山陰(さんいん)とは、日本のある一定地域を指す名称である。山陰地方のことを指す。
だいたいは1か2を指すことが多い。対義語は山陽。2つ合わせて陰陽、陰陽地方といわれる。
山陰とは、古来より中国山地を陰陽にわけ、北側を陰、南側を陽(風水の影響)と呼び分けたことに因み、京の都から山陰道と呼ばれる街道が通っていたことに因む。古くはたたら製鉄や石見の銀の産出などで栄え、明治時代までは全国でも発展したエリアの一つだった。
だが、明治になって東海道、山陽道が国土の中心となり、更に東海道新幹線、山陽新幹線が大動脈となると、裏街道となった山陰地方は大幅な発展の後れを余儀なくされ、工場誘致もあまり進まず沿線人口も停滞、衰微した。加えて後述する積雪地帯のために電化工事もままならず、現在も山陰で電化されているのは山陰本線の一部区間と伯備線のみである。
日本海側に都市が展開し、内陸は中国山地におおわれるため都市はほとんどない。
日本海側では東から京都府舞鶴市・宮津市、兵庫県豊岡市、鳥取県鳥取市、倉吉市、米子市・境港市、島根県安来市・松江市、出雲市、大田市、江津市、浜田市、益田市、萩市、長門市、そして下関市となっている。これらのうち最大人口が松江市(20万)、そして鳥取市(18.8万)、出雲市(17.2万)、米子市(14.7万)で、あとは人口8万人の舞鶴市などもあるが、だいたい3~6万の小都市である。
これらの都市には国道9号線と山陰本線、そして部分的に山陰自動車道が通っているが、沿線人口の少なさによる需要見込の少なさや工事の困難さなどもあって、高速化、アクセス改善は遅々として進んでいない。むしろ、陰陽や京阪神を結ぶ自動車道の方が充実してきており、京都縦貫自動車道、鳥取自動車道、米子自動車道、松江自動車道、浜田自動車道が、それぞれ中国自動車道を結んでいる。
特急では京都発、大阪発の特急があり、冬場のカニ需要など一定の客を持つが、未だほとんどがディーゼル特急であり、特急電車は伯備線の『やくも』だけである。しかし、この『やくも』は線形が悪く、381型のせいで『吐くも』と言われるほど酔いやすいため、あまり評判は良くない。一方、ディーゼル特急でも専用路線の存在によって大幅な速達性を達成した智頭急行『スーパーはくと』『スーパーいなば』は評判が高く、それまで陸の孤島だった鳥取市と京阪神圏のアクセス改善に大きく貢献している。
そして、案外空港が多く、脆弱な鉄道、自動車道網のため、空路に活性化を見出しているためである。東から但馬空港、鳥取空港、米子空港、出雲空港、石見空港と地方空港が5つあり、それぞれ首都圏や一部関西を結んでいる。しかし、利用が振るわず、関西便が廃止された路線や1日2便しかない過疎路線もある。
主な産業は農水産業であり、特に冬場のカニ漁は有名。めぼしい水揚げ港でも京都府の間人(たいざ)、兵庫の津居山、香住、鳥取県の浦富(うらどめ)などがあり、この一帯のオスのズワイガニは松葉ガニと呼ばれ、専用のツアー特急が出るほど人気が高い。それ以外にもブリ、ヒラメ、アジ、ノドグロなど海の幸が豊富で、しかも現地だとかなりお値打ち価格である。特に鳥取県境港市の境漁港と島根県浜田市の浜田漁港は国内指折りの漁港(特定第三種漁港)である。
農業では特徴的な産業に鳥取平野や香住周辺の梨、鳥取県中部のスイカ、出雲平野のブドウ、倉吉のメロン、意外なところでは丹後地方のミカン栽培などがある。また、出雲平野周辺では稲作や茶栽培も盛んだが、平野部が少ないためにそこまで振るわない。
工業はそこまで振るわないが、鳥取県や島根県は機械産業やIT関係の誘致を行っている。特に島根県松江市ではRuby開発者のまつもとゆきひろが拠点を置いており、Rubyエンジニアが世界から集まる場所となっているなど、IT産業が発展している。
山陰地方は古くから関西、そして山陽からの行楽地、観光地として一定の人気を保っている。
観光面はまず温泉資源が豊富である。京都府の天橋立温泉、夕日ヶ浦温泉、兵庫県の城崎温泉、湯村温泉、鳥取県の三朝温泉、皆生温泉、島根県の玉造温泉、温泉津温泉、山口県の湯本(長門湯本)温泉、俵山温泉、川棚温泉などがあり、山間部にも岡山県の美作三湯(湯原温泉、奥津温泉、湯郷温泉)などがある。カニツアー列車が成り立つのもこの温泉資源あってこそ。
