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急性硬膜下血腫とは、主に外傷性の血管損傷によって脳硬膜下腔に形成される血腫である。
急性硬膜下血腫(Acute subdural hematoma:ASDH)は、外傷や動脈瘤破綻によって硬膜とクモ膜の間に血液が貯留し、血腫(血のかたまり)が形成される致死的な病態である。頭蓋骨と脳の間には硬膜・クモ膜・軟膜という3層の髄膜が存在し、頭蓋骨と硬膜の間の出血は「硬膜外血腫」、硬膜とクモ膜の間の出血は「硬膜下血腫」、クモ膜と軟膜の間の出血は「クモ膜下出血」と呼ばれている。
ASDHでは急速な血腫の形成により頭蓋内圧が亢進して脳が圧迫されるため、脳ヘルニアをきたし死亡や後遺症(片麻痺や失語など)に至る可能性がある。脳挫傷を併発しているケースもあり死亡率が40~60%と高く、急性硬膜外血腫と比較して予後不良である。回復して社会復帰できるのは発症全体の2割に満たないとされる。
交通事故や転倒・転落による頭部の受傷のほか、虐待による乳幼児の頭部外傷や揺さぶられ症候群、分娩時の新生児の頭部圧迫、スポーツにおける頭部への強い衝撃も原因となりうる。こうした頭部外傷によって脳表動脈や架橋静脈が破綻して発症するケースが多いが、脳動脈瘤の破裂によって発症する非外傷性ASDHもある。
硬膜とクモ膜の間に急速に形成された血腫が脳を圧迫し、受傷直後より意識障害を呈することが多い。頭蓋内圧の亢進に伴い、悪心・嘔吐、除脳硬直(中脳や橋の障害に起因する四肢の伸展・屈曲や体幹の反張などの異常肢位)、瞳孔不同・散大、クッシング症候群(徐脈や高血圧)が生じる場合もある。
頭部外傷や意識障害があり、頭部CTにて受傷部位と反対側に三日月型の高吸収域を認める場合はASDHが考えられる。血腫が大きく脳が強く圧迫されている場合には緊急に「開頭血腫除去術」を実施する。すなわち、頭蓋骨および硬膜を切開し、凝固した血腫を除去して止血する。抗凝固薬内服中の患者には拮抗薬の投与を考慮する。術後に脳浮腫(脳のむくみ)をきたすおそれがあるため、開頭手術の際に切開した頭蓋骨をあえて戻さない「外減圧術」や濃グリセリン注射が実施されることもある。
ニコニコ大百科に記事のあるASDHを発症した著名人の一覧。五十音順。
掲示板
8 ななしのよっしん
2024/03/09(土) 21:05:11 ID: WeSNOEODV7
鳥山先生の場合、少し前に「脳の手術云々」と知人に告げていたそうだから、先ず慢性硬膜下血腫の手術を受けていて
術後(退院後)の経過中に再出血(→重症の急性硬膜下血腫発症)が起きてしまった感じなのかなぁ?
9 ななしのよっしん
2024/03/14(木) 14:14:02 ID: OaqhQnmx00
10 ななしのよっしん
2024/03/14(木) 21:29:48 ID: WeSNOEODV7
>>9
失礼。髄膜腫だったみたいだね。すると元々腫瘍で脳が圧迫されていたところに更に血腫による圧迫が加わったせいで
ダメージがより大きかったって感じか。
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最終更新:2025/04/22(火) 10:00
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