巨人のドシンとは (キョジンノドシンとは) [単語記事]

『巨人のドシン』（きょじんのどしん）とは、任天堂が発売したゲームソフト。1999年に64DD版が、2000年にはNGC版が発売された。

※64DD版発売時のタイトルは『巨人のドシン1』であるが、ここでは便宜上末尾の1を省略して呼称する。

概要

ジャンルは「アゲ・サ・ゲーム南国風」。

ゲーム内に明確な目的は存在せず、ゲームクリアやエンディングは存在しない。主人公である巨人を操作して、熱帯の孤島「バルド島」の島民の生活に介入したり、地形を「アゲ・サゲ」して作り変えたりして自由に遊ぶことができる。

プレイヤーが操作する黄色い巨人は、朝日と共にバルド島に現れる。そして夕日が沈むと同時にその日の巨人は死亡するが、次の日の朝になると、別の巨人が誕生する。これがゲームの基本サイクルとなっている。

バルド島の島民は巨人に対し、フキダシを出す形で様々な要望を伝えてくる。巨人はそれらの要望に答える（植樹や整地を行う）ことで、島民から「ハート」を受け取ることができる。「ハート」が一定数貯まると、巨人の身体が一回り大きくなる。

また、島民を踏み殺したり、島民が建てた建物を破壊したりすると、「ドクロ」が集まってくる。「ドクロ」も一定数貯まると、巨人が大きくなる。

ただし、いくら大きくなっても、次の日になると初期状態に戻っている。（というか新しい世代の巨人が誕生する）

島には赤、青、黄、緑の衣服を着用した人々が生息しておりそれぞれの色によって建造物や家畜など個性が設定されている。そして、島民の集落が一定レベルに達すると集落の中央にモニュメントと呼ばれる巨大建造物を建造する。

このゲームにおいて唯一の目的らしい物としてそのモニュメントを全て造らせるという物がある。モニュメントがすべて集まるとエンディングを見ることができるのだが……（ネタバレ注意）『最後のモニュメント、「バベルの塔」が完成すると、ナレーションと共に「カタストロフ」と呼ばれる大破壊が発生し、バルド島は消滅。その後エンディングムービーが流れ、スタッフロールが再生される。一連の演出はシュールでかつ鬱だが、大自然の摂理といった非常に深いテーマを伺わせるものとなっている。』まあ、これも一つの目的ではあるが、様々な楽しみ方が存在するゲームなので、無理して目指すべきものでは無い。

巨人の生態

主人公となる巨人だが、その生態はほとんど明かされていない。

体つきは人間に似ているが、足が短く、胴と手が長い。通常時は全身が黄色であるが、それが素肌なのか体毛に覆われているのかは不明。ただし頭のてっぺんには頭髪と思しき黒い毛が生えている。

顔は目に当たる2つの黒い点と大きく湾曲した黒い線で構成されており、笑っているように見える。耳たぶと思しき突起物が顔の両サイドに付いているが、鼻に当たる器官は見受けられない。

また腹部に「ヘンポ」という突起のような器官（？）を持っている。DD版ではこのヘンポからの視点でプレイすることも可能。一見ヘソのようにも見えるが、ヘソというには妙に下の方に付いている。何というか、ヘソと何かの中間ぐらいの位置にあるというか・・・

手を波打たせるように動かすことで、地面を隆起させたり、逆に沈降させたりする能力を持っている。

大きな特徴の一つとして、ボタン一つで見た目を変えることができるというものがある。通常時は黄色い「ラブ巨人（ドシン）」だが、ボタンを押すと「ヘイト巨人（ジャシン）」に変化する。ヘイト巨人になると、全身の色が赤に変わり、顔も目が釣り上がり、口は歯を見せて笑っているように見える。（NGC版では、背中にコウモリのような羽も生えている。）