また、歴史的な資産も多い。特に出雲大社、松江城は近年特に観光客増加が著しいエリアであり、米子自動車道の拡幅、松江自動車道、山陰自動車道、出雲空港の整備などもあって年間約1000万人が訪れる。京都府の天橋立、伊根の舟屋、安来市の足立美術館、小京都津和野や世界文化遺産となった石見銀山、温泉津の町並み、萩城下町、元乃隅神社なども人気が高い。
境港市の水木しげるロード、宍道湖の夕日が綺麗なしんじ湖美術館、バブルリングのシロイルカで知られる水族館『しまね海洋館アクアス』、国内最大の砂時計がある『仁摩サンドミュージアム』なども人気の観光地である。
自然景勝に恵まれており、山陽地方より当時をとどめたものが多い。百名山の大山、三瓶山、氷ノ山、宍道湖や中海といった湖畔、そして兵庫の但馬御火浦や浜坂、香住海岸や丹後の天橋立、鳥取の浦富海岸、島根の美保関や日御碕、山口の青海島、近年では角島大橋も人気となっている。また、船を使って隠岐に行けば、国内有数の絶景「国賀海岸」などもある。
後述する積雪地帯であることからスキー場も多い。特に関西からの一定需要を見込める兵庫県の鉢伏高原(ハチ・ハチ北)、神鍋高原(かんなべ)や広島県北部の芸北エリア、大山、島根県にも点在している。スキー顧客の減少、温暖化に伴う降雪量の減少、雪質に劣る問題などに悩まされるものの、車で1時間ほどという近接性のアドバンテージは大きく、広島の芸北などでは九州北部からも訪れる人がいる。
山陰地方は東北羽越地方、紀伊半島などと並び現在最も過疎化が深刻化している地域の一つである。鳥取県は現在人口約55.5万、島根県に至っては年々減少を続け現在67万人であり、明治の島根県設置時より人口減少している)。更に京都府丹後地方、兵庫県但馬地方、山口県長門地方も過疎化が著しく、全部を足しても岡山県一つの人口にも及んでいない。
そのため、鳥取県と島根県が合併して鳥根県構想もあったが、県都問題(鳥取、米子、松江で争いが起きた)や東西にやたら長い(名古屋から熱海ぐらいまである)地形のせいで、行政が行き届かないという指摘などもあり、実現は頓挫した。
その停滞の最大の原因は第一に積雪、豪雪地帯であることが大きい。特に昭和40~50年代は寒波が多く、交通が寸断され続け、集落を捨てる人が跡を絶たなかった。また、明治から戦後にかけて大地震(石見地震、丹後地震、但馬地震、鳥取地震)なども頻発し、豪雨もたびたび起きたため、そのたびに集落が荒廃していったのである。また、東北では上野への集団就職があったように、山陰では京阪神への集団就職があり、出稼ぎのために田舎から送り出した若者が戻ってこなくなっている。また、京阪神だけでなく山陽ほか他地方への転出も多い。近年は大都市とのアクセスが改善された鳥取、米子、松江は堅調を維持、出雲市に至っては人口増加に転じているが、他のエリア、特に内陸部の過疎化が相当ひどくなっている。
また、農作物の出荷、観光など京阪神、山陽地方の景気、経済の影響をもろに受けるため、東京一極集中も懸念している部分がある。
整備新幹線構想もあるが、宙に浮いたまま(四国より実現性が低い)である。だが、周辺住民は新幹線よりまず電化、線形の改良を要求している。
掲示板
8 ななしのよっしん
2023/04/15(土) 20:56:54 ID: iOGiuly5f6
関東圏か太平洋ベルト地帯への移住移民が進む中でそのいずれにも属していない山陰はもう終わりとしか
コロナへの他地域に比べ過剰なのも高齢者しか残ってない地域ならではの現象で今後の未来を暗示してるなぁと思います
9 削除しました
削除しました ID: JYcpRUSTQV
削除しました
10 ななしのよっしん
2023/11/05(日) 10:35:49 ID: JYcpRUSTQV
8番目のような差別発言を削除せず
それに苦言を呈した発言は削除される
本当に差別好きな掲示板だね
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最終更新:2024/09/21(土) 06:00
最終更新:2024/09/21(土) 06:00
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