の壁等にガの様に止まる事も可能になった。
- 今作では素手や軽い武器持ちが殆どで、高度を合わせて殴りかかってくる。
- 怪力屍人
- 犬屍人に変わり、新しく登場した変態屍人。2m程の巨体を持ち、腰部から上がカイコガの幼虫の如く変化し、そこに人間の顔面と腕とが生えているような姿をしている。それに加え、赤ん坊の様な甲高い泣き声が、一層の嫌悪感を感じさせる。
- 名の通りの怪力を誇り、ポスト等の大きな物体を片手で投げ飛ばして攻撃を繰り出してくる。ステージの関門的な意味合の敵で、攻撃力・体力共に高いため、普通に倒すには相当の労力を要する。
- 頭脳屍人
- 変態屍人の一つ。初代と同じく多くは頭部が変容するが、モチーフが蟲等をベースした物になっている(ヤスデ、ハチ等。海外を視野に入れた作品であるので、外人が嫌悪対象にしやすい陸生生物に切り替えたということらしい)。その他、羽根屍人としての機能を兼ね備えた者や、人の姿から大きくかけ離れてしまっている者まで存在する。蛹や繭のような姿になり自分では動けなくなった者もいる。
屍猫(しにゃんこ)
- 猫が赤い水を摂取して死ぬと屍猫になる。基本的にはNewTranslationに準拠。
- トロ・ステーション内限定の物で、もちろん本編には登場しない・・・・
はずであるが、主人公の一人であるハワード・ライトが伊藤家から脱出するシナリオの特定の場所でそれらしき鳴き声を聞く事が出来るとか(ただし、屍猫によるものかその他の生物によるものかは不明) 。
関連動画
SIREN
SIREN2
SIREN:NT
関連項目