岐阜羽島駅とは (ギフハシマエキとは) [単語記事]

岐阜羽島駅（ぎふはしまえき）とは、岐阜県羽島市福寿町平方にある東海旅客鉄道（JR東海）の東海道新幹線駅である。通称羽島駅(はしまえき)。

概要

岐阜県内にある唯一の新幹線駅である。なお、JR東海の在来線は無い。
駅前には、岐阜羽島駅を設置させたとされる大物政治家大野伴睦夫妻の銅像が建っていることもあり、一般的に「大野が政治力で設置させた駅」と勘違いされることも多い。真実としては岐阜県への駅設置の際、直線ルートで計画してた国鉄が大回りになる岐阜市経由を希望した県や地元自治体を説得するため、岐阜県内に駅を設置することを大野に伏せた上で羽島市への設置を働きかけるよう頼んだ、と言われている。
後述するが、この周辺には東海道本線新快速停車駅、養老線、樽見鉄道などのターミナルにもなっている大垣市（人口約16万）があり、ここに作る計画もあったのだが、一帯は揖斐・長良川水系の地下水が滞留する脆弱な地盤であったため、新駅建設を断念し、比較的地盤が丈夫な羽島市に決まった経緯がある。
もし岐阜羽島駅が無かった場合は岐阜駅廻りで建設され、大阪から名古屋や東京までの所要時間が今よりも数分遅くなっていたかもしれない。岐阜羽島駅自身が無駄の多い政治駅の建設を阻止した象徴であると言っても過言ではないのである。とはいえ、当初は岐阜県には駅を設置する計画もなかったので、多少なりとも働きかけの影響力はあった。
また、当初は東海道にしたがい、三重県を通す計画だったのだが当時の技術では鈴鹿山脈は褶曲が複雑なためトンネルでぶちぬいて通す技術も時間も足りなかったので、関ヶ原ルートが採用された経緯がある。一方、東海道新幹線内では積雪地帯を通るため、時折ダイヤの乱れの元凶になることも。
ほぼ全時間帯で「ひかり」と「こだま」が毎時1本ずつ停車するダイヤである。利用客は東海道新幹線で最も少ないがほとんどの「こだま」や名古屋以西各駅停車の「ひかり」が当駅で「のぞみ」の通過待ちをしており、ダイヤ上で「のぞみ」の速達性を確保する重要な役割を担っている。
名古屋鉄道（名鉄）羽島線の新羽島駅が隣にあり、岐阜市内まで行く事が可能なため、JR東海の在来線を利用するために岐阜駅へ向かうことも可能。なお、名鉄羽島線は15分に1本の頻度で出ている。
また、名阪近鉄バスが大垣駅との間で路線を運行しているため、大垣駅から在来線を利用することも可能。実際、県第2の大垣市に行くにはバス本数は1時間に一本であるものの、大回りとなる鉄道を使うよりずっと速く（10分ほどで到着する）、大垣市やそこをターミナルとする西濃地方の住民からはそれなりに利用されている。
一方、かつては岐阜乗合自動車（岐阜バス）が岐阜駅との間で快速線を運行させていたこともあったが、後から開業した名鉄羽島線とグループ内競合をしたこと、さらにJRの快速列車の登場により、岐阜市から直接名古屋に行った方が断然アクセスが良くなったことで、廃止されてしまった。

駅構造

島式ホーム2面4線の高架駅。副本線に乗り場が4線（0・1番線ホーム、2・3番線ホーム）ある。

ホーム	路線名	方面
0番線	東海道新幹線	使用停止中（ダイヤ異常時、臨時に使用する場合あり）
1番線	東海道新幹線	名古屋・東京方面
2番線	東海道新幹線	新大阪・博多方面
3番線	東海道新幹線	使用停止中（ダイヤ異常時、臨時に使用する場合あり）

本線2本に副本線が4本と東海道新幹線の中間駅では規模が大きい。これは大阪方面の関ヶ原越えに備えるためであり、豪雪で運行を見合わせる際に列車を多く留置できるようになっている。

駅周辺

駅周辺に格安の駐車場が多くあり、自家用車の利用者にとってはパークアンドライド目的で利用しやすい駅である。なお、岐阜県だけでなく、愛知県西部の自家用車の利用者が名古屋駅を利用した場合よりも格安な駐車場を利用できるため、当駅を利用することも多く、県外の利用者も多い。（旅行等で何日も駐車する場合に多い）
岐阜羽島インターチェンジが近くにあるため、バスと新幹線の乗り換え拠点となる事が多く、特に新幹線で当駅まで来て、バスに乗り換え、飛騨方面などの観光地に向かうことも多い。
駅周辺に複数のビジネスホテルがあるなど、宿泊施設が充実しており、駅弁販売も復活したりするなど、何もなかった駅前も岐阜観光の新たな拠点、玄関口として賑わいを見せるようになっている。