怪奇大作戦 単語

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カイキダイサクセン

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 『怪奇大作戦』とは、TBS円谷プロダクション製作し、1968年9月から翌年3月までTBS系列で放送された特撮ドラマである。

概要

 『ウルトラQ』(’66)『ウルトラマン』(’66~67)をきっかけとして始まった「怪獣ブーム」だったが、68年に入ると徐々に沈静化し、変わって『ゲゲゲの鬼太郎』『妖怪人間ベム』『怪物くん』といった「妖怪・怪奇ブーム」が台頭し始めていた。そんな中で本作は『ウルトラセブン』の後番組として、それらのブームに追随すべく企画された。

 本作が他の作品と大きく違うのは、ただ単に数あまたの怪奇現特撮技術で描くだけではなく、怪奇現のような不可思議な犯罪に対し、科学研究所・SRIの面々が立ち向かい、相を暴くというSFドラマだという点である。さらに企画段階では「現代の怪奇」を”人間の心の中に潜む闇”と定義しており、『ウルトラセブン』同様(またはそれ以上)に視聴対年齢を上げたうえで、社会性を強めたより深いドラマを描こうという意図が見て取れる。

 とはいえこ定義はかなりハードルが高かったのか、その意図が全てのエピソードに反映されているとは言いがたい。しかし「現代の怪奇=心の闇」という点を上手くみ取り、かつ反映させた傑作エピソードも数多く存在する。某12話にも通じる原爆病の悲劇(5話)、最先端の科学とその犠牲(13話)、癒えない戦争の傷(15話)、そして40年も前に、行き場をくした老人の孤独(7話)や、何の理由も殺人(16話)を描くという製作サイドの先見の明は特筆に値する。また鬼才実相寺昭雄も「特撮もののなかで、自分なりのものを出せた」とっており、京都舞台にした23話と25話は実相寺イズム炸裂回として伝説化していると言ってよい。

第24話「狂鬼人間」について

 『ウルトラセブン』の12話同様、本作の24話もやはり現在では欠番扱いとなっている。


 続発する精異常者による殺人事件。ところがそれらの犯人は、刑法の規定から無罪になった後に数ヶで退院し、再び娑婆に戻ってきていた。ここに不審なを感じたSRIは、犯人言から「狂わせ屋」なる人物の存在を知る。SRIの牧は身分を隠し「狂わせ屋」との接触に成功。実はかつて精異常者によって一家を皆殺しにされた女性学者が、異常者が罪に問われない不条理さに怒り、社会復讐するために行っていたのだ……!


 この内容からも分かるとおり、今現在に置いて『怪奇大作戦』が再放送されたとしても、このエピソードはまずオンエアされることはない。ではあるが、80~90年代初頭までは当時のテレビの放送コードでは放映出来ないと断り書きされながらもビデオLDソフト化されており、かの12話と違って全く観られなかったわけではない。
むしろここ10数年の間に極度な自主規制が進んだ結果に加え、作中における精異常者に対する認識・言動にお世辞にも適切とは言えないものがあったため欠番扱いになったという流れが正しい。

しかしながら、表立った抗議活動を受けて欠番となった『セブン』12話と異なり実際のところ封印理由が明らかにされておらず、90年代に出されたこの回が収録されたLDソフトが「音不良」として発売当日に回収された事件もあったために様々な憶測を呼んだ。安藤健二著『封印作品』でこれが取り上げられ封印理由の調が行われた際も、当時の関係者からほとんど協が得られず、円谷プロ側からも圧があったことが記されている。

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最初のDVDが発売されてから時間が経過し、作品の人気中在庫僅少で一頃中古価格が高騰していたが、2012年9月に廉価版DVD-BOXが発売されたため気軽に視聴できるようになった。

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