恒星 単語

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恒星とは、宇宙空間水素からヘリウムに変換される核融合エネルギーによって自らく単体の体である。球状を成す体の中では最大級の大きさの体群である。他の恒星との見かけ上の位置が変化しないため「恒(つね)なる」即ち恒星と呼ばれる。

概要

恒星は宇宙を照らす数少ない体である。恒星があっても宇宙は暗いが、恒星がければもっと暗いのである。

恒星は上記のとおりそのほとんどが水素からヘリウムに変換される核融合によっていているが例外もある。例えば年老いた恒星はヘリウムから炭素酸素に変換される核融合いているし、白色と呼ばれるものは核融合が停止したが、核融合が行われていた頃の余熱でっている。

恒星は以下のような衡状態で安定している。

  1. 重力により恒星が収縮する。
  2. が上昇して核融合の進行が速まり、核融合エネルギーが増大する。
  3. 増大したエネルギーで物質が外側に押し出され圧が小さくなる。
  4. 核融合の進行が緩やかになり、外側に押しやるが低下する。
  5. 重力の大きさが外向きのに勝る。1に戻る。

以上の現を非常に速いスピードで繰り返しており、見かけ上の変化はくなる。簡潔に言うと重力核融合エネルギーによる外側へ向かうがつりあっている。これによって核融合の進行速度も自動的に調整されている。

恒星の寿命

恒星の寿命はその質量に依存する。質量はそのまま恒星の燃料であるから恒星の寿命は質量に例する。また、度は燃料の消費の速さなので寿命度に反例する。よって

(恒星の寿命)∝(恒星の質量)/(度)  ・・・①

また、HR図から恒星の度はその質量の45乗に例することが分かっているので

度)∝(恒星の質量)4~5  ・・・②

 ①②より

(恒星の寿命)∝(恒星の質量)/(恒星の質量)4~5=1/(恒星の質量)3~4

 つまり恒星の寿命はその質量の3~4乗に反比する。質量が大きいほど格段に寿命が短いことを示す。 

恒星の大きさ

恒星の大きさは太陽の半径を1として数値で表す場合が多い。度が大きいほど恒星は大きくなるが、同じ度なら表面温度が高い(い)ほど大きさは小さい。つまり、度、半径、表面温度は互いに関係がある。度と表面温度は観測によってわかるのでこの二つの数値が分かれば恒星の大きさがめられる。恒星の度とはすなわち全方位に放たれるの量であり、また温度とは放射エネルギーの密度とみなすことができる。具体的にはステファン・ボルツマンの法則より体から放射される全エネルギー体の温度の4乗に例するので

(単位面積あたりのの量)∝(表面温度4  ・・・①

また恒星の全エネルギーとは単位面積あたりのの量と恒星の表面積の積なので

度)=(単位面積あたりのの量)×(恒星の表面積)  ・・・②

恒星を球とみなせば恒星の表面積は半径の二乗に例するので

(恒星の表面積)∝(恒星の半径)2  ・・・③ 

 ①~より

度)∝(表面温度4×(恒星の半径)2   整理して

(恒星の半径)2∝(度)/(表面温度4

以上から恒星の大きさがめられる。

 光度と絶対等級

 恒星のエネルギーを表す指に太陽の明るさを基準とした”光”と、実視等級から派して生まれた”絶対等級”がある。絶対等級は10パーセク(約32光年)の距離に恒星を置いたときの等級である。太陽の絶対等級は4.83である。光と絶対等級はおおよそ互いに変換できる。
等級とは、5等級差で丁度100倍の度差がある(1等級で約2.512倍違う)と定義され、数値が小さいほど明るい。0以下は負の数を用いる。以上から太陽を基準とすると

度)=2.512^{4.83-(絶対等級)}

以上が絶対等級から度をめる式である(厳密ではない)。また

(絶対等級)=4.83-log2.512{(度)}

以上が度から絶対等級をめる式である(厳密ではない)。
例えばシリウスの絶対等級は1.47なので

2.5124.83-1.47=2.5123.36=22.08340177

よってシリウス度は太陽のおよそ22倍である。

恒星の分類

恒星はその質量と恒星になってから経過した時間でその性質はほとんど決定してしまう。他には自転周期が恒星の性質にを与えるファクターとなるが、恒星の種類を分類するほどのものではない。

原始星

誕生間もない恒星である。暗黒星が恒星の通過超新星で物質が密な部分と疎な部分ができる。密な部分は重力が周囲より大きくなるので周囲の物質を更に取り込む。中心部の圧が大きくなり高温になるとき始める(この時点ではまだ核融合は起こっていない)。しかし、降着円盤により恒星自体は見えない。赤外線で観測可。そして中心部の温度1000万度をえると核融合が開始されるのだが、この暗黒星が収縮し始めてから核融合が開始される直前までを原始と呼ぶ。具体的にはTタウ以前の状態にある体をす。
原始は表面温度が低いが、半径は大きいのでこの後の段階である系列より明るい。物質が収縮途中のまだフワフワな状態と思えば分かりやすい。

主系列星

HR図上の左上から右下にかけてに分布する恒星群の総称。太陽系列である。恒星の中では最も多い。赤色系列の一種である。系列は一般的に質量が小さいほど色がく暗く、質量が大きいほどく明るいという傾向がある。恒星として非常に安定しており、ほぼ全ての恒星は生涯のうちほとんどをこの状態ですごす。

赤色矮星

系列の中でも特に軽く、スペクトルタイプがK、Mの暗く小さい恒星をす。質量は太陽の8以上とされる(これより小さい質量だと軽水素核融合が起こらない)。そのため他の系列べて低温であり、暗くい色でいていることからその名がついた。質量は小さいものの、核融合水素の消費がきわめて緩やかであるため寿命が非常に長く、理論上は1兆年以上き続けるものもある。宇宙でも豊富に存在する恒星であり、現時点で寿命を迎えた赤色は存在していないと考えられている。
他の系列べて温度が低いため、水素の燃焼を終えた後はヘリウム核融合には至らず、そのままヘリウムを中心とした白色になると予想されている。現在宇宙年齢赤色寿命として想定されている年数より短いため、白色として観測された例はなく予想止まりとなっている。

赤色巨星

中心部の水素を使い果たした系列はやがてその安定を失い、大きく膨する。度は増すが、膨により中心部から離れた表面部分は温度が下がりくなる。そのためこの段階にある恒星を赤色という。膨しているために重力の束縛が弱い表面からは絶えず物質が放出されている。系列時の恒星からも恒星太陽で言えば太陽として常に物質が放出されているが、赤色時のそれは数万倍も多い質量が放出される。このとき放出された物質は、後の白色から発せられる紫外線に照らされることにより惑星となり、くようになる。
なお、赤色の段階のエネルギーヘリウム酸素核融合である。最終的には炭素まで核融合が進む。

超巨星

具体的な定義いが、質量が太陽の10倍以上のものをす。スペクトルタイプにより青色白色赤色がある。おそらく原始から系列を経ないで青色白色赤色というような進化をするものと思われる。最終的には超新星となり、質量に応じて中性子ブラックホールとなる。

中性子星

重力崩壊によって超新星爆発が起こった後に残るの核。大きさは直径20km程度。中性子太陽質量の2,3倍程度以上だと、超新星爆発後も重力崩壊は止まらずブラックホールになる。中性子重力崩壊時の爆縮により尋常ではない密度となっており、スプーン一杯分(5cc)で約10億tとなっている。分かりやすく言うと、地球重力2000000000000(2兆)倍。また、その密度と大きさによって、運動保存の法則により非常に高速に回転している。中性子の代表的な現としてパルサーがある。これは中性子に強い磁気があり、更に磁極が自転軸と一致していない場合、中性子の自転により電磁波灯台の様に回転するパルサーになる。中性子自体は発していないため、このパルサーによって発見される。回転周期は数ミリから数程度。非常に規則正しく回転しているため極めて発周期が安定しており、当初この中性子パルサーによる電波を発見したアントニーヒューイッシュとジョスリンベル自然とは思えず、地球外知的生命体による信号と誤解したほどであった。中性子の回転がほとんど止まると物質が降着しだし、そこから運動量を得て再び高速回転しだす場合もある。

ブラックホール

詳しくは ブラックホール の項参照。
超新星爆発の後、重力崩壊が止まらず極限に圧縮された体といわれている。強大な重力により間が捻じ曲げられるため、さえも閉じ込められる。さえも出られないのでブラックホールを直接観測することは不可能である。ブラックホールに吸い込まれる際の物質のX線などでしかブラックホール体を推測することしかできない。

ウォルフ・ライエ星

の中でも質量が40倍を越えるものはエネルギーが強すぎて非常に不安定である。世の物理は不安定から安定になろうとする傾向があるが、それは恒星も例外ではない。これほどの質量の恒星はなんとか安定した恒星になろうと、一定ごとに質量の大放出が行われる。そのときは超新星並の度まで増するものもある。その際は表面物質が吹き飛ばされ、内部がむき出しの状態になる。当然内部は表面より高温である。つまりこのような恒星はいつまでも表面が低温にならないので赤色にはなれないのである。このようなをウォルフ・ライエと呼ぶ。

白色矮星

質量が較的軽い太陽質量の8倍以下)は炭素の段階で核融合が終了する。すると恒星を取り巻いていた物質が一気に解放されて中心部分だけが残る。開放された物質は白色から放射される紫外線を吸収し、そのエネルギーで電離、惑星としてきだす。この白色の中心部分は地球程度の大きさでありながら、質量は太陽程度にある高密度の体である。核融合の余熱でいているだけなのでエネルギーはなく、やがては冷えてきもなくなり、最終的には黒色になる。代表的なものとしてはシリウスシリウスB)がこの白色であるほか、々の太陽核融合を終えた後はこの白色になると予想されている。余熱でいているとはいえ極めて高温であり、冷え切るのに数十億年はかかるとされている。
ちなみに冷えていく過程でスペクトルタイプが変化するので、常に白色とは限らない。
なお、恒星が連星をなしている場合、白色が近接する恒星のガス重力によって吸い上げることによって核融合に必要な原子が供給されるため、新爆発超新星爆発を起こすことがある。

黒色矮星

余熱でいていた白色が発しなくなった恒星の最後の状態の1つ。そもそも発していないので直接観測することは不可能であり、また白色が冷却して黒色になる十分な年数がたっていないと考えられているため、実際に確認された例はなく仮設止まりの存在である。

変光星

詳しくは 変光星 の項参照。

恒星の中で、々から見て明るさを変化させているものを変光星と総称している。

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