延沢満延とは (ノベサワミツノブとは) [単語記事]

「延沢満延」（のべさわ・みつのぶ 1544 ～ 1591）とは、延沢銀山を守る出羽のヘラクレスにして、怪力に定評のある最上義光も逃げ出す大力剛腕に定評のある最上家の金剛力士。

名は「延沢満信」「野辺沢満延」「野辺沢満信」とも

出羽のヘラクレス

出羽の延沢銀山を有し、延沢城を普請した延沢満重の子に生まれる。

延沢氏は、天童氏を筆頭とする天童八楯と呼ばれる

天童氏
延沢氏
飯田氏
尾花沢氏
楯岡氏
長瀞氏
六田氏
成生氏

のメンバーに数えられる一族であり、天童氏当主・天童頼久（天童頼澄）に従って、出羽のFOXこと鮭スキー最上義光に対抗した。

※天童八楯は、最上氏の分家で構成されている事から最上八楯とも呼ばれている。

越後上杉家の史書にも「怪力無双」と記録されている最上義光だったが、延沢満延はさらにその上を行く豪力無双の出羽のヘラクレスであり、延沢満延のヘラクレスぶりに手を焼いた最上義光は、自身の愛娘である松尾姫を述沢満延の息子・延沢康光に嫁がせて外戚とすることで味方に引き入れた。

最上義光に与するにあたり、延沢満延は、それまで盟主と仰いでいた天童頼久への義理を通す為に、最上義光に対して「天童頼久を討たぬ事」を条件にしていた事から、最上義光が天童氏の居城・天童城を攻略し、天童頼久が伊達氏を頼って落ち延びようとした際に、最上義光は延沢満延との約束を守って、天童頼久を追わないように厳命し、無事に伊達氏へと逃げおおせた天童頼久は、伊達家臣となった。

豪腕無双

最上義光も、秋田氏の書状において

話をする時であっても、常に手には鉄の指揮棒を握っておられる

と怪力ぶりが記されているが、ヘラクレスか金剛力士かカイリキーかとも言われる延沢満延が与することとなった際に、その力こそパワーへの興味から力比べをしてみたくなった最上義光は、腕力自慢の家臣7～8名ほどと共に帷子を着て延沢満延を待ち伏せした。

現れた延沢満延に対して、家臣達が次々と襲いかかるも、出羽の金剛力士たる豪腕で延沢満延が2秒間に1000発の高速パンチもかくやとばかりに軽々と投げ飛ばしていくカイリキーぶりを見せ、「このままだと殺られる」と思った最上義光がとっさに近くの桜の木にしがみつくと、なんと延沢満延は、最上義光と共にその桜の木を根っこから引き抜くという大力無双ぶりを発揮したのだった